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■ポートレイト・オブ・ア・シティー〜フィリップ・スパーク作品集(CD-0359)ハイランド讃歌組曲を収録
■ハイランド讃歌/YBS(CD-0226)ハイランドの3楽章「フラワーデール」で聴けるピーター・ロバーツ(sop_cor)のプレイはまさに絶品!
■ハーモニー・ミュージック(CD-0041)ジュビリー・プレリュードを収録
■ヨーロピアン・ブラスバンド選手権1992(CD-0037)今も語り継がれる「鼻血ドラゴン」といえば、これのこと!
■グリニッジ・バンドスタンド(CD-0933)オリエント急行の決定版!
■ヴェネチアン・スペルズ(CD-0225)ダンス・ムーブメントを収録
■ニュー・ウインド・レパートリー2001(CD-0081)ハノーヴァーの祭典を収録
BP特集  
【特集】悩んだら、これを読め!

バンド指導者が選ぶ「2007年度・お薦め自由曲」vol.4

選曲:国塩哲紀
(東京オペラシティ文化財団プロデューサー)

 こんにちは。国塩哲紀(くにしお・てつき)と申します。
 中央大学吹奏楽部1985年度卒業で、現在は東京オペラシティ文化財団でプロデューサーとして働いています。

 さて、2007年のコンクール課題曲に合う自由曲を推薦しろという編集部からの依頼。さっそく、スコアと共に届いたCDをじっくり聴かせていただきました。

 なるほど、ひと夏これですか・・・。

 私の結論としては、今年の場合、課題曲とのマッチングなど考慮する必要はありません。お気に入りの曲を自由曲に選んで、課題曲でのストレスを思い切り発散するのが一番だと思います。やりたいと思えば《ナジム・アラビー》&《ベルキス》という荒業もアリではないでしょうか。だってアマチュアなんですから。変なこと気にするより、悔いのない青春を!

 というわけで、難しく考えるのをやめて、私も好きな曲を書かせていただくことにします。
 しかしそれだけでは無責任な上にとっちらかるので、いちおう「オリジナル曲」で「カットなしで演奏時間8分30秒以内」、そして「本気で勝ちに行く」(おいおい)という条件を設定してみました。

●交響曲第1番 より 第4楽章/ロバート・ジェイガー
 
Symphony for Band/Robert E.Jager

【楽譜】Volkwein Brothers
【演奏時間】約6分30秒

ドラマティックでロマンティックという、1960年代のジェイガーの美点が存分に発揮された傑作シンフォニー。その第4楽章は各パートにソリスティックな扱いが散りばめられたなかなかの難曲ですが、歓喜と疾走感にあふれた爽快なクライマックスは、吹奏楽をやっててよかったと思わせてくれます。そして、コンサートではぜひ交響曲全曲を演奏してください。第4楽章(終楽章)の意味がわかりますし、他の楽章の素晴らしさにも感激します。やればきっと思い出に残る曲。

【参考音源】
 ウインドオーケストラの交響曲2
  木村吉宏(指揮)大阪市音楽団(東芝EMI)

●パシフィック・セレブレーション組曲より「祈り」「パレード」
 /ロジャー・ニクソン
 
Pacific Celebration Suite / Roger Nixon

【楽譜】Neil A. Kjos Music Company 
【演奏時間】約8分

強靭なテクスチュアでバンドをドライヴするニクソンの代表作の一つ。I「パレード」、II「祈り」、III「ページェント」という3曲のうち、IとIIを逆の順番で演奏。これは作曲者自身も提案している方法で、スコアには両曲の接続用楽譜まで示しています。神秘的な「祈り」と強烈な「パレード」のコントラストは鮮やかで、祭の頂点で鳴り渡るブラスの雄叫びはめまいがするほど。また、3台のスネアドラム(高中低3種のピッチ)の同時使用はインパクトが強く、目立ちたがり屋の打楽器奏者が3人いるバンドには特におすすめです。

【参考音源】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0104/

●プレリュードとダンス/ポール・クレストン
 
Prelude and Dance/Paul Creston

【楽譜】
【演奏時間】約7分

重厚かつ華麗な作風で知られるクレストンの代表作の一つです。日本では、1964年に大阪市音楽団によって初演され、1970年に関西学院大学がコンクールの自由曲とし金賞を受賞してから広く知られるようになりました。ほぼすべての楽器に見せ場があり、特にユーフォニアムとサクソフォンは美味しいところがいっぱいです。バンドも指揮者もかなり高度な技量を必要としますが、演奏され続けるべき骨太な名曲。スコア見てるだけでも興奮します! なのに楽譜は絶版。君たちの楽譜庫に眠ってはいませんか!? 

【参考音源】情報求む

●ドラマティコ/フランシス・マクベス
 
Drammatico/William Francis Mcbeth

【楽譜】Southern Music
【演奏時間】約8分

有名な《マスク》の主要旋律を上下反転させた主題によります。それが手抜きかどうかは別として、タイトルどおり劇的な音楽ではあります。特に、大見得を切るような序奏は、似たような流行曲が並ぶ最近のコンクールでは、聴衆に「おおっ!?」と思わせる新鮮さがあると思います。ただし、そのまま惹きつけ続けることができるかどうかはバンドの実力次第です。体力自慢で仲間意識が強く、何でも濃いものが好きで、ちゃらちゃらした曲が嫌いな、男くさ〜いバンド向き。

【参考音源】
McBeth conducts McBeth Volume 1
/ Southern Music Company CDMAC1

●吹奏楽のためのカプリス[2005年改訂版]/保科 洋
 
Caprice for Band

【楽譜】保科音楽事務所 www.hoshina-music.com/ (レンタル)
【演奏時間】約7分

ヤマハ吹奏楽団浜松の委嘱で1974年に作曲された作品で、1974年度(昭和49年度)の笹川賞を受賞し、日本国民音楽振興財団から出版(後に絶版)。2005年改訂版は、中間部を短二度下げ演奏しやすくしたほか、オーケストレーションに手を加えたものです。
 保科氏の吹奏楽曲としては比較的初期にあたりますが、教会旋法、特徴的な付点リズム(モティーフ)によるダイナミズム、そして何より美しい旋律による抒情性といった、いわば保科イディオムのほとんどが盛り込まれた完成度の高い作品です。ほの暗くゾクゾクするような主題と中間部の切ないメロディーが、吹奏楽ファンの心をかき乱してくれます。
 兼田敏の《パッサカリア》と並ぶ、70年代日本を代表する名作の一つ。

【参考音源】情報求む

●アルメニアン・ダンス パートIIより「ロリの歌」
 /アルフレッド・リード
 
Armenian Dances, Part2 Lorva Horovel(Songs from Lori)/Alfred Reed

【楽譜】C.L. Barnhouse
【演奏時間】約8分

 出版の都合でパートI、パートIIとなっていますが、事実上4楽章のシンフォニー仕立てである《アルメニアン・ダンス》は、間違いなくリードの最高傑作です。華やかなメドレーで人気が高い「パートI」は、コンクールではどうしてもカットしなければなりません。その点この「ロリの歌」(終楽章)は、課題曲がマーチの年ならカットなしで演奏可能です。序奏付き三部形式というわかりやすい構造に加え、急速テンポの押せ押せリズムに乗ってひたすら血圧上昇白熱興奮していく舞曲の推進力と破壊力は、課題曲の退屈さを完全に吹き飛ばしてくれます。しかしそれだけに、ヤリたいだけの若者バンドでは暴発の危険性あり。攻めどころを心得た大人のバンドが演奏してこそカッコいい!

【参考音源】
フレデリック・フェネル(指揮)東京佼成ウインドオーケストラ 
東芝EMI TOCZ-9282

http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0335/
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0725/
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1010/
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0907/

http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0992/
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0894/
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0319/
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0744/
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cdi-0020/

●メラメック・ラプソディ/クロード・T・スミス
 
Meramec Rhapsody/Claude T. Smith

【出版】Wingert-Jones Publications
【演奏時間】演奏時間不明

20年ほど前、どこかの地区大会だか県大会だか(思い出せない!)で実際に耳にした曲。ホルンが活躍してなかなかカッコよかったという印象があります。でも、CDもなく、知っているという人にも出会わない。本人のHPですら情報がほとんどなく、おまけにスペルを間違えている始末。こうして記憶の穴が埋まらないまま今日に至っています。誰かちゃんと演奏してください!

【参考音源】情報求む!!!

●ノスタルジック・ラプソディ/藤掛廣幸
 Nostalgic Rhapsody / Hiroyuki Fujikake

【出版】日本国民音楽振興財団(絶版)
【演奏時間】約8分

1975年度(昭和50年度)の笹川賞を受賞し、日本国民音楽振興財団から出版。曲名の通り、どこか郷愁を誘うリズミックで魅力的な主題が、ファンファーレからコーダに至るまで、さまざまに変形・展開されていきます。藤掛氏の最初の吹奏楽曲(厳密に言えばこの曲の前身に《カプリチオ》という曲がありますが)で、土俗的なエネルギーと疾走感が爆発する力強い作品です。

 筆者は高校3年生の時(1980年)に自由曲として演奏しましたが、転調しながらこみ上げ盛り上がっていくその音楽に胸打たれ、今で言えば完全に「萌え〜」の状態になり(笑)、すっかり藤掛作品のファンになってしまいました。

 藤掛氏には《シャコンヌ》(1976/約5分)という美しく壮大な曲もあります。これは後にマンドリンオーケストラ用に改編され《グランド・シャコンヌ》(約10分)となり、さらに、最近それが再び吹奏楽用に編曲されたとのこと。

 藤掛氏の吹奏楽曲、リバイバルさせたいな。

【参考音源】情報求む!!!

というところで、誌面の都合によりここまで。
いやあ、自由曲って、選んでいる間が楽しいですよね(笑)。

ではみなさん、健康に気をつけて、今年のコンクールでのご健闘を祈っています。
中低音楽器と打楽器のみなさんは、
課題曲の練習は精神修養と思ってがんばってください。

(2007.04.20)


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