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BPセミナー/テューバ
text:澤 伸明(Tuba奏者)
VOL.1
2009年度全日本吹奏楽コンクール課題曲ワンポイントアドバイス

 

 はじめまして! このセミナーを担当します澤 伸明です。

  今回は、2009年度全日本吹奏楽コンクール課題曲のワンポイントアドバイスということで、藤代敏裕さん作曲の課題曲IVマーチ「青空と太陽」を題材に、マーチを演奏する上で重要なポイントを取り上げていきます。課題曲IIも含め、他のマーチを演奏する時にはもちろん、マーチ以外の曲を演奏するときにも参考になる演奏上のちょっとしたポイントですので、ぜひ皆さん読んでみてくださいね!

■〜冒頭〜

  曲の冒頭は、ホールの客席で聞いてくれるお客さん(コンクールの審査員も含む)に一番最初に与える印象になります。曲想に合わせて堂々と演奏しましょう。

  課題曲Wは、マーチらしい華やかな冒頭です。2小節目の全音符は、1小節目にあるTrpのB♭durのファンファーレからB♭の音程をイメージして、音の出だしに注意して安定した音で吹きましょう。
 f やアクセントがかいてありますが、体(特に、首・のど・肩)に力を入れないように注意しましょう。力を入れてしまうと豊かな響きのある音は出ませんよ。
  大きく強い音というよりは、他の金管楽器の土台になる太い音をイメージしてみましょう。音の最後は、他の金管楽器と同じタイミングで処理してください。長すぎても短すぎてもダメですよ。

  3・4小節目の8分音符は、音程をしっかり出しながら、力強く。音の形や長さは、ティンパニーが叩いている音をイメージして吹くといいです。

■〜前打ち(表打ち)〜

  マーチによくある4分音符や8分音符での前打ち。テンポキープ!とよく言われると思います。もちろん大切です。裏拍にも表拍と同じ音を入れて、メトロノームを使い、8分音符できざんで練習しましょう。
 この練習は、ただきざむ事が重要な事ではなく、元の楽譜に戻ったときに裏拍を感じながら演奏できるように心がけて下さいね。

  また、Tubaの動きが遅い(重い)とよく言われますよね? これは、音の立ちあがりがよくない、もしくは、音の形(長さ)がよくないという問題があると考えられます。

  まず、音の立ちあがりに関してですが、息の勢いだけで(もしくはタンギングだけで)立ちあがりを良くしようとしていませんか?
  音の立ちあがりを良くするには、息をフゥッと出すタイミングと、タンギングをするタイミングを完全に合わせることと、息とタンギングの強さのバランスに注意することが大切です。

  一度楽器を置いて、フゥッ、フゥッ、フゥッ、というように息だけを何度か出してください。

 この時に、目の前に火のついたろうそくが1本あって、その火を消すイメージでお腹からしっかり息を吹いてください。的を狙った息でないと、ろうそくの火は消えませんよ。

 次に、今吹いた息にタンギングをつけます。この時にさっきと同じ息が出なくなってしまったり、タンギングをする前に息がもれてしまう事がないように注意です。これがうまくいったら、同じように楽器を吹いてみましょう。音を出すからといって、今まで行ってきた事を忘れないように。

  次に、音の形(長さ)ですが、課題曲のコンサートマーチを吹く上では、基本的にストリング・ベースのピッチカートの音の形(音の出だし・余韻)をTubaでつくろうとイメージするのがいいかと思います(全ての音符がそれに当てはまるわけではない)。そのためには、まず音の立ちあがりを良く。次に、トゥン、トゥン、といったように少し余韻をつくる感じで音を処理していくとうまくいくと思います(決して"ゥ"の部分を頑張りすぎないように!)。

 マーチの前打ち(後打ちも同様であるが)は、テンポキープ以外にも大切な役割を担っています。それは、和音(コード進行)を決める大切な一部分であるという事です。

  HrnやTrbによく出てくる後打ちはそれぞれで3〜4パートに分かれており、和音を構成していることを理解し、その大切さに気づきやすいのです。しかしTubaは単音であるため、その役割を忘れがちです。しっかり音程を出しながら、曲の進行と同じにコードが変化していく事を楽しみながら演奏しましょう。

 これを行うには、ベースラインを声で歌って、ある1つの曲のメロディーであるかようにフレーズをしっかりつくっていくことが効果的だと思います(歌う時は、8分音符の前打ちを4分音符にし、フレーズ毎にスラーをつけると分かりやすいですよ)。

  マーチのベースラインを演奏する基本として、1拍目が強拍・2拍目が弱拍・3拍目が中強拍・4拍目が弱拍である、と言われた事があるかもしれませんが、常にそれが正しいわけではありません。フレーズの山に向かっていく時の4拍目は、次の小節のアフタクトと感じて少しだけ強めにするとか・・・ね。
 課題曲IVの場合は、特にBの4小節目(Eの4小節目)の4分音符は、副旋律を吹いているEuphやT.Saxと同じ動きになるので、それまでの8分音符とは音価を変えるだけではなく、少しメロディックに吹いてみましょう。

■〜練習記号C・H〜

  ちょっとしたメロディーが回ってきましたね。うれしいですよね!
  でも、絶対に力まないように!!
  息の量を増やして、少しタンギングを強くするだけで十分です。力めば力むほど、音はかたくなってホールでは響かないですよ。大きな音を出すのではなく、遠くまで飛ばすイメージを持ちましょう。

  付点のリズムがあまくなると、3連符のように聞こえてしまうので注意してください。また、16分音符をハッキリと!!(これは、練習記号 F も同様)

■最後に

  最後まで読んでくださってありがとうございます。
 曲についてというよりは、音の立ちあがりやイメージの話が多くなりましたが、Tubaを吹く上で大切な事は、まず全ての音を一発一発きれいに鳴らす事。

 曲の中で、音数は他パートに比べれば少ないです。その限られた中で、自分達がどういう演奏をしたいのかをお客さんに伝えるためには、どう演奏したいかをしっかりイメージし、それを音に表し、良い音でTubaを鳴らす。イメージを音で表現する事に支障を出さないために、一発の音をしっかり鳴らす地道な練習をしましょう。これは曲の練習よりも大切なことかもしれませんよ。

 曲に対して伴奏だからといってつまらなく感じていたら、聞いている人も楽しくはないです。ベースラインがしっかりフレーズを感じながら、“流れ”をつくることができたなら、メロディーも吹きやすくなり、お客さんも最初から最後まで楽しんでくれるでしょう。

 音楽は、イメージすることが大切です。

 イメージ一つで、音色も音の形も、フレーズの感じ方もガラッと変わります。
イメージするものが身近になければ、演奏会やCD等から生のいい音楽を聞いてください。必ず、演奏する上での材料が見つかるはずです。
良い音楽をしましょう!!

(2009.06.18)


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