吹奏楽マガジン バンドパワー 吹奏楽マガジン バンドパワー

VOL.8

 今回も「歌う」ということについてお話しましょう。

 現在、僕の大きな仕事は“教える”ということです。『なにを?』、勿論ユーフォなんですが、音大生が約30人、高校生が約10人、一般の方を入れると全部で50人くらいの生徒さんがいます。月一回のレッスンが普通のペース、他に週一、何と週二でレッスンという方もいらっしゃいます。レベルも様々で、プロ級のツワモノから、ユーフォをスタートさせたばかりの人までばらばらです。当然レッスンの内容も様々で、一人一人、得意技、問題点、全く違います。

 ただ、どのレベルの方にもお話することが一つあります。それは『歌うように吹いてください』とか、『いい声で歌ってみて。そう、その通り吹いてみて』みたいなことです。

 これはきっと、皆さんに当てはまる事、世界中のユーフォ吹きに当てはまる事です。いい声で歌っている時には、良いブレス、良い姿勢、良いソルフェージュ、そして良い音楽、つまり我々がイメージしたゴールが実現できている状態だといえます。

 この事は、体が硬くなったり、必要以上のアクションをする事もなく、理想的な奏法といえます。だから、どんな問題点もこれで解決します。(問題点や個人のレベルによって時間がかかる物もあります)

 問題は、「上手に歌う事」これに尽きます。今月は、一度ユーフォを置いて、大きな声でたっぷりとした響きをつくり、おおらかな表現で歌ってみてください。

 さて、今回の演奏。前回に引き続き高校生のエントリーです。アカペラでの演奏です。


【演奏9】佳奈さんの演奏
ドイルの哀歌 (ピーター・グレイアム)
(Peter Graham) Gramercy Music

<佳奈さんのプロフィール>
【演奏者セミナー名】佳奈さん
【職業】高校生
【年齢】16才
【ユーフォニアム歴】8ヶ月
【使用楽器】YEP−842S
【マウスピース】

【演奏を聴いて/木村先生のアドバイス】

 安定感のある演奏。音域による音色のムラも殆ど感じません。また、発音が揃っていていいですね。全体が、やや固め、堅牢なつくりになっていますが、大きな崩れをいささかも感じない好演です。曲中の、カデンテァも良くこなしました。

 その他、いくつか気付いた所を少し書いておきましょう。

 今回のセミナーの前半部にも少し書きましたが、“歌う”ことをやってみて欲しいと思います。テンポの変化、音量の変化、音色のコントロールなど、曲想を豊かにするアイテムは色々あります。ヴィヴラートもその一つですね。

 ただ、これらのことも、心と体が柔軟でないといけません。リラックスした状態でおおらかに歌うイメージ、それをしっかりと持ってください。自分の体を大きく見せるような感じでもいいですよ。

 さあ、これで声に出して、今回演奏を聴かせてくれた“ラメント”(ドイルの哀歌)を歌ってみましょう。“RA”か“LA”の発音で、ララララーと息が良く流れる言葉で歌うと更に良いと思います。出来れば、地声でなくオペラ歌手のような響きがたくさんある声を目指してください。歌いながら肩をまわす、、、なんて運動を入れてみるのもOK。

 しばらく、こんな事をやったあと、ユーフォを吹いてみてください。“歌ったとき”と同じようにね。

 小さなことですが、音色の硬さ、発音の重さが課題だと感じました。一度歌ってみると、如何でしたか? スムーズになりましたか? 息が流れ始めましたか?大きな違いが感じられなければ、もう一度、大きくいい声で歌ってください。どんどん上手になるはずです。


 健全な精神は健全な肉体に宿る。という言葉があります。楽器も同じ。健全な体からいい音がでます。

 でも、健全な身体ってどんな状態?

 楽器を吹く場合、それは“大きくいい声が出ている時の状態”と思ってください。そして“いい気分”である事。これも大切です。好きな曲をやってる時は、気分いいでしょ?あれって、ホント大事ですよね。これからも“いい気分”の演奏ドンドン送ってください。待っています。



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・ユーフォニアム演奏歴 or 年数
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・CD-R
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【4】演奏は、伴奏つきでも、無伴奏でも結構です。

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(2008.04.15)


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講師:木村寛仁
(きむら ひろまさ/ Hiromasa Kimura) Euphonium

1963年、兵庫県川西市生まれ。ユーフォニアムを的場由季、三浦徹、室内楽を森下治郎の各氏に師事。大阪芸術大学演奏学科(ユーフォニアム専攻)を、グランプリを得て卒業。その後、米国、Dr.ブライアン・ボーマンの許で研鑚を積む。日本管打コンクール入選(1989)、世界ユーフォニアムテューバカンファレンス独奏コンクール第2位受賞(1990)などの栄誉にも浴し、在阪各オーケストラをはじめ、大阪市音楽団、東京佼成ウィンドオーケストラなどの客演奏者を務める傍ら、自身が主宰する大阪小バス倶楽部、ジャパンブラスコレクションのメンバーとして活動。ブリーズ・ブラス・バンドでは、1990年の発足時より10年間ソロ・ユーフォニアム奏者を務め、同バンドの欧州公演では、ソリストとして各地で好評を得た。日本管打コンクール(ユーフォニアム部門)ほか、各種音楽コンクールの審査員をつとめる。大阪音楽大学専任講師をへて、2007年、同大学准教授に就任。(使用楽器 : BESSON, BE2052-2)


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