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VOL.7

 僕が、ユーフォ二アムを始めたのは、中学校入学と同時に吹奏楽部に入部したことがきっかけでした。人気のあるトランペットやサックスは既に担当する新入生が決まっていて、「もう“バリトン”しか残ってないわ」と言う顧問の先生の一言で、今に至っています。“バリトン”とは当時のユーフォをこう呼ぶことが多かったんです。さてこの先生、何時も合奏で注意するのは「はい、もっと歌って、歌って」..... こればっかり。当時の僕とすれば、なんとなく感覚ではわかったような気になっていましたが、実際は????

 「歌うってどうするの?」

 その時以来、「歌う」事は「音色の追求」と共に僕の人生最大のテーマとなっています。
 
  さて、歌うとは、どういうことでしょうか?

 今のところ、僕が思うに、“歌う”こととは「表現」する事だと思っています。伝達といっても言いと思います。「なにを?」そう、これが問題。自分の思い(感性、感覚)を当然伝えるのですが、ひとりよがりな物ではダメですよね。そうならないためにルールがあります。マニュアルといってもいいし、使用説明書でもいい。要するにそこをきちんと踏まえる事(これが「楽譜」です)。このルールの中で自分がどう感じたか、そこを第三者に伝える事こそ、歌う事だと思います。

 では具体的なところを3点。

【1】フレーズのサイズを見つける。

 多くの場合4または8小節。自分のブレスが続く所まで・・ではありません。

【2】音量の設定

 いくつかのフレーズがまとまって出来ているのが曲。それぞれのフレーズにmp、mf、f、なんか の音量を設定してみます。起承転結・・・出来るといいですね。

【3】各フレーズのピークを探す。作る。

 このことが最も基本、重要です。大方の場合、フレーズの真ん中になります。

 最初は、感覚的なところから捜す、作るという気分でやってみてください。

 ちなみに、今回演奏を聴かせていただいた「ケルトの夢」なら、フレーズは4小節、ピークは3小節目の一拍目になります(アウフタクトは数えません)。ただ、8小節のフレーズ、ピークは5小節目の頭とも取れます。どちらでも正解といえると思います。

 さて、前置きが少し長くなりましたが、今回の演奏は、前回に引き続き、高校生のエントリーです。


【演奏8】かおりさんの演奏
ケルトの夢 (ピーター・グレイアム)
(Peter Graham) Gramercy Music

<かおりさんのプロフィール>
【演奏者セミナー名】かおりさん
【職業】高校生
【年齢】16才
【ユーフォニアム歴】約4年
【使用楽器】ウィルソン
【マウスピース】

【演奏を聴いて/木村先生のアドバイス】

 基本に忠実な、素直なサウンド。清潔な、そして安定感のある演奏に仕上がりました。音色のムラ、ピッチの揺らぎなど殆ど感じませんでした。前述のフレイズ感・・・いいですね。歌ってますね。実はこの『ケルト〜』、ホント難しいんです。何がかっていうと、しなやかにレガートで演奏したい曲なのに、スラーがかかっていない! これってホント大変なんです。いわゆるレガートタンギングを使う場面なんですが、これが難しい。舌の動きが遅いと後膨れをサウンドになるし、ピッチも安定しない。また、一つ一つずつタンギングするので、各音の音量バランスを取るのがとても大変なんです。

 かおりさんはうまくこなしました。音の出だしは均一で、大きなフレーズの中でも音量バランスがきっちりはまりました。この辺が安定感につながりましたね。

 では、その他に気付いたところを少々。

 まず、音色。やや硬質で変化に乏しい印象がありました。かおりさんほど安定した奏者ならば、今後ヴィヴラートに挑戦してみてはどうですか?音楽をますます豊かにしてくれるアイテムであるだけでなく、音色に余裕を与えてくれます。フレーズを大きく聞かせる事にも繋がりますよね。この曲ならば、まず16分音符のタイミングでかけてみましょう。

 もう一点。これは小さなことですが、付点音符や二分音符がやや伸びてしまいます。8分音符や16分音符に比べ、長い音符には中身を感じることが必要ですね、8分音符が4つ感じられる2分音符とか言うようにネ。細かい単位の音符の意識を持ってください。


 前回に引き続き、高校生のエントリー。さわやかにすがすがしい演奏でした。やっぱりユーフォは音色と歌・・これにつきますね。皆さんの演奏を聞かせていただくと、こんな思いをまた新たにします。

 「歌う」ことについては、今後折を見てまたお話しますね。

 では、またのエントリーお待ちしています。



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(2008.04.15)


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講師:木村寛仁
(きむら ひろまさ/ Hiromasa Kimura) Euphonium

1963年、兵庫県川西市生まれ。ユーフォニアムを的場由季、三浦徹、室内楽を森下治郎の各氏に師事。大阪芸術大学演奏学科(ユーフォニアム専攻)を、グランプリを得て卒業。その後、米国、Dr.ブライアン・ボーマンの許で研鑚を積む。日本管打コンクール入選(1989)、世界ユーフォニアムテューバカンファレンス独奏コンクール第2位受賞(1990)などの栄誉にも浴し、在阪各オーケストラをはじめ、大阪市音楽団、東京佼成ウィンドオーケストラなどの客演奏者を務める傍ら、自身が主宰する大阪小バス倶楽部、ジャパンブラスコレクションのメンバーとして活動。ブリーズ・ブラス・バンドでは、1990年の発足時より10年間ソロ・ユーフォニアム奏者を務め、同バンドの欧州公演では、ソリストとして各地で好評を得た。日本管打コンクール(ユーフォニアム部門)ほか、各種音楽コンクールの審査員をつとめる。大阪音楽大学専任講師をへて、2007年、同大学准教授に就任。(使用楽器 : BESSON, BE2052-2)


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