◎鳴り止まぬ拍手・・・聴衆の反応の良さ、暖かさに感心!
クラリネット奏者で著名な吹奏楽指導者でもある稲垣征夫氏率いる、長野市民吹奏楽団(以下長野市吹)が4回目のウィーン演奏旅行を行いました。
今回、私テューバ奏者の佐野日出男がソリストとして同行しましたので、レポートをしたいと思います。
長野市吹は1996年1999年、2003年、と今まで三回ウィーン演奏会をコンチェルトハウスで行ってきましたが、(凄いですね)今回もコンチェルトハウス、モーツアルトザールで行われました。私も初めて演奏するホールでしたが、素晴らしい響きで、さすがヨーロッパ、ウィーンの有名ホールという感じです。
さて一行は2月17日にオーストリア航空ウィーン直行便にてウィーン到着、12時間の旅でした。機体はウィーンフィルのロゴ、楽器などがペイントされていてウィーンに行くんだぞ!という気持ちが高まりますね。(音楽関係者だけ?)到着してその夜はお約束のホイリゲ(ウィーン名物ワイン居酒屋)でとりあえず大宴会!(長野市吹は実は宴会大好きな団体なのです。)
18日はリハーサル。19日は午後からリハ、そして夜はいよいよ本番です。会場はほぼ満員、音楽の本場ウィーンでの演奏、いやが上にも緊張感が増してきます。演奏会自体のレポートは、元N響のクラリネット奏者、芸大の客員教授として知られるウィーン在住のロルフ・アイヒラー教授から頂いたレポートでお送りします。
ウィーンコンツェルトハウスのモーツァルトザールで、2007年2月19日に長野市民吹奏楽団の演奏会があった。コンサートマスターのM.山田氏をはじめ、約50人のメンバーからなるアンサンブルが稲垣征夫氏のよく練られた指揮で、すでに第一曲目からほぼ満員の聴衆の心を奪った。
最初は、オーストリアとフランスの作曲家、シュトラウス、オッフェンバック(両作曲家の作品は団員でもあるT.深沢氏の優れた編曲で仕上げられていた)、ワルトトイフェルの作品。オッフェンバックの”美しきエレーヌ”では、コンサートトレーナーの下里氏が、美しいオーボエの音を聞かせてくれた。
第一部の最後を飾ったのは、R. ヴィルヘルムのテューバ・コンチェルトだ。高度のテクニックを要するソロのパートをH.佐野氏は、熟練の域に達した技巧で披露してくれた。
第二部は、ガラッと変わってウィーンの作曲家K.シュミット氏のマーチ”情熱と輝きをもって”を自ら指揮し始まった。Y.滝沢氏による美しい音色のユーフォニウムのソロ、G.ハリソン作曲の”サムシング”。再びT.深沢氏の編曲でシュトラウスのポルカ、”百発百中”。続いて”マイフェアレディー・セレクション”。
最後にL.アンダーソンの紙やすりを楽器として使った独創的な”サンドペーパー
バレエ”と有名な日本のメロディーからなる”ジャパニーズチューン”。これらの曲目では、打楽器奏者の高度な演奏能力がうかがえた。また、雅楽の曲では即、笙が脳裏にうかんだ。
アンコールは、オランダの作曲家W.ラセロムスの”マーマレード・フォー クラリネット”。この曲ではB♭クラの合奏が見事に輝いた。次の”ラデツキー行進曲”では、指揮者稲垣征夫氏の技量をみせてもらった。聴衆にも手拍子を取らせ、しかも「p」と「f」の二種類の手拍子。それを聴衆が一瞬のうちに反応した。
聴衆の感激は止むところを知らず、3曲目のアンコールとなった。
このコンサートは、演奏家にも聴衆にも素晴らしい思い出になるだろう。
(レポート:ロルフ・アイヒラー)
私自身も演奏して感じたことですが、聴衆の反応の良さ、暖かさに感心しました。
私のソロの時にもコンチェルトが終わりアンコールに応えてモンティの「チャルダッシュ」を演奏したのですが、何回もステージに呼び戻され感激しました。ところがそれどころでは無かったのです。
私は最後のアンコール2曲に加わったのですが、2曲めのお約束「ラデッキー行進曲」は聴衆も一体となって手拍子で大盛り上がり! 予定の2曲が終わり稲垣氏も何回かステージに呼び戻され、そろそろ団員もステージをはけようとすると、なんと聴衆が次第に立ち上がりはじめ、いつの間にかほとんどの聴衆がスタンディングオベーションという状況になってしまったのです。仕方なく予定外の3曲目のアンコールという事になり、プログラムの一曲をもう一度演奏してやっと演奏会を終えることになりました。
これには稲垣氏はじめ団員一同大感激で、道路を挟んだ向かいのビヤーホールで行われた打ち上げもいやが上にも盛り上がりました。(またです)
私自身もウィーンは初めてだったので、期待も不安もあったのですが、素晴らしい体験になりました。私の30年近い演奏活動でもスタンディングオベーションの経験は数えるほどしかありませんから。
さて、仕事の関係であわただしく翌日に帰国するメンバー以外は24日の帰国まで、ゆっくりとウィーン観光、食事、お酒を楽しんだのはいうまでもありません。(私も含め)
(2007.04.05) |