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ヴィヴィッド・ブラス・トーキョウ
第8回公演
日時:2004年6月4日(金) 19:00開演
会場:太田区民ホールアプリコ
レポート:H・S
ブラス・バンドが持つ様々な側面を
一晩で楽しめた素晴らしいコンサートであった


ヴィヴィッド・ブラス・トーキョウの第8回公演が指揮にフィリップ・スパーク、コルネットのロジャー・ウェブスターというブラス・バンド界の巨匠2人を迎えて開催された。

 

プログラムも、スパークの自作指揮ばかりでなく、エルガー・ハワース、ゴフ・リチャーズ、ピーター・グレイアムというブラス・バンド界の大作曲家の曲が取り入れられ、スパークの指揮者としての才能もいかんなく発揮された。

 また、曲と曲との間の司会進行は、すべて指揮台の横に準備したマイクを持ったスパーク自身が解説のスピーチを行ない、このサービス精神の旺盛なところにも驚かされた。(もちろん英語であったが・・・。「早口」のスパークの英語解説は、100%理解するのは難しかったが、木幡一誠氏による充実した日本語解説がパンフレットに記載させており、非常によい鑑賞のガイドとなった)。

 第1部は、オープニングにふさわしくファンファーレで開演、そして2曲目には、早くもコルネットの巨匠ロジャー・ウェブスターが登場。全3楽章からなる協奏曲を素晴らしい音色・テクニックで熱演。大きな喝采をあびた。

 3曲目にはスパーク作曲の「バイキング」が登場。スパークのブラス・バンド作品では人気曲の多くに吹奏楽バージョンが存在するが、「バイキング」には吹奏楽バージョンが存在しないため、他のスパーク作品と比べると日本での知名度はやや低い部類に入るかもしれない。しかし、全員がミュートを付けた弱奏から徐々に盛り上がり、豪快なサウンドと勇壮なメロディーのフィナーレへと進む金管バンドの魅力満載の傑作。ヴィヴィッドのメンバーもさすがに若手中心のプロ集団だけあってパワー全開の快演でこの大曲を見事に演奏していた。

 休憩の後の第2部は、速いテンポのマーチ・スタイルの曲「スリップストリーム」で開演。第1部と比較して、親しみやすい構成のプログラムとなっていた。
 2曲目の「トランペット・ブルース・アンド・カンタービレでは、再びロジャー・ウェブスターが登場、バンドのコルネット・セクションのメンバーと共にステージ最前列に整列し、客席正面に向かって素晴らしい「速吹き」を披露したかとおもえば、3曲目ではユーフォニアムの荒木玉緒のソロで、ゆっくりしたバラード、さらに4曲目ではバンド全員が次々とソロをとりながらのディズニーの名曲メドレーと、メリハリのきいたステージが楽しめた。

 最後の曲、「ゲール・フォース」は、曲の中間部に(吹奏楽バージョンでは)フリューゲルホルンの大ソロのある曲。なのにその場面が来ても奏者が楽器を構えない! フリューゲルでなく首席コルネットが吹くのかと思ったら、こちらも楽器を下ろしたまま・・・。
 すると曲中に静かにステージ・サイドの扉が開き、またしてもロジャー・ウェブスターが登場、足音を忍ばせてコルネット・セクションの後ろのスペースに立ち、見事なソロを披露。会場全体は大きな感動に包まれた。

 本場イギリスで「ブラス・バンド」というジャンルが持つ「コンクールを競い、芸術性を追求する」側面と、一般市民に愛される「ポピュラー・バンド」的な側面の両方の魅力を一晩で楽しめた素晴らしいコンサートであった。

 


〜プログラム〜
◎ヴィクトリー・ファンファーレ(フィリップ・スパーク)
◎コルネット協奏曲(エルガー・ハワース)
 コルネット・ソロ:ロジャー・ウェブスター
◎バイキング(フィリップ・スパーク)

◎スリップストリーム(フィリップ・スパーク)
◎トランペット・ブルース アンド カンタービレ(H.ジェームス&J.マティアス)
◎ソング・フォー・アイナ(フィリップ・スパーク)
 ユーフォニアムソロ 荒木玉緒
◎ディズニー・スペクタキュラー(ゴフ・リチャーズ)
◎ゲール・フォース(ピーター・グレイアム)

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