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【レポート】

「日本吹奏楽発祥 142年記念演奏会」

日時:2011年10月10日(月・祝日)
会場:本牧山 妙香寺
レポート:小野寺エリー(BP特派員)

★吹奏楽の歴史を学び、様々な年齢の音楽ファンと一緒に新旧の音楽を楽しむ・・・
 こんな演奏会、なかなかないかも?

 皆さんは吹奏楽の発祥をご存知でしょうか?

 文久2年、神奈川県横浜市鶴見区生麦付近において、薩摩藩主の父・島津久光の行列に乱入した騎馬のイギリス人を、供回りの藩士が殺傷事件を起こした。尊王攘夷運動の高まりの中、この事件の処理は大きな政治問題となり、そのもつれから文久3年、薩英戦争が起こった。

 これを契機に薩摩藩とイギリス軍の交流が生まれ革新することになった。明治2年鹿児島湾に停泊中のイギリス海軍軍楽隊の演奏に魅了された薩摩藩当主は「洋式化」をイギリスに要請し英国陸軍軍楽隊長だったジョン・ウィリアム・フェントン氏の指導を仰ぐため薩摩藩士約30名(薩摩藩洋楽伝習生)を横浜に派遣し、明治2年妙香寺において合奏練習を始めたと言われております。

 この吹奏楽の歴史が始まって142年。「日本吹奏楽発祥の地」顕彰碑が建立されて23回目の演奏会が開催された。

 今年のゲスト・バンドは吉川勇児指揮、大西学園中学校・高等学校吹奏楽部と内堀豊指揮、海上自衛隊横須賀音楽隊。

 第1部は大西学園中学校・高等学校吹奏楽部の演奏で、学生らしいハツラツとした演奏でサンバやジャズのナンバーをはじめ、美空ひばりのヒット曲や日本唱歌と幅広いジャンルで楽しませてくれた。第1部最後には吹奏楽ポップスで大ヒットの「宝島」を演奏。元気いっぱいの演奏が会場に笑顔をもたらせてくれた。

▲大西学園中学校・高等学校吹奏楽部

 第2部は海上自衛隊横須賀音楽隊の演奏。海上自衛隊音楽隊の真っ白い伝統ある衣装で登場。まず始めにジョン・ウィリアム・フェントンが作曲した「君が代」を披露。この「君が代」は歌詞は同じだが、皆なじみのあるものとは違い、優しいメロディーで描かれている。しかしこの「君が代」は歌詞と洋風のメロディーに違和感があると言われ、明治13年に今の曲に改訂された。なかなか聴けない初代「君が代」を聴けるのはこの機会だけではないだろうか? 
他には唱歌を中心に演奏され、「里の秋」では三宅由佳莉のヴォーカルが心に染みわたる歌声で昔を懐かしんだお年寄りも一緒に口ずさんでいた。演奏会アンコールには行進曲「軍艦」が演奏され客席から大喝采だった。

▲海上自衛隊横須賀音楽隊

 1部と2部の間には元海上自衛隊東京音楽隊長・谷村政次郎氏が吹奏楽の歴史や軍楽隊の発祥話を分かりやすく解説し、歴史を学ぶこともできた。演奏会場は寺内ながらも心地よい響きがサウンドをクリアに聴こえさせてくれていた。

 この行事は毎年行われているので(入場無料)、秋に吹奏楽を学び歴史を感じたい方は、ぜひ、来年紅葉をみながら足を運んでほしい。


【プログラム】

■第1部
〜吉川勇児指揮、大西学園中学校・高等学校吹奏楽部

・サンバ・デ・アイーダ:真島俊夫編曲
・サウンド・オブ・ミュージック:岩井直溥編曲
・おぼろ月夜:岡野貞一
・砂山:中山晋平
・スターダスト / カーマイケル:作曲
・愛燦々:小椋 桂
・川の流れのように:三岳 章
・宝島:真島俊夫編曲

■第2部
〜海上自衛隊横須賀音楽隊

・「君が代」:J.W.フェントン
・記念碑建立記念行進曲「先人を仰ぎて」:藤田玄播
・うみ〜唱歌によるファンタジー〜:伊藤康英
・里の秋:海沼実:作曲
・赤とんぼ:山田耕筰
・初恋:越谷達之助
・上を向いて歩こう:中村八大
・坂本冬美メドレー:星出尚志編曲
・吹奏楽のための抒情的「祭」:伊藤康英

【本牧山 妙香寺 アクセス】
JR根岸線「山手」駅から徒歩15分
〒231-0811神奈川県横浜市中区妙香寺台八番地


■小野寺エリー
元・海自音楽隊、打楽器奏者。軍事・吹奏楽・クラシック・ライターとして活動中。

【エリーのblog】
http://ameblo.jp/erichannel-222/

(2011.10.18)

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