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【レポート】

陸上自衛隊中央音楽隊
東日本大震災復興祈念演奏会

日時:5月22日(日)14:00〜
会場:東京・すみだトリフォニーホール

★がんばろう!ニッポン〜吹奏楽の力〜

「東京スカイツリー」がバッチリ見える所に位置するすみだトリフォニーホールで陸上自衛隊中央音楽隊〜東日本大震災復興祈念演奏会が開催された。

 本来ならば「創隊60周年」のためのコンサートで、創隊記念のための委嘱作品も初演される予定だった。しかし2011年3月11日。誰もが"想定外"であった『東日本大震災』が起き、多くの尊い命が奪われた。そんな中、災害復興支援のため、国の平和と安全を守る組織「自衛隊」が、遺体捜索のためのがれき除去作業、橋・道路の整備作業、炊き出し、入浴支援、そして精神面を癒す音楽演奏活動(慰問演奏)等を行っている。これらの支援活動で慰問演奏を行っているのが音楽隊である。すでに陸・海・空自衛隊合わせて300回以上行われているそうだ。

 今回は演奏会の題名と演奏内容を変更し復興祈念演奏会となった。演奏会場ではパンフレットと一緒に「折り紙」が配られた。来場者に「鶴」を折ってもらい、被災地へ届けるそうだ。

 まず始めに黙祷「国の鎮め」全員で黙とう。続いて国歌「君が代」が演奏され、被災者への追悼を行った。

 第1部オープニングはE.エルガー「アダージョ"エニグマ変奏曲"より」でスタート。この曲冒頭は、繊細かつ深い人間愛を感じるようなハーモニックで構成されている。静かで何だか聴き入ってしまうようなサウンドで「弦楽器?」と思うような緊張感のあるアンサンブルがなんとも絶妙だった。

 そして今回の目玉でもあるクラリネット・ソロ2等陸曹・山岡 美鈴のG.ロッシーニ「序奏、主題と変奏」。パンフレットの解説によると"第133回定期演奏会のソリスト・オーディション"により選ばれたそうだ。山岡2等陸曹のクラリネット・ソロは芯のある女性らしい豊かな表現力で聴衆を魅了した。演奏終了後、観客の拍手とともに隊員たちの笑顔で見送られ舞台を後にした。

 第2部は今回の演奏会ラストに相応しいJ.ヴァンデルロースト「いにしえの時から」。吹奏楽ファンならご存知、ヴァンデルロースト渾身の作品だ。どのセクションも技術と感情のコントロールを要する曲になっている。「ポリフォニー」形式が現代版としてふんだんに入っているため奏者には難関であるが、聴衆としてはそのイレギュラー差が興奮や人間模様(ハート)を自然と描くことができる作品となっている。演奏の方も、さすが日本を代表するミリタリーバンド陸上自衛隊中央音楽隊、見事な「団体美」で聴衆を圧倒させた。

 アンコールには古関裕而「オリンピック・マーチ」も演奏された。昔を思い出し、涙を見せる人、笑顔で演奏を楽しんでいる人が散見された。
演奏会に来ていた埼玉県の高校グループに感想を聞いたら、「今回が2回目ですが隊員の演奏と凛とした姿がカッコよかった」と、大満足の様子。

 老若男女問わず、誰もが「がんばろう!ニッポン」という気持ちになれた…そんな、勇気と活力を与えてくれる素晴らしい演奏会だった。

(レポート:小野寺エリー/BP特派員)

【今回の演奏曲で紹介した曲】

○E.エルガー「アダージョ"エニグマ変奏曲"より」
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1539/

○G.ロッシーニ「序奏、主題と変奏」
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1644/

○J.ヴァンデルロースト「いにしえの時から」
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-2222/

○古関裕而オリンピックマーチ
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-2014/


■小野寺エリー
元・海自音楽隊、打楽器奏者。軍事・吹奏楽・クラシック・ライターとして活動中。

【エリーのblog】
http://ameblo.jp/erichannel-222/

(2011.05.26)


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