吹奏楽マガジン バンドパワー 吹奏楽マガジン バンドパワー

【レポート】

《ザ・プロフェッショナル》
2大交響曲を集め、
ブラボーが飛び交った大阪市音楽団第100回定期演奏会!

Text: 樋口幸弘 (ウィンド・ナビゲーター)


 2010年6月12日(土)、大阪のクラシック音楽の殿堂、ザ・シンフォニーホールにおいて、大阪市音楽団第100回定期演奏会が開催された。

 《祝! 100回記念 〜吹奏楽ルネサンス〜 2大交響曲 秋山和慶と市音の祝演》とのサブ・タイトルがつけられたこのコンサートは、ヨハン・デメイの交響曲第1番「指輪物語」、ジェイムズ・バーンズの交響曲第3番と、ウィンド・ミュージックの2大オリジナル交響曲だけをとりあげるという、‘とうとうやってしまった’見事なまでの潔さが光る!

 ベートーヴェンやチャイコフスキー、ベルリオーズではない!

 デメイとバーンズなのだ!

 いかにも、ウィンドの世界をリードする一方の雄、大阪市音楽団ならではのプログラミングだが、実はこの2曲は、デメイの「指輪」は日本初演(1992年)を、バーンズの第3番に至っては世界初演(1996年)を、この同じホールで市音が行ない、その名を広く世界に知らしめることになった“記憶に残る名作”だった。

 筆者としても日本デビューまで苦楽を共にした2曲だっただけに、今回、1人の聴衆として、その再演を初演と同じホールで聴くことができる幸せを、心の底から満喫しながらのライヴ鑑賞となった。

 コンサートは、まず平松大阪市長がステージに登場! 心にひびくメッセージを聴衆に語りかけたのにつづいて、アルフレッド・リードのファンファーレつき、大栗 裕編曲の「大阪市歌」を市長自らが指揮をするという粋な演出に、場内は一気に華やいだ祝宴ムードに。

 入れ替わってステージに登場したマエストロ、秋山和慶指揮による本プロの聴き応えたっぷりの演奏は、この両交響曲が、初演から15年、20年近くの時の経過をへて、今やもう、クラシックと同じ領域に一歩足を踏み入れたような深い音楽的感動をもたらしてくれた。

 それにしても、ほぼギッシリ埋めつくされた場内から伝わってくる、このアツさは一体何なんだろうか。40分を超えんとする両大曲が終わるたびに、堰を切ったような「ブラボー」の連呼! 市民から支えられる楽団の晴れ姿がそこにあった。

 気がつけば、ホールの各所に陣取ったTVカメラが、指揮者を、バンドをなめるように追っている。よくよく見ると、カメラには、おなじみのN○Kのロゴマークが!

 思えば、1992年の「指輪物語」初演をFM用音声収録するために、東京から中継車を運んできてもらってから、早や18年! 同じ曲を収録するために今度はTVクルーがやってきた!

 そして、ファンの期待に呼応する大熱演!

 あるときは、デメイ「指輪物語」第1楽章に現れる魔法使いガンダルフと名馬シャドーファクスのように“力強く颯爽と”、あるときはバーンズ第3楽章の亡き娘へのオルゴールのように“切々と語りかけるように”、市音は多くの音楽ファンの夢をのせ、今後もすばらしい音楽を響かせ続けてくれることだろう!

 ブラボー、大阪市音楽団。

 そして、おめでとう、大阪市音楽団。

■大阪市音楽団第100回定期演奏会プログラム(指揮:秋山和慶)

・交響曲第1番「指輪物語」 (ヨハン・デメイ)

・交響曲第3番(作品89) (ジェイムズ・バーンズ)

(C)2010、樋口幸弘 / Yukihiro Higuchi


◎デメイ:交響曲第1番「指輪物語」のCDをチェックする

■交響曲第1番「指輪物語」アムステルダム・ウインド・オーケストラ
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0015/

■Tボーン・コンチェルト、交響曲第1番「指輪物語」
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0095/

■交響曲第1番「指輪物語」オーケストラ盤
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-2058/

■ヨハン・デメイ:交響曲第1番「指輪物語」管弦楽版(日本初演)
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0671/

◎バーンズ:交響曲第3番のCDをチェックする

■ニュー・ウインド・レパートリー1997
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0084/

■バーンズ 交響曲第3番
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0620/

   

■大阪市音楽団のCDを「BPショップで」チェックする
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/c/0000000843/

(2010.06.14)

吹奏楽マガジン バンドパワー
吹奏楽マガジン バンドパワー
吹奏楽マガジン バンドパワー
 
 
 
 
 
 
 
 
 
jasrac番号吹奏楽マガジン バンドパワー