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【レコーディング・ニュース】

酒井 格の傑作『月明かりと渦潮』が、
名門“オランダ王国海軍バンド”によってCDレコーディング!

Text: 樋口幸弘(ウィンド・ナビゲーター)


 大阪市音楽団の自主制作CD「ニュー・ウィンド・レパートリー2010」に吉田行地指揮で収録されて注目を集め、早くも“傑作”の呼び声高い、酒井 格の『月明かりと渦潮』が、今度は世界最高峰のバンドの1つとして名声を欲しいままにしているオランダ王国海軍バンド(De marinierskapel der Koninklijke marine)によってCDレコーディングされた。

 オランダ王国の至宝として、誰もがあこがれるこのバンドは、かつてメジャー・レーベル Philips の専属バンドとして活躍し、吹奏楽団としてレコード販売数世界一に輝くスーパー・ミリタリー・バンドだ。

 LP時代に録音されたアルフレッド・リードの『アルメニアン・ダンス・パートT』やジョン・バーンズ・チャンスの『朝鮮民謡の主題による変奏曲』、大栗 裕の『吹奏楽のための小狂詩曲』、CD時代のフィリップ・スパークの『ドラゴンの年』やアルフレッド・リードの『ロシアのクリスマス音楽』、ジョン・バーンズ・チャンスの『交響曲第2番』、フローラン・シュミットの『ディオニソスの祭り』などは、原盤がすべて廃盤となったため、今も捜し求める人が世界中にいて、圧倒的に音のいいオリジナル盤がオークション市場などに出たりすると、アッという間にものすごい高値がつく人気ぶりだ!

 それだけに、バンドとしての演奏レパートリー、とくに録音曲のセレクトはひじょうに厳格で、世界中の音楽出版社がいくら録音を依頼しても、彼らが音楽的に納得がいかない楽曲はゼッタイ録音しないという、ある意味、業界泣かせのバンドとしても知られている。

 依頼さえあれば、アニメでもポップスでも何でも録ってしまう、どこやらの国のバンドとは明らかに一線を画す、とても誇り高いバンドなのだ。

 いつも騒々しい日本にいるとあまりピンとこないかも知れないが、そのCD録音曲に、酒井の『月明かりと渦潮』が選択されたというのは、実はとんでもない事件ということになる。

 『月明かりと渦潮』のセッションは、2010年4月21日(水)の午前10時から行なわれた。

 作曲者によると、この作品の楽譜については、大阪市音楽団による録音が決まった後、ある出版社から“レンタル譜”としてリリースしたいと強力なお誘いがあったそうだ。しかし、作品を委嘱したソニー吹奏楽団の希望もあって、オランダのデハスケから出版されたことで、誰でも何度でも演奏できるレパートリーとなった。

 そして、世界的な名声を誇るオランダ王国海軍バンドによるCDレコーディングの実現。これは、この作品が世界的レパートリーになることを意味する。

 オランダ側の配慮でこの録音のファースト・エディットを聴く機会を得たが、木管群の芳醇なブレンド感、金管の輝きなど、さすが世界第一級のバンドというイメージで、演奏解釈もとても音楽的だ。録音も間違いなくファースト・クラス!

 リリースは、2010年秋を予定しているとの話だが、このCDは本当に期待していてほしい。

 日本のウィンド・ミュージックは、今まさに世界に向けて新しい窓を開こうとしている!

 ヨーロッパでも注目を浴びる、こんなすばらしい作品を世に送り出した作曲者に、心からおめでとう、と言いたい!

【酒井 格】
1970年3月24日、大阪府枚方市に生まれる。大阪音楽大学に学び、1996年に同大学院作曲専攻修了。作曲を千原英喜と田中邦彦、ピアノを前田則子と青井 彰、フルートを中務晴之の各氏に師事。大阪音楽大学附属音楽学院や京田辺市のそよかぜ幼稚園に勤務。各種イベントの作・編曲を担当したり、ピアニストとしても演奏活動を行っている。1988年作曲の『たなばた』で大きくブレーク。オランダのデ・ハスケ(de haske)社をはじめ、出版各社から数多くの作品が出版されている。


◎酒井 格作曲「月明かりと渦潮」の楽譜をチェックする

■「月明かりと渦潮」(作品93)(楽譜セット)


http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8932/

◎酒井 格作曲「月明かりと渦潮」の収録されたCDをチェックする

■ニュー・ウィンド・レパートリー2010「ジャスパー」大阪市音楽団


http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-2056/

◎酒井 格の作品集CDをチェックする

■湖の畔で〜酒井 格作品集


http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-2038/

(2010.05.20)


(C)2010、樋口幸弘 / Yukihiro Higuchi

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