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【レポート】

ヴィヴィッド・ブラス・トーキョウ
第13回定期公演
Vivid Brass Tokyo

日時:2009年5月10日(日)
会場:府中の森芸術劇場どりーむホール
レポート:角 慎也(ビンゴウィンズ)



★それはまさに、「ファンタスティック・ブラスバンド」という言葉文字通り!の演奏会

 今日は待ちに待ったVIVID BRASS TOKYO(以下VBT)の定期公演。この日の為に広島県の尾道から来たのであるが、私がはるばる東京までくるのには大きな出会いがあったからである。

 遡ること13年前。私が大学で東京に出て来たときに出会ったのが、VBT代表の荒木玉緒氏である。右も左も分からない私に、ユーフォニアムの魅力とちょうどその時に結成されたVBTに巡り会わせてくれたことが、私をブラスバンドの世界にはまらせることになった。

 第一回の演奏会からVBTの快進撃とチャレンジをみてきたが、今回の演奏会もすごい!の一言であった。今回はフィリップ・スパークを招いてのオールスパーク特集。昔懐かしい曲から新曲まで揃えたプログラミングとなっていた。

 前半はメインに『バトルクリークの為の音楽』を持ってきた三曲。重厚なマーチで聴衆の心を掴んだ後は、VBT4人のプレイヤーをフィーチャーした『コンチェルト・グロッソ』。4人ともVBT結成当時からのメンバーであり、そこから生み出されるアンサンブルは、聴いていて幸福感に浸れるすばらしいものであった。前半の最後は『バトルクリークの為の音楽』。技術的にも体力的にも非常に難しい曲だと聞いていたが、VBTの演奏はそれを感じさせないくらいスケールの大きな作品となって仕上がっていたように思えた。このようなVBTのチャレンジ精神は昔から変わらない伝統となっていると感じる。

 そして興奮冷めやまぬまま後半に突入。最初は『オリエント急行』が軽快に疾走。もはやVBTの十八番と言ってもいい素晴らしい演奏であった。続いては、ユーフォニアム・ソロによる『ハーレクィン』。荒木氏の最初の音を聴いたときに思ったのだが、体中に電気が走るとはこういう時のためにあるに違いない。ホール全体を包み込む前半の哀愁をおびたバラードと、後半からの速さの極限の素晴らしい音楽に、今日一番の拍手がおこっていた。荒木氏とは13年の付き合いになるが、出会った時より現在のほうが上手くなっているというか、現在進行形で日々進化している点がいつも尊敬するところである。

 その次はラテンの開放的な音楽を奏でた後に、本日最後の曲である『祝典のための音楽』を演奏。吹奏楽でもやっているバンドが多いが、やはりオリジナルはブラスバンド。VBTがこの曲の魅力を存分に伝えてくれたのではないかと思う。

 最後に、今日の演奏会で印象に残ったことのひとつに、スパークが最後に言った「ファンタスティック・ブラスバンド」という言葉がある。文字通り、VBTはメンバーも魅力的な方ばかりだし、演奏によって聴衆を魅了させることの出来るバンドだなあと改めて実感した。もっと余韻に浸っていたかったが、尾道に帰る時間になってしまった。来年はVBTのどのようなチャレンジと進化がみられるか楽しみにして、帰路につくことにする。

▲「ハーレクィン」でソロを担当した荒木玉緒(左)とスパーク(右)

■ヴィヴィッド・ブラス・トーキョウ
http://www.vividbrass.jp/


【プログラム】

指揮&作曲:フィリップ・スパーク

<1部>

The Conqueror(2007)
コンクェラー

Concerto Grosso(1988)
コンチェルト・グロッソ
Solo:小島圭滋、小泉貴久、原進、牛上隆司

Music for Battle Creek(2007)
バトルクリークのための音楽

<2部>

Orient Express(1986)
オリエント急行

Harlequin(2006)
ハーレクィン
Solo:荒木玉緒

Fiesta de la Vida(2006)
フィェスタ・デ・ラ・ヴィダ

Music for a Festival(1985)
祝典のための音楽


(2009.05.23)



 
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