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【注目曲】

田中久美子 : 吹奏楽のための「虹」

〜 雨上がりの夏の夕方、
大空に咲いた大きな二重の虹にイマジネーションを得た、爽快感あふれる作品


樋口幸弘(ウィンド・ナビゲーター)

 2006年、フランスで開かれた“第1回ランベルサール国際吹奏楽作曲コンクール”のアルト・サクソフォン協奏曲部門で『セドナ』が第1位に輝いた田中久美子は、ウィンド・バンドのジャンルでも、すでに『海を渡る風』『青銅のイノシシ』『アンダルシア』などの作品がおなじみとなっている。

 そして、このほど、その大阪市音楽団の委嘱による新作『吹奏楽のための「虹」』がレコーディングされ、CD「ニュー・ウィンド・レパートリー2008」(大阪市教育振興公社、OMSB-2814)に収録。楽譜も、フランスで出版されることとなった。

 フランス語で“虹”を意味するL'arc-en-ciel(ラルク・アン・シエル)を欧題にもつこの作品は、前記CDの収録レパートリーとして2007年春に委嘱され、同8月末に完成。その後、非公開の団内試奏(指揮: 吉田行地)をへて、2008年2月18日、京都府・八幡市文化センター大ホールで秋山和慶の指揮で収録された。

 聴衆を前にした世界初演は、同じく4月27日、大阪国際交流センターにおける「大阪市音楽団 吹奏楽フェスタ2008」(2日目)のオリジナル・コンサート(指揮: 小松一彦)となる。

 曲は、単一楽章、演奏時間およそ7分20秒の作品で、溌剌としたマーチ風のイントロに始まる。主部は急〜緩〜急の構成で、音楽全篇にわたるキラキラ感、そして中間部でトランペット・ソロで導かれる美しい旋律は、聴くもののハートに強く印象に残る。

 ある夏の雨上がりの夕方に見た大きな二重の虹からイマジネーションを膨らませ、『人々の夢や希望が、虹の煌めきとともに、青空に無限大に広がっていきますように』との作曲者の思いが込められた、爽快感あふれるこの作品。

 演奏者にとっても、聴衆にとっても、またひとつ“元気になれる”愉しい曲が登場した!! 


【楽器編成】

Piccolo
Flutes (T、U)
Oboe
Bassoon
E♭ Clarinet
B♭ Clarinets (T、U、V)
E♭ Alto Clarinet
B♭ Bass Clarinet
E♭ Alto Saxophones (T、U)
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone
B♭ Trumpets (T、U、V)
Horns (T、U、V、W)
Trombones (T、U、V)
Euphonium
Tubas(div.)
String Bass
Timpani
Mallet Percussion(Xylophone、Glockenspiel)
Percussion(Snare Drum、Bass Drum、Clash Cymbals、Suspended Cymbal、Tambourine、Triangle)

【楽譜】

2008年、フランスRobert Martin


田中久美子 (たなか くみこ)

香川県高松市に生まれる。京都教育大学音楽科および京都市立芸術大学作曲専修卒業。池内友次郎、藤島昌壽の両氏に師事。1982〜83年、フランスのポワチエ夏季音楽大学にてミシェル・メルレ、エディット・ルジェの両氏に師事。作品発表は在学中より始め、神戸市や仙台市の主催コンサートや京都市委嘱による音楽を作曲。作品は、国内の出版社だけでなく、フランスやオランダで出版され、2006年には、フランスの第1回ランベルサール国際吹奏楽作曲コンクールのアルト・サクソフォン協奏曲部門で、『セドナ』が第1位受賞作に輝いた。相愛音楽大学、京都女子大学の各非常勤講師をへて、現在、大阪芸術大学非常勤講師をつとめている。

(2008.04.05)


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