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【注目曲】

広瀬勇人: アルカディア
〜 パラダイスへ行くことを夢見て旅に出た少年の夢や冒険を描いた作品

Text:樋口幸弘

『キャプテン・マルコ』でブレーク。その後にヴァンデルローストに師事し、『ブレーメンの音楽隊』『アメリカン・オーヴァーチャー』『バベルの塔』など、数々のヒット作品を作り出している広瀬勇人(ひろせ はやと)の新作が、2008年春に出版される。

 大阪市音楽団の委嘱で、自主企画CD「ニュー・ウィンド・レパートリー2008」(大阪市教育振興公社、OMSB-2814)に録音のための新作として作曲された『アルカディア』がそれだ。 

 この作品は、「パラダイス(アルカディア)へ行くことを夢見た少年が、長い旅に出て、道中さまざまな困難に出会いながらも、それに立ち向かい、ついには夢にまで見た地にたどりつく」という、作曲者の自由な着想から生まれたもので、堂々としたファンファーレに始まり、急〜緩〜急の主部と、ファンファーレが再現される終結部からなる。旋律ラインもとても親しみやすく、その自由闊達なストーリー展開は、演奏者だけでなく、聴衆の多くの共感を得ることになるだろう。

 また、グレード3程度の作品としいう委嘱時の条件から、インストゥルメンテーションには特殊な楽器を含まず、厚めのオーケストレーションを使って書かれていることから、大編成のバンドでなくても、作曲者の意図を損なうことなく効果的な演奏ができるのが大きな特徴。バンドごとに実情の異なるスクール・バンドにもピッタリの作品だ。

 作品委嘱は、2007年の春で、同年8月末に完成。2008年2月17日、京都府八幡市文化センター大ホールで行われた前記CD「ニュー・ウィンド・レパートリー2008」のセッション初日、秋山和慶指揮、大阪市音楽団の演奏でレコーディングされた。

 聴衆を前に行われる世界初演は、2008年4月26日、大阪国際交流センター大ホールで催される「大阪市音楽団 吹奏楽フェスタ2008」(1日目)のオリジナル・コンサートで、指揮は小松一彦。

 これまでの広瀬作品ファンだけでなく、広く日本中のバンドに演奏されたい魅力的な新作が、ここにまたひとつ登場した!!


【編成】
Piccolo
Flutes (T、U)
Oboe
Bassoon
E♭ Clarinet
B♭ Clarinets (T、U、V)
E♭ Alto Clarinet
B♭ Bass Clarinet
E♭ Alto Saxophones (T、U)
B♭ Tenor Saxophone
E♭ Baritone Saxophone
B♭ Trumpets (T、U、V)
Horns (T、U、V、W)
Trombones (T、U、V)
Euphoniums (div.)
Tuba (div.)
String Bass
Timpani
Mallet Percussion (Xylophone、Glockenspiel)
Percussion (Snare Drum、Tom-Tom<4>、Clash Cymbals、Suspended Cymbal、
Hi-Hat Cymbal、Tam-Tam、Bongo、Conga、Triangle)

【楽譜】

2008年、オランダde haske


■広瀬勇人(ひろせ はやと)

1974年12月4日、東京に生まれる。東京ミュージック&メディアアーツ尚美を首席卒業後、米マサチューセッツ州のボストン音楽院に進学し、優秀賞を受賞し卒業。さらに、ベルギーのレマンス音楽院大学院にて研鑽を積み、同音楽院作曲科および指揮科で修士号を取得した。作曲をヤン・ヴァンデルロースト、ピート・スウェルツ、アンディ・ヴォース、松平頼暁の各氏に師事。日本現代音楽協会作曲新人賞入選、ニューイングランド学生作曲コンクール第1位、21世紀の吹奏楽「響宴」入選。数多くの委嘱作品を手掛け、現在、東京ミュージック&メディアアーツ尚美専任講師、洗足学園音楽大学非常勤講師をつとめている。

(2008.03.31)


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