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2007年 吹奏楽界10大ニュース

text:富樫鉄火(音楽ライター)+BP編集部

 いよいよ2007年も終わりです。この1年の吹奏楽界の話題から、大きなニュースとなったものを10本、選んでみました。

 ただ、私たちもすべての情報を把握しているわけではありません。あくまで私たちが接した中から選びました。また、どうしても情報が東京中心になってしまいます。それらをご承知おきください。特に順位は付けず、順不同です。

 また、中には、私たちが制作・販売等に関与した事項も含まれていますが、あくまで客観的に選出したつもりですのでご理解ください。

 2008年が、皆様に、そして吹奏楽界にとってよき年であることを、心から願っています。

■コンクール全国大会の話題
〜“鈴木・天野”旋風/須川展也が「指揮者」で金賞 ほか

  今年のコンクール全国大会、相変わらず作曲家・鈴木英史によるスコアの人気はすさまじく、全部門で(作曲作品も含めて)7団体が演奏。特に中学の部では、編曲スコアを5団体が取り上げ、そのうち4団体が金賞を受賞する人気ぶりだった(支部大会以下まで数えたら、いったい、どれだけ演奏されたことか!)。

  同じく天野正道のスコアも大人気で、特に一般の部では、作編曲あわせて3団体が取り上げ、すべてが金賞を受賞した。
 また、東京佼成ウインドオーケストラのコンサートマスターで、人気サクソフォーン奏者・須川展也が、ヤマハ吹奏楽団の「指揮者」としてコンクール職場の部に登場。見事、全国大会で金賞を受賞した。
一般の部では、佐藤正人、福本信太郎、佐川聖二の3氏が2団体ずつを指揮。佐藤正人がダブル金賞を受賞した(ほかの2氏は、各々金賞と銀賞)。佐川聖二は永年指揮者表彰を受けた。

■「吹楽」が10年ぶりに復活
  プロ・アマのバンドが集い、日本で生まれた吹奏楽作品を演奏するコンサート「吹楽」が10年ぶりに復活し、3月24日、サントリーホールで開催された。前年(2006年)に開催された、第1回東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクールで最上位入賞した、バーナビー・ホーリントン作曲≪コン・ブリオ≫も演奏された。のちにライヴCD、DVDも発売された。

【CD】日本の吹奏楽の祭典〜吹楽IV
【DVD】吹楽IV〜日本の吹奏楽の祭典〜

■NHK-FMで、吹奏楽特集を12時間ナマ放送
  3月21日、NHK-FMで、「今日は一日吹奏楽三昧」と題し、12時間にわたる吹奏楽番組がナマ放送された。ゲストは佐渡裕、須川展也。司会は朝岡聡。中で、この番組のためにスタジオ録音された、東京フィルハーモニー交響楽団・管打楽器セクション(渡邊一正指揮)による「最近CD新録音の少ないオリジナル名曲集」も放送されたほか、NHKの倉庫から発見されたギャルド初来日公演(1961年)の録音も放送され、これらをあとで知ったファンたちの間でエア・チェックの探索合戦が始まった。

■ヨハン・デメイが来日、≪プラネット・アース≫を日本初演
  人気作曲家ヨハン・デメイが来日、6月8日、話題の新作、交響曲第3番≪プラネット・アース≫(吹奏楽版)が、作曲者自身の指揮する大阪市音楽団によって、本邦初演された。のちにライヴCDも発売された。

【CD】プラネット・アース<デメイ自作自演作品集>
   指揮:ヨハン・デメイ/大阪市音楽団

CD『オラフ王を称えて』大ヒット
  第1・第2組曲で知られるホルストの、吹奏楽(ミリタリー・バンド)のための全作品を収録したCD『オラフ王を称えて』(ノルウェー王国海軍バンド/SPECIALIST)が、輸入吹奏楽CDとして異例の大ヒットとなった。特に表題曲は世界初録音。

【CD】オラフ王を称えて〜ホルスト:ミリタリー・バンドのための全作品集
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■ギャルド、6年ぶりの来日公演
  11月、世界最高の軍楽隊として知られる、フランスのギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団が6年ぶりに来日。全国9ヶ所をツアーでまわった。オーケストラの弦楽器部分をクラリネット、サクソフォーンなどに置き換える独特の編成・編曲で、通常の吹奏楽とは違った華麗な響きに、多くの聴衆が魅了された。

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■「響宴」記念すべき第10回
  邦人オリジナル作品の開発・定着を目指して毎年開催されている「21世紀の吹奏楽/響宴」が、記念すべき第10回を迎え、3月18日、昼夜2部にわたって大々的に開催された。
  天野正道≪エレクトリック・ヴァイオリンとエレクトリック・ギターのための協奏曲≫、酒井格≪ちびクラと吹奏楽のためのちっちゃな協奏曲≫といったユニークな曲のほか、2006年暮れにフランス「クードヴァン国際交響吹奏楽作曲コンクール」でグランプリを受賞した、真島俊夫≪鳳凰が舞う≫なども演奏された。

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■なにわOW、東京へ“出前公演”
  関西のプロ管打楽器奏者を中心に結成されている「なにわオーケストラル・ウインズ」が、結成5年目を期して、5月5日、初めて東京への“出前公演”を行なった。指揮は丸谷明夫先生。そしてゲスト指揮者が鹿児島県立松陽高校の立石純也先生。いままでライヴCDで聴くしかなかった関西吹奏楽の響きや、丸谷先生による「課題曲実験コーナー」などを、東京の吹奏楽ファンも存分に楽しんだ。

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【CD】なにわ<オーケストラル>ウィンズ 2007

■コンクール名曲名演の解説本、大ヒット
  10月に刊行された『一音入魂! 全日本吹奏楽コンクール 名曲・名演50』(河出書房新社)が、初のコンクール・ガイド本、また、吹奏楽名曲ガイド本として予想を上回る増刷ヒットをつづけ、第2弾の刊行も決定した。

【書籍】一音入魂! 全日本吹奏楽コンクール名曲・名演50

■CD『ブラバン! 甲子園』大ヒット
  高校野球の応援曲(ミュージックエイト社のスコア)を東京佼成ウインドオーケストラ(斉藤一郎指揮)が演奏したCD『ブラバン! 甲子園』が異例の大ヒット。クラシック部門で売れ行きトップを独走し、日本レコード大賞企画賞を受賞(同オーケストラは、前年=2006年12月30日の「レコード大賞発表」にもナマ出演した)。また、ライヴ・コンサートまでが開催され、CD化されたほか、近々、第2弾も発売される熱狂ぶり。

【CD】ブラバン!甲子園 実況録音盤!/東京佼成WO


【補】
  今年は、クラシックCD情報誌「レコード芸術」の新譜月評欄で、驚くほど多くの吹奏楽CDが取り上げられた。中には「特選」を受賞したCDもあった。数年前まで、「レコード芸術」の月評欄が吹奏楽CDを本格的に取り上げるなど、考えられなかった。
  これが、昨今の吹奏楽人気のあらわれなのか、あるいは、クラシックCDがバック・カタログばかりで、しかるべき新譜が少ないために吹奏楽CDに出番が回ってきたのか――それはわからない。ただ、何かが変わりつつあるのは、確かなことのように感じた。
<敬称略>

(2007.12.25)

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