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Text:富樫哲佳
私自身、九州の吹奏楽事情に詳しいわけではないのだが、いま話題のノンフィクション『息を聴け』http://www.rakuten.co.jp/bandpower/480445/740019/の著者・冨田篤氏が参加しているバンドだと聞いたので、何気なく調べてみたら、これがなかなかのバンドなので、簡単にご紹介しておく。
そのバンド「九州管楽合奏団」は、2004年暮れにスタートした、九州初のプロ吹奏楽団だ。ほとんどが九州出身者、もしくは九州でプロ活動をしている管打楽器奏者たちの集まりである。中心メンバーは、九州交響楽団のクラリネット奏者・水崎徹氏のようだ。
第1回定期演奏会は、2005年5月に福岡で開催された。指揮には、いま人気の下野竜也が招かれた。最近では、シエナ・ウインド・オーケストラなども振っていて吹奏楽には造詣が深い。大フィルを振った、ナクソスのCD『大栗裕作品集』(管弦楽曲集)をベストセラーに導いている。
その際の演奏曲目を見て「オッ」と唸った。ヒル≪セント・アンソニー・ヴァリエーション≫、ヴォーン=ウィリアムス≪イギリス民謡組曲≫、兼田敏≪パッサカリア≫、三善晃≪深層の祭り≫、ネリベル≪交響的断章≫、マクベス≪第七の封印≫……(ほかは、コンクール課題曲の模範演奏)。
いかがだろうか? 「古〜い」と感じたか、あるいは若い方々は「何、これ?」と感じたか……。
私は「潔い」と思った。
九州・博多周辺に、どれくらい吹奏楽コンサートのファンがいるのか、私はまったく知らない。しかし、このような吹奏楽曲の王道的オリジナル名曲だけでプログラムを組むバンドが、プロ・アマ問わず、いま、日本にどれだけあるだろうか。海外の新作や、人気ポップスなども組み合わせて(場合によっては、人気ソロイストをゲストに呼んで)、総花的な内容にしているバンドがほとんどだと思う。その点で、この九州管楽合奏団は、ある種、異色な存在なのかもしれない。だが、吹奏楽ならではの本格路線のみを堂々と行く路線は、実に潔いではないか(ポップス・コンサートは別途、それだけの内容で開催しているようだ)。
そして第2回の定期が、来る5月21日(日)午後2時、福岡シンフォニーホール(アクロス福岡)で開催される。
今度の曲目も、まことに潔い。クリフトン・ウィリアムズ≪ファンファーレとアレグロ≫、リード≪イン・メモリアム≫、C.T.スミス≪フェスティバル・ヴァリェーションズ≫、ジェイガー≪吹奏楽のための交響曲≫、そしてコンクール課題曲数曲。
第1回の成果がどんなだったのか私は知らないが、同様の王道名曲路線を貫いているところを見ると、それなりの評価を得たのであろう。これらは、確かに現代吹奏楽の古典ではあるが、いまの若い人たちに知っておいていただきたい(いや、知っていなければならない)名曲ばかりだ。
もし、福岡にお住まいで、このコンサートへ行かれる方がおられたら、ぜひ、レポートを送っていただきたい。今度の指揮は、金洪才。このあたりも、やはり王道を、潔く進んでいる感じがビンビン伝わってくるのである。
■九州管楽合奏団 http://www.m-m21.com/kyu-kan.htm
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