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歌劇「ばらの騎士」組曲
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キャンディード序曲
マーチ・マスターピース
ニーベルングの指輪
DISCOGRAPHY
2001年6月5日発売!
キャンディード序曲
"The President's Own"United States MARINE BAND

愛聴盤としても、演奏の参考としても貴重な1枚!
 解説=秋山紀夫(吹奏楽研究家)

 ワシントンにあるアメリカ海兵隊バンドは、アメリカで最も歴史のある吹奏楽団で、1798年に創設され、創立以来すでに200年以上活動を続けています。
 このCDはその海兵隊バンドの第25代指揮者ジョンR.ブージョワー大佐(1934年生まれ。1956年海兵隊入隊、1974年副隊長、1983年隊長に就任。1996年退任)が1993年5月にヴァージニア州ファリファックスのジョージ・メイソン大学芸術センターで録音したものです。
 1991年に「序曲集」をCD化しており、このCDはその第2集にあたります。
 内容としては、「軽騎兵序曲」のように最もよく知られた曲をはじめとして、日本でもよく演奏される「キャンディード序曲」「ウィンザーの陽気な女房たち」「レーモン序曲」など、ミュージカルや歌劇の序曲のほか、「ドン・パスクァーレ」「ルイザ・ミラー」「フラ・ディアヴォロ」など、吹奏楽ではあまり演奏されないイタリアやフランスの珍しい序曲も含まれています。
 さらに貴重なのは、フランス革命の時に初めて吹奏楽のためのオリジナルとして作曲された、カテル(1773〜1830年)の「序曲ハ調」やブラジルの作曲家ゴメス(1836〜1896年)の歌劇「グァラニー族」が含まれていることです。そうした意味から、この“序曲第2集”は第1集と並んで、アメリカ海兵隊バンドの重要なCDの1つです。
 演奏ももちろん素晴らしく、愛聴盤としても、演奏の参考としても貴重なCDで、ファンの大切なコレクションとなる1枚でしょう。

■収録曲
「試聴」の印のある曲は、 RealPlayer 8 Basic にて試聴ができます。
 古いバージョン他のメディアではファイルが開かない場合があります。ご注意ください!
・RealPlayer 8 Basic - は無料でダウンロードできます。
ダウンロードはこちら


演奏:アメリカ海兵隊バンド
ディレクター:ジョン R.ブージョワー大佐
   Colonel John R.Bourgeois, Director
試聴の音色は、原音に圧縮処理をおこなったもので、非常にレンジの狭いものとなっております。あらかじめご了承ください。

1. 喜歌劇「軽騎兵」序曲(フランツ・フォン・スッペ)
7:04 試聴

2. キャンディード序曲(レナード・バーンスタイン) 4:22 試聴

3. 歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲(オットー・ニコライ) 8:39

4.歌劇「ドン・パスクァーレ」序曲(ガエターノ・ドニゼッティ) 6:21 試聴

5. 序曲ハ調(シャルル=シモン・カテル) 7:18

6. 歌劇「ルイザ・ミラー」序曲(ジュゼッペ・ヴェルディ) 5:51

7.歌劇「レーモン」序曲(アンブロワーズ・トマ) 8:42 試聴

8.歌劇「フラ・ディアヴォロ」序曲(ダニエル=フランソワ・オーベール) 9:01

9.歌劇「グァラニー族」序曲(アントニオ・カルロス・ゴメス) 7:12


■曲解説
喜歌劇「軽騎兵」序曲 
Overture to Light Cavalry
フランツ・フォン・スッペ/trans.by チャールズ・ゴッドフリー
Franz von Suppe / trans.by Charles Godfrey

 スッペ(1819〜95)は19世紀にウィーンで活躍したベルギー系のオペレッタ作曲家で、有名な序曲が多いが、この曲はその中でも一番有名な曲。1866年ウィーンで初演されたオペレッタの序曲で、タイトルにどおりのわかりやすい内容の曲で、小学生の音楽鑑賞には欠かせないポピュラーな曲。この演奏ではイギリスのチャールズ・ゴッドフリーの編曲が使われています。
キャンディード序曲
Overture to Candide
レナード・バーンスタイン/trans.by クレアー・グランドマン
Leonard Bernstein / trans.by Clare Grundman

 アメリカの作曲家・指揮者として活躍したバーンスタイン(1918〜1990)は、「ウエスト・サイド・ストーリー」などのミュージカルを多く作曲していて、この曲は1956年にブロードウェイで初演されました。あまり物事を深く考えない楽天家キャンディードの物語で、2/2拍子の生き生きした主題に始まる序曲です。金管による第2主題もあり、中間部では大らかなメロディーも現われる3部形式の曲で、コーダを持っています。クレアー・グランドマンの編曲。
歌劇「ウィンザーの陽気な女房たち」序曲 
Overture to The Merry Wives of Windsor
オットー・ニコライ/trans.by ジョン・フィリップ・スーザ
Otto Nicolai / trans.by John Philip Sousa

 ニコライ(1810〜49)はドイツの作曲家で、イタリアで勉強し、ウィーン歌劇場の指揮者をつとめました。作品としては、この曲だけがよく知られており、1849年にベルリンで初演されました。
 序曲は自由な形式で静かに始められ、色々な旋律が出てくる変化に富んだ曲として単独でよく演奏されます。この曲は珍しくスーザが編曲した楽譜を使った演奏です。
歌劇「ドン・パスクァーレ」序曲
Overture to Don Pasquale
ガエターノ・ドニゼッティ/trans.by パスクァーレ・プルヴィレンティ
Gaetano Donizetti / trans.by Pasquale Pulvirenti

 ドニゼッティ(1797〜1848)は19世紀前半のイタリアの歌劇作曲家として多くの名作を残しています。この「ドン・パスクァーレ」は1843年にパリで初演されたオペラで、パスクァーレという金持ちの老人の甥と美しい未亡人の結婚を描いた喜劇です。
 短い序奏のあとユーフォニアムのソロで6/8拍子の有名なメロディーが歌われます。その後、軽快なメロディーとなって速さを増し、劇的な中間部に入ります。再び、音楽は軽さを取り戻して次第に高まり、軽快なメロディーが再現されてコーダに入って終ります。
 編曲はパスクァーレ・プルヴィレンティとなっていますが、誰かのペンネームのようです。
序曲ハ調 
Overture in C
シャルル=シモン・カテル/Edited.by リチャード・フランコ・ゴールドマン&ロジャー・スミス
Charles-Simon Catel / Edited.by Richard Franko Goldman & Roger Smith

 作曲者のカテル(1773〜1830)はフランス革命の時にパリ防衛軍に組織された軍楽隊の隊長ゴセック(1734〜1829)を助けて副隊長を務めた青年で、2人はこのバンドのために音楽史上初めてといえる、行進曲ではないまとまった吹奏楽曲を作曲しました。
 この序曲はカテルの傑作で、1792年に作曲された序奏を持つソナタ形式の作品で、モーツァルト風な味わいを持っています。序奏はハ短調で開始され、早い主部はハ長調で、ト長調の第2主題や副主題を持つ完全な形式です。
 リチャード・フランコ・ゴールドマンとロジャー・スミスの共同編曲による楽譜を使用しています。
歌劇「ルイザ・ミラー」序曲
Overture to Luisa Miller
ジュゼッペ・ヴェルディ/trans.by ウイリアム・プリュン
Giuseppe Verdi / trans.by William G.Pruyn

 ヴェルディが1849年にミラノで初演した歌劇の序曲で、チロル地方の老兵ミラーの娘ルイザの恋物語です。
 クラリネットのソロで何か期待をもたせるように始まり、すぐトゥッティとなります。そのあとクラリネットののどかなソロとなり、次第に厚みを増します。第1オーボエのソロやフルート、クラリネットとファゴットのかけあいが続き、激しいトゥッティも現われます。変化に富んだ印象的な序曲です。
 編曲はウイリアム・プリュンです。
歌劇「レーモン」序曲
Overture to Raymond
アンブロワーズ・トマ/trans.by V.F.サフラネック
Ambroise Thomas / trans.by V.F.Safranek

 フランスの作曲家トマ(1811〜96)は、フランス・ロマン派の作曲家として多くの歌劇を残しました。なかでも「ミニヨン」(1866年初演)が有名ですが、この「レーモン」は1851年に作られた曲で、“女王の秘密”というタイトルを持っています。
 この序曲の軽快な序奏に続く主題は、アメリカのポップス・ソング「ハッシャバイ」に流用されたことは有名です。後半は軽快に盛り上がります。サフラネックの編曲です。
歌劇「フラ・ディアヴォロ」序曲
Overture to Fra Diavolo
ダニエル=フランソワ・オーベール/trans.by L.P.ローレンドウ
Daniel-Francois Auber / trans.by L.P.Laurendeau

 オーベール(1782〜1871)はフランスの作曲家でオペレッタを多く作曲しました。1830年にパリで初演されたこの歌劇は、イタリアの盗賊の首領フラ・ディアボロの物語です。日本の浅草オペラでも上演されて有名でした。
 序曲は小太鼓の行進譜から始まり、木管が行進曲を奏し、それが消えていくと曲は不安げになり、テンポを速めトランペットのソロに導かれてトゥッティとなります。さらにもう1つの行進曲も現われ、盛り上がって終ります。編曲はローレンドウです。
歌劇「グァラニー族」序曲 
Overture to U Guarany
アントニオ・カルロス・ゴメス/trans.by ハーバート・クラーク
Antonio Carlos Gomes / trans.by Herbert L. Clarke

 ゴメス(1836〜96)はブラジルに生まれ、イタリアで勉強して2つの国でオペラを上演しました。このアマゾン・インディアンである「グァラニー族」をテーマとした歌劇は1870年にミラノのスカラで初演されています。
 印象的な短い序奏のあと、クラリネットとファゴットが奏でるゆっくりした主題が現われますが、また序奏のテーマが出て、テンポを変えて止まり、大らかなメロディーが続きます。やがて音楽は突然激しくなり、その頂点で1度止まり、フルートを中心とする美しいメロディーに変わり、再びテンポを速めて終ります。
 この演奏はスーザ吹奏楽団のためにハーバート・クラークが編曲した楽譜を使用しています。
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