Q:「カンタベリー・コラール」を指揮するのですが、いまいちしっくりきません。

Q:私は今度の定期演奏会でヴァンデルローストの「カンタベリー・コラール」を振るのですが、いまいちしっくりきません。
音楽大学に通う友人に指揮法の基礎的な部分を教えてもらったり自分でもいろいろ努力してみたのですがなかなかうまくいきません。
どうすればうまく音楽をコントロールできる指揮ができるようになりますか? なにかよいアドバイスがあれば教えて下さい。(学生)


まず、いろいろと自分なりに努力してからの質問であること、とても素晴らしく、そしてうれしいです。

 指揮者は奏者の前に立つ前に、楽曲を充分研究し、限られた時間で「テンポ、アインザッツ、ブレス、ピッチ、アーティキュレーション、フレーズ」など基礎的なことを統一していくことから始まり、次第にウエイトを「音楽」にしていかなければなりません。

 それでは、「カンタベリー・コラール」をまとめるにあたってのヒントやチェックポイントをお話しします。

1.音程
縦のラインごとのハーモニーと横ラインのメロディーの音程のチェック。
→トレーニング段階で指摘いく

2.バランス
落ち着いたハーモニーの響きの中で美しいメロディーを印象づけるバランスのチェック。

→メロディーパートの動きがある部分(四分音符や八分音符)を右手の流れの変化で印象づけて振る。

3.フレーズ
アプローチをていねいに、和音のフレーズ感を意識し、楽譜から読み取れる音楽の方向性に合ったcresc.(次の和音に向かっている)やdecresc.(フレーズを終え収束に向かっている)をつける。
→両手でフレーズの始まりを指示し、左手で和音のフレーズ感を意識したcresc.やdecresc.を身体と肘との距離感で出していく。右手(左手も添えることもある)でフレーズの終わりとブレスを指示して、次のフレーズにつなげる。

4.音楽
ダイナミックスやアーティキュレーションを的確にし、アゴーギグをつけ、美しく感情を込めた歌(表情)のある表現にする。
→曲全体のクライマックス(D-7小節目)を目指し、自身の胸の広がり感と腕の範囲などで、徐々に徐々に音楽をドライブさせ高揚感、緊張感を高めるよう表現する。
特にアウフタクトに注意して、前のフレーズと後のフレーズとのつながりを大切に右手の位置を考える。クライマックスからエンディングまでは緊張感を持続させた指揮で「静かに」「祈るように」お客様に曲の全てを捧げる思いで振っていく。(伸ばした持続音での音の方向性やリリースの丁寧さ、響きの残し方などを表す棒にする)

 指揮のニュアンスを文章で表現することは難しいですね。何となく伝わりましたかね。本当は実際に指揮をしているところを見せて頂いたり、私自身が直接バンドを振らせてもらい、その中からイメージやヒントを見つけてもらえると実践的でいいのですが・・・。皆さんの感情がお客様に伝えられることをお祈りします。

■カンタベリー・コラール
作曲:ヤン・ヴァンデルロースト
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8130/

回答:五十嵐 清

Q:私は非常勤講師で、中学の吹奏楽部で顧問をやっています。常勤の顧問の先生(音楽の担当ではない)と、なかなかよい人間関係がとれず悩んでいます

Q:私は非常勤講師で、中学の吹奏楽部で顧問をやっています。学校内には常勤の顧問の先生(音楽の担当ではない)や地域の愛好家のトレーナーさんもいらっしゃるのですが、なかなかよい人間関係ができません・・・。
昨年ははじめての指導だったのですが、常勤の先生とおりあえなかったり、生徒達も「トレーナーさんはこう言っている」と、言いたいことが通じなかったりというありさまです。
私が出られる練習日も限られています。ちょうど夏休みでもあり、来年のチーム編成も視野に入れてじっくり基礎練習をやりたい、簡単なマーチやポップスなどで秋の文化祭もたのしく、そして技術もアップさせて・・とは願っているのですが、ぜひご助言を頂きたいです。(非常勤)


大人のコミュニケーション不足で子供に影響を与えてはいけません。

 まず、どのようにバンドをしていきたいのか? 活動時間は? 練習方法は?などをきちんと話すことでしょう。

 複数の指導者が指導しても、時間をおいて指導しても、次の演奏会ではこのような演奏を目標としている…ということはっきりさせて下さい。
また、演奏会(本番)で指揮を振る先生が、最終的にはいろいろなニュアンスで複数の方がコメントしても、自信と責任をもって「こうする」と明確にして下さい。

 私は、団体に指揮者や先生がおられる、複数の団体に合奏指導にいっていますが、必ず奏者に「音楽は色々な観点、角度から作り上げていくのだが、目標は自分達の納得できる音楽をして、それをお客様に伝え、感動してもらうこと」
その為に「色々なアドバイスをしていくが、本番のステージ上で指揮をする先生の言われることが最終的な指示であることを常に認識していてください」とコメントしています。

 自信をもって生徒さんと一緒に音楽を創っていてください。

回答:五十嵐 清

Q:部員が11人と、あまりに小編成すぎて、練習法を工夫しても上達せず、部員一同悩んでいます。

Q:高校の吹奏楽部なんですが、部員が11人でパーカスがいないという状態です。中学からやっていた経験者もいるのですが、あまりに小編成すぎ、練習法を工夫しても上達せず、部員一同悩んでいます。どういう練習計画をたてればよいのか教えて下さい。
あと、部員が楽しくできる練習法も教えて下さい。(高校生)


吹奏楽の編成にかかわらず、アンサンブルは3人からできますし、打楽器も入っていない編成です。小編成だから、透明感溢れる濁りのない素晴らしい音楽が生まれます。

練習方法は、

1.ロングトーンで音づくり
2.呼吸法とブレスコントロールの確立と実施
3.ユニゾンによるチューニング
4.調性の統一、スケールでの音程つくり
5.4声(上述)での響きの確立とハーモニー

 を個人と合奏で追求してみてください。

また、楽曲の選曲や練習は

1.管楽アンサンブル(または木管、金管)の8~10重奏の楽譜をベースに移調や楽器を替えて演奏する。

2-1.ソプラノ、アルト、テノール、バスの4声部に今ある楽器を分ける。
2-2.ミュージックエイト版の楽譜を用意し、コンデンススコアからメロディーラインをつなげられるように、楽器割り当てを行なう 。
2-3.上段には木管のソプラノと一部アルトパート(Fl,Cl,ASxなど)、
中段には金管のソプラノとアルトと一部テノールパート(Tp、Hr、Tbなど)、
下段にはテノールとバスパート(木管低音、Tb、Ep、Tubなど)が記載されているので、 音域やハーモニーやリズムバ伴奏に振り分けて楽器を割振る。

3.ヤマハニューサウンズインブラスの小編成用の楽譜で演奏する。もし、ソロや難しいフレーズがある時は、ピアノ(またはキーボード)で生徒または先生が演奏する。

4.経験者の生徒をソリストにバンド伴奏で演奏する。

小編成だからできないのでなく、工夫次第で可能性はあります。
きっと上達しますよ。

回答:五十嵐 清

Q:ずっと気になっていたんですけが、ffやpppは自分の出せる最大、最小の音ではないですよね。では、何を基準にしてるのでしょうか?

 ちょっと難しい話をしますが、音の強さと大きさは違うもので、物理的に見た音のエネルギーの大小のことを「音の強さ」と言い、音波の振幅の高さ(幅)によって増減します。
そして、人間の耳がある音の刺激により生ずる、心理的に見た音の強さに関する感覚の強弱のことを音の大きさと言います。

 自分で出せる最大、最小の音はその人によって違ってきますが、「楽器音色」の範囲を逸脱した音はいくら大きな音が出ても、楽音ではないので音楽には使えません。

 楽譜にあるfやpは、作曲者のイメージとして「大きく、小さく」とメッセージを送っています。時代設定、曲想、編成などにより、「力をこめて」「広々と豊かに」「静かにやさしく」「美しく」など色々な形容詞がつくイメージで「音色・音量」を変えていかなければなりません。

 また、前のフレーズとの相対ですので、楽曲を研究しその時の一番相応しい音楽になることが基準と思います。ですから、その楽曲中にあるfが全て同じ音量で吹ことはしないようにしましょう。

Q:中学の吹奏楽部の顧問をやって2年目になります(本業はピアノ講師)。練習方法のポイントを教えてください。

Q:中学の吹奏楽部の顧問をやって2年目になります(本業はピアノ講師です)。今年のコンクール地区大会では20人小編成の指揮をし、銀賞をいただきましたが、来年は金賞をとらせてあげたい・・・と野望ももっています。しかし「ペットが弱い、打楽器のリズムがそろわない、メロディーにもっと表情を・・・」と審査されると、どのような練習方法がよいのか?と考えあぐねています。
生徒からは「打点がしっかりしていない、おそくなる」といわれたりで反省する事も多いです。アドバイス、お願いいたします。(非常勤)


銀賞おめでとうございます。

 生徒さんたちと一緒に音楽を創っていった過程での収穫がすべて「金賞」です。先生の「来年は金賞をとらせてあげたい」が一番大切な思いです。

 そのために実行することは、

 部員一人一人の基礎練習方法確立と実行。そして合奏における基礎を充実し響きのあるサウンド作りをすることです。

1.音楽をしようとする自分自身の気持ちとベストな体調の維持
2.楽器の調子を常によくする
3.息の通り道を確保できる「正しい姿勢」
4.息のスピードや量などをコントロールできる「呼吸法と息の支え」
5.楽器の特色(音色)を出せるアンブシュアー(構え)
を念頭において練習指導してください。

 具体的には、毎日の練習に入れる練習メニューとして
木管楽器は、ロングトーン、スケールとフィンガリング、タンギング。
金管楽器は、ロングトーン、リップスラー、タンギング、音域拡大。
打楽器は、一つ打ちを中心に、各種テンポ、音形やリズムを変化させる。

 こと行なってください。

 合奏基礎練習として、ユニゾンを揃える、低音楽器から重ねての響きと安定感だす。ハーモニーのバランスと響きを出すなどを中心に行なって下さい。

回答:五十嵐 清

吹奏楽、ブラスバンド、マーチングの情報マガジン