THE WIND WAVE待望の1stアルバム、遂に発売! その圧倒的なサウンドはビッグバンドと吹奏楽を縦横無尽に横断し、管楽器界の常識を一新する!

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 結成以来、常に管楽器シーンの常識を塗り替え続けているTHE WIND WAVE待望の1stアルバム。
ライブでの人気曲・定番曲から書き下ろし新曲まで収録した本作は、単なるレパートリーの記録ではなく、進化しつづけるTWWの現在を表現したもの。
そのグルーヴとアンサンブル、そしてアドリブパフォーマンスはジャズ~ラテンのマニアさえも納得させ、吹奏楽におけるポップスの新たな扉を開き導いている。必聴の1枚!

■ THE WIND WAVE公式サイト http://windwave.net/

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「ザ・ウインド・ウエイブI/ザ・ウインドウエイブ」
THE WIND WAVE I/THE WIND WAVE

【価格】¥2,500(税抜価格¥2,381)
【発売元】(有)蓮エンターテイメント 【品番】RWW01

【収録曲】

01.ラプソディ・イン・ブルー
(作曲:ジョージ・ガーシュイン 編曲:波田野直彦)
02.キャラバンの到着
(作曲:ミッシェル・ルグラン 編曲:木原 塁)
03.Serenata(セレナータ)
(作曲:ルロイ・アンダーソン 編曲:深野 緑)
04.鈴懸の径
(作曲:灰田有紀彦 編曲:谷口英治)
05.G線上のアリア
(作曲:J.S.バッハ 編曲:堀井正司/TWW)
06.Viento Caliente(熱風)
(作曲:モヒカーノ関 編曲:波田野直彦)
07.DO-Re-Mi
(作曲:リチャード・ロジャース 編曲:波田野直彦)
08.見上げてごらん夜の星を
(作曲:いずみたく 編曲:堀井正司)
09.スペイン
(作曲:チック・コリア 編曲:木原 塁/TWW)
10.月ヲ見テ君ヲ想フ
(作曲:狭間美帆)
11.ブギウギ・ビューグル・ボウイ
(作曲:H.プリンス/D.ライ 編曲:波田野直彦/TWW)

【演奏団体】THE WIND WAVE
【指揮・音楽監督】波田野直彦

【メンバー】

Flute:満島貴子、玉村三幸
Clarinet:谷口英治、木原亜土、大友幸太郎
Bass Clarinet:川村慎敬
Alto Sax:藤田明夫、西本康朗/Tenor Sax:森田修史/
Baritone Sax:松原孝政
Horn:鈴木克博、原田昌明
Trumpet:浦田雄揮、岡田恭一、林研一郎、牧原正洋、城谷雄策
Trombone:森上慶一、筒井弘之、桐生大輔
Bass Trombone:石井 弦/Euphonium:円能寺 博行/Tuba:野本和也
Electric Bass:吉岡大典/Drums:河崎真澄
Percussions:美座良彦、橋本淳平
Piano:モヒカーノ関

【録音】早稲田アバコスタジオ(2009年3月17日、18日

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日本人女性で始めて交響曲を作曲した金井喜久子の管楽作品集「沖縄の響き」が発売・・・レコーディング・レポート

レポート:南条日出男(音楽ライター)

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 日本人女性で初めて交響曲を作曲した沖縄出身の作曲家、金井喜久子の管楽作品集がついに登場。管楽器による沖縄作品集は初の快挙である。
金井喜久子(1906-86)は著書「ニライの歌」で沖縄音楽について”誇るべき美しい南国のメロディー”と書いている。この素晴らしい沖縄音楽を世界共通語である五線譜にのせることで、世界へ紹介しようと様々な作品を発表し続けた。その音楽は、沖縄の伝統・芸能・文化を基に発想され、いずれも親しみやすいメロディ・リズム・ハーモニーに溢れている。

「沖縄の響き」収録作品は、沖縄復帰祝典序曲《飛翔(はばたき)》、珍しいピアノと吹奏楽のための《沖縄ラプソディ》、誰もが知る沖縄民謡をフルートとピアノで奏でる《てぃんさぐの花変奏曲》、隠れた傑作トロンボーンによる《3つの奇想組曲》の4曲。《てぃんさぐの花変奏曲》以外は世界初録音になる。まさに、沖縄が世界に誇る作曲家の管楽作品集といえるだろう。

 演奏は、沖縄宮古島出身で金井作品のスペシャリスト高良仁美(ピアノ)、伸びやかで量感豊かな演奏で高い人気を誇る箱山芳樹(新日本フィル首席トロンボーン奏者)、別宮貞雄作品集の清らかな音色で注目された江尻和華子、そしてJapanese composers archives seriesに欠かせないリベラ・ウインド・シンフォニーと福田滋(指揮)。 発売は37回目の沖縄本土復帰記念日である2009年5月15日。

▲「沖縄ラプソディ」の録音風景(サンアゼリア)

【レコーディング・レポート】
最初の2曲の録音は昨年の9月、埼玉県和光市民文化センター”サンアゼリア”で行われた。
吹奏楽とピアノのための《沖縄ラプソディ》のピアノ・ソロを担当する高良仁美は、沖縄県本部町備瀬生まれ。武蔵野音楽大学を卒業後、カナダのヴァルハラ・ミュージック・センター等で研鑽を積む。郷土の豊かな自然に育まれた、柔軟な感性で誠実な演奏は評価が高い。また共演者からの信頼も厚く、世界の著名な演奏家との共演や、NHK交響楽団トップメンバーや新日本フィルハーモニー交響楽団首席奏者との室内楽など、国内外のアーティストと共演を重ねる。ソロリサイタルも意欲的に行い、特に2007年に行われた、宮古島出身の女性作曲家・金井喜久子の作品をメインとしたリサイタル・ツアーでは、「色彩豊かで躍動感溢れるリズム、情熱的な演奏」と各地で絶賛された。

世界初録音となるCD、金井喜久子ピアノ曲全集『琉球カチャーシー』(キング・インターナショナル)は各方面で話題を呼び、『レコード芸術』誌上で”特選”を獲得、2002年度沖縄タイムス芸術選賞奨励賞受賞した。

サポートするのは、福田滋指揮のリベラ・ウインド・シンフォニー。スリーシェルズの”Japanese composers archives series”では『團伊玖磨吹奏楽作品集Vol.1-2』、『別宮貞雄管楽作品集』、『奏楽堂の響き』に続き、5枚目の登場。とくに日本の作品の演奏には定評がある。
米軍楽隊による初演は二万人の聴衆を集めたというピアノと吹奏楽のための《沖縄ラプソディ》は、昭和28年(1953)、戦後初めて帰郷した金井喜久子が、焦土と化したふるさとの姿に接し、懐郷の念やみがたく書き上げた作品。ちょうどペルリ百年祭で琉米の行事が催されていた折であったので、アメリカ空軍バンド「嘉手納第二○空軍五五八軍楽隊」(指揮:ブロンクター准尉)によってとりあげられ初演、このときのピアノの独奏は若き作曲家、山本直純。激しい曲調はとても女性が作曲したものとは思えない。
本CD、高良のピアノは、水を得た魚のごとく自由に沖縄サウンドを奏でているが、バンドも軽妙で楽しくサポートしているのが印象的だ。

 2曲目は、沖縄復帰祝典序曲《飛翔(はばたき)》。昭和47年の5月15日(月)、第2次世界大戦から27年後に沖縄は本土復帰を果たした。午前10時、東京の日本武道館と沖縄の那覇市民会館の二か所で同時に復帰記念式典が開催された。東京会場である日本武道館では、天皇・皇后両陛下のご臨席を仰ぎ、佐藤栄作内閣総理大臣(当時)の式辞で開始されたが、その式典の直前、会場に響きわたった音楽がこの祝典序曲《飛翔(はばたき)》であった。式典に使用される音楽が既存のものと知った金井は「沖縄にとってこのように大切な式典に沖縄の音楽が演奏されなくてどうするのでしょうか!」と激しく抗議、この曲の式典演奏が決定したという逸話が残っている。

意外にもインターナショナルな響きをもつこの祝典序曲は、金井のクラシック分野での傑作で、中間部における美しいメロディと民族楽器との対比、レスピーギの交響詩「ローマの松」を思わせる盛り上がりに大興奮間違いなしの終結部。もっと見直されて良い作品である。

 3曲目の《てぃんさぐの花変奏曲》は、沖縄を代表する教訓唄である「てぃんさぐの花」を主題にした変奏曲。
「てぃさぐ」とはホウセンカのことで、鑑賞用として庭園に栽培する。花の色は紅、桃、白がある。「てぃんさぐの花」は爪先に染めて、親の教えは心に染めなさいという意味がこめられている。
初演は、1975年1月6日に那覇市市民会館大ホールで開催された第6回〈吹奏楽演奏会金井喜久子作品特集〉(主催:沖縄県立豊見城高等学校吹奏楽部)において、フルート宮本明恭(NHK交響楽団)、ピアノ星野すみれ(横浜国立大学教授)で行われた。
このCDでは陸上自衛隊中央音楽隊のフルート奏者である江尻和華子がソリストを務める。ピアノは高良仁美。

江尻和華子は埼玉県本庄市出身。5歳よりピアノ、12歳よりフルートを始める。武蔵野音楽大学音楽部器楽学科卒業(フルート専攻)。1993年、第20回フルート・デビュー・リサイタル(主催:日本フルート協会)に出演。同年、中央音楽隊に配属しその後は、中央音楽隊フルート及びピッコロ奏者として同音楽隊のソリストを務め《コンチェルティーノ》(S.シャミナード)、《白いつぐみ》(E.ダマル)等を演奏。2006年にはCD〈別宮貞雄管楽作品コレクション〉(スリーシェルズ)でフルートとピアノのための《パストラル》、木管五重奏曲《日本組曲第1番》を収録。2008年〈奏楽堂の響き〉では《夕鶴幻想》初演のソロを務めた。フルートを宮本明恭、高久進、大竹泰夫の各氏に師事。
懐かしい響きのピアノとどこまでも優しいフルートの音色がたいへん美しい。今回は初演者の宮本氏の改訂版による初録音でこれも注目だ。

 アルバムの最後を飾る作品は《トロンボーンによる3つの奇想組曲》。
日本フェルト社員で同ブラスバンドに所属し、金井喜久子の夫である儼四郎の指導のもとトロンボーンを演奏し、後にプロに転向してNHK交響楽団員となった関根五郎のために作曲された作品である。アレグロの「激情」、アンダンテの「哀愁」、テンポ指定がない「ましゅんこ」の3つの楽章で構成されている。はじめのふたつの楽章では、沖縄民謡の主題が自由にとり入れられ、終曲は標題の通り、伊江島の民謡「ましゅんこ」を扱っている。初演は1966年6月21日アメリカ文化センターホールにおいて開催された「金井喜久子室内楽作品発表会」で行われた。演奏はトロンボーン関根五郎(NHK交響楽団)、ピアノ星野すみれであった。

この曲の初録音にあたり、我が国最高のトロンボーン奏者、箱山芳樹を起用した。
箱山芳樹は、1979年国立音楽大学卒業。1978年に研究員として(財)日本フィルハーモニー交響楽団に入団。1986年、リサイタル開催、以後回数を重ねる。1993年、(財)日本フィルハーモニー交響楽団第449回定期演奏会にて吉松隆作曲トロンボーン協奏曲「オリオン・マシーン」を初演。以後、さまざまなコンクールなどの審査員を務める。2007年、(株)マーキュリーからソロCD「Viva Yoshiki!」及び(有)メアジックからオーケストラスタディCD「もっとトロンボーン」を発売。2008年、キングレコードよりCD「ブラス・ヘキサゴン/エピソード」を発売。同年、日本フィルハーモニー交響楽団を辞し、(財)新日本フィルハーモニー交響楽団に移籍。
現在、(財)新日本フィルハーモニー交響楽団首席トロンボーン奏者、フィルハーモニア・ブラス・クインテット・トロンボーン奏者、東京トロンボーンゾリステン・メンバー、ブラス・ヘキサゴン・メンバー、国立音楽大学非常勤講師、東京音楽大学非常勤講師、日本トロンボーン協会副会長。
箱山は、難曲のこの組曲をしなやかに流れるように演奏、表現しているのはさすが。カデンツァにおけるダイナミックスの幅も見事で、誠に凄い演奏だと思う。
スリーシェルズも本CDで7枚目。日本人作品による貴重なシリーズは、さらに飛躍を続けて欲しい。

▲ソリストの高良さんと打ち合わせをする福田氏
▲今回のソリスト3名。
左から高良仁美(p)箱山芳樹(Trb)江尻和華子(Fl)
▲金井喜久子、ひめゆりの合唱団と(1985年)

【金井喜久子プロフィール】
1906年、沖縄県宮古島に生まれる。
幼児より沖縄伝統音楽に親しむが、沖縄県立第一高等女学校(ひめゆり部隊で知られる)在学中に西洋音楽に触れたことが人生を決定づける。卒業後東京に出て、日本音楽学校の声楽科を卒業したが、沖縄音楽の普及に使命感を抱き、更に東京音楽学校作曲科(現東京藝術大学)で、下総皖一、呉泰次郎、尾高尚忠、平尾貴四男らに学び、本格的な作曲家への道を進む。
爾後、東京を中心に幅広い分野での活動を精力的に続け、日本交響楽団(現NHK交響楽団)などの演奏による交響曲や室内楽、舞台音楽、オペラなどを次々と発表していった。
海外でもブラジル、アメリカ、ハワイなどで作品発表会を開き、MGM映画「八月十五夜の茶屋」の音楽を担当した。執筆活動でも功績を遺し、沖縄音楽の採譜と本質を探った「琉球の民謡」(音楽之友社)では毎日出版文化賞を受賞。また「母と子の沖縄のうた」(キング・レコード)では日本レコード大賞を受賞した。1972年沖縄復帰記念式典には祝典序曲「飛翔」を、また沖縄海洋博覧会には「海洋博讃歌」を作曲するなど、沖縄と関連した式典には欠かせない作曲家として不動の地位を築いた。
金井喜久子は滝廉太郎、山田耕筰などに始まる日本クラシック音楽の歩みの中で、沖縄の音楽文化の豊饒な伝統を見据え、それを糧にして交響曲、オペラなどの広いジャンルに作品を遺した作曲家であり、特に日本女性として最初に交響曲を作曲したことなど、その存在の歴史的な意味合いは極めて重い。沖縄音楽をこよなく愛し、沖縄音楽のオリジナルな姿を内外に広めようと努力した生涯は1986年に幕を閉じた。

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写真提供:金井弘志、スリーシェルズ
スリーシェルズ http://3s-cd.com/okinawanohibiki.htm

行ってきました、コンクール! 2009東京「職場・一般の部」予選

日時:8月1日(土)、2日(日)
会場:東京・西新井文化センター
レポート:ブリュンヒルデちなみ(BP特派員)

 みなさん、こにゃにゃちわ~!(古い?)

 毎年、コンクールやアンコンの時期になると、BPにお目見えする、元吹奏楽部員、いまでは単なる吹奏楽マニアのおばちゃん「ブリュンヒルデちなみ」で~す。

 今回、アタクシ、東京の「職場・一般の部」予選に行ってまいりました。2日間、全44団体、がんばってすべて聴いて(見て)まいりましたよ~!(ああ~、腰が痛い!)

 いままで、東京の「職場」「一般」については、私、都大会(いわゆる「東京支部大会」=全国大会予選)からしか行ってなかったんだけど、ひさびさ、、その前の予選に行ってみました。なぜかというと、すでにみなさんもご存知のように、今年から、「職場」と「一般」の部が一緒になって、「職場・一般の部」になったんですよね。そのため、会場の雰囲気なども、少し変わるんじゃないかと思って、行ってきたんです。どう? けっこう「吹奏楽ジャーナリスト」っぽいでしょ?

 会場は、昨年までと同様、東京・足立区の西新井文化センター。ここって、客席は1・2階席があるんだけど、全部で900席ちょっとの、けっこう、小ぶりな会場なんですよ。そこで、ただでさえ爆演だらけの大人バンドが、上限65人でバンバン音を出すのよね。これって、けっこう、きついのよ。もう、鼓膜なんか、ジ~~~~~ンって、鳴りっぱなしなのよね。もちろん、少人数の団体もあるけれど、それでも、大人数バンドが多いから、2日間で44団体を、こんな小さなホールで聴くのって、けっこう、タイヘンなのよ。まったく、審査員の先生方の苦労が忍ばれるわね。

 結果は、すでにおなじみTBTさんのサイトでご確認くださいね。
http://www3.plala.or.jp/tbtknic/home.htm

 で、今回、私が予選へ行った最大の理由は、上に書いたように「職場と一般が合体したことで、何か、変化があるのかしら?」ってことだったのよ。

 ところが、結果発表を聞いてたら、「職場部門の1位と、一般部門の1位からマル金を出し、それ以外から10団体、計12団体を東京大会に推薦する」っていうのよ。ということは、なによ、「職場」「一般」の合体って、運営上の話だけで、選考は、いままでとほぼ同じってことなのかしら? だって、「合体」したってことは、すべて一緒になったんだから、極端なことをいえば、マル金全部が「職場」団体で、「一般」ははゼロとか、あるいは逆に、マル金は「一般」ばかりで「職場」はゼロ、ってこともありうるんじゃないの? なのに、最初から、それぞれ最低1団体ずつマル金を出すと決まってるってことは、何のために「合体」したのかしら。

 まあ、そんなこと、単なるミーハーおばさんが言っても仕方ないんで、話を進めますね。

 その「職場」のトップは、おなじみNTT東日本東京吹奏楽団。843点で、全体の5位。「一般」トップも、おなじみ創価グロリア吹奏楽団。884点で全体の1位。

で、私が今回、驚いたのは(もっとも、いまさら新しい話でもないんだけど)、「大学バンド」が「一般」部門にガンガン出てた事ね。

 今回は、「早稲田吹奏楽団」「学習院ウインドアンサンブル」「東京大学ブラスアカデミー」の3団体が、「一般」に参加してたのよ。そのうち、「東京大学」が、見事、マル金を獲得したのよね。最初、てっきり、私は、これらの大学の職員か、OBのバンド、つまり本来の「一般」か「職場」バンドだと思ってたのよ。ところが、どうも現役学生中心らしいのよね。

 なぜ大学生なのに、「大学の部」(都の大吹連)に参加しないのかしら? いや、なぜ、一般連盟は、大学バンドの加盟を受け入れるのかしら? もしかしたら、大吹連に加盟するよりも、一般連盟に加盟するほうが、いろんな意味で、バンド運営がやりやすいんじゃないの? 現に私も昔、大学バンドにいたころ、同級生が大吹連事務局の仕事をやってたけど、なんだか、ヘロヘロになってたわよ。もう東京の大学の部は、駒澤大学と中央大学(さらに、あの頃は亜細亜大学も)が枠を争っているようなもので、そこと競うことを考えたら、やる気なくなっちゃうって、よく言ってたわ。それに、いまの大学って、キャンパスがあちこちに分散してるから、一堂に会して本格的に練習すること自体、大騒ぎなのよ。

 まあ、それは私の若い頃の話だから、いまの状況はわからないけれど、もしいまでもそうだとしたら、一般の部でのびのびやったほうが楽しいし、可能性がある……と考えるのも無理ないかもね。でも、それがいいとか悪いとか、私は言う資格はないけれど、このままでいくと、どんどん「一般」の部に参加する大学バンドが増えるような気もするのよね。極端なことをいうと、いつか、東京の「職場・一般の部」は、大学バンドに席巻されて、本来の「大学の部」は、昔ながらの強豪大学だけで争う、そして、都大会や全国大会の「大学の部」「職場・一般の部」の両方に大学バンドがゾロゾロ・・・なんてことにならないかしら。一般の部だったら、メンバー補充も、どこから招いてもいいんでしょうし。というわけで、今年の都大会「職場・一般の部」に「東京大学」が出るわけ。

(あの~、私、東京大学ブラスアカデミーのみなさんを批判してるわけじゃないので、誤解しないでね。9人のトランペットで奏でられた≪セント・アンソニー~≫、ホントに感動したんですから! ぜひ、全国大会に行ってほしいわ!)

 あと、今回、感動したのは、子供たちの参加ね! 「葛飾吹奏楽団ジュニアバンド」、小学校高学年~中学生たちよ! これもまた、考えてみれば、不思議な光景だったのよね。だって、子供バンドが、創価グロリアとか、東京正人とかと、同じステージでまともに競おうっていうのよ。もう私、涙が出そうになっちゃって、もう少しで「がんばれ、カッスイ・ジュニア!」って声援を送りそうになっちゃったわ。しかも曲目が、課題曲Ⅳと、懐かしや、オリバドティの、序曲≪バラの謝肉祭≫よ! 素晴らしい! こういう昔の名曲を、堂々と演奏するなんて、君たち、エライよ! いまの大人たちなんて、口では「名曲だ」とか「懐かしい」とか言って、知ったふりしてるけど、実際に演奏したことある人なんて、もう、ほとんどいないんだから。

 この子たちは、老舗一般バンド「葛飾吹奏楽団」(今回マル金! おめでとう!)の、ジュニア部門なのよね。ここは、とても活動が盛んで、大人のバンド、ジュニア・バンド、マーチング・バンド……と、複数のバンドを抱えているのよ。今回ジュニア・バンドの結果は残念ながら銅賞だったけど(そりゃ当然よね。大人バンドと同格で審査を受けるんだから)、でも、発表された点数を見たら、あなたたちより下の大人バンドがあったから、自信を持ってね!

 だけど、こういう、学校単位でない、地域で活動している青少年バンドがコンクールに出る(=どこかの連盟に加盟する)となったら、結局は「一般の部」に参加するしかないのよね。前に、BPでも紹介されてた、福島県南相馬市が運営している小中学生中心の「ゆめはっとジュニアWO」ていうのがあるけど、もし彼らがコンクールに参加しようとしたら、やはり、「一般の部」に参加するしかないのよね。

 で、今回、2日間、東京の「職場・一般」予選に通ってみて、思ったのよ。コンクールのジャンル分けって、何なのかしら。てっきり「職場・一般の部」だから、社会人・成人バンドのコンクールだと思って行ってみたら、大学バンドが複数出ているし、子供バンドも出ている。まあ、だからこそ「一般の部」だといわれるかもしれないけれど、じゃあ、小学校の部(全日本小学校バンドフェスティヴァル)や、「大学の部」は、何のためにあるのかしら。もう、コンクールに部門なんか要らないのかもしれないわね。

 ほかに印象に残ったのはミュゼ・ダール吹奏楽団の≪ディオニソスの祭り≫。バリトン(ユーフォ?)を大量に投入して、原曲のサクソルンっぽい雰囲気がよく出ていたわ。リヴィエール吹奏楽団の、シシー≪クァルテッツ≫は、ジャズっぽいしゃれた曲で、さほどの爆演音量でもなく、私は落ち着いて聴けました。銀賞だったけど、トリの三鷹市吹奏楽団は、真島俊夫さんの≪美しき二つの翼≫という、とてもカッコいいシンフォニック・ジャズ曲で、ほかとちがったムードがあって印象に残った。

 あと、素人の最後っ屁を聞いてよ(下品ですいません)。今回のマル金12団体、おおよそ、素人の私が付けた採点の真似事と、ほぼ同様の結果で、ああ、なるほど、東京の「一般・職場の部」の実力というのは、安定してるんだなあ、思いました。だけど、その12団体の内情を、同時発表の得点で仔細に見ると、どう考えても妙な採点があるのよ。具体的にはいえないけれど、「誰がどう聴いたって、もっとはるかに高い(あるいは、もっとはるかに低い)点数じゃないの?」という団体が、けっこうあるのよ。特に誰かと話したわけじゃないけど、似たような感じ方をしたひと、絶対にいるはずよ。ということは、マル金・ダメ金ボーダー近辺の団体にも「?」の団体があるんじゃないの?

 コンクールの審査は、サッカーや野球みたいに明白な点数が入るものじゃないから、結局は審査員の感じ方だといわれてしまえばそれまでなんだけど……私、BPレポートでこういうこと書くのは初めてなんだけど、さすがに今回は、ちょっと妙な採点だと思ったわ。もし、その犠牲になった団体があったとしたら、ほんとに気の毒だと思うのよね。

 あと、「職場・一般の部」は、上限65人という大人数。だけど、その一方で、16人なんていう小編成バンドもあった。とにかく人数の差が激しいのよ。そのたびに、運営スタッフのみなさんが、短時間のうちに椅子や譜面台を、増やしたり減らしたり、それはもう、たいへんな苦労だったと思うの。舞台入れ替えを見るたびに、ご苦労様といいたくなったわ。今回の裏方運営スタッフのみなさんに、心から、ご苦労様とねぎらいの声をかけたいと思います。

(余談)
会場は、東武伊勢崎線「西新井」駅の東口。で、みなさん、反対側の西口に「スバ西新井・大師の湯」っていう、天然日帰り温泉があるの、ご存知? なかなかいいわよ~。土日祝日は、大人1200円。中には食堂もあるし、出場団体のみなさん、来年からここで打ち上げやったら?

(2009.08.03)

■マーチ・ディレクターズ・チョイス ~ノルウェー王国海軍バンド

全世界的評価を勝ち得た、あのホルスト作品集「オラフ王を称えて」(CD-1201)の演奏者、レイフ・アルネ・タンゲン・ペデルセン指揮、ノルウェー王国海軍バンドが贈るマーチ集です!!

“ディレクターズ・チョイス”というタイトルどおり、オセロ・フィルの首席ソロ・クラリネット奏者としても有名な音楽監督のぺデルセンが世界中から選んだお好みのマーチ、合計18曲が収録されています!

レーマンスの『ベルギー落下傘部隊』やヘルツァーの『ハイデックスブルク万歳!、作品10』、キングの『バーナム&ベイリーのお気に入り』など、“定番ものマーチ”に混じって、バーバーの『コマンド・マーチ』やショスタコーヴィチの『ソヴィエト警察隊行進曲、作品13』、ハチャトゥリアンの『モスクワ赤旗警察隊行進曲』などのクラシック作曲家たちのマーチが入っているのは、さすがクラシック畑出身のぺデルセンというところ。また、スウェーデンやノルウェーの北欧諸国のマーチはとても珍しいものです。

(隠れマーチ・ファンのBPは、チェルネツキーの名曲『モスクワに敬礼』が入っていて大興奮!!)

演奏は、とにかく、マーチらしく“ビシッ!!” と決まっているのがウリで、小編成なのに響きも豊か。しかも、ホルストで聴かせてくれたような精緻なアンサンブルと豊かな音楽性はそのままに。

本当にすばらしいバンドです!!

録音も、マーチのツボを見事にとらえていて、ソー、グッド!!

いくらでもありそうで、なかなかなかった本物の“マーチ・アルバム”!!
マーチを聴いて元気になれる、久々のマーチの名盤です!!

ある意味、ウィンド・アンサンブルのひとつの極致の姿かも知れません!! (超絶賛!!)

(ここだけの話: 個人的には、原稿を書くときのBGMにピッタリ!! とにかく血行がよくなるしね。)

【ノルウェー王国海軍バンド】
創設は1820年。ヴァイキング以来の伝統を誇るホルテンのカールヨハンスヴェルン要塞(現、海軍博物館)を本拠とする。厳しいオーディションによるノルウェーの最高水準の演奏家で構成され、20世紀終盤に、クラリネット以外のパートを1人の奏者で演奏する、完全なウィンド・アンサンブル編成となった。定員は29名。BBCスコティッシュ交響楽団首席トランペット奏者だったナイジェル・ボッディスや、オスロ・フィル首席ソロ・クラリネット奏者からこのバンドの音楽監督に就任したレイフ・アルネ・タンゲン・ペデルセンの指揮のもとで、Doyen、de haske、Naxosなどから数多くのCDをリリースし、ホルストが吹奏楽のために書いた作編曲のすべてを集めたCD「オラフ王を称えて」(Specialist)の成功で世界的名声を得た。ペデルセンの契約満了に伴い、2008年、ヴェルムランド歌劇場やオスロ・フィルなど、スウェーデンやノルウェーのオーケストラで活躍がつづく、指揮者インガル・ベルグビィが音楽監督に就任した

・演奏団体: ノルウェー王国海軍バンド (Royal Norwegian Navy Band)
・指揮者: レイフ・アルネ・タンゲン・ペデルセン (Leif Arne Tangen Pedersen)

・発売元: スペシャリスト(Specialist)
・発売年: 2009年

【収録曲】

1. サンブル・エ・ムーズ/ロベール・プランケット 【4:14】
French National Defile March/Robert Planquette

2. ノルウェー空軍分列行進曲/ヨハネス・ハンセン 【3:23】
Luftforsvarets Parademarsj/Johannes Hanssen

3. ベルギー落下傘部隊 /ピーター・レーマンス 【4:27】
March of the Belgian Paratroopers/Pieter Leemans

4. 双頭の鷲の下に /ヨーゼフ・フランツ・ワーグナー 【4:13】
Under the Double Eagle/Joseph Franz Wagner

  1. ソヴィエト警察隊行進曲、作品139/ドミトリー・ショスタコーヴィチ 【4:34】
    March of the Soviet Police Forces, Opus 139/Dimitri Shostakovich

  2. クングリガ・ヴァクスホルム(スウェーデン王国のヴァクスホルム)/サム・リドベルィ 【3:30】
    Kungliga Vaxholm/Sam Rydberg

  3. ライト・オブ・フット /カール・ラタン 【2:33】
    Light of Foot/Carl Latann

  4. モスクワ赤旗警察隊行進曲/アラム・ハチャトゥリアン 【4:01】
    March of the Moscow Red Banner Police Forces, Opus 103/Aram Khatchaturian

  5. ノルウェー第1旅団分列行進曲/オスカル・ボルィ 【3:35】
    1ste Brigades Parademarsji/Oscar Borg

  6. モスクワに敬礼/セミョン・チェルネツキー 【3:50】
    Salute to Moscow/Semyon Chernetzky

  7. 明るく日々がやってくる/グスタフ・ヨハン・スンデル 【2:44】
    Mot Ljusare Tider/Gustaf Johan Sundell

  8. コマンド・マーチ/サミュエル・バーバー 【2:11】
    Commando March/Samuel Barber

  9. 勇者の後裔/トーマス・ビッドグッド (arr. A・ウィンター) 【4:01】
    Sons of the Brave/Thomas Bidgood (arr. A. Winter)

  10. バーナム&ベイリーのお気に入り/カール・ローレンス・キング 【2:27】
    Barum & Bailey’s Favourite/Karl Lawrence King

  11. ゆるがぬ忠誠で/カール・タイケ (arr. W・ハウトヴァスト) 【4:18】
    In Treue Fest/Carl Teike (arr. W. Hautvast)

  12. スウェーデン王国スッヴェア親衛隊分列行進曲/イレ・グスタフソン 【2:34】
    Kungliga Svea Livgardes Defiliringsmarsj/Ille Gustafsson

  13. 海軍士官候補生/ケネス・J・オルフォード (arr. A・ウィンター) 【3:05】
    The Middy/Kenneth J. Alford (arr. A. Winter)

  14. ハイデックスブルク万歳!、作品10/ルドルフ・ヘルツァー (arr. ヒューバート) 【4:32】
    Hoch Heidecksburg!, Opus 10/Rudolf Herzer (arr. Hubert)

 

伝説の、あの《ウォルトン作品集》が、ついに復活!!

【BPショップで詳細を見る】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0533/

 2002年にさっそうと登場し、 エドワード・エルガー、アーサー・ブリス、マルコム・アーノルド、エドワード・ジャーマン、アーサー・サリヴァン、ウィリアム・ウォルトンという、イギリスが誇る作曲家の作品を吹奏楽でつぎつぎと録音し、それこそ“待ってました!!”とばかり、大きなセールスを記録した英Specialist レーベルの《英国作曲家シリーズ》は、ハレ管弦楽団の元首席ホルン奏者マイク・プアートンが主宰し、プロデュースする、超こだわりの逸品シリーズだ!!

 このシリーズには、その後、クラシックの作曲家だけでなく、マーティン・エレビー、ゴードン・ジェイコブという、吹奏楽でもおなじみの作曲家の作品集へと発展し、グスターヴ・ホルストが吹奏楽のために書いた全ての作編曲を収録した世界初のアルバム「オラフ王を称えて」の世界的な大成功で、その声価を不動のものにした。

 しかし、ネット配信など、ものすごい音楽市場の環境の変化により、近年のCDセールスを取り巻くさまざまな環境はひじょうに厳しい。このシリーズにおいても、初期発売のアルバムにも欠品がチラホラ見られるようになり、巷では、このまま廃盤になってはまうのではないかと、シリーズの、いやレーベル自体の危機もとりざたされるようになっていた。

 そこへ朗報が飛び込んできた。

 Specialist がCD制作を再開し、カタログを積極的に再構築していくというのだ。

 BPは、もちろん大歓迎!! 《英国作曲家シリーズ》では、すでにアーノルド・ステックという筆名でライト・クラシックの名品を数多く世に送り出したレスリー・ステーサムの作品集「ア・ドリーム・リアライズド」をすでに完成したほか、本当に長い間欠品となっていたあの「ウィリアム・ウォルトン作品集~スピットファイアー、プレリュード & フーガ」の再プレスに入ったという。(もち、BPでも大ヒット盤でした!!)

 タイトル曲の『スピットファイアー、プレリュード & フーガ』だけでなく、『バトル・オブ・ブリテン組曲』、『オーブとセプター』、『クラウン・インペリアル』、『ヘンリー5世』といった、ウォルトンを語る上で欠かせない作品がズラリ!!
演奏は、もっとも英国らしいバンドの代表的な存在である“スコッツ・ガーズ・バンド”という、何から何まで“イギリス色”満載の1枚だ。

 再リリースにあたり、ジャケット・デザインも一新。プレスも変更され、音質もぐんと向上したという。待ったかいがあった再リリースというわけだ!

 本場ものの強み。イギリスものを聴くのなら、やっぱりイギリスのバンドがいい!

 Specialist の《英国作曲家シリーズ》は、この後、待ちに待った“あの作曲家”の作品集も登場する予定だ!! 詳細がはっきりし次第リポートするんで、それまで首をグーンと長くして待っててくれ!!

■ウィリアム・ウォルトン作品集~スピットファイアー、プレリュード & フーガ

【指揮】ロバート・J・オーウェン少佐
【演奏】スコッツ・ガーズ・バンド

【作曲】ウィリアム・ウォルトン(William Walton) 全曲

1. クイーンズ・ファンファーレ【0:43】
A Queen’s Fanfare
(Written for the entrance of HM The Queen at the NATO
Parliamentarians’ Conference, London, 1959)

2. 戴冠式行進曲「オーブとセプター」【7:24】
Coronation March:’Orb and Sceptre'(arr.Norman Richardson)

3. 組曲「ヘンリー5世」~映画音楽(arr.ドン・フィリップス)
Suite from the film ‘Henry V'(arr.Don Phillips)
I )Overture ‘The Globe Playhouse’ 【2:12】
II)Passacaglia ‘The Death of Falstaff’ 【2:33】
III)’Charge & Battle’ 【5:35】
IV)’Touch Her Soft Lips and Part’ 【1:33】
V)’Agincourt Song’ 【2:16】

4. アニヴァーサリー・ファンファーレ【0:55】
Anniversary Fanfare
(Commissioned by EMI for its 75th anniversary 1973)

5. 戴冠式行進曲「クラウン・インペリアル」【9:31】
Coronation March ‘Crown Imperial'(arr.WJ Duthoit)

5. 「リチャード3世」~シェークスピア組曲
A Shakespeare Suite – Richard III(arr.Stewart Bunyan)
I )’Fanfare’ 【0:32】
II)’Music Plays’ 【1:38】
III)’The Princes in the Tower’ 【1:50】
IV)’With Drums and Colours’ 【1:16】
V)’I Would I Knew my Heart’ 【3:04】
VI)’Trumpets Sound’ 【1:11】

6. ファンファーレ・フォー・ア・グレート・オケーション【0:57】
Fanfare for a Great Occasion(arr.Sir Malcolm Sargent)

7. コンサート・バンドのためのマーチ 【5:16】
March for Concert Band(arr.Gillbert Vinter)

8. バトル・オブ・ブリテン組曲【12:25】
Suite – ‘Battle of Britain'(arr.Barrie Hingley)

9. 「スピットファイア」プレリュード&フーガ
Prelude & Fugue(The Spitfire)
I )Prelude(arr.RB Bashford) 【3:33】
II)Fugue(arr.JL Wallace) 【4:30】


【BPショップで詳細を見る

http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0533/

イギリスの作品を聴くなら、もってこい!!
Specialist 《英国作曲家シリーズ》

■エドワード・エルガー作品集Vol.1~組曲「インドの王冠」
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0528/
(※2009年再プレス予定)

■アーサー・ブリス作品集~王侯たちの時代
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0529/

■マルコム・アーノルド作品集~サウンド・バリアー
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0530/

■エドワード・ジャーマン作品集~ウェールズ狂詩曲
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0531/

■アーサー・サリヴァン作品集~失われた音階
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0532/

■ウィリアム・ウォルトン作品集~スピットファイアー、プレリュード & フーガ
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0533/
(再入荷 発売中!)

■エドワード・エルガー作品集 Vol.2~セヴァーン組曲
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0712/

■マーティン・エレビー作品集~クライズ・オブ・ロンドン
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0826/

■ゴードン・ジェイコブ作品集~祝典のための音楽
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0827/

■オラフ王を称えて~ホルスト:ミリタリー・バンドのための全作品集
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1201/

■レスリー・ステーサムの作品集~ア・ドリーム・リアライズド
(近日、入荷予定!!)

ナショナル・ユース・ブラスバンド・オブ・ニュージーランド初来日(7/20~)

 

 ナショナル・ユース・ブラスバンド・オブ・ニュージーランド(NYBBNZ)は今年で創立50周年という記念すべき年を迎え、静岡で行われる日本国際青少年音楽祭(JIYM)の招待を受け、来日が決定した。

 NYBBNZは過去にも、1991年にオーストラリア、2003年にはイングランドとウェールズで海外公演を成功させてきたが、今回の日本ツアーが日本初来日となる。

 今回の50周年日本ツアーを記念してレコーディングされた最新CDには、ユーフォニアム奏者のリキ・マクドネル、ソプラノ・コルネット奏者のコリン・クラークらがゲストとして参加。演奏会会場で販売される予定だ。

 なお、7月28日には関西オールスターブラスバンドとの合同演奏会をリキ・マクドネル氏をゲストに迎え、神戸芸術劇場にて行う。

■リキ・マクドネル氏のCD
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0596/


ナショナル・ユース・ブラスバンド・オブ・ニュージーランド日本ツアースケジュール

【指揮】ケビン・モーズリー(Kevin Moseley)

7月20日(月) 13:00~14:00 静岡市内大通 パレード
7月21日(火) 17:00~20:00 静岡市民文化会館(大) 海外7団体によるコンサートに参加

7月23日(木) 13:00~15:15 菊川文化会館アエル(大) NYBBNZのコンサート 無料
7月25日(土) 18:00~19:00 安倍川河川敷 安倍川花火大会賛助出演 無料
7月26日(日) 13:30~15:05 静岡市民文化会館(大) JIYMバンドフェスタ2009
7月28日(火) 19:00~21:30 神戸芸術劇場 関西オールスターズバンド合同コンサート
www.wind-brass.com

【問い合わせ】
第11回日本国際青少年音楽祭
常葉学園本部・常葉学園各校事務室
TEL: (054)261-1356 FAX: (054)261-5601 常葉学園本部 音楽祭事務局

今年も凄かったゾ!! 「世界初演曲」が2つ、「日本初演曲」も2つ、演奏された曲目すべてがオリジナル作品というタッドWSの第16回定期演奏会

 Dedicated to Takayoshi “Tad” Suzuki and the Tad Wind Symphony

 (タカヨシ “タッド” スズキ と タッド・ウィンド・シンフォニーに捧ぐ)

 For Takayoshi “Tad” Suzuki

 (タカヨシ “タッド” スズキのために)

 などという“献辞”の文字がスコア上に踊る「世界初演曲」が2つ、「日本初演曲」も2つ、そして演奏された曲目すべてがウィンド・バンドのために作曲されたオリジナル作品という、タッド・ウインドシンフォニー第16回定期演奏会が、6月11日(木)、東京・大田区民ホール アプリコで催された。

 タッド・ウインドシンフォニー(TADWS)は、1992年、アメリカで活躍がつづく指揮者、鈴木孝佳(タッド鈴木)を音楽監督に迎えて、在京プロたちによって結成された。音楽監督のタッド氏は、東京藝術大学出身で、東京佼成ウインドオーケストラのトロンボーン奏者をへて指揮者に転向。小林研一郎、汐澤安彦の両氏に師事し、渡米後には、レナード・バーンスタインやアンドレ・プレヴィンの門も叩いたという、すごいキャリアの持ち主だ。楽団の名称は、愛称としてアメリカ人からつけられた氏のセカンドネームから取られている。

 結成以来17年。年1回のTADWS定期の演奏プロのほぼすべてが、吹奏楽がもっとも大切にしたいオリジナル作品だけで占められているという、タッド氏の強いメッセージが込められた明確なコンセプトと、ハイ・スタンダードの演奏で、知る人ぞ知る固定ファンがつく“超コア”なウィンド・オーケストラというわけだ。それだけに、会場では、作曲家、出版社などなど、“業界”の顔的存在の面々(あのコタロー氏も、何をさておき必ず聴きにくるほどだ!!)も多く見受けられる。当然のことながら、リピーターも多い。

 そして、TADWSの演奏は、2007年4月に発売が始まったアーカイヴCD“タッド・ウィンド・コンサート”シリーズの登場で、さらに広く一般ファンの知るところとなった。演奏会直前に発売になった第6集「ライニキー : 交響曲第1番“ニュー・デイ・ライジング”」のセールスも快調だ!!

 さて、初演を聴くためにわざわざアメリカから飛んできた、『サルスエラと失われた音楽的断片』のジェイソン・ソープ・ビュキャナン、『アジアのための祈り』のアンソニー・ラバウンティの、ふたりの作曲家を客席に迎えた第16回定期のプログラムも、これがなかなかすばらしいものだった!!

▲世界初演「サルスエラと失われた音楽的断片」の作曲者ピュキャナン氏

 ファンにとって未知との遭遇の“初演もの”が面白いのは当たり前!! しかし、それらに加えて、誰でも知っているような曲もタッド氏の手にかかるとまるで違う音楽に聴こえるから面白い。

 この日のキャンプハウスの『ローザのための楽章』や、バンダもまじえて華麗に演奏されたリードの『エルサレム賛歌』の快演は、間違いなく会場に足を運んだ人への大きな音楽のプレゼントとなったことだろう。曲を知っている人たちが、“これってこんな曲だった?” と思い思いに感想を語り合っている姿がとても印象的だった!!

 また、TADWSがスパークを演奏するのはこの日の『ディザーツ』が始めてだと思うが、これが実に大収穫!! すでに発売されているCDをはるかに凌駕するスピード感とスケールの大きな表現は、これが作曲者の代表作のひとつであることを明確に示していた。

 曲ごとにどんどん盛り上がっていく会場では、未出版の楽譜の手配を直接作曲者と交渉する姿も見受けられたが、タッド氏によると、TADWSの演奏が作曲者を感動させた『ヴィジルス・キープ』のジュリー・ジローをはじめ、氏のもとにはTADWSに演奏してほしいという楽譜が次から次へと寄せられているということだ。

 アメリカのプロたちも認める、日本発、ウィンドの新しいウェーブ、TADウインドシンンフォニー。

 そのダイナミックな演奏活動を、今後とも大いに注目していきたい!!

▲「エルサレム賛歌」はゴージャスなバンダ付きだった(リハーサル風景)
▲バンダの快演を称えるタッド氏

【プログラム】

ドリームズ・オブ・フライト(世界初演)
Dreams of Flight(A Symphonic Overture)/Justin Raines

サルスエラと失われた音楽的断片(世界初演)
A Zarzuela & Other Lost Works/Jason Thorpe Buchanan

ローザのための楽章
Movement for ROSA/Mark Camphouse
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/toset-0119/

ディザーツ(日本初演)
Deserts/Philip Sparke
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8667/

アジアのための祈り(日本初演)
Prayer for Asia/Anthony LaBounty

エルサレム賛歌
Praise Jeresalem/Alfred Reed

【タッド・ウインドシンフォニー】 公式ホームページ
http://www3.ocn.ne.jp/~tad.wind/

(2009.06.22)

ブラック・ダイク~ギルバート・ヴィンター名曲集…世界中のブラス・バンド・ファンにとっては、まさにバイブル級の貴重盤

【BPショップで詳細を見る】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0961/

 これは、すべてのブラス・バンド・ファンにとって、まるでバイブルのような復刻盤CDです。

 まずは、バンド名をご覧下さい。

 演奏者名は、ジェフリー・ブランド指揮、ブラック・ダイク・ミルズ・バンド!?

 誤植なんかではありません。この名は現在は有限会社組織になって“ブラック・ダイク・バンド”という名前で活躍がつづく、イギリス最高峰のブラス・バンドが、改組の前に使っていた名前です。古くからのブラス・バンド・ファンには、むしろこのバンド名の方がおなじみかも知れませんね。

 (新しいファンにとっては、“へェー!?”“へェー!?”“へェー!?”かも知れませんが…。)

 さて、このCDに入っている曲は、イギリスのブラス・バンドの世界では知らぬ者のいないほど有名な作曲家ギルバート・ヴィンター(1909~1969)の最も有名なブラス・バンド・オリジナル作品4曲をまとめて収録したファン待望のアルバムです。

 ヴィンターは、ネラーホール王立陸軍音楽学校とロンドンの王立音楽アカデミー(RAM)に学び、BBC放送吹奏楽団やロイヤル・エア・フォース・セントラル・バンドのファゴット奏者、第2次大戦後はBBC放送のためのライト・オーケストラの指揮者、作曲家として活躍した人で、バンドとオーケストラの両方に広く通じていました。ヴィンターがブラス・バンドと深くかかわるようになったのは、1960年に新聞社デイリー・ヘラルドがブラス・バンド選手権のスポンサーとしてテストピースを委嘱したことがきっかけで、このCDに収録されている4曲も、すべて1960年代に作曲されています。

 CDのすべての収録トラックは、1968、1969、1970、1972年の制作。

 つまり、録音は、すべてアナログLPレコード時代の録音で、ヴィンターの最晩年とほぼ重なり合います。ヴィンターの作品集としてもっともいい時代の表現が聴けるわけです。

 BPの知り合いにこの時代のレコードにひじょうに詳しい“生き字引”のような人がいます。で、早速その人にこのCDのことを訊いてみると….。

 “この時代のブラック・ダイク・ミルズ・バンドは、パイ(Pye)というレーベルに年に2枚のペースでレコードを録音し、合計12枚のアルバムを作っています。このCDの収録曲は、その12枚の中の4枚からピック・アップされたものです。しかも、その当時の音を再現するため、状態のいい当時のレコードをもとにCD化しています。ですから、今風のデジタル・サウンドとはまったく違い、スクラッチ音も聞こえます。しかし、ブラス・バンドの可能性を探って編成を拡大して、独唱や合唱、トランペット独奏を加えた『ザ・トランペッツ』の入っている盤などは、今でもクラシック・ファンの間で引っ張りだこの超レア・アイテムとして知られます。状態のいいLPが出れば、ン万円の値が付くほどです。このCDの中でもまさに聴きもので、ここにこの曲を復刻した理由もよくわかりますね。もちろん、私はオリジナルを聴いてますが。”というお話。

 なんか、とんでもないCDのようだが、スパークやグレイアムの新しいブラス・バンド作品が出る以前に輝いていたオリジナル作品と、暖かいブラス・バンド・サウンドにどっぷりとはまりたい人にとっては、おススメのアイテムかも。BPには、アーノルドなどに共通するムードが感じられました。

 当時のブラック・ダイク・ミルズ・バンドは、1967年の全英選手権に優勝し、ノリに乗ったひとつの黄金時代にありました。そのナマの姿は、さきに発売されたDVD『エピック・ブラス II』(DVD-9333)で実際に見ることができます。そして、生前のヴィンターが全英選手権の審査員をしている様子も!? DVDを見て“はまった”人は、ぜひこのCDも揃えてみてくださいね。

 ディスクのレーべル面も、レコードを模してあり、なんともレトロ!!

 これで、あなたもブラス・バンド・オーソリティーの仲間入り!?


【演奏団体】ブラック・ダイク・ミルズ・バンド(The Black Dyke Mills Band)
【指揮者】ジェフリー・ブランド(Geoffrey Brand)
【発売元】ドイエン(Doyen)

【収録】1968 (4 – 7) 1969 (1)1970 (2) 1972 (3)

【収録曲】

作曲:ギルバート・ヴィンター Gilbert Vinter (全曲)

1. ジョン・オゴーント 【10:46】
John O’Gaunt

2. スペクトラム 【11:55】
Spectrum

3. トライアンファント・ラプソディ 【12:03】
Triumphant Rhapsody

4. ザ・トランペッツ 【36:58】
The Trumpets

I) 第1楽章 : ブレイズン Blazon 【2:40】
II)第2楽章 : デストラクション Destruction 【6:04】
III)第3楽章 : デディケイション Dedication 【6:16】
IV)第4楽章 : レヴェレイション Reveration 【21:58】

バス(Bass) : マイクル・ラングドン (Michael Langdon)
トランペット(Trumpet) : モーリス・マーフィー (Maurice Murphy)
合唱(Choir) : ハダーズフィールド・グリー & マドリガル・ソサエティ
(Huddersfield Glee and Madrigal Society)

ブラック・ダイク~ギルバート・ヴィンター名曲集
The Music of Gilbert Vinter

【BPショップで詳細を見る
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0961/

航空自衛隊航空中央音楽隊 第48回定期演奏会

▲大友直人、第2部ステージ「ダフニスとクロエ」

 航空自衛隊航空中央音楽隊の第48回定期演奏会には、指揮者大友直人氏が登場。航空中央音楽隊のステージは実に3度目の登場となる、メインに高橋徹氏の新アレンジ《ダフニスとクロエ》をおく注目のプログラムであった。

注目して欲しいのが最近の航中音が連続して取り上げている日本人作曲家の作品群だ。委嘱や編曲ものを含めて近年のプロ団体としては飛びぬけて多い。その構成は隊員の作品、日本人作曲家による意欲作(小編成であることにも注目)や人気アニメをシンフォニック・サウンドで堪能する充実の第1部。

そして、ゲスト・コンダクターによる吹奏楽のスタンダード作品と新アレンジによる大作《ダフニスとクロエ》第2組曲でコンサートをしめくくるという、考え抜かれた大人の選曲であった。日本の吹奏楽の未来を見据えた方向性を着実に打ち出すこのバンドは人気が出て当然だと思う。また、メンバーが演奏する曲に対して積極的で、演奏上でもその効果がはっきりと表れている。誠にスマートでインターナショナルなバンドならではと言えよう。

さて、曲の感想を順に追って紹介していこう。
幕開けは、もう恒例となった航空中央音楽隊が擁する作曲家、矢部政男による新作《夢に向かって》。いつも若さ溢れる新鮮な曲を提供してくれる矢部氏に拍手(アンコールも氏の名曲《空の精鋭》であった)。

2曲目は、昨年の〈バンド維新2008〉のために作曲された、西村朗氏(「N響アワー」司会者に就任し絶好調)の《秘儀 I 管楽合奏のための》。この曲の並びは冒険であったが、小編成のこの作品にメンバーが込めた思いは凄い。個人の音楽を前面に押し出す音楽作りは今までにないもので、精緻で緊張感あふれる作風とあいまって名演となったと思う。

 1部の最後はすでに十八番となった感のある三枝成彰氏の交響組曲《機動戦士ガンダム 逆襲のシャア》(長生淳編曲)。見事なアレンジの仕上がりを武器に、日本を代表するバンドとしての誇りとその実力を、響きとサウンドでしっかり示したといえよう。指揮者の中村芳文3等空佐の、作品を良く理解したタクトは大変素晴らしかった。何よりも曲の流れを自然に表現、充実の第1部を演出した。
また「こんなに難しく、緊張したステージは初めて。しかし、それが集中力を生みました」とコンサートマスターの吉野氏が語るほど、やりがいのあるステージだったのであろう。熱い音楽を伝えた素晴らしい演奏結果がその発言を裏付けていたと思う。

第2部冒頭におかれたG.ホルストの名曲《ハマースミス~プレリュードとスケルツォ》は難曲として知られ、ライブでは滅多に聞くことができない作品。この曲からは、ゲスト・コンダクターの大友直人氏の指揮。つくづく贅沢な企画である。

▲リハーサル風景-「ハマースミス」

さて、メインの《ダフニス》を伝える前に、ホルストの作品について話しておかなければいけない。大友氏は、「この曲は音楽隊側からの希望で、本当に難しかったけれど」と胸の内を語った。ゲストの登場する第2部の冒頭に、あえてこんな渋い難曲を選ばなくて良いと思う所である。しかし、これは吹奏楽の歴史を考えた時に、どんなに重要な作品であるかを理解した人たちだからこそできる挑戦だ。実際この曲のある部分だけは、緊張により演奏が曇る瞬間があったのも事実である。しかし、演奏が終われば、そんなことよりもあえてこの曲に挑戦したメンバーの志が伝わり、大きな感動が湧いてくる。この作品こそ今回のメインプロであったと言っても良いくらいだ。これは吹奏楽を愛するファンへの、ささやかであるが、最高のプレゼントであったと思う。

メイン(であろう)の《ダフニスとクロエ》第2組曲は、過去に組曲《展覧会の絵》の新アレンジで話題をさらった高橋徹氏が今年の1月に吹奏楽団FESTAのために書き下ろした新しい編曲版である。いくつかの編曲が存在するこの曲を「新しい感覚でアレンジ」したと語った高橋氏である。より大胆にという氏のことば通りに、普段聞こえない音が見え隠れするなど、新しい趣向は充分に示された。ただ、有名な作品だけにあまり新しい響きを求めると初心者はついていけないところもあるので、過激になりすぎないで欲しいとも感じた。
しかし、何と言っても大友直人氏のしなやかで雄大な指揮はどうだ。氏のハイレヴェルで繊細な音の要求に応えようと、大きく幅のある表現を見せた航空中央音楽隊は大きな飛躍を遂げたと信じたい。

▲「ダフニスとクロエ」の打ち合わせをする指揮者とアレンジャー

今回の定期は、第1部の西村作品などにも当てはまることであるが、奏者の自己表現が大きいのは大変な成長で、音楽を生き生きと反映させる大きな効果を生むことに成功した。これらは作品、コンサート企画に演奏者が共感していなければ得られない、良い意味でのアマチュアリズム満点の効果である。昨今、熱の入らない演奏会が話題になることもあるが、そんな風潮を吹き飛ばす快演であったと思う。当分このコンビからは目を離せそうにない。

会場で多くの音楽関係者を見かけた。私が気づいたところで、作曲家の西村朗、三枝成彰、中原達彦、丹生ナオミ、長生淳、中橋愛生、高橋徹の各氏や指揮者の汐澤安彦氏ら・・・と注目度アップの熱いコンサートであった。


◆特別インタヴュー:ゲスト・コンダクターの大友直人さんに話を伺いました。

(残念ながら、本番前のインタヴューであるため本番の演奏については触れていない)

■音楽、また吹奏楽との出会いは?

「出会いといえば、私自身が学校の音楽部で吹奏楽を経験したのが最初ですね。充分に人数もいない小編成のクラブだったものですからトランペットとかユーフォニウム、たまにはフルートまで演奏した経験があります。」

■次に吹奏楽に出会われたのは?

「その後、大学を卒業し、確か23、4歳の頃に、東京佼成ウインド・オーケストラに呼んでいただいて、何度か演奏会をご一緒したことがあります。(このときはラフマニノフの《シンフォニック・ダンス》などを取り上げたのを覚えています。)それからずっと開きまして、何年か前に航空中央音楽隊(組曲《展覧会の絵》を指揮)に呼んでいただいたのです。

■その時の航空自衛隊中央音楽隊の印象は?

「最初に出会ったとき、航空自衛隊の音楽隊は技術的に質の高いメンバーが揃っておられて、非常に気持ちの良いオーケストラだなぁ、と思いました。それは今も一緒です。全体の空気感が非常になごやかで、また厳しくもあり素晴らしいですね。外囿祥一郎さんもメンバー(当時)ですよね。外囿さんが管打楽器コンクールで優勝なさったとき、たまたま私が本選でご一緒(東京交響楽団)しているのです。そのときからのお付き合いですから、そういった意味でも親しみがありました。」

■今回で3回目の共演ですね。

「そうなんです。最近も白石市でのコンサートで外囿祥一郎さんのソロ、《禿山の一夜》、《パヴァーヌ》などを取り上げました。それと今回のプログラムにもある三枝成彰さんの《ガンダム》を抜粋ですが演奏いたしました。」

■今回の選曲について

「選曲は、音楽隊側の示された候補の中から私の希望で『こういうのはどうですか?』と提案させていただき選んだのです。《ダフニス》は私が提案を申し上げたのですが、いろいろなアレンジがあるようで、今回の高橋先生のアレンジは比較的最近のものですが、これは音楽隊のみなさんが見つけてきて下さったものです。

もうひとつの《ハマースミス》は音楽隊のリクエストだったのですが、大変難しい曲ですね。私も正直、ホルストは組曲《惑星》と《セント・ポール組曲》の2曲しか演奏経験がなかったものですから、良い機会をいただきました。非常に味わい、奥行きのある作品だと思います。様々なパートがかなり高度な緊張をしいられる曲なので、メンタルな部分でも、音楽へのコミットの仕方がなかなか難しいところですけれど。」

■今回の聴きどころ

「素晴らしい楽団ですから、その音楽的能力を味わっていただきたいなぁと思います。今回は練習がそう多くなかったのですが、その中でハーモニー感、音色、表情付けというようなものを私なりにリクエストはさせていただいて、それでとくにラヴェルの色彩感というかしら、空気感というものは、ラヴェル自身がストリングスをイメージして書かれた場所がたくさんありますから、ですからそういったものを逆にウインド・オーケストラのサウンドの中でまた新たな空気感、音色を作れるかということをチャレンジしてみたつもりです。」

■吹奏楽での音楽つくりについて

「仕上げ方についてオケとウインドの違いはとても難しいのですが、今回は3回目の共演ということもあり、私もみなさんの力量を理解しているということで、多少難しい要求をさせていただきました。ディナーミク、音色のこと、これは私自身も相当難しい注文をしいているという自覚がありながら、ぜひチャレンジをしてみていただきたいと。ただ、ウインド・オーケストラが持っている表現力の可能性というのは、おそらくものすごく幅広いものがあると思うのです。ですからそこで吹奏楽だから、とか管楽器だからということを理由に、何か音楽的表現を狭めてしまうことのないように、その世界にチャレンジしていくと、また世界は広がってくるのではないでしょうか。私はそう思っているのです。」

■若い音楽家へのメッセージ

「そうですね、いろいろな音楽に興味を持って聴いていただきたい。CDでも良いのですが、なるべく生でコンサート会場で本当に良い演奏を聴いていただきたいですね。アンサンブルっていうのは、ひとりひとりがどれくらい責任を持って演奏に参加できるかというのが一番の基本だと思います。自分のもっているパートをいろんな意味で良く理解して、パートだけでなく音楽全体の中でどんな役割なのかということをイメージして、興味をもって参加してほしいですね。ひとりひとりが積極的にやってくだされば合奏というのはうんと楽になるんです。ですから、そのあたりを思い考えながら演奏に参加すると楽しくなってきますし、クオリティもどんどん上がってきますしね。」

■秘密の勉強法を?

「他のジャンル、例えば詩、文学、絵画、歴史などを幅広く勉強して音楽を広げるという学び方は、学校で教わるといった性質のものではないのです。自分自身で勉強をしていく、と言うことに尽きるのですが、音楽でいえば、何事にも主体性を持って、その音楽・楽譜を自分でどう感じるかということですね。これは人から教わる、または真似をするだけでなく、自分自身で創り上げていくことで、またこれが一番面白い部分です。」

■大友さんの今後

「今現在、一緒に生きている人達と新しい創作活動ができればと思っています。現代の作曲家、アレンジャーの方達が新しい作品をどんどん生み出し、それを多くの方々が演奏するということ、むしろ、われわれオーケストラの世界よりも吹奏楽の世界の方が進んでいるかも知れないのですが。もっとも、オーケストラの世界とか、吹奏楽の世界とかに切り離して考えることを私はあまり好きではないのですが。それと、日本はもう音楽のマーケットとしては世界でも一番かも知れません、とくに東京は。でもこれだけ大きなマーケットでオリジナルなものを発信していくには、私はもっと国際的な土壌を作ってもよいのではないかと思っています。

それはどういうことかというと、日本にはほとんど外国人の音楽家が住んでいないですね。少しはいるんですけれど、実際自分たちの仲間としてここに住んで暮らして一緒に日常的な音楽作りをする仲間というのは限られている。われわれにとって素晴らしいことは、音楽の世界こそ、国籍とか人種とかのバックグランドを越えたところで一緒に音楽作りができるということが、今世界の中でとても大事だと思うんです。日本のオケとか音楽界はもっと世界に開かれて、そして世界中の優秀な音楽家が我々の国で街で、一緒に音楽作りできるような土壌ができていければなぁと思うんです。」

◆《ダフニスとクロエ》の編曲者、高橋徹さんに編曲について話を伺った。

■新アレンジについて

「この新しい編曲版は、初演をしてくれた吹奏楽団Festa側からの希望で書かせていただきました。例えばヴァイオリンよりもヴィオラの方が高い音を演奏しているところ、それが普通の編曲だと高い音がクラ、低い音がサクソフォンだったりするわけです。そうしたらヴィオラにあえて高い音を演奏させているテンションの高さが失われてしまって無難な音になってしまう。その方が音は作りやすいのだけど、平凡な響きになってしまう。そういうのに何か物足りなさを感じる。そこは、何かこだわりをもったアレンジが欲しいとの要求がありました。」

■本来の高橋流ではない?

「本来私は、近代ものは好みませんので、いままでもあまり編曲してこなかったのです。また《ダフニス》などは音色で聞かせる、いわゆるオケ曲として完成されているから、吹奏楽でやっては一番いけない曲のひとつだと思っています。だからあまり興味がなかった。しかし、彼らがこだわった上で望んだのです。だったら挑戦的なものを書いてみようと思いました。だから本当に上手くやれば良い音がするけれど、そこそこのバンドがやっても手が出ないよ。みたいなものをあえて作ったのです。つまりプロ仕様でしょうか。」

■この編曲版の今後

「初演した彼らはアマチュアですが、挑戦する気もちはあったのでそのように書きました。妥協なく。だからその時点で出版なんて全く頭になかったですね。そうしたらデハスケ出版から出すと言ってきました。来年出版の予定です。」

■CD化されると聴きましたが?

「その前に編曲した《幻想交響曲》(ベルリオーズ)とカップリングしてこの夏にCDとして出す予定(本人指揮)なので、ぜひ期待してください。

■最後に航空自衛隊航空中央音楽隊の印象は?

「演奏の表現での遠近感に幅がありますね。さすがプロです。もちろん指揮者の大友さんが良かった。高度な要求に限界までの緊張感が良く出ています。私の編曲も思った通りの音が出ていて、演奏は100点満点でした。航空中央音楽隊の演奏はCDでは何度も聴いていましたが、やはりとても上手いですね。技術と意識が高く、良く鳴るし、表現力も抜群でした。」

 終演後に知人の作曲家、演奏家数名と話をする機会があったが、揃って指揮者の素晴らしさ、選曲の良さを讃えていた。このようなコンサートに出会うとコンサート会場に足を運ぶ喜びを実感できる。さらなる飛躍を期待できる内容であったこのコンサートに感謝。

※なお、航空中央音楽隊は2週間前に府中のコンサートで和田薫作曲の交響組曲《空へ-救いの翼-》(全6楽章)の初演を行ったばかりだ。そのバイタリティにも敬意を表したい。


■航空自衛隊航空中央音楽隊第48回定期演奏会

【日時】2009年6月5日(金)  19:00開演
【会場】すみだトリフォニーホール

【プログラム】
第1部 指揮/副隊長 3等空佐 中村芳文

1.「夢に向かって」初演(准空尉 矢部政男)
2.秘儀Ⅰ -管楽合奏のための-(西村 朗)
3.交響組曲「機動戦士ガンダム 逆襲のシャア」(委嘱作品)
(三枝成彰/長生 淳)
(休憩)

第2部 客演指揮/大友直人

1.ハマースミス-プレリュードとスケルツォ作品52(G.ホルスト)
2.バレエ音楽「ダフニスとクロエ」第2組曲(M.ラヴェル/高橋 徹)
アンコール:航空自衛隊行進曲「空の精鋭」(准空尉 矢部政男)

ここからブラスの伝説が始まった! ニュー・サウンズより凄い!ブラスの父・岩井直溥が送る初期の傑作作品集、8月26日発売、決定!

「ニューサウンズ・イン・ブラス」の生みの親・育ての親である岩井直溥氏が、ニューサウンズ以前に手がけた幻のポップス・アレンジ集が2枚組みCDとなって8月26日に復活する!

 全曲が洋楽の吹奏楽カバー。チェイスの「黒い炎」やシカゴの「イントロダクション」、バカラックのヒット作品など、吹奏楽ファンの間では、入手困難な幻の名盤と言われていたアルバムだ。

 しかも、アレンジは現在のニュー・サウンズを超える凄まじさ! ロック・ファンも納得のカッコよさにあふれている。今から発売日が楽しみだ!

【収録曲】

SIDE A ブラス・バンド プレイ ブラスロック

イントロダクション(シカゴ)
黒い炎(チェイス)
黒いジャガーのテーマ(アイザック・ヘイズ/映画音楽)
スーパーフライ(カーティス・メイフィールド/映画音楽)
スピニング・ホイール(BS&T)
オープン・アップ・ワイド(チェイス)
クエスチョン67~68(シカゴ)
ランカスター・ゲイト(リチャード・エヴァンス)
アンド・ホェン・アイ・ダイ(BS&T)
ハイ・ディ・ホー(BS&T)
アクエリアス(マクダーモット/ミュージカル≪ヘア)より)

SIDE B ダイナミック・マーチ・イン・バカラック

サン・ホセへの道
雨にぬれても
幸せわパリで
アルフィー
ディス・ガイ
恋よさよなら
マイケルへのメッセージ
ボンド・ストリート
汽車と船と飛行機
ウォーク・オン・バイ
何かいいことないか子猫ちゃん
小さな願い

■「岩井直溥 初期傑作集」
~アーリー・アレンジ・イン・ブラス(仮

EMI ミュージック・ジャパン
2009年8月26日発売
HQCD(高音質CD)2枚組
定価:3,500円

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■岩井直溥 自伝
第18回「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」前夜
http://www.bandpower.net/soundpark/02_iwai_story/18.htm

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