“フォーデンズ”は、ブラック・ダイク、フェアリー、ブリッグハウス&ラストリック、グライムソープ、G.U.S.などと並び称せられるイングランドの超名門ブラスバンドだ。
結成は、全英ブラスバンド選手権が始まった1900年!!
以来、全英選手権で13回、全英オープン選手権で12回の優勝!!
リバプール・フィルの首席トランペット奏者で《ミスター・ブラス》の敬称で呼ばれた有名なハリー・モーティマーがプロフェッショナル・コンダクターをつとめた時代には、同じく名門として名を馳せたフェアリー、モーリスと合体して大編成のスーパー・ブラスバンドとした“メン・オー・ブラス(ブラスの男たち)”の一翼を担い、BBC放送や、デッカ、EMIのメジャー・レーベルの“スター”として大活躍!
バンドパワーの超ロングセラーCD「ヨーロピアン・ブラスバンド選手権 1992」(CD-1602)に収録されているフィリップ・スパークの「ドラゴンの年」も、このバンドが“ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・バンド”という名で活動していた当時の伝説的優勝ライヴだったりする!
しかし、2016年4月17日(日)、突然の災禍が“フォーデンズ”を襲う!
イングランド北西部チェシャーにあるバンドルーム(練習場兼ホーム)が火災で全焼!
使っていた楽器やユニフォーム、アクセサリーだけでなく、バンドの栄光を物語る数々のトロフィーや写真などのアーカイヴ、3500曲を超す楽譜ライブラリーがことごとく灰となってしまった。とくに歴史あるバンドだけに、手書きの楽譜を失ったことは、計り知れない損失だった。
“フォーデンズ”のプリンシパル・コルネットとして大活躍し、今もマネージャーをつとめるマーク・ウィルキンスンは、『フォーデンズ全員が、この事件、特にバンドの歴史的なアーカイブの多くの喪失をひじょうに悲しんでいます。 楽器は簡単に交換が可能ですが、郷愁をそそる歴史的価値のあるアイテムを失うことは、ブラスバンド・コミュニティ全体への容赦のない破壊となりました。』と火災直後に語っている。
この名門バンドの悲劇を、イギリス全土のブラスバンド・プレイヤーは、見過ごさなかった。直ちにバンド再建への募金やサポートが開始され、コンサートも各地でつぎつぎと企画された! そして、音楽出版社も楽譜ライブラリーの再構築を開始するための協力を申し出た!
イギリスでブラスバンドをやる人間は、別々のバンドに所属しながらも、互いを“ブラスバンド・ファミリー”と呼ぶが、この素早い動きは、正しく“一家”のそれだ!!
バンドパワーでも、なにか“フォーデンズ”の名にふさわしいアイテムをフィーチャーしたいとアレコレ探し回った結果、とっくの昔に“廃盤”となったこのCDをゲット!!
それが、2003年、アメリカの映画会社ワーナーが企画した《ジョン・ウィリアムズ・エピック・テーマ》だ!
タイトルどおり、「スター・ウォーズ」、「ミッドウェイ」、「7月4日に生まれて」、「E.T.」、「ハリー・ポッター」などの映画のためにジョン・ウィリアムズが書いたスクリーン・ヒットがずらり!
フィナーレの「ジョン・ウィリアムズ・エピック・テーマ」にも、「スター・ウォーズ」のメイン・テーマのほか、「1941」のマーチ、「オリンピック・スピリット」、「スーパーマン」などが散りばめられている!
ブラスバンドのためのアレンジャーには、スティーヴ・サイクス、アンドルー・ダンカン、レイ・ファーといったおなじみのベテランを起用! レコーディングは、2003年8月、すばらしい音響を誇るマンチェスターのソルフォード大学ピール・ホールで行われた。
さすがワーナーのプロデュースだけに、映画のサウンドトラックのような仕上がりだ!
メンバー・リストには、プリンシパルのマーク・ウィルキンスン、フリューゲルのヘレン・フォックス、ユーフォニアムのグリン・ウィリアムズ、ナツミ・イナバの名も!!
フォーデンズの歴史の1ページを飾る、ブラスバンド・サウンドあふれるアルバムだ!
■フォーデンズ・バンド
~ジョン・ウィリアムズ・エピック・テーマ
【収録曲】
- リバティー・ファンファーレ/(arr. スティーヴ・サイクス) 【4:16】
Liberty Fanfare/(arr. Steve Sykes) -
「ハリー・ポッターと賢者の石」セレクション/(arr. スティーヴ・サイクス) 【6:18】
Selections from “Harry Potter and the Sorcerer’s Stone”/(arr. Steve Sykes) -
「スター・ウォーズ エピソード1/ファントム・メナス」組曲/(arr. アンドルー・ダンカン) 【10:56】
A Phanton Menace Suite/(arr. Andrew Duncan) -
7月4日に生まれて/(arr.アンドルー・ダンカン) 【5:04】
Born on the Fourth of July/(arr. Andrew Duncan)
コルネット(Cornet):マーク・ウィルキンスン(Mark Wilkinson) -
カウボーイ(序曲)/(arr. スティーヴ・サイクス) 【8:24】
Overture “The Cowboys”/(arr. Steve Sykes) -
ルークとレイラ(「スター・ウォーズ エピソード6/ジェダイの帰還」から)
/(arr.アンドルー・ダンカン) 【4:50】
Luke and Leia (from “Star Wars Episode VI: Return of the JedI”/(arr. Andrew Duncan) -
ミッドウェイ・マーチ/(arr. レイ・ファー) 【4:16】
Midway March/(arr. Ray Farr) -
ファンファーレと飛行のテーマ(「E.T.」から)/(arr. スティーヴ・サイクス) 【4:46】
Fanfare and Flying Theme (from “E.T. - The Extra Terrestrial”)/(arr. Steve Sykes) -
不死鳥フォークス(「ハリー・ポッターと秘密の部屋」から)/(arr. アンドルー・ダンカン) 【4:04】
Fawkes the Phoenix (from “Harry Potter and the Chamber of Secrets”/(arr. Andrew Duncan)
10. ジョン・ウィリアムズ・エピック・テーマ/(arr. スティーヴ・サイクス) 【8:03】
John Williams Epic Themes/(arr. Steve Sykes)
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http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-4203/