ユーフォニアム界をリードする名手スティーヴン・ミードが、クロアチア放送交響楽団の金管&打楽器セクションとコラボを重ねて完成したアルバムです。
収録曲は、すべてクロアチア放送響ソロ・トロンボーン奏者ワーニャ・リスヤックの作品もしくは編曲で、レコーディングもクロアチア放送のスタジオで行なわれています。
最も注目すべき作品は、アルバム冒頭を飾る演奏時間約21分の「ユーフォニアム協奏曲」です。3楽章形式の古典的協奏曲のスタイルで書かれていますが、独奏のバックをオーケストラの金管&打楽器セクションが担っているのが大きな特徴。超絶技巧や超音域をフィーチャーするコンテンポラリー・タッチの作品ではなく、クラシック音楽の書法に根ざした本格的な協奏曲で、独奏者にも伴奏部にも高い音楽性が求められます。また、ときおり顔をのぞかせる東欧風のタッチは、われわれ日本人のハートをも大きく揺さぶることでしょう。
噛み締めれば噛み締めるほど味が出る、そんな聴き応えたっぶりの新しいユーフォニアム協奏曲の登場です!
ミードは、この協奏曲の他、ハープをバックにフォーレの「パヴァーヌ」、金管&打楽器セクションをバックにラヴェルの「亡き王女のためのパヴァーヌ」の2曲で存在感のあるソロを聴かせてくれます。
クロアチア放送響金管&打楽器セクション単独では、ヘンリー・パーセルやジョヴァン二・ガブリエリが、東欧のオケマンらしい、陰影のあるしっとりとしたタッチで愉しめます。
しかし、本来はクロアチア放送響金管&打楽器セクションのCDだったはずが、ゲストのミードがおいしいところの大部分を持っていってしまった。そんな印象のこのCD。
ユーフォニアム・ファン、ミード・ファンはもちろん必聴! 広く一般の音楽ファンにおススメしたいアルバムです。
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■スティーヴン・ミード~ワーニャ・リスヤック/
ユーフォニアム協奏曲
・ユーフォニアム(Euphonium):スティーヴン・ミード(Steven Mad) 1、2、9
・演奏団体:クロアチア放送交響楽団金管&打楽器セクション
(Brass and Percussion of the Croatian Radio and Television Symphony Orchestra)
・指揮者:ムラデン・タルブク(Mladen Tarbuk)
【収録曲】
1. ユーフォニアム協奏曲/ワーニャ・リスヤック 【21:07】
Concerto for Euphonium/Vanja Lisjak
I) モデラート Moderato
II)リチュアル・ウォルト Ritual Walt
III)アレグロ・ジョコーソ Allegro Giocoso
2. パヴァーヌ/ガブリエル・フォーレ (arr. ワーニャ・リスヤック)【7:48】
Pavane/Gabriel Faure (arr. Vanja Lisjak)
3. マーチを集めて/ジャック・ペジブル、トーマス・トレット、ヘンリー・パーセル
(arr. ワーニャ・リスヤック) 【6:39】
Marches/Jacques Paisible, Thomas Tollet and Henry Purcell (arr. Vanja Lisjak)
4. 「メアリー女王の葬送音楽」より 主よ,御身は我らの心の秘密を知り給う
/ヘンリー・パーセル(arr. ワーニャ・リスヤック) 【1:59】
Thou Knowest Lord, the Secrets of Our Hearts/Henry Purcell (arr. Vanja Lisjak)
5. カンツォーナ/ヘンリー・パーセル(arr. ワーニャ・リスヤック) 【2:13】
Canzona/Henry Purcell (arr. Vanja Lisjak)
6. 主を称えよ、おおエルサレム/ヘンリー・パーセル(arr. ワーニャ・リスヤック) 【6:55】
Praise the Lord, O Jerusalem/Henry Purcell (arr. Vanja Lisjak)
7. ソナタ:ピアノとフォルテ/ジョヴァン二・ガブリエリ (arr. ワーニャ・リスヤック) 【4:15】
Sonata Pian’ e Forte/Giovanni Gabrieli (arr. Vanja Lisjak)
8. わがマドンナ、ピエタ/オルランド・ディ・ラッソ (arr. ワーニャ・リスヤック) 【1:37】
Madonna Mia, Pieta /Orlando de Lasso (arr. Vanja Lisjak)
9. 亡き王女のためのパヴァーヌ/モーリス・ラヴェル(arr. ワーニャ・リスヤック) 【6:29】
Pavane Pour Une Infante Defunte/Maurice Ravel (arr. Vanja Lisjak)
【スティーヴン・ミード】
1962年2月26日、イングランドのボーンマスに生まれる。世界一とも謳われる神業的なテクニックと、演奏を聴いた誰もが虜にされてしまうほど、豊かな音楽性を併せ持ったユーフォニアム奏者。金管楽器界のスーパースター、エンターテイナーであり、世界を股にかけて演奏活動を行っている。委嘱作品も多く、スパークの『ユーフォ二アム協奏曲』やグレイアムのユーフォニアム協奏曲『称う(たとう)べき紳士たちの列伝に』など、数多くの新作を世界初演。LP、カセット、CDなど、発売された音源は数知れず、ユーフォニアム奏者としての録音曲数も世界一と言われている。
■他のミードのCD
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/c/0000000873/