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■ブラック・ダイク~グレッグスン:ブラス・ミュージック Vol.2(エドワード・グレッグスン作品集 第2集)

「ダイクの前にダイクなし、ダイクの後にダイクなし」と謳われるイングランドのブラスバンド“ブラック・ダイク”!

歴史的名門バンドだけに、ターンテーブルに載せられたディスクの回転数が1分間に78回転が主流だった(ディスクの一面に3~4分程度の曲しか収録不可能だった)SPレコードの時代から、45回転のEPレコードやシングル、約33回転のLPレコードの時代を経て、現代のCDやDVDに至る各種商業レーベルに、350タイトルを超えるレコーディングを残してきた!

世界中に“ブラック・ダイク”アイテムをコツコツと蒐集する熱心なコレクターやサポーターが存在する、そんな超人気バンドなのだ!!

このアルバムは、ドイエン・レーベルが、1990年代初頭から、デスフォード・コリアリー・キャタピラー・バンド、ウィリアムズ・フェアリー・バンド、ハレ・ブラス、ロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージック・ウィンド・オーケストラなど、英国内のさまざまなアーティストとレコーディングを重ね、今もシリーズ継続中のイギリスの作曲家エドワード・グレッグスン(1945~)の“ブラスバンド作品集”第2弾だ。

録音&リリースは、1995年!! とっくの昔の“絶版”アイテムだ!!!

今回、それが奇跡的に少数出土した!!

当時の音楽監督は、1992~2000年の間その任にあった故ジェームズ・ワトソン(1951~2011)。

ワトソンは、ロイヤル・フィルハーモニー管弦楽団、コヴェント・ガーデン王立歌劇場管弦楽団、ロンドン・シンフォニエッタの首席トランペット奏者をつとめ、フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルのメンバーでもあったイギリスの伝説的プレイヤーだ。

少年時代からコルネットに親しみ、わずか11才で、名門炭鉱バンド、デスフォード・コリアリー・バンドのプリンシパル・コルネット奏者に就任。1966年には“全英ソロ・チャンピオン”に輝いたが、そのとき、まだ14才。並み居る大人たちを押しのけての見事な栄冠だった。トランペットは、ロンドンのロイヤル音楽アカデミー(RAM)に学び、22才のとき、名指揮者ルドルフ・ケンぺに選ばれ、ロイヤル・フィル史上最年少の首席トランペット奏者になった。

グレッグスンが主に1970年代に書いた名品を集めたこのCDでも、『プレリュードとカプリッチオ』(1972)と『コンチェルト・グロッソ』(1972)の2曲で、指揮棒をコルネットに持ち替え、さすが名手という、安定感のあるフィンガリングの伸びやかなソロを聴かせてくれる。

この盤では、ワトソンがソロをとるとき、グレッグスン自身が指揮をつとめている。

ソロピース以外でも、『プレリュード・フォー・アン・オケージョン』(1968)、『エッセイ』(1971)、『プランタジネット朝』(1973)、『パルティータ』(1971)、『ラウダーテ・ドミヌム変奏曲』(1976)という、20世紀イギリスの人気オリジナルとして人気を博した5曲が愉しめる。

『プレリュード・フォー・アン・オケージョン』は、プラック・ダイクのレコーディングのために書かれたグレッグスン初のブラスバンド曲で、発表後、大ヒット作となった。

余談ながら、フィリップ・スパークがロンドンの王立音楽カレッジ(RCM)在学中、出版社R・スミスのブラスバンドのための新作募集の告知を見て興味を覚え、同社の社長でトランペット奏者、指揮者のジェフリー・ブランドを訪ねて、どういうものを求めているのか質問したところ、一例としてこの曲のレコードを聴かされ、帰宅後、スパークが一晩で書き上げたのが「コンサート・プレリュード」だったというエピソードがある。

 『エッセイ』は、老舗煙草メーカー“W.O. & H.O ウィルズ”が毎年行っていたブラスバンド選手権の1971年決勝のテストピース(課題)として委嘱された作品で、3楽章構成の簡潔なシンフォニーのスコープとスケールを意識して作曲された。若々しいグレッグスンのアイデアが凝縮された作品だ。

“ブラスバンドのためのシンフォニック・スタディー”との副題をもつ『プランタジネット朝』(1973)は、1973年の全英選手権の地区予選のためのテストピース(課題)として委嘱された。中世イングランドの王朝を題材に書かれた野心的香り漂う本格オリジナルとして人気を博し、その後もしばしば演奏される。

『パルティータ』(1971)と『ラウダーテ・ドミヌム変奏曲』(1976)は、グレッグスンがブラスバンドのために書いた代表的作品で、イングランドでは不動の人気を誇る。

前者は、“イントラーダ”、“コラールとヴァリエーション”、“マーチ”の3楽章構成。13世紀のレクイエムからとられたディエス・イレ“(怒りの日)”をテーマとするが、ユース・バンドからの委嘱曲でもあり、宗教的な重々しさに終始せず、ときにはライトに展開し、最終楽章の終結部に近づくにつれ、明るく楽天的なムードさえ醸し出しながら、圧倒的な輝きの内に曲を終える。

後者は、作曲者の実の兄弟であるプラムウェル・グレッグスンがバンドマスターをつとめるカナダの救世軍ロンドン・シタデル・バンドのイギリス演奏旅行のために委嘱され、1976年6月、ロイヤル・アルバート・ホール(英ロンドン)で初演された。曲名のラウダーテ・ドミヌムは“主を崇めよ”と訳され、ヒューバート・パリー(1848~1918)の同じ意の賛美歌“O Worship The King”をテーマとする変奏曲として書かれている。当初、救世軍のバンド以外の演奏が禁じられていたが、1990年代にそれが解除されると、瞬く間に世界中で演奏される人気曲となった。

エドワード・グレッグスンも、かつて救世軍の音楽家だったことを記憶の片隅に留めておきたい。

ソプラノ・コルネットのケヴィン・クロックフォード、フリューゲルのレス・マコーマック、ユーフォニアムのロバート・チャイルズ、トロンボーンのクリス・ジーンズらがプレイするワトソン時代のブラック・ダイクは、セクション密度の高いアンサンブルと輝かしいサウンドで知られた。

切れ味鋭いすばらしい音響を誇るマンチェスターのザイオン・インスティチュート(ザイオン・アート・センター)で、後にBBCの録音エンジニアに転身するハワード・バーンズによってレコーディングされたブラスバンド史に残るCDだ!

■【数量限定】
ブラック・ダイク~グレッグスン:ブラス・ミュージック Vol.2
(エドワード・グレッグスン作品集 第2集)

http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-4239/

・演奏団体: ブラック・ダイク・ミルズ・バンド(Black Dyke Mills Band)
・指揮者: ジェームズ・ワトソン (James Watson) 1、2、4、6、7
エドワード・グレッグスン (Edward Gregson) 3、5

・録音:1995年、Zion Institute, Manchester (U.K.)
・発売元:ドイエン(Doyen)
・発売年:1995年

【作曲(全曲):エドワード・グレッグスン (Edward Gregson)】

  1. プレリュード・フォー・アン・オケージョン(1968) 【3:35】
    Prelude for an Occasion

  2. エッセイ(1971) 【12:38】
    Essay
    I) ダイアログ   Dialogue【4:02】
    II)ソリロキー Soliloquy【5:17】
    III)エピグラム  Epigram【3:17】

  3. プレリュードとカプリッチオ(1972) 【8:36】
    Prelude and Capriccio
    コルネット(Cornet):ジェームズ・ワトソン(James Watson)

4. プランタジネット朝 – ブラスバンドのためのシンフォニック・スタディー (1973)【12:14】
The Plantagenets – Symphonic Study for Brass Band

  1. コンチェルト・グロッソ(1972)  【8:55】
    Concerto Grosso

コルネット(Cornet):ジェームズ・ワトソン(James Watson)
テナーホーン(Tenor Horn):レス・マコーマック(Les McCormack)
ユーフォニアム(Euphonium):ロバート・チャイルズ(Robert Childs)
トロンボーン(Trombone):クリス・ジーンズ(Chris Jeans)

  1. パルティータ(1971) 【10:54】
    Partita
    I) イントラーダ Intrada 【2:36】
    II)コラールとヴァリエーション Chorale and Variations【4:31】
    III)マーチ March【3:38】

  2. ラウダーテ・ドミヌム変奏曲(1976) 【11:41】
    Variations on “Laudate Dominum”

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■ブラック・ダイク最新作「ダンスとアリア」(エドワード・グレッグスン作品集 第6集)が発売!

「ダイクの前にダイクなし、ダイクの後にダイクなし」と謳われるイングランドの名門ブラスバンド“ブラック・ダイク”!

2016年10~11月に、26年ぶり3度目の来日が実現!!

東京のNHKホールを皮切りに、国内3会場で行なわれた公開コンサートで、ファンの熱狂的歓迎を受け、そのライヴは、テレビやラジオでもオンエアされた。

このアルバムは、ドイエン・レーベルが1990年代初頭にスタートさせ、さまざまなアーティストと積み上げてきたイギリスの作曲家エドワード・グレッグスンのブラスバンド作品集の“第6弾”だ。

録音は、2016年5月と12月にブラック・ダイクの本拠地の1つ、ヨークシャーのモーリー・タウン・ホールで行われた。プレイヤーがほぼ 2016年来日メンバーであることから、日本公演時と寸分違わないダイナミックなサウンドとエキサイティングな音楽づくりが愉しめる!!

公演の興奮をもう一度味わいたい人には、超オススメのアルバムだ!!

エドワード・グレッグスン(1945~)は、管弦楽、声楽、器楽、ウィンドオーケストラ、ブラスバンド、ブラスアンサンブル、教育音楽など、幅広いカテゴリーの作品を書いているイギリスのベテラン作曲家だ。ブラスバンドのための『ダンスとアリア』(1984)やウインドオーケストラのための『剣と王冠』(1991)は、日本でもよく知られている。

アルバムは、その『ダンスとアリア』からスタートする!

1984年10月7日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された“全英ブラスバンド選手権”決勝のテストピース(課題)として委嘱された作品で、熱狂的支持を得て今も世界中に演奏されるブラスバンドのマスターワークだ!(優勝:アーサー・ケニー指揮、コーリー・バンド)

曲名が示すように、作品は、ダンス~アリアI~ダンス(スケルツォ)~アリアII~ダンスという、速いセクションとゆっくりとしたセクションが交互に配される構成となっている。

演奏はとてもブリリアント! 衝撃的なオープニング・セクションから大興奮のエンディングまで、ブラック・ダイクの作品と真正面から向かい合う姿は、真摯、緻密という言葉がふさわしく、作曲家と名作に対する深い敬意がこめられているようだ!

2曲目の『コルネット協奏曲』(2016)は、ブラック・ダイクのプリンシパル・コルネット奏者リチャード・マーシャルの ために書かれた作品で、“ソナタ”“インターメッツォ(さらに遠い記憶の…) ”“ロンド”と小題のある急-緩-急の3つの楽章で構成される。 2016年4月30日、フランスのリールのコンサート・ホール“ル・ヌーボー・シエークル”で開催された“ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2016”の ガラ・コンサートで、マーシャルの独奏、ニコラス・チャイルズ指揮、ブラック・ダイクの伴奏で初演された。

このコンチェルトは、コルネットとブラスバンド、双方のキャラクターや音楽的魅力を知り尽くしている作曲家だからこそ書くことができた作品であり、独奏者、伴奏者、聴く者のすぺてを音楽の中に惹きこんでいく!

伴奏するバンドと互いに語り合うように独奏するマーシャルは、さすがコルネットの第一人者だ!!

3曲目の『4つのエチュード』(2016)は、この録音のためにブラック・ダイクが委嘱した新曲で、 初演は、2017年1月29日、マンチェスターのロイヤル・ノーザン・カレッジ・オブ・ミュージック(RNCM)で開催された“RNCMフェスティヴァ ル・オブ・ブラス”で、作曲者自身が指揮するブラック・ダイクによって行なわれた。このディスクでも、作曲者が指揮をしている。

主に音質、リズム、質感、色彩の4つの要素を探求するために書かれた4つの短いエチュード集で、1曲目から3曲目までは、グレッグスンが1982 年に作曲したピアノ曲が原曲となっている。4曲目だけが長いが、これは、ちょうどこの部分に差し掛かったとき、シリアのアレッポで行なわれた恐ろしい人間 の悲劇の影響をもろに受けてしまったためだという。エンディングはカンティクル(歌)でしめくくられているが…。

それに続く『パターンズ』(1974)は、同年10月5日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された“全英ユース・ブラスバンド選手権”決勝のテストピースとして委嘱された作品だ。(優勝:トリディガー・ジュニアーズ)

グレッグスンが20代に書いた作品だが、21世紀の今聴いてもとても新鮮に響く。短く不規則なリズミカルなパターンを使って音楽的なまとまりを作りだしていると評されたこの作品は、若々しさとクレバーさが同居し、新古典主義的アプローチながら、新しい時代の到来を感じさせる作風でブラスバンド・オリジナルの王道をいく魅力あふれる作品となった。

アルバムのラストを彩るのは、『ザ・トランペッツ・オブ・ジ・エンジェルズ(天使のトランペット)』だ!

もともとは、2000年5月19日、マンチェスターのブリッジウォーター・ホールで開催された“フォーデンズ・クルトワ・バンド100周年コン サート”(指揮:ニコラス・チャイルズ)のための委嘱作で、そもそもの原作は、グレッグスンが1998年にBBCフィルハーモニックとハダ―ズフィールド 合唱協会のために書いた「…そして7本のトランペットが…」だった。

黙示録の「私は神の前に立っていた7人の天使を見ました。 彼らには7つのラッパが与えられ…」と記述されているシーンにインスパイアーされた音楽だ。

フォーデンズの初演当時は、ブラスバンドと独奏トランペット、オルガンの編成で、ブラック・ダイクもそのオリジナル版をCD「トランペッツ・オブ・ジ・エンジェルズ~エドワード・グレッグスン作品集 第4集」(CD-0702)にすでに収録している。

今度のCDに収録されているのは、ブラック・ダイクが、2016年4月30日、フランスのリールのコンサート・ホール“ル・ヌーボー・シエーク ル”で催された“ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2016”の選手権本番のステージで、オウン・チョイス・テストピース(自由選択課題)として世界初演 するために、オルガンを省いて、バンドを取り巻くように配置されたバンダを含む、ブラスバンドと独奏トランペットだけで演奏できるよう改編を委嘱した“ニュー・パフォーミング・エディション”(2016)! つまり、新しい別バージョンで、オリジナルとの聴き比べがおもしろい!!

そのときのライヴ映像は、DVD「ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2016」(DVD-9723)で見ることができるが、このCDの演奏はヨーロピアン直後のセッション録音!

元となっているのが黙示録だけに、音楽はとにかくドラマチック!!

独奏トランペットは、ハレ管弦楽団の名手ギャレス・スモール!!

選手権本番をへたセッションだけに、まるでライヴのような緊迫感が漂う、スペクタキュラーなパフォーマンスとなっている!!

シャープな切れ味とダイナミックな音楽づくりは、さすがにブラスバンドの王者!!

ブラック・ダイク・ファンには、聴き逃せないアルバムだ!

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http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-4188/

■ブラック・ダイク~ダンスとアリア
(エドワード・グレッグスン作品集 第6集)

・演奏団体:ブラック・ダイク・バンド(Black Dyke Band)
・指揮者:
ニコラス・チャイルズ (Professor Nicholas J. Childs) 1、2、4、5
エドワード・グレッグスン (Edward Gregson) 3
・録音:2016年5月、12月、Morley Town Hall (U.K.)
・発売元:ドイエン(Doyen)
・発売年:2017年

【収録曲】

【作曲(全曲):エドワード・グレッグスン (Edward Gregson)】

  1. ダンスとアリア 【13:18】
    Dances and Arias

  2. コルネット協奏曲  【18:25】
    Cornet Concerto
    コルネット(Cornet):リチャード・マーシャル(Richard Marshall)
    I)第1楽章:ソナタ Sonata 【7:32】
    II)第2楽章:インターメッツォ(さらに遠い記憶の…) Intermezzo(…of More Distant Memories) 【6:43】
    III)第3楽章:ロンド Rondo 【4:10】

  3. 4つのエチュード  【9:26】
    Four Etudes
    I)カンティクル  Canticle 【1:54】
    II)ダンス Dance 【1:44】
    III)エキセントリック  Excentrique 【1:43】
    IV)アレッポ  Aleppo 【4:05】

  4. パターンズ 【5:16】
    Patterns

  5. ザ・トランペッツ・オブ・ジ・エンジェルズ(天使のトランペット)  【21:02】
    The Trumpets of the Angels
    トランペット(Trumpet):ギャレス・スモール(Gareth Small)

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ブラック・ダイク~シンフォニー(エドワード・グレッグスン作品集 第5集)…グレッグスンの作品の内的な凄さとブラック・ダイクの洗練されたサウンド、演奏が光るアルバム!

 『ダイクの前にダイクなし、ダイクの後にダイクなし』と謳われる世界中のブラスバンド・ファンの憧れの的、イングランドの名門ブラスバンド、ブラック・ダイクのすばらしい演奏が愉しめるエドワード・グレッグスンの作品集!
ドイエン・レーベルが1990年代初頭にスタートさせ、さまざまなアーティストと作り上げてきたグレッグスン作品集の第5弾CDでもある。

 エドワード・グレッグスン(1945~)は、管弦楽、声楽、器楽、ウィンドオーケストラ、ブラスバンド、ブラスアンサンブル、教育音楽など、幅広いカテゴリーの作品を書いているイギリスのベテラン作曲家だ。ウインドオーケストラのための『剣と王冠』(1991)やブラスバンドのための『ダンスとアリア』(1984)は、日本でもよく知られている。

 このCDは、グレッグスンが2012年に完成させたブラスバンドのためのオリジナル作品『遠い想い出に』と『二楽章のシンフォニー』の2大作を中心に、新たにブラスバンド伴奏版が作られた『トロンボーン協奏曲』や作曲者自身が語る作品感についてのトークなどを収録したひじょうにアンビシャス性の高いアルバムだ。

 同じ年にリリースされた「ブラック・ダイク~イン・トリビュート(フィリップ・ウィルビー作品集)」(CD-3036)と同様、作曲家と作品に対する深い敬意がこめられ、真正面から取り組んだ真摯な演奏からも演奏者の充実ぶりが感じられる。

 指揮は、音楽監督のニコラス・チャイルズと音楽助監督のロバート・チャイルズのおなじみのふたり。

 アルバム冒頭の『遠い想い出に』は、ブラック・ダイクの委嘱作で、2013年1月25日、マンチェスターのロイヤル・ノーザン・音楽カレッジ(RNCM)で開催された“RNCMフェスティヴァル・オブ・ブラス”のブラック・ダイクのコンサートで、ニコラス・チャイルズの指揮で初演。同年10月20日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された“全英ブラスバンド選手権2013”選手権部門決勝のテストピース(課題)としてもエントリー20バンドによって演奏された。

 初演年の2013年が、パーシー・フレッチャーが全英ブラスバンド選手権決勝のためのテストピース(課題)として、ブラスバンドのための初の本格的オリジナルとなった交響詩「労働と愛」(CD-3034、「ブラック・ダイク・ゴールドVol.2」に収録)を作曲してちょうど100周年にあたることから着想された作品だ。

 “オールデン・スタイル(昔日のスタイル)の音楽”という副題を持ち、作品には、フレッチャー以降、20世紀前半の数十年の間にホルストやエルガー、アイアランド、ブリス、ハウエルズ、ヴォーン=ウィリアムズなどによって書かれたブラスバンド・オリジナルに敬意を払い、旋律の断片や和声、スタイルなどが使われている。

 それらは決してメドレーのような姿で使われず、グレッグスンの作品の中に見事に溶け込んでいるのが要注目ポイント。ヨーロッパのブラスバンド・ファンを熱狂させたのもなるほどと頷けるすばらしいスコアリングで、ブラック・ダイクの初演もたいへんな評判を呼び、早くも名曲の1つに数えられようとしている!

 アルバムのフィナーレをしめる『二楽章のシンフォニー』は、2012年に60周年を迎えることなったナショナル・ユース・ブラスバンド・オブ・グレート・ブリトン(イギリス・ユース・ブラスバンド)と同様に30周年を迎えることになったナショナル・ユース・ブラスバンド・オブ・ウェールズ(ウェールズ・ユース・ブラスバンド)の共同委嘱作だ。

 2012年4月6日、ウェストン=シュパー=メアのウィンター・ガーデン、翌7日、ロンドンのカドガン・ホールのシリーズ・コンサートで、プラムウェル・トーヴェイ指揮、ナショナル・ユース・ブラスバンド・オブ・グレート・ブリトンの演奏で世界初演。他方、ウェールズ初演は、同年7月27日、アベリストウィスのウェールズ大学、翌28日、カーディフのランダフ大聖堂という日程で、ニコラス・チャイルズ指揮、ナショナル・ユース・ブラスバンド・オブ・ウェールズの演奏で行われた。

 ベートーヴェンがピアノ・ソナタ第32番(1882)に使ったのと同じ2楽章構成のスタイルで書かれ、ソナタ形式のアレグロの第1楽章“トッカータ”と、テーマと4つのヴァリエーションからなる第2楽章“ヴァリエーション”で構成されている。

 プロコフィエフも、交響曲第2番(1925)をこの2楽章スタイルで書いており、そのこともあって、グレッグスンは初のブラスバンドのためのシンフォニーをこの2楽章スタイルで書くことになった。

 初演後、早くも注目を集め、2013年5月4日、ヨーロピアン・ブラスバンド選手権に出場したブラック・ダイク・バンドがオウン・チョイス・テストピース(自由選択課題)として演奏。2014年の北米ブラスバンド選手権にも採用された。

 (ヨーロピアンのアツいライヴは、フルバージョンがCD「ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2013}(CD-2986)で、抜粋が同じタイトルのPAL方式DVD(DVD-9569)に収録されており、要チェックだ!)

 トラック-4に収録されているエドワード・グレッグスンとポール・ヒンドマーシュの会話では、以上2曲の作曲の経緯などがさらに詳しく述べられ、とても興味深い。いつもながら、ヒンドマーシュの切り込みが鋭く、それに対してグレッグスンがとても丁寧に回答している様子が伝わってくる。

 その他、アルバムには、原曲がオーケストラ伴奏で書かれ、ブラック・ダイクのソロイスト、ブレット・ベイカーのリクエストで新たにブラスバンド伴奏版が作られ、ベイカー自身がソロをとった『トロンボーン協奏曲』、全英オープン・ブラスバンド選手権2008とノルウェー選手権2009の共通テストピースとして書かれ、たちまちの内に人気曲となった『ロココ・ヴァリエーション』が収録(既発売盤からのリカップリング)されている。

 グレッグスンの作品の内的な凄さとブラック・ダイクの洗練されたサウンド、そして演奏が光るすばらしいアルバムだ!

【このCDの詳細をBPショップでチェックする】
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■ブラック・ダイク~シンフォニー
(エドワード・グレッグスン作品集 第5集) 

【演奏】ブラック・ダイク・バンド
【指揮】ニコラス・チャイルズ、ロバート・チャイルズ
【発売】ドイエン (Doyen)

【収録曲】
作曲:エドワード・グレッグスン(Edward Gregson)【全曲】

1. 遠い想い出に (オールデン・スタイルの音楽)
2. トロンボーン協奏曲

I)第1楽章:レント・トランクィッ
II)第2楽章:アンダンテ・カンタービレ
III)第3楽章:アレグロ
トロンボーン:ブレット・ベイカー

3. ロココ・ヴァリエーション
4. (エドワード・グレッグスンとポール・ヒンドマーシュの会話)
5. 二楽章のシンフォニー

I)第1楽章:トッカータ
II)第2楽章:ヴァリエーション

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イギリスのブラスバンドでプレイヤーの憧れ、“全英ブラスバンド選手権”の熱い演奏を収録した「全英ブラスバンド選手権2013~グレッグスン:遠い想い出に」が発売!

 イギリスのブラスバンドでプレイするものすべての憧れであり、目標となっているのは、やはり“全英ブラスバンド選手権”のステージだろう!

 イギリスのブラスバンドはグレード別の5つのセクションに分けられ、当然ながら、全英選手権もセクションごとに優勝を競う。このCDは、その2013ファイナル(決勝)の各セクションのアツいパフォーマンスと表彰前に行われたガラ・コンサート(プレ・プレゼンツ・コンサート)のライヴで構成されるひじょうにエキサイティングなハイライト盤だ!

 全英2013は、9月21~22日、チェルトナムのセント―・コンファレンス・センターでファーストからフォースまでの各セクションまでの決勝がまず行われ、イギリスを代表する優秀なバンドが覇権を競う最上位の“選手権部門(Championship Section)”の決勝は、10月12日(土)、8000人収容のロンドンの大ホール、ロイヤル・アルバート・ホールで開催された。

 この日、選手権部門決勝のステージにエントリーされたバンドは、合計20。テストピース(課題)は、エドワード・グレッグスンの『遠い想い出に~オールデン・スタイルの音楽』だった。

 この作品は、ブラスバンドのための初の本格オリジナル作品となったパーシー・フレッチャーの交響詩「労働と愛」が全英選手権のテストピースとして書かれてちょうど100年にあたる2013年の1月に委嘱者のブラック・ダイクによって初演。フレッチャー以降、20世紀前半の数十年の間にホルストやエルガー、アイアランド、ブリス、ハウエルズ、ヴォーン=ウィリアムズなどによって書かれたブラスバンドのオリジナル作品と作曲家にとくに敬意を払い、曲の中にそれらのテーマの断片や和声、スタイルなどが巧みに盛り込まれている。

 正しくイギリスのブラスバンド・ファンのハートをわしづかみにするような作品で、実際、選手権のステージでもハートに訴えかける好演が続出!

 結果、フィリップ・ハーパー指揮、ウェールズのコーリーが、13年ぶり6度目の栄冠に輝いた!

 アルバムのラスト・トラックに入っているのが、そのウィニング・パフォーマンスだ!

 この演奏が、とにかくすばらしい!

 細部までクリアに捉えた録音が、この日のコーリーのバンド・コンディションとバランスの良さ、そして音楽への集中度を克明に伝えてくれている。ハーパーのタクトも実にシャープ!ほとんど隙らしいものが見当たらない、正しく“王者のライヴ”と呼ぶにふさわしい演奏だ!

 そして、コーリーは、この優勝で、“ブラス・イン・コンサート2012”、“ヨーロピアン2013”に加え、“全英2013”の優勝カップまでウェールズに持って帰ってしまった。9月の全英オープンでも第2位に入賞しており、そのパフォーマンスがつねにハイ・スタンダードであることがよく分かる。

 このCDには、トロンボーンの名手クリストファー・トーマスがソロをとった『ロンドンデリーの歌』など、審査発表の前に行われたガラ・コンサートにおけるコーリーの演奏も含まれているが、そこでのエンターテイナーとしてのパフォーマンスと選手権本番のコントラストも面白い。

 全英2013、それは正しくコーリー・バンドのものだった!

 早くも名曲との呼び声の高いグレッグスンの『遠い想い出に (オールデン・スタイルの音楽)』については、サウンドもアプローチもまったく違う初演者ブラック・ダイクのセッション盤(「ブラック・ダイク~シンフォニー」(エドワード・グレッグスン作品集 第5集)、商品番号:CD-3082)との聴き比べをぜひともお薦めしたい!

【収録曲】
1. ロス・エルマノス・デ・バップ/ マーク・テイラー(arr. サンディー・スミス) 【2:25】
2. マルヴァ―ン組曲/フィリップ・スパーク 【10:51】
3. ペンリー/サイモン・ドブスン 【14:54】
4. ロンドンデリーの歌/アイルランド伝承曲 (arr. ジョン・アイヴスン) 【3:01】
Trb:クリストファー・トーマス(Christopher Thomas)
5. パーセル・ヴァリエーション/ケネス・ダウニー 【13:53】
6. ラ・フィエスタ/チック・コリア (arr. フィリップ・ハーパー) 【3:38】
7. ファンファーレとラブソング/ギャヴィン・ヒギンズ 【13:30】
8. マイウェイ/クロード・フランソワ & ジャック・ルヴォー(arr. フィリップ・ハーパー) 【2:31】
Vocal:デイヴ・ミッチェル(Dave Mitchell)
9. 遠い想い出に~オールデン・スタイルの音楽/エドワード・グレッグスン 【15:11】

【この曲の詳細をBPショップでチェックする】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3097/