★本物のブリティッシュ・ブラスバンド・サウンドが愉しめる名盤。ジョーゼフ・パリーの『タイドフィル序曲』やベーメの『金管のための交響曲』などは、とくに聴きものです!
人類の至宝!! これはぜひとも聴いておききたい!!
世界のトップ・バンド、コーリー・バンドのとっても美しいブラスバンド・サウンドと、他では聴くことのできないレパートリーが満喫できるクラシック・テイストの逸品CDです!!
1894年ごろに撮影された古いコーリー・バンドの写真がジャケットに使われたこのCDは、クラシックの世界では“ロマン派”と呼ばれる作曲家たちが活躍した、19世紀の終わり頃にブラスのパイオニアたちのために書かれた楽譜を21世紀の現代に蘇らせるというドリーム企画のために制作されました。
立案者は、コーリーの音楽監督ロバート・チャイルズ(Dr. Robert Childs)。
彼と話した人はよくおわかりでしょうが、世界的ユーフォニアム奏者としてもおなじみのチャイルズは、音楽学的立場からも、ブラスバンドだけでなく、音楽全般への造詣の深い“ドクター”として敬愛を一身に集める存在です。
そして、いかにもロバート・チャイルズならではと言える内容のこのCDには、古い楽曲を現代のブラスバンド用にオーケストレーションするため、自身の他に、ジョン・ピッカード、サイモン・ライト、スティーブン・ロバーツ、リュク・ヴェルトッメンという、現代のエキスパートたちが起用されました。
その結果、エルガーの『オルガン・ソナタ第1番ト長調』に始まり、オスカル・ベーメの『金管のための交響曲』に終わる、このCDに収録された音楽は、それらがまるで初めからブラスバンドのために書かれた楽曲であったかのように、自然体で心地よく響きます。
また、曲の書かれた時代を反映してか、いずれの作品も、現代の我々のハートにも染みわたるメロディーの美しさや深さが特徴的です。
演奏者のコーリーも、直線的にフレーズ処理をするのではなく、多彩なビブラート・テクニックも駆使しながら、メロディー・ラインをポジティブにとらえ、ハーモニーの美しさを際立たせていきます。ジョーゼフ・パリーの『タイドフィル序曲』やベーメの『金管のための交響曲』などの力演は、とくに聴きものです。
よく見ると、メンバー表には、かつてCWSマンチェスターやブラック・ダイクでソリストとして活躍した名ユーフォニアム奏者リンドン・バグリン(なんと、スティーブン・ミードの師匠!!)のような超ベテランの名も!!
なるほど、これは、イギリス以外のバンドには表現できなくても当然かも知れない。
そう思わせるほど美しく、イギリス人が“ウォーム・サウンド”と呼ぶ、トラディッショナルな、本物のブリティッシュ・ブラスバンド・サウンドが愉しめるこのCD!!
聴けば聴くほど“味”が出る。
ブラスバンド・ファンなら一度は聴いておきたい、とてもすばらしい内容のCDです。
【収録曲】
1. オルガン・ソナタ第1番ト長調/エドワード・エルガー(arr.ロバート・チャイルズ)【23:45】
Sonata for Organ in G. Op. 28/Edward Elgar(arr.Robert Childs)
I)Allegro maestoso
II)Allegretto
III)Andante espressivo
IV)Presto
2. 交響詩「戦の歌」/ハヴァーガル・ブライアン(trans. ジョン・ピッカード)【9:33】
Symphonic Poem:The Battle Song/Havergal Brian(trans.John Pickard)
3. 幻想曲/ポール・ジルソン(arr. リュク・ヴェルトッメン)【6:01】
Fantaisie (dans la Forme Classique)/Paul Gilson (arr.Luc Vertommen)
4. タイドフィル序曲/ジョーゼフ・パリー(arr. サイモン・ライト)【12:20】
Tydfil Overture/Joseph Parry(arr.Simon Wright)
5. 金管のための交響曲/オスカル・ベーメ(arr. スティーブン・ロバーツ)【16:28】
Symphony for Brass Op. 30/Oskar Bohme(arr. Stephen Roberts)
I)Adadio ma non tanto
II)Allegro vivace
III)Andante cantabile
IV)Allegro con spirito
【コーリー・バンド】
1884年、南ウェールズ屈指の炭鉱地帯として知られるロンザ・ヴァレー(Rhondda Valley)で結成されたウェールズの代表的ブラスバンド。当初はトン・テンペランス・バンドの名前で活動したが、1895年、演奏を聴いた同地の鉱工業の盟主、コーリー・ブラザーズ社の社長サー・クリフォード・コーリーからのスポンサードの申し出を受け、コーリー・ワークメンズ・バンドに改称。1920年には“チャンピオンシップ”セクションのステータスを得た。その後、炭鉱との関係が薄くなり、コーリー・バンドの名前で活動。1998年以降、スポンサー変更などにより、ジャスト・レンタルズ・コーリー・バンド~バイ・アズ・ユー・ヴュー・コーリー・バンド~バイ・アズ・ユー・ヴュー・バンドと改名を繰り返したが、2007年にバンド名に“コーリー”の名前を取り戻した。各選手権においても輝かしい成績を誇るが、近年においても、2000年に音楽監督に就任した世界的ユーフォニアム奏者ロバート・チャイルズ(Dr. Robert B. Childs)の指揮のもと、2000年、2002年、2007年の全英オープン優勝、2000年の全英選手権優勝、2008、2009年のヨーロピアン選手権連続優勝、2009年のオランダ・ケルクラーデの第16回世界音楽コンクール優勝と、実力者ぶりをいかんなく発揮している。有名なフィリップ・スパークの『ドラゴンの年』は、コーリー・バンド結成100周年記念委嘱作だった。
《主要選手権優勝年》
世界音楽コンクール(WMC)(2009)
ヨーロピアン選手権(1980、2008、2009)
全英オープン選手権(2000、2002、2007)
全英選手権(1974、1982、1983、1984、2000)
BBCバンド・オブ・ジ・イヤー(1971)
BBCウェールズ・バンド・オブ・ジ・イヤー(1979、1980、1982)
《コーリー・バンドがヴィレブルークのハットトリックを阻止した
2008年ヨーロピアンのCDとDVDをチェックする》
■ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2008(CD)
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1615/
■ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2008(DVD)
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/dvd-9328/
《コーリー・バンドの注目CDをチェックする》
■ザ・プロミスド・ランド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1228/
■金の王冠
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0060/
■ワイルドファイアー
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0298/
■ブラス・バンド・クラシックスVol.1
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0299/
■ブラス・バンド・クラシックスVol.2
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0483/
■ブラス・バンド・クラシックスVol.3
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0703/
■ブラス・バンド・クラシックスVol.4
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0925/
■ヘリテージ
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0297/
■ザ・チャイルズ~ミュージック・ワズ・マイ・ファースト・ラブ
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0930/
■ディスカヴァリー・ブラス
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0474/
■スターズ・イン・ブラス
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0979/
■アナザー・オープニング・アナザー・ショウ
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1155/
■ノーブル・トロンボーン
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1412/
(2009.08.13)