「ジュビランス~祝典のための序曲」「アト・ザ・ブレーク・オブ・ゴンドワナ~吹奏楽のための音詩」などで注目を集めるシンガポールの新星、ベンジャミン・ヨーのとてもエキサイティングな作品!
「フライト~大空の冒険」は、大空を翔る若いパイロットのアドヴェンチャーを表した表題音楽で、2010年6月16日、シンガポールのエンプラネード・コンサートホールで、ブランド・タン指揮、ミュージック・タレント・ディヴェロップメント・センター・コンサート・バンドの演奏で初演された。
曲は、6つの短い音楽で構成されている。
エンジンが始動するシーンを表すイントロの後、スコアには、“離陸(Take Flight)”~“空中で!(In the Air!)”~“乱気流 (Turbulance)”~“嵐!(The Storm!)”~“空高く鳥の目が見る眺め(Bird-eye’s View Aloft)”~“着陸(The Landing)”という、場面や状況を指し示すガイドがあり、とてもわかりやすい。
音楽の中から情景が浮かび上がってくる印象だ。
また、空気の流れを表現するための“エアホ―ス”や“プロペラ音”などでパーカッション・パートが大活躍!演奏だけでなく、視覚的に楽しませる仕掛けが随所に盛り込まれている!
(それらの演奏方法については、楽譜に指示があるが、作曲者は、同じような音が出るものなら何でも(録音されたCDを使っても)OKと述べている。要は工夫次第! 何でもありの“目立ったもん勝ち”の世界というわけだ! 頑張れ、全国のBPたち!)
その他、編成の大小にかかわらず効果的な演奏ができるように、パート数を切り詰めてオーケストレーションされているのも大きな特徴。パーカッションさえコントロールすることができれば、様々な人数のバンドでも活き活きとした演奏が可能。
メロディーラインもとても親しみやすく、場面や情景がどんどん移り変わっていく理屈抜きで愉しめるエンターテイメント作品!
コンサートやコンクールなど、いろいろな音楽シーンで活躍しそうな作品だ!
・出版社グレード:4
・TIME:8分08分
【ベンジャミン・ヨー】
1985年11月30日、シンガポールに生まれる。7才から音楽を始め、スクール・バンドでトランペットを演奏。シンガポール陸軍バンドに入隊し、その後、ケリー・タン、ゼカリヤ・ゴーの両博士に和声と対位法を師事。ナンヤン工科大学、国立教育研究所で音楽を専攻し、芸術学士号を取得。作品は、アメリカでも出版。将来を嘱望される若手作曲家の1人である。
【編成など詳細をチェックする】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9132/
(2012.04.05)