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小編成バンドのための邦人オリジナル作品集「究極の吹奏楽~小編成コンクールvol.2」発売!

  小編成のための「コンクール自由曲向け」作品を集めたCDがロケットミュージックより発売された。収録されているのは、清水大輔や天野正道など日本の人気作曲家7名で、すべてがこのCDのためのオリジナル作品だ。

 これから曲選びを始めるバンドは、必聴です!

■究極の吹奏楽~小編成コンクールvol.2

・演奏団体:シンフォニックウインドオーケストラ21
・指揮:佐藤正人

【収録曲】
1. ヨハネス・ファンタジア/坂井貴祐 【8:05】
2. エルトゥールル号の記憶 – 太陽と新月の絆 -/清水大輔 【8:51】
3. アンティドトゥム・タラントゥレー/高橋宏樹 【6:59】
4. Have a Good Flight!/三浦秀秋 【7:23】
5. 飛翔 – 風速6.7m/秒 -/鹿野草平 【7:27】
6. 星空の物語/江原大介 【7:16】
7. ストロベリーフィールズの薔薇 – イマジンへの憧憬 -/天野正道 【7:35】

【このCDをBPショップで購入する】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3445/

【関連商品】

■究極の吹奏楽~小編成コンクールvol.1
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3174/

■小編成バンドのためのCD、楽譜、他
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/c/0000000828/

19人で演奏できちゃう! 清水大輔の人気曲が「小編成バージョン」として登場!

 ハリウッドの映画音楽のような壮大な響きと、繊細なサウンドで大人気の作曲家、清水大輔の人気曲が、なんと「19名で演奏できちゃう!」という、魅力的な楽譜セットが登場しました!

 編曲を手掛けたのは、清水作品を愛してやまない清水の後輩作曲家、山本慶太朗、近藤礼隆の2名。

「原曲の雰囲気とイメージを損なわず、少ない人数でも演奏できて、かつ少しでも吹きやすくなるようにすることを念頭に置いて、編曲した」とのこと。

 今回リリースされたのは「セレブレイト」「仲間たちへ」「ジャスパー ~夢へのナビゲーター! 」など7曲。

 今まで清水作品を演奏したくても「できなかった」多くの小編成バンドには、ビックなニュースといえるだろう。いずれもグレードは3。19名から演奏が可能となっている。

 コンクールや演奏会用の小編成作品を探している人は、要チェックだ!

■セレブレイト <小編成版>
作曲:清水大輔
編曲:山本慶太朗
グレード:3
TIME:約7分00秒
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0525/

■仲間たちへ ~シャクルトン、伝説の南極遠征~ <小編成版>
作曲:清水大輔
編曲:近藤礼隆
グレード:3
TIME:約10分00秒
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0526/

■スピリット・オブ・セントルイス <小編成版>
作曲:清水大輔
編曲:近藤礼隆
グレード:3
TIME:約7分50秒
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0527/

■その時見た夢 <小編成版>
作曲:清水大輔
編曲:山本慶太朗
グレード:3
TIME:約7分45秒
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0528/

■タオンガ ~夢への宝物 <小編成版>
作曲:清水大輔
編曲:近藤礼隆
グレード:3
TIME:約7分50秒
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0529/

■ミュージック・アドヴェンチャー <小編成版>
作曲:清水大輔
編曲:山本慶太朗
グレード:3
TIME:約7分30秒
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0530/

■ジャスパー ~夢へのナビゲーター! <小編成版>
作曲:清水大輔
編曲:山本慶太朗
グレード:3
TIME:約8分00秒
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0530/

【清水大輔のCD、楽譜】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/c/0000000416/

吹奏楽ベスト・セレクション~宝島…スティーヴンソンの冒険小説「宝島」にインスパイアーされたアッぺルモントの魅力作

吹奏楽マガジン バンドパワー

 ヨーロッパのハル・レナード・MGB・グループの出版各社(デハスケ、アングロ、ベリアート、ミトローパ等)のベスト・セレクションとアメリカのハル・レナードから出版されているポップなレパートリーを選りすぐった2枚組コンピレーション・アルバム!

 何と言っても注目なのは、1枚目のディスクに収録されているオットー・M・シュヴァルツ、ヤン・ヴァンデルロースト、ベルト・アッペルモント、フランコ・チェザリーニ、フィリップ・スパーク、ジェームズ・カーナウ、ヘルマン・パルフーバー、ロブ・ホールハイス、和田直也、八木澤教司ら、幅広い顔ぶれの人気作曲家の作編曲だ!!

 アルバムは、ウィンドオーケストラ全体で輝かしく演奏されるシュヴァルツの『ファンファーレ・フォー・ザ・チャンピオンズ』で幕開ける!

 そのスピード感あふれるエネルギッシュな展開は、聴くものを一気に惹きつけるだろう!

 アルバム・タイトルに使われているアッぺルモントの『宝島』は、間違いなく要注目作品だ!

 スコットランドのロバート・スティーヴンソンの有名な冒険小説「宝島」(1883年)にインスパイアーされた作品で、つぎの4つの部分で構成される。
最初の部分は、主人公の少年ジム・ホーキンスが偶然、宝のありかを示す地図を見つけたときの様子を描いた“黒い点”。ついで、航海の末に仲間とともに宝島に到着し、冒険や戦いの末に宝物の持ち出しに成功するシーンを描いた“探検”、一行が乗った船が凱旋するシーンを描いている“イングランドへの帰国”とつづき、ラストは、これまでのシーンを回想しながら、さまざまなテーマが再現される終結部“エンド・クレジット”で曲を結ぶ。

 まるで映画音楽のサウンド・トラックのハイライトのように、音楽の中から情景が浮かび上がってくるのは、さすがにアッペルモント! 「ノアの箱舟」や「ガリバー旅行記」「アイヴァンホー」などに連なる作品の登場だ!

 和田直也の『リジョイス!』は、小倉、八幡、戸畑、若松、門司の5つの市が統合されて誕生した福岡県北九州市の市制50周年を記念して北九州市芸術文化振興財団によって委嘱された作品だ。
初演は、2013年3月3日、アルモニーサンク北九州ソレイユホールで、コンフォート・ウィンドアンサンブルによって行われた。
とても明るく輝かしい作品で、さらに発展をつづける市を表すようなエネルギーの感じられる展開は、聴衆を惹きこむこと、間違いなしだ!!

 オーストリアの作曲家ヘルマン・パルフーバーの『新しい王の踊り』は、ドイツ・バイエルン州のメミンゲンで毎年7月に行われる伝統的な祭り“釣りの日”を描いた作品で、“シュナイダーの踊り”、“シュモッツ”、“フィッシャー・レントラ―”、“フィッシャーポルカ”、“ラリダー”の5つの伝統的なメロディーが盛り込まれている。
思い思いの道具を手に町を流れる川に入る1600人もの“釣り人”が“釣り王”の座を競うこの祭りでは、ヨーロッパ中からつめかけた観光客がその両岸を埋め尽くし、愉快な伝統音楽とともに釣り人を囃したてる。そして、見事“王”となった強者は、皆から祝福され、得意満面だ!
ゆったりとしたヨーロッパの時の流れの中で繰り広げられるトラディッショナルなシーンを描いた正統派ヨーロッパの香り漂う作品だ!

 八木澤教司の『ドリーム・クルーズ』は、千葉県市川市でクリスマスの時期に毎年開催されるイベントでの合同演奏ために共同委嘱された作品だ。オリジナルは合唱を含んでいたが、出版に際し、合唱パートが無くても演奏できるように改訂された。
親しみやすいメロディーラインが光り、コンサートのエンディングやアンコールにふさわしい!

 思いがけず、とてもいい曲に出会ったという印象を覚えたのは、チェザリーニの『ジュネーヴ』だ! これは、ヨーロッパの伝統様式に則ったすばらしいマーチで、オープニングにもアンコールにも、屋外にも室内にもフィットする。格調高くリズミカルなメロディーラインが印象的で、作曲者の知られざる一面を垣間見る思いがする!!

 ディスク-1をしめくくるボーナス・トラックは、ヤン・ヴァンデルローストの『横浜音祭りファンファーレ』だ!
“横浜音祭り2013”のために委嘱された「横浜音祭り序曲~シティ・オブ・ローズ~」のイントロ部分で演奏されるファンファーレを独立させたもので、原曲どおり、ウィンドオーケストラの全金管パートで演奏するバ―ジョンと、打楽器を加えたバージョンの2つのバージョンで演奏可能となっている。
セレモニーでも、コンサートのオープニングでも演奏効果の高いファンファーレだ。

 2枚目のディスクには、ミッドウェスト・ウィンズの演奏で、ポップなコンサート・ピースが収録されている!

 “007”シリーズのメドレー『ボンド… ジェームズ・ボンド』に始まり、『プレーンズ』、『ピンクの豹』、『オズ はじまりの戦い』といったスクリーンのほか、『オペラ座の怪人』のようなミュージカル、エルトン・ジョンとバーニー・トーピンの『クロコダイル・ロック』など、どれもこれも耳なじみがいい。さまざまな演奏シーンで活躍しそうなレパートリーがセレクトされている。

 実用本位で、盛りだくさんの収録曲!

 レパートリー探しにはもってこいのアルバムだ!

■吹奏楽ベスト・セレクション~宝島
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3444/

BPお薦めの「2015コンサート・バンド・レパートリー」

課題曲も発売されて、本格的にスタートをきった2015年度の吹奏楽コンクール・シーズン。今回はヨーロッパの出版社ハル・レナード・MGBが「コンクール」や「演奏会」のために特別に選りすぐった吹奏楽作品を視聴つきでご紹介しちゃいましょう。

まずはともあれ、まずは視聴をチェック。気になる曲があれば、下記の作品リストから楽譜のページへ飛んで、楽器編成やグレード、作品コメントをチェックしてみよう。

※視聴はハル・レナード・MGBの許諾をうけて行っています。

1 ■ハート・イン・モーション
Heart in Motion
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0461/
八木澤教司
2 ■若草山のファンファーレ
Fanfare of Wakakusa Hill
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8253/
酒井 格
3 ■ファンファーレ・フォー・トーキョー
Fanfare for Tokyo
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0452/
フィリップ・スパーク
4 ■序曲「ベッリーニへのオマージュ」/サヴェリオ・メルカダンテ
Omaggio a Bellini (Sinfonia)
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-2202/
サヴェリオ・メルカダンテ
5 ■詩人と農夫序曲
Poet and Peasant(Dichter und Bauer)
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9866/
フランツ・フォン・スッペ
arr.高橋徹
6 ■歌劇「ホフマン物語」より“舟歌”
Barcarolle (from The Tales of Hoffmann)
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-2807/
オッフェンバック
arr. ヴィル・ヴァンデルベーク
7 ■小組曲より 
Petite Suite
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9732/
クロード・ドビュッシー
arr.木村吉宏
8 ■歌劇「ナブッコ」序曲
Nabucco ~Overture
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8388/
ジュゼッペ・ヴェルディ
arr.フランコ・チェザリーニ
9 ■パリのアメリカ人
An American in Paris
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0255/
ジョージ・ガーシュウィン
arr.フランコ・チェザリーニ
10 ■ゴールデン・ウィンズ
Golden Winds
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0457/
フィリップ・スパーク
11 ■アリゾナ
Arizona (Overture on an Indian Folk Melody, Op.46)
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0475/
フランコ・チェザリーニ
12 ■クロスロード
Crossroads~Aarwangen
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0468/
カール・ヴィトロック
13 ■ケルティック・ヴォヤージュ(ケルトの航海) 
Celtic Voyage~Spirit of Jubilation
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0463/
スヴェン・ヴァンカルスター
14 ■碧空への出航
Voyage into the Blue
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0476/
和田直也
15 ■横浜音祭り序曲 ~ シティ・オブ・ローズ
Yokohama Festival Overture“City of Roses”
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0217/
ヤン・ヴァンデルロースト
16 ■ ヨハネス・グーテンベルク
Johannes Gutenberg
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3175/
オットー・M・シュヴァルツ
17 ■行進曲「剱の光」
Light of the Sword
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8880/
酒井 格
18 ■アトロポス
Atropos
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0218/
ケヴィン・ホーベン
19 ■ファンファーレ・アンド・ファンク
Fanfare and Funk
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9824/
オリヴァー・ヴェースピ
20 ■アンネの日記
The Story of Anne Frank
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0147/
オットー・M・シュヴァルツ
21 ■アイヴァンホー
Ivanhoe
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8048/
ベルト・アッペルモント
22 ■マジェスティック・プレリュード
Majestic Prelude
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0717/
ヤコブ・デハーン
23 ■ホームランド~アルプスのリフレクション
Homeland – An Alpine Reflexion
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0269/
オットー・M・シュヴァルツ
24 ■新時代への序曲
Overture to a New Age
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0499/
ヤン・デハーン
25 もののふ – 幕末をかけた熱き誠の魂
The Life of a Samurai
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3200/
八木澤教司
26 ■グリムの童話の森
Grimm’s Fairytale Forest
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0462/
ヤン・ヴァンデルロースト
27 ■希望の彼方に
Looking Up, Moving On
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0224/
フィリップ・スパーク
28 ■バベルの塔
Tower of Babel
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8533/
広瀬勇人
29 ■鐘の歌
The Song of the Bell
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0097/
フィリップ・スパーク
30 ■プスタ
Puszta
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8131/
ヤン・ヴァンデルロースト
31 ■風のスケッチ
Wind Sketches
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0458/
フィリップ・スパーク
32 ■アマゾニア
Amazonia
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9987/
ヤン・ヴァンデルロースト
33 ■アウディヴィ・メディア・ノクテ(我は聴きぬ、真夜中に)
Audivi Media Nocte
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0183/
オリヴァー・ヴェースピ
34 ■ストーン・エイジ
Stone Age
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0465/
トーマス・ドス
35 ■ロスト・ラビリンス
36 ■クレツマー・クラシックス
Klezmer Classics
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9777/
ヨハン・デメイ
37 ■夏 ヨハン・デメイ
38 ■ザ・ウィンド・イン・ザ・ウィロー
The Wind in the Willows
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9977/
ヨハン・デメイ
39 ■ヴィア・クラウディア~アルプスを越えるイマジナリー・ジャーニー 
Via Claudia – An Imaginary Journey across the Alps
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3176/
ヨハン・デメイ
40 ■ アラジン組曲
Aladdin Suite Op.34
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0574/
カール・ニールセン
arr.ヨハン・デメイ

吹奏楽ベスト・セレクションズ~アリゾナ…コンクールや演奏会の「曲選び」に最適な2枚組!

 ヨーロッパのハル・レナード・MGB・グループの出版各社(デハスケ、アングロ、ベリアート、ミトローパ等)のベスト・セレクションを選りすぐった2枚組コンピレーション・アルバム。

 トーマス・ドス、ベルト・アッペルモント、フランコ・チェザリーニ、オットー・M・シュヴァルツ、フィリップ・スパーク、ケヴィン・ホーベン、八木澤教司、和田直也ら、幅広い顔ぶれの人気作曲家の作編曲を網羅!!

 2枚の内、1枚目は、オリジナルやクラシック中心の構成となっている!

 冒頭のトーマス・ドスの『ファンファーレ・フォー・ア・ニュー・ホライズン(新しい地平線へのファンファーレ)』は、ヨーロッパで大ヒットしたウィンドオケによるファンファーレだ!

 とにかくかっこよく、オープニングなどに演奏されると絶大な演奏効果がある。

 タイトルは“ファンファーレ”だが、三部形式の立派なコンサートピースで、作品委嘱をしたオーストリアのバンドの90周年の歩みが音楽となって語られていく。

 クラシック曲の数々のトランスで知られるヴィル・ヴァンデルベークが手掛けたオッフェンバックの喜歌劇『美しきエレーヌ』序曲は、オリジナル中心のこのアルバムの中で異彩を放っている!

 時代をこえて親しまれてきた名曲だけに、オッフェンバックのメロディー・ラインが耳障りがいいのは当然。それにもまして、近年すっかり忘れ去られてしまった感がある、トラッドな吹奏楽の暖かい響きのなんとも言えない心地良さ。さすがはベテランのオーケストレーションだ。音が散りがちな屋外でも、間違いなく演奏効果が上がるだろう。

 ベルト・アッペルモントの『栄光の賛歌』は、2014年の出版曲。メロディー・ラインの美しい感動的な賛歌で、テンポ設定で音楽の表情を自在に変えることができる、そんなイメージの作品だ。

 ケヴィン・ホーベンの『ドゴン』は、西アフリカのマリ共和国のドゴン渓谷に暮らす部族ドゴン族にインスピレーションを得た作品だ。彼らは平和を好み、およそ700ほどある村に25万人ほどが暮らすが、文明と隔絶した暮らしをする一方、現代の天文学にも通じるような人類の起源についての知識を有するという、神秘性を合わせ持つユニークな部族だ。

 曲は、ドゴン族のエキゾチックな文化に敬意をこめ、威厳のある金管の響きを伴ってスタート。テンポを上げた後、アフリカ的なリズムを取り入れながら発展し、仮面をつけて踊られるドゴンの伝統的な舞踏をへて、エキサイティングなエンディングへと向かっていく。

 八木澤教司の『コンチェルティーノ~ソロ・パーカッションとウインドオーケストラのための』は、打楽器奏者小川佳津子の委嘱作で、2009年の初演。パーカッションとウィンドオケがコラボするエキサイティングな作品で、途中、パーカッションたけがフィーチャーされる聴かせどころも用意され、多種類の打楽器を操るソロリストにとっては、視覚的にも大きな見せ場となっている。

 ここからの3曲はとても親しみやすい作品が続く。

 アルバム・タイトルになっているチェザリーニの『アリゾナ』は、スイスのバンドの委嘱作。アメリカン・ネイティブの親しみやすいメロディーにインスパイアーされた急-緩-急の典型的な3部形式の序曲で、サボテンが散在する砂漠や伝説的なグランドキャニオン鉄道、化石の森、有名なモニュメントのある峡谷など、さまざまな風景が音楽的に盛り込まれている。

 和田直也の『碧空への出航』は、福岡県の3つの中学校吹奏楽部が合同委嘱した作品。離陸に始まり、着陸に終わる空の旅がテーマとなっている。イントロとエネルジコの最初は、まさしく航空機の離陸であり、主部に入ると大空高く飛行、中間部では夜間に飛行する様子が描かれる。ラストは、目的地に着いた航空機が空港に着陸する姿が描かれ、1つの空の旅は無事エンディングを迎える。

 ヴァンデルローストに学んだステイン・ルールスは、発表作のクオリティと美しい旋律線で、ヨーロッパでぐんぐん認知度を高めている作曲家の1人だ。

 『アザー・サイド』は、とても大切な人を失い、その別れのために書かれた作品という。オプションではあるが、バーンズの交響曲第3番に共通するアイデアが使われ、ピアノとヴィブラフォンだけで演奏されるメランコリックな旋律線は心にしみる。

 1枚目をしめくくるオットー・M・シュヴァルツの『失われた城』は、このアルバム中、もっともドラマチックな作品だ!!

 2013年、オーストリアのテルリッツ自治市の委嘱で書かれた作品で、水の底に沈んだ世界、魅惑の城、裕福な一方で心根の冷たさから貧者を追いたてる悪役専制君主、闇の象徴、復讐、アトランティス…といった作曲者の脳裏に浮かんだいろいろなイマジネーションがモチーフになっている。

 聴きごたえ満点!!

 もちろん何かの映画のために書かれた曲ではないが、音楽はたいへん変化に富み、作曲者が組み立てたストーリーに従いながら、さまざまな情景を浮かび上がらせていく!!

 2枚目のディスクには、トーマス・ドスの『ミニムンドゥス』カール・ヴィトロックの『クロスロード』など、出版社グレードが低いライトなオリジナルや、ポップ・アイテムが多数収録されている。

 思いがけない収穫は、久しぶり登場のショートピースの名人ラセロムスの軽快なマーチ『ファースト・チョイス』とクラリネット・フィーチャー『クラリネット・カクテル』の屈託のないの愉しさ!

 さすがベテラン!明るく爽快な音楽に、思わず何度も聴き直してしまった!!

 演奏者には、ドイツ連邦軍コンサート・バンドやオランダ王国陸軍バンド“ヨハン・ヴィレム・フジョー”、ザクセン・ウィンド・アンサンブル(旧ライブツィヒ放送吹)など、多彩な顔ぶれが勢揃い!

 実用本位だけに、多種多彩な曲が収録されているのも大きな特徴!

 レパートリー探しにはもってこいのアルバムとなっている!

【このCDの詳細をBPショップでチェックする】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3372/

CAFUAセレクション2015 吹奏楽コンクール自由曲選「風を織る」…自由曲選びの決定盤!様々なバンドに対応した選曲!

 コンクールの自由曲選び用CDとして人気のCAFUAセレクションシリーズの最新作が発売された。今回も小編成対応曲を中心に、邦人作品、シェルドン、スウェアリンジェンといった海外の人気作曲家による作品など、選曲委員(天野正道、加養浩幸、鈴木英史)のチョイスによる12曲を収録。コンクールに出場するバンドは、チェックしておきましょう。

 演奏は海上自衛隊東京音楽隊。

【収録曲】
1. アルゴナウタイの凱旋/ロバート・シェルドン【7:10】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0402/

2. 「風を織る」~吹奏楽のためのセレナード/鈴木英史 【8:05】
3. ノーザン・パレット/高橋伸哉【5:12】
4. トラジチニ・ソナタ・ナ・ジュレバカ・イ・プウォーヴエ/天野正道 (グレード:4) 【8:12
5. 山麓の街にて/福島弘和 【8:18】
6. 随想曲「模索」/岩井直【6:45】
7. オブ・タイム・アンド・チェンジ/ジェームス・スウェアリンジェン
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-0403/

8. 雛祭り幻想/酒井 格【10:32】
吹奏楽の為のアニマ/朴 守賢【9:13】
12. ベラトリックス(吹奏楽版)/樽屋雅徳 【7:05】

【このCDの詳細をBPショップでチェックする】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cdi-0219/

コンクール自由曲選びの人気盤「コンクール自由曲ベストアルバム」が2月4日に発売。

 フォスター・ミュージックの人気シリーズ「自由曲ベストアルバム7」が2月4日に発売される。今回も小編成作品が充実、人気作曲家・広瀬勇人の「こもれびの坂」などは、なんと、8人から演奏可能。その他、福島弘和の「青は遠い色」「希望へ続く道」(いずれも10人台で演奏可能)など、小編成用の曲を探しているバンドは、一聴の価値、大ありな1枚だ。演奏は土気シビックウインドオーケストラ。

【収録曲など詳細をBPショップでチェックする】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3366/

マスターピース・フロム・ヨーロッパ(ヨーロッパ吹奏楽名曲選)…人気作曲家たちの「選りすぐりマスターピース」を2枚組にまとめた名曲アルバム!

 ヨーロッパでキラ星のように輝いているスパーク、ヴァンデルロースト、チェザリーニ、アッペルモント、ドス、シュヴァルツ、ヴェースピ、ヴィトロックらの近年作から、選りすぐりのマスターピースを2枚組CDにまとめたすばらしいコンサート・アルバム!!

 すべてがヨーロッパの大ヒット曲!

 各CDが起承転結のある1つのステージとなるよう構成され、とても聴きごたえがある!!

 1枚目のディスクは、とても輝かしいトーマス・ドスの『ファンファーレ・フォー・ア・ニュー・ホライズン(新しい地平線へのファンファーレ)』で幕開ける!

 これは、とにかくかっこいい!!

 タイトルには“ファンファーレ”とあるが、三部形式の立派なコンサートピースで、作品委嘱をしたオーストリアのバンドの90周年の歩みが音楽となって語られていく。

 2曲目は、「ほら男爵の冒険」(1943)や「バロン」(1989)などの映画の題材にもなった18世紀ドイツの貴族ミュンヒハウゼン男爵カール・フリードリヒ・ヒエロニュムスの奇想天外なほら話からインスパイアーされたベルト・アッペルモントの4楽章構成の組曲『ミュンヒハウゼン男爵の冒険』

 各楽章には、以下のようなストーリーが描かれている。

 第1楽章“馬”:トルコ軍の猛攻と貧困に苦しむドイツの町に現れた男爵が町を救うと宣言。愛馬とともに吹雪の中に倒れるが、目覚めると雪は溶け、馬は教会の尖塔にぶら下がっていた。

 第2楽章“キャノンボール(砲弾)”:包囲下の町をスパイするため、男爵は飛び交う砲弾の上に飛び乗って行き来し、ついには町に降り立って門を開ける。

 第3楽章“月への飛行”:男爵は、町で知り合った旅芸人の少女サリーとともに飛行船で月に行き、多くの不思議な生物と遭遇する。

 第4楽章“地底旅行”:男爵は、エトナ火山の噴火口から飛び込み、地球の中心に向かって旅をする。

 原作のストーリーは荒唐無稽、波乱万丈だが、それが却ってこの作品の面白さにつながっている!

 つづいては、フィリップ・スパークの『天と地をめぐりて』

 アメリカのネヴァダ州ラスベガスのクラーク・カウンティ・スクール・ディスティクト・コミッショニング・プロジェクトの委嘱作で、2012年、元アメリカ海兵隊バンドの楽長ジョン・ブルジョワの指揮で初演された。

 副題のとおり、フォーレの「レクイエム」の“私を解き放ってください”にある14小節のパッセージの影響を受けた美しくチャーミングなオリジナル・テーマから作られた協奏変奏曲で、主題と4変奏で構成される。ハートに沁みるような美しいテーマが印象的だ!

 4曲目は、ヨーロッパでセンセーショナルな大ヒットとなったオットー・M・シュヴァルツの『アンネの日記』だ!!

 2013年6月3日、オーストリアのヴィムパッシンクで、作曲者の指揮で初演されたこの作品の題材は、第2次世界大戦中、亡命先オランダのアムステルダムにあった隠れ家で暮らし、その後捉えられて強制収容所で亡くなったユダヤ系ドイツ人少女アンネ・フランク(1929~1945)の人生だ。

 曲は、哀愁を帯びた導入に始まり、アンネの短い生涯やキャラクターを劇的に描く。そのままドラマや映画のバックに流してもいいような音楽づくりで、聴く者の胸にぐいぐいせまってくる。また、曲中、随所に印象的なヴァイオリン・ソロ(スコアには、フルートにオプションの音符が書かれている)が聴かれるが、このメロディーがとてもハートに沁みる。

 ヤコブ・デハーンの『済州(チェジュ)島の女神』も、アジアン・テイストのとても魅力的な作品だ。

 朝鮮半島の南の海に浮かぶ火山島、済州(チェジュ)は“18000の神々の島”とも呼ばれ、その多くは女神という。島の創造主であり、祖母である女神“Seolmundae Halmang”は、最も人々に崇められ、春には祭礼が行われる。その女神をテーマに書かれたこの作品は、チェジュの伝承曲“Youngju Sipgyung”をベースとする。西洋の音楽様式と東洋的な旋律やリズムが見事に溶けあった作品といえ、とても心に響く。

 CD-1をしめくくるフランコ・チェザリーニの『ブルガリアン・ダンス、パートII』(作品43)は、ブルガリアの民俗音楽を素材に使った2011年の作品で、ゆったりとした進行で魂の叫びを感じさせる“お前は何の花”、とても陽気な“オイ・ショぺ・ショペ”、作品全体をしめくくる律動的な“ダンバ”の3曲からなっている。

 2枚目のディスクのオープナーは、関西学院大学応援団総部吹奏楽部の委嘱で作曲されたヴァンデルローストのグランド・オーヴァーチュア『クレセント・ムーン』だ。

 月が暗闇の中に現われ、次第に明るさを増していくようなイメージで書かれた力強く輝かしいコンサート序曲で、律動的なエネルギー感覚にあふれ、さまざまな演奏シーンにフィットする。

 2曲目は、スコットランドのウィンドオーケストラの委嘱で2011年に書かれたフィリップ・スパークの『帆船でセイリング』だ。

 1956年にはじまった有名なヨーロッパの帆船レースをテーマとし、船乗りの夢を語るジョン・メイスフィールドの有名な詩“シー・フィーバー”にインスパイアーされている。きびきびとした動きと雄大な海を感じさせるテーマが交錯しながら進行するスパーク・テイスト満開の活力に満ちた作品だ。

 つづくオットー・M・シュヴァルツの『ニュークリアー・パワー~差し迫る危険』は、原発問題にインスパイアーされたシリアスな作品で、さまざまな問題意識がドラマチックな音楽の中から浮かび上がってくる。

 4曲目のオリヴァー・ベースピの『アウディヴィ・メディア・ノクテ(我は聴きぬ、真夜中に)』は、このアルバムの中でも、最も難易度の高い作品だ。

 オリジナルは、“ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2011”選手権部門の指定課題として作曲されたブラスバンド作品だが、その後にオーケストレーションされたこのウィンドオーケストラ版も、ヨーロッパでは実力バンドがこぞって取り上げるほどの大ヒット作となっている!

 16世紀イングランドの作曲家トーマス・タリスのコーラル・モテットにインスパイアーされた作品で、タイトルを日本語に訳すと“我は聴きぬ、真夜中に”となる。

 これまでも、多くの音楽がブラスバンドからウィンド・オーケストラへトランスクライブされているが、この作品は間違いなくその成功例の1つだ。めまぐるしい動きが支配する前半部、後半部の活力は全く失われず、コラール風の中間部では、木管楽器がオリジナルとは違うテイストの実にいい味を出している!

 演奏のオランダ海軍バンドのスキルの高さも感動的! 何度も何度も繰り返し聴きたくなる!!

 つづく、カール・ヴィトロックの『クロスロード』は、スイスのアアーヴァンゲンで開催されたベルン州立音楽協会第23回音楽祭のために書かれた活力に満ちたコンサートピースだ。タイトルには、18世紀に道路が整備されるまでこの地域の交易のハブの役割を果たしたアーレ川への感謝の意が込められている。

 曲は、生き生きとした導入に続き、美しいワルツ、ロマンチックな中間部、そして力感のあるフィナーレという連続して演奏される4つの部分からなる。メロディーメイカーらしく、旋律線の美しさも光っている!

 6曲目は、ケヴィン・ホーベンの『狐ルナールの物語(狐物語)』

 12世紀から13世紀にかけて主に北フランスで作られた30篇近くが残る動物説話からイマジネーションを膨らませた作品で、物語では主役の狐ルナールと狼イザングランの争いを軸にいろいろな動物がこれに関わり合う。

 ディズニーの動物アニメの音楽のように、ストーリーが感じられるドラマチックな展開がとても愉しい!

 アルバムをしめくくるのは、トーマス・ドスの『修道院物語』だ。

 古い修道院の壁で囲まれた中に建つ学校バンドからの委嘱作品で、修道院の壁に刻み込まれた歴史やさまざまな宗教的な出来事が一種の音楽の万華鏡となってつぎつぎと現れる。一部にサクソフォーン・ソロを伴うジャジーな展開の箇所もあるが、作品全体はクラシック・ムードに溢れ、とても格調高いドラマチックな作品となっている。

 指揮者には、イヴァン・メイレマンス、ハンス・レーンデルス、ヤン・コベル、トーマス・ドスら、演奏陣には、オランダ王国海軍バンド、ザクセン・ウィンド・アンサンブル、ドイツ連邦軍コンサート・バンドなど、ヨーロッパの一流どころがズラリ!

 作品の本質にグイグイせまるハイセンスなパフォーマンス!

 そして、アルバムを聴き終えた後の心地よい充実感!

 近年リリースのこのレーベルのアルバム中、グンを抜く完成度の高さだ!

【このCDの詳細をBPショップでチェックする】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3373/

エイベックスから「コンクール自由曲・選曲用」のCDがリリース。「THE自由曲~この名曲を、今年の自由曲にしませんか?」

 エイベックスから「コンクール自由曲・選曲用」のCDがリリースされる。東京佼成WOとシエナWOがこれまでエイベックスから発売したCDからのチョイスで、「アルメニアン・ダンス Part I」「春の猟犬」「宇宙の音楽」など<吹奏楽史に残る名曲として永遠に演奏され続ける名曲ばかり>が集められている。

 発売は2015年2月27日(予定)

【収録曲などCDの詳細をBPショップでチェックする】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3370/

フィリップ・スパーク~セカンド・トゥー・ナン…ハル・レナード・MGBが出版する2015年の新作を集めた注目盤!

 名古屋芸術大学ウィンドオーケストラが、ヨーロッパの出版社ハル・レナード・MGBとタッグを組み、毎年1枚のペースで制作しているコンサート・アルバム!!

 2014年録音のこのアルバムにも、ヤン・ヴァンデルロースト、フィリップ・スパーク、トーマス・ドス、フランコ・チェザリーニ、八木澤教司など、同グループの人気作曲家の注目作品や編曲が収録されている。

 ヤン・ヴァンデルローストの作品は、オープニングを飾る『ノビリタス』だ。

 2014年11月9日、あましんアルカイックホール(兵庫県尼崎市)で開催された「尼崎市吹奏楽団創立50周年記念演奏会 第50回定期演奏会」のオープングを飾った記念委嘱作品で、初演指揮は、木村吉宏。

 楽団の50年の歴史と活動を称え、高貴さと暖かく豊かなサウンドに焦点をあてたヴァンデルロースト節満開オープニング・ピースとなっている。

 新作発表のたびに注目を集めるフィリップ・スパークの『セカンド・トゥー・ナン』は、間違いなく要注目の1曲だ!

 イギリス陸軍のすべてのミリタリー・バンドを統括するする新たな組織として1994年に発足した“ブリティッシュ・コー・オブ・アーミー・ミュージック(CAMUS)”の20周年記念委嘱作として作曲された作品で、曲名は、CAMUSのモットーであるラテン語の“Nulli Secundus(何ものにも劣らず)”を英訳したものだ。

 格調高く、堂々と響く作品で、華やかなファンファーレの後、CAMUS公式マーチとなっているグレッグ・マシン作曲の“コー・オブ・アーミー・ミュージック・スロー・マーチ”とイアン・ミッチェル作曲の“ミュージック・メーカーズ”の2曲のテーマをとり入れながら、祝賀ムードを盛り上げていく!

 とにかくカッコいい!!

 超難易度の曲ではないが、サウンドの華麗さとグランドマーチ風の進行は、間違いなく新たなスパーク・ファンを生み出すことになるだろう!!

 トーマス・ドスの『緑に金の伝説~ノイキルヒェン村の物語』も聴きごたえのある作品だ!

 2015年に創立125周年を迎えるオーストリア北部の小さな村ノイキルヒェン・バイ・ランバッハの吹奏楽団“ミュジクカぺレ・ノイキルヒェン・バイ・ランバッハ”の委嘱で作曲されたコンサート・ピースで、曲名は、その村を取り囲む囲む美しい田園地帯を象徴するように、緑色と金色が交互にまじわるリンデンリーフの葉が描かれている“村の紋章”からとられている。

 曲は、朝日の輝きと教会の鐘で村が目覚めるようなファンファーレに始まり、自然災害や戦争など、幾多の苦難にもめげず、農業に勤しみ、どんなときにも音楽を忘れない村の人々の暮らしぶりや情熱を、活き活きとした音楽でドラマチックに描いている。

 音楽の中からさまざまな情景が浮かび上がり、変化に富む構成は、聴くものをグイグイ惹きこんでいく!

 八木澤教司の『ハート・イン・モーション』は、陸上自衛隊第1音楽隊の創立60周年記念委嘱作品。明るく華やかなファンファーレと温かいコラールから成る躍動的な音楽で、「根を養えば樹は自ら育つ」という第1師団長、反怖謙一陸将の信念からインスピレーションを得ている。

 2014年3月の同音楽隊による初演時は《ハート・オブ・シンセリティ》として公表されたが、出版社の意向で、より世界中に親しまれるタイトルとして今の曲名が提案され、委嘱団体の快諾のもとで改名された。

 サクソフォンを発明したアドルフ・サックスの“生誕200周年”に沸いた2014年を象徴するように、サクソフォンのための作品が2曲選曲されているのも、このアルバムの大きなセールス・ポイントだ!

 中でも、ベルギーの若手作曲家トム・デハースがアカデミックなリサーチの末、現代のウィンドオーケストラのためにトランスクライブしたポール・ジルソンの『サクソフォン協奏曲第1番~アルト・サクソフォンとバンドのための』は、要注目の1曲!

 オリジナルは、アルト・サクソフォンとオーケストラのための協奏曲で、フランスからアメリカ人外科医に嫁いだボストン在住のエリサ・ホール夫人の委嘱で1902年に作曲された。

 アレグロ~アンダンテ~プレストの3つの楽章で構成される古典的な香り漂うすばらしい協奏曲で、ソロをとった滝上典彦のパフォーマンスもライヴ感にあふれている。

 もう1曲のサクソフォンのための作品は、トーマス・ドスの『スポットライト』。

 オーストリアのモビリス・サクソフォン四重奏団の委嘱で作曲されたサクソフォン・カルテットとウィンドオーケストラのための作品で、2014年4月12日、ヴァイトホーフェン・アン・デア・イプスの“ヴァイトホフナー音楽村”と呼ばれる会場で、同カルテットと、トーマス・マダーターナー指揮の地元吹奏楽団トラハテンムジカカぺレ・ヴィンタークの共演で初演された。

 曲は、ソプラノ、アルト、テナー、バリトンの各サクソフォンのキャラクターがフィーチャーされ、各パートにおけるヴィルトゥオーゾ性はもとより、いろいろなリズム遊びやちょっとしたファンクのノリも追い求められている。

 三日月 孝(ソプラノ)、滝上典彦(アルト)、中山順次(テナー)、櫻井牧男(バリトン)のカルテットとウィンドオーケストラのコンビネーションも見事で、まるでコンサートを聴いているような高揚感が味わえる!

 その他、アルバムには、クラシックの名曲として、フランコ・チェザリーニによる『ハンガリー狂詩曲第2番』の新しいトランスクライブも収録され、要注目!

 バランスのとれた構成は、とても愉しめる!

 新作のリサーチにもよし!

 ヨーロッパから日本へ新しい風を運ぶ、すばらしいコンサート・アルバムだ!

【このCDをBPショップでチェックする】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-3367/