「英国ブラスバンド通信」タグアーカイブ

■フィリップ・ハーパー(Philip Harper) /レイランド指揮者・作曲家・Brass Band World編集者

◎インタビュー&文:多田宏江
2010年1月24日 Butlins Contest 会場にて


 6月から名門バンド、レイランドの指揮者に就任することになったフィリップ・ハーパー氏。彼は日本に約2年住んだこともある、イギリス・ブラスバンド界の親日家の一人です。

 今年(2010年)のナショナルズ地区大会では彼の作曲した「Kingdom of Dragons」が2ndセクションの課題曲として選ばれ、全国の2ndセクション・バンドがこの曲を演奏します。指揮者、作曲家として大人気のフィリップ・ハーパー氏は、ブラスバンドの有名雑誌ブラスバンド・ワールド(BBW)の編集者としても活躍されています。そんな彼の指揮で1月、コンテストに出場しました。ここはインタビューのチャンス! コンテストの合間にインタビューをさせていただきました。

■どのようにテナーホーンを吹き始めましたか?

フィリップ:私はイングランド南部で育ちました。南部はブラスバンドの文化的伝統がランカシャーやヨークシャーほど強くない地域でしたが、実家の近所でローカルバンドの代表をされている方がいて、その方の家にバンドの宣伝チラシが貼ってありました。

当時7歳ぐらいだったと思いますが、母に趣味をみつけるように勧められ、その近所の方に連絡してバンドに入ることになりました。楽器はバンドの人から渡され、自分で選んだ記憶はなく、その楽器がテナーホーンだった、という感じでテナーホーンを吹き始めました(笑)。

■そのローカル・バンドはどんなバンドでしたか?

フィリップ:私の育ったローカルバンドには、ビギナーズバンド、ユースバンド、Bバンド、Aバンド(4thセクション)とあり、私はビギナーズバンドからスタートしました。ある程度吹けるようになるとユースバンド、さらにBバンド、最後にはAバンドというように全部合わせて10年はいたと思います。若い人たちから、年配の方までたくさんの人たちが活発に活動しているバンドでした。

■ナショナル・ユース・ブラスバンド・オブ・グレードブリテンではプリンシパル(首席)テナーホーン奏者にもなられたそうですね。その時のことについて教えていただけますか?

フィリップ:私の先生の勧めでオーディションを受けて入りました。有名な指揮者やソロ・プレイヤーと出会い、一気に人脈が広がりました。ブラスバンドが活発なランカシャーやヨークシャーの文化的伝統をナショナル・ユースで感じたように思います。ここから私の多くのドアが開いたと思います。

■さらに、BBCヤング・ミュージッシャン・オブ・ザ・イヤー1991年では、ファイナリスト(決勝戦)まで進まれましたとお聞きしました。その時の経験について教えてください。

フィリップ:良い経験になりましたね。同じ年のファイナリストには、ブラック・ダイク・バンドのソロ・トロンボーン奏者のブレッド・ベーカーさんやフォーデンスのソプラノ奏者だったトレイシー・レッドフォードさんがいました。このコンテストにテナーホーンでファイナリスに残ったのは私が初めてだったと記憶しています。

■その後、ブリストルの大学を卒業されて、日本に行かれましたよね。日本での体験を教えていただけますか?

フィリップ:それまで海外旅行に行ったことはあっても、2週間以上海外にいるような体験は日本が初めてでした。JETプログラムのALT(外国語指導助手)の先生として埼玉県の中学校で2年間働きました。はじめの契約は1年でしたが、もう一年契約を延長したぐらい充実した楽しい日々でした。

当時の家は東武東上線の駅に近く、池袋にも出やすかったので東京にもよく行きました。東京ブラスコンコードで井上先生の指揮で演奏したほか、ブラスバンドのソロ奏者として、当時日本にあったほとんどのブラスバンドにゲスト演奏しました。毎週、朝霞市民吹奏楽団の練習に参加するなど地域の吹奏楽団にも所属し、日本では吹奏楽人口がものすごく多いのに対して、ブラスバンド人口が少ないことも知りました。

私の妻は日本人です。なぜ日本に行くことを決めたかといったら、彼女との出会いが大きく影響していますが、世界を見たいという気持ちが強かったからです。日本に行き、日本の文化、エチケットが身近になり、歴史を学び、人脈が広がる中で自分の世界観を大きく広げることができました。イギリスだけに住んでいた22歳ぐらいまでは、世界にある、たくさんの国々が、それぞれの生活・文化を持っているということを本当の意味ではわからなかった。だから、日本を知ることができたとともに、そこから世界中に視野が広がりました。それぞれ違う国の人々の、それぞれの生き方があるということを知りました。

あとは、体格の違いもおもしろかったですね。

■背が高いですよね! 身長はどのくらいですか?

フィリップ:198cmあります。 日本人の平均身長は私よりもちょっと小さいので、普段の生活で難しいこともありました。すべてが私には小さすぎました。住んでいた家でも、体を屈めてドアをくぐっていましたね。おもしろかったですよ。

街に出る時も私の身長は、人ごみの中で抜きん出てしまっていました。日本語がわかるようになってくると、道を歩いている人たちの会話も理解できるようになってきて、街の人たちによく噂され(身長が高いこと)、それも聞き取れるようになりましたね(笑)。

旅行もしました。古いお寺や建物を訪ねたり、歴史を調べたり、素晴らしい友達もできました。最近は仕事が忙しくて、日本に行きたいと思ってもなかなか行けませんでしたが、この夏、5年ぶりに日本を訪れます。とても楽しみにしています。

■日本からイングランドに戻り、本格的に指揮者としてキャリアをスタートされましたが、何かきっかけはあったのですか? 影響を受けた指揮者はいますか?

フィリップ:日本でソロイストや、演奏をいっぱいしてイングランドに戻ると、私にとって、全てが人生の再スタートでした。特に影響を受けた指揮者はいませんが、自分の中で自然に指揮をしたいと思うようになり、フラワーズバンドでは8年指揮をしました。

■6月から正式にレイランドの指揮者に就任されますよね。そのことについてお聞かせください。

フィリップ:イングランドのトップバンドの一つ「レイランド」で指揮を振れることは、大変光栄なことです。ブラスバンドの新しい可能性に挑戦しようというイノベーション意識を、私もレイランドも共通に持っています。考えた方がオープンで、これから色々なプロジェクトも待っています。イングランドのブラスバンド人気は減少傾向にありますが、そこをこのバンドと一緒に押し上げていきたいです。

■あなたにとって音楽はどんなものですか?

フィリップ:音楽は、形のある目に見えるものではないですよね(Music is no tangible things)。ほら、ここに音楽があるよ、とは言えない。人の心、感情と切っても切り離せないものだと思います。指揮者として音楽から、その感情を最大限引き出したいですね。いろんなところでいろんな人が、日々音楽から影響を受けている。そして世界中の人々の生活の中に必ず音楽があるはず。ユニバーサルなとてもパワフルな力を持ったものだと思います。

http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cdi-0113/


■アスピレーションズ/ASPIRATIONS
外囿祥一郎&フラワーズ・バンド
指揮:フィリップ・ハーパー

【収録曲】
1. ユーフォニアム協奏曲/フィリップ・スパーク
2. プーランクの墓/天野正道
3. 協奏曲 作品114a/デリック・ブルジョア

http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cdi-0113/

■ラッセル・グレイ(Russell Gray) /指揮者、YAMAHA artist

◎インタビュー&文:多田宏江
2009年11月18日 Salford大学Peel Hallにて

▲Russell Gray
【プロフィール】
 http://uk.yamaha.com/en/artists/brass_woodwinds/russell_gray/(英語)

 金管奏者なら一度はお世話になったことのある、バイブル的教本「アーバン金管教則本」。その「アーバン教則本」に載っているソロ曲を、アーバンの持っていたコルネットで吹くというユニークなCDを出した人、その人がラッセル・グレイです。

▲アーバン・コレクション/The Arban Collection/
ラッセル・グレイ【コルネット】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0444/

 彼はコルネット、トランペット奏者としても有名ですが、イギリスのブラスバンド情報サイト「4バーズレスト」、コンダクター・オブ・ザ・イヤー2002にも輝いたブラスバンド界では世界的に有名な指揮者です。2009年の1年間だけで、指揮をしたコンテストは18コンテスト、という驚異的な数。ブラスバンドだけでなく、吹奏楽、オーケストラの指揮者として、世界中からひっぱりだこな彼が、私の学ぶ大学に来たー!ということでインタビューをしてきました。

▲ラッセル・グレイとSalford大学バンド(photo by Kanae Tauchi)

■どのようにをトランペット&コルネットをスタートされましたか?

ラッセル:私の通っていたスコットランドの小学校にはスクールオーケストラがありました。私の父が、私の生まれる前にトランペットを吹いていたという話は聞いていて、オーケストラもトランペットも、もともと興味がありました。

9歳のとき、小学校のオーケストラのトランペットの席に空きが出て、実家の物置から、父のトランペットを発見し、初めて吹きました。2日目にはオクターブが吹けて、1ヶ月後には、スクールオーケストラをバックにソロを吹けるようになっていました。

12歳になった頃にはグレードブリテン・ソロチャンピオン(コルネット)になり、ある程度楽器は吹けていたので、中学校の音楽のレッスンは、スコットランドのプロオーケストラのトロンボーン奏者の先生2人と、よくデュエットしていました。とてもいい勉強になりましたね。小学校でも中学校でも、よき先生に恵まれました。

同時にその間、2008年に来日したNYBBSのプリンシパル(首席)コルネットを7年務めていたんですよ。

■どのように指揮を始めたんですか?

ラッセル:ヨークシャーのハデスフィールド大学で、大学生の頃から副専攻として指揮を学んでいました。当時はメジャー・ピーター・パークス、ジェフリー・ブランド、リチャード・エバンスなどイギリスのブラスバンド界の大御所指揮者達の指揮を見て育ってきました。

現在は、指揮が自分のメインの仕事になっています。そのきっかけとなったのが、今から約10年前に、ノルウェーのスタバンガーバンドに指揮者として招待され、2年間指揮をしたことです。

キャリアの初めは、特にコンテストの成績がその後の仕事を左右します。2000年イングランドのラムサムバンドに指揮者として呼ばれ、すぐさまナショナル・ファイナルズ2位に輝き、1位のコーリーバンド(ウェールズ代表)に続き、イングランド代表としてヨーロピアン選手権に出場しました。この成績をキッカケにイギリスのバンドで指揮をする機会が増ました。フォーデンスで指揮をしていたときは、5回出たコンテストのうち優勝3回、準優勝2回という好成績を残すことが出来ました。

今ブラスバンドでは、カートンメインバンドに席を置いていますが、ずっとバンドに付きっ切りというわけではなく、フリーランス・コンダクターとして、ブラスバンドに限らず、オーケストラ、吹奏楽の指揮もしています。

吹奏楽はロンドンのコーストリングガード、オーストラリア・ブリスベンのアーミーバンド、シドニーのネイビーバンド、ノルウェーの軍楽隊、オーストラリアのスクールバンドで指揮を振っています。

グラスゴーのロイヤルアカデミーで大学院オーケストラコンダクティリングを取っているので、オーケストラでは、ブリスベンのチェンバーオケストラ、ノースウェールズのカンブリアフィルハーモニーオーケストラなどでも指揮者をしています。今はどの分野でも指揮がふれるという自信があり、これからも指揮の活動を広げていきたいですね。

■指揮者として、そんなに忙しいのに、今でもソロイストとしての活動を続けていらっしゃるんですよね?

ラッセル:ヤマハアーティストとして、世界各国で演奏活動をする機会があります。特にオーストラリアと強いコネクションがあります。スペインでマスタークラスなどもしていますね。

■指揮者、ソロイスト、さらにはクリニシャンとしても活動されていますよね?

ラッセル:コルネットやトランペットだけではなくて、どんな楽器にも通じる一般的なアプローチを心がけてクリニックしていますね。どんな人にも私のクリニックから、何かプラスになること、ヒントを得られるように心がけて活動しています。

▲レポーター多田(左)と、ラッセル・グレイ(右)(photo by Kanae Tauchi)

■今日はSalford大学バンドのゲストとして演奏していただきましたが、本番前に、いつインタビューするか話していた時、私が「今はリラックスしていただいて、本番後にお願いします」と言ったのに対して「私はいつもリラックスしてるので大丈夫ですよ」と言ってくださいましたよね? その言葉から、ラッセルさんの本番でのリラックスした姿勢は、普段の生活にあるように感じたのですが、どう思われますか?

ラッセル:まったくその通りですね。普段の生活から、リラックスしてナチュラルでいることはとても大切なことだと思います。 緊張をした状態で、楽器を持つと、そのまま楽器・音楽を通して間違ったメッセージが観客に伝わってしまう。

毎日を楽しむことも大切だと思います。音楽から楽しみをとったら何が残るの?と思うんですよね。リラックスが大事なのは指揮を振る時も同じです。指揮をするとき、たとえ心の中は忙しくても、外からはリラックスして見えるようにして、奏者に間違ったメッセージを伝えないようにしていますね。

■前日の大学でのクリニックで話されていた、目標となるパフォーマーのイメージと、アレクサンダー・テクニックの話にとても興味をもったのですが、ラッセルさんはどんなパフォーマーをイメージされているんですか? また、アレクサンダー・テクニックのことを意識するようになったきっかけを教えていだだけますか?

ラッセル: クリニックでは音楽に限らず、パフォーマンスとして目標になる人を3人イメージするという話をしました。このテクニックは私が若いころに自分がどんなパフォーマーでありたいか、見つけるのに役立ちました。

パフォーマーとして、お客さんの前に立つ時、自分の目標となるパフォーマーをイメージするんです。そして、そこから自分らしさを表現していくんですね。結果的にあなた自身のパフォーマンスをするんですが、そのパフォーマンスの入り口に、このテクニックが助けとなると思います。

私がどんな人を目標にしてたかというと、1人目は俳優の「ロビン・ウィリアムズ」。彼のパフォーマンス・エネルギーは、音楽や演技という分野を超えて、スケールの大きなパフォーマーとして目標の人ですね。2人目はトランペットプレイヤーの「ウィントン・マルサリス」。彼はいつ見ても聞いても、素晴らしい演奏ですよね。3人目はテナー歌手の「パバロッティ」。彼は常に私のリストにある尊敬するパフォーマーです。

アレクサンダー・テクニックは「動き」「姿勢」「力を抜くこと」を基本としてとらえています。ある時期に、首の筋肉を痛めた時期があって、その原因が、気付かないうちにしっかりと楽器を握っていた左手の力だったことがわかったんです。

ある時、誰かが、実際どのくらい楽器を持つのに力が必要なのか? そこまで握る必要があるのか?と聞かれてわかったんですけど、それから、左手も握りすぎないように、右手の指が集まりすぎないように意識するようになりました。右手は楽器とは関係なしに、一番楽な状態で添えるようになったんですが、その話をしたらピアノ奏者の方にも共感してもらって、どの楽器にも共通することだなぁと思いました。

■今後の予定や、目標などを教えていただけますか?

ラッセル:今活動しているように、吹奏楽、オーケストラ、ブラスバンドなど、1つの分野だけではなく指揮の活動を広げていきたいですね。吹奏楽はブラスバンドより世界的シェアが大きく、吹奏楽の指揮もいっぱいしてみたい。

オーストラリアで頻繁に活動しているんですが、日本を経由する形で日本で仕事をいっぱいしてみたいと思っています。

■最後に、音楽にとって一番大切なことはなんだと思いますか。
音楽の哲学はお持ちですか?

ラッセル:指揮者のジェフリー・ブランドが「音楽は音符と休符の感情の反響(Music is an emotional response to sound and space )」と言っていましたが、私はこの言葉をいつも忘れずに音楽をつくっています。音楽からどんな気持ちを感じ取り、表現するかによって奏者も観客の気持も変わります。休符だって感動的な間の取り方を表現することもできる。この言葉はとっても深い内容だと思います。

【ラッセル・グレイ連絡先】
rusgray@btinternet.com

■ナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップス・オブ・グレードブリテン

日時:2009年10月17日(土)17:00
会場:ロイヤル・アルバート・ホール
BPレポーター:多田宏江

写真協力:イアン・クルーズ(Ian Clowes)
http://www.pbase.com/troonly/09_london_finals

(トロフィーとロイヤルアルバートホール)
▲photo by Ian Clowes

 

 プロムスの会場としても有名な、ロイヤル・アルバート・ホール。ナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップス・オブ・グレートブリテンの会場は、毎年、この歴史あるロイヤル・アルバート・ホールで行われます。イギリスのブラスバンドと、炭鉱閉鎖が題材になっている映画「ブラス!」(96年)でも、この会場と、このコンテストがクライマックスの場面で使われました。

 この大会は名前の通り、チャンピオンシップ・セクションの全国大会です。ブラスバンドはイギリス生まれのスポーツ、サッカー(フットボール)と同じようにポジションと人数が決まっているため、日本の吹奏楽コンクールのように、大編成、小編成というような分け方が出来ません。

そのため、サッカーと同じようにリーグ=セクションに分けてコンテストを行います。チャンピオンシップ・セクションは一番上のセクション。その下に、ファースト(1st)・セクション、セカンド(2nd)・セクション、サード(3rd)セクション、フォース(4th)セクションと全部で5つのセクションに分かれています。

▲(レポーターが2年間所属したミドルトンバンド(Middleton Band)。
3rdセクション全国優勝!ハロゲイツ2007年から)

 ファースト・セクションからフォース・セクションの全国大会はイングランド北部の街、ハロゲイトで毎年9月末に行われています。「イギリスのブラスバンド」というと、日本ではどうしても、チャンピオンシップ・セクションのバンドだけが取り上げられることが多いのですが、セクションを5つに分けて大会を行う必要がある時点で、それだけ多くのバンドがイギリスに存在しているか想像できると同時に、チャンピオンシップ・セクションがイギリスのブラスバンドにおける氷山の一角であることわかると思います。

地域のバンドやユースバンドが、新しいプレイヤーを育て、若いプレイヤー達に音楽経験の場を与え、ブラスバンドの裾野を広げていく。さらに、その上でチャンピオンシップ・セクションがイギリスのブラスバンドをリードしていく。この循環が結果として、ナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップのような大きな大会でのレベルの高い、感動的な演奏につながるのだと思います。

 毎年各地で接戦が繰り広げれる、3月の地区大会を勝ち抜いて、全国から集まったバンド達。地区大会の話は、来年の3月にするとして、チャンピオンシップ・セクションの全国大会「ナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップス・オブ・グレートブリテン」に話しを戻します。

(ロイヤルアルバートホール客席から、ステージを見る)
▲photo by Ian Clowes

 今年の課題曲、ピーター・グレイアム(Peter Graham)の「ザ・トーチビアラー」(The Torchbearer)。

作曲者の先生でもある、エリック・ボール(Eric Ball)の没後20年を記念し、エリック・ボールのサルベーションアーミー・マーチ「トーチビアラーズ」のトリオの最初のフレーズをベースに、変奏曲形式で構成されています。
ソプラノとリピアノパートのmpのオープニングに始まり、パンチの効いた速いセクション、ソロイストたちの活躍する美しいメロディー、マーチのようなアレグロ・ビバーチェから観客を魅了する雄大なエンディング。素人な発言で申し訳無いのですが、いくら師匠の曲をベースにしたからと言って、こんな素敵な曲に作曲できるピーター・グレイアム氏。あなたと同じ時代に生きていて良かった!と思ってしまうような名曲です。

 たっぷりと、20団体の演奏を聴き終わったところで、審査結果発表までの待ち時間です。前日のフォーデンスのように、なんとまたコンテストに出た人たちがコンサートをしてしまう。今年のコンサートはコーリー・バンドでした。

(審査結果の待ち時間は、コーリーのコンサート)
▲photo by Ian Clowes

 コンテスト、コンサートを聴いてお腹いっぱい、となったところで閉会式。今年の審査員David Read(デイビット・リード), David King(デイビット・キング), Derek Broadbent(デリック・ブロードベント)や、来賓の方々、役員の方々が席についていよいよ審査結果発表。
審査結果の発表時には、ロイヤル・マリーンズ(Royal Marines)のラッパ隊まで登場し、遠く海外から来た人には喜ばしい、英国風な演出もあります。

※この大会の審査員をしたデイビット・キングが今月来日します(2009年11月19現在)。
詳しくは下の関連記事をご覧下さい
>>>>

 結果、優勝したのはブラック・ダイクでしたが、心に残る演奏をしてくれたのは、2位のフォーデンスでした。そう思ったのは私だけじゃないことを証明してくれるのは、フォーデンスの最後の音が終わりきっていないのに、我慢できずに拍手をした、大勢のお客さん達の拍手。演奏が終わった後の、鳴り止まない拍手と歓声は、ブラック・ダイクの演奏後の拍手よりも断然大きかったです。
フォーデンスの演奏がお客さんの心に届き、感動したお客さんがその感謝の気持を拍手と歓声で伝える。それは、ライブでしか味わえないコミュニケーションのひと時でした。

(2位のフォーデンス)
▲photo by Ian Clowes

 1位、2位、3位と、結果だけ見てしまえば凄い差があるように見えますが、もうこのレベルまで来てしまうと、はっきり言って好みの問題?!と思ってしまうぐらいハイレベルで、どこを差とするか分からなくなるような結果でした。日本のコンクールのように、金賞!金賞!金賞!でいいんじゃないですかね?と思うところですが、賞金がかかっていますから、そうはいかないのがイギリスのブラスバンドのコンテストですね。

(プレイヤー個人に与えられる、Best Instrumentalist賞を受賞したフォーデンスのグリン・ウィリアムス)
▲photo by Ian Clowes

上位バンド結果の記事はこちら
http://www.bandpower.net/news/2009/10/09_nbbc2009/01.htm

(優勝したブラックダイク。トロフィーと共に)
▲photo by Ian Clowes

■今ならまだ間に合う?!
BBCラジオ2ホームページにて、優勝したダイクのパフォーマンスが聞けます。
http://www.bbc.co.uk/programmes/b00ncddy#synopsis

■Listen to the Band 
http://www.bbc.co.uk/programmes/b006wrvg

(優勝したブラックダイク)
▲photo by Ian Clowes

<ナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップス・オブ・
グレートブリテン演奏団体・演奏順>

1. Co-operative Funeralcare (Michael Fowles)
2. Northop (Thomas Wyss)
3. Reg Vardy (Stephen Roberts)
4. Redbridge Brass (Jeremy Wise)
5. Black Dyke (Dr. Nicholas Childs)
6. Cory (Dr. Robert Childs)
7. Desford Colliery, (James Gourlay)
8. Kirkintilloch (Selmer Simonsen)
9. Fodens (Garry Cutt)
10. Hepworth (Frank Renton)
11. Carlton Main Frickley Colliery (Russell Gray)
12. Camborne Town (Richard Evans)
13. Fairey (Philip Chalk)
14. Flowers (Paul Holland)
15. East Yorkshire Motor Services (Jason Katsikaris)
16. Pemberton Old Wigan DW (Mark Bentham)
17. Tredegar (Ian Porthouse)
18. Zone One (Richard Ward)
19. Rothwell Temperance (David Roberts)
20. Newstead Brass (Duncan Beckley)

■コンテストの写真はコチラのサイトからご覧いただけます。
http://www.pbase.com/troonly/09_london_finals

 文中に写真で紹介された、ミドルトン・バンドを含む5つのセクションの優勝団体の演奏が入ったCD。チャンピオンシップ・セクション以外のセクションにも興味のある方にオススメです!!
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1538/

■ブラス・アーツ・フェスティバル2009

日時:2009年10月16日(金)
午後3時 インターナショナル・スタッフ・バンド
午後7時半 フォーデンス・バンド
BPレポーター:多田宏江

▲プログラム表紙

 

 英国ブラスバンド通信第3回目は、10月に行われた「ナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップス・オブ・グレードブリテン」と、その前日に行われた、ガラコンサート「ブラス・アーツ・フェスティバル」のレポートを前編と後編に分けてお届け致します。まずは、「ブラス・アーツ・フェスティバル」から。

▲オックスフォード・ストリート駅

 場所は、ロンドン、リージェントホール。ロンドンは今、2012年のロンドン・オリンピックに向けて、いたるところで工事が行われています。リージェントホールの最寄り駅、オックスフォード・サーカスも写真の通り工事中。駅から少し歩いたところに、お店に混ざって、救世軍のホールである、リージェントホールはあります。私がマンチェスターから、会場に着いたのが午後2時半。会場では既にCD販売も始まり、お客さんたちが集まっていました。

▲リージェント・ホールの正面入り口

■「アフタヌーン・コンサート」(Afternoon Concert)

【日時】10月16日(金) 15:00~
【出演】インターナショナル・スタッフ・バンド・オブ・ザ・サルヴェーション・アーミー
(International Staff Band of the Salvation Army)
【指揮】ステファン・コブ(Stephen Cobb)
【ゲスト】ピーター・グレイアム(Peter Graham)

▲インターナショナルスタッフバンドと、ピーターグライアム

【演奏曲目】(プログラムから)

  • The Ambassadors (Graham)
  • Triumph of Peace (Ball)
  • Song of the Brother (Leidzen)
  • Ad Optimum (Graham)
  • St.Teresa (Graham)
  • Blazon (Graham)
    -休憩-
  • Torchbearers March (Ball)
  • The Torchbearer (Graham)
    Presentation by the composer Peter Graham
  • Seize The Day (Graham) World Premiere

 3時からのインターナショナル・スタッフ・バンドは、今回のナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップス・オブ・グレードブリテン課題曲「ザ・トーチビアラー」(The Torchbearer)の作曲者、ピーター・グレイアムがゲスト。

翌日のナショナルズに向けて、「ザ・トーチビアラー」のモチーフとなった、エリック・ボール作曲のサルベーション・アーミー・マーチ「トーチビアラーズ」の演奏と、「ザ・トーチビアラー」の曲解説を中心に作曲者自ら、司会・進行を進める形でコンサートは進みました(途中、数曲は指揮者、ステーブン・コブが司会)。また、演奏会の最後には、ピーター・グレイアム作曲の「スィーズ・ザ・ディ」(Seize The Day)が、世界初演されました。

 この演奏会のプレイヤーの中には、今年7月に21歳でロンドン交響楽団首席トランペット奏者に就任した、フィリップ・コブも演奏に参加していました。この日12:30から同じ会場で行われた、ランチタイム・コンサートのゲストとして招かれていたフィリップは、指揮者のステーブン・コブの息子さん。お父さんに吹いて行きなさい、と言われたのかな?なんて想像してしまいました。

 作曲者ピーター・グレイアム、エリック・ボール以外の作品として演奏された「Song of the Brother (Leidzen)」は、バンドをバックにプリンシパル・ユーフォニアム奏者のデリック・ケイン(Derick Kane)がソロを吹きました。彼はこの席に座って34年。ソロは全部暗譜演奏。その頼りがいがあるパフォーマンスは、これからもプリンシパルのシートを吹き続けるだろうと思わせる、安定感のある演奏でした。

その他「インターナショナル・スタッフ・バンド」演奏CDはこちら! >>>

■「ガラ・イヴニング・コンサート」(Gala Evening Concert)
【日時】10月16日(金) 15:00~
【出演】フォーデンス・バンド(Foden’s Band)
【指揮】ギャリー・コット(Garry Cutt)

▲フォーデンス・バンド

【演奏曲目】(プログラムから)

  • The Cossack (Rimmer)
  • Force of Destiny (Verdi arr Wright)
  • Someone Cares (Steadman-Allen)  コルネットソロ:Mark Wilkinson
  • La Danza (Rossini arr Langford)
  • 2nd Movement from Salt of the Earth (Scott) E♭ベースソロ:Les Neish
  • Arioso (Bach)
  • Paganini Variations (Wilby)-休憩-
  • Horizons (Lovatt-Cooper)
  • Nimrod (Elgar)
  • Varied Mood (Woodfield) ユーフォニアムソロ:Glym Williams
  • Indiana Jones and the Temple of Doom (Williams arr Farr)
  • Irish Blessing (Bacak arr Bradnum)
  • Robbin Harry (Inns arr Charrosin) シロフォンソロ:Mark Landon
  • Procession to the Minster (Wagner arr Snell)

 ブラス・アーツ・フェスティバル2009のトリを飾るのは、翌日のコンテストを控えるフォーデンス。ナショナルズの課題曲も仕上げながら、コンサート・プログラムに1991年のブリティッシュオープン課題曲「パガニーニ・バリエーションズ」を入れてくるあたりは、さすが手を抜いてません。さらには、「パガニーニ・バリエーションズ」の演奏の完成度の高さ。感動的な演奏に、演奏会前半部から拍手の嵐でした。

 その他、前半のプログラムには、プリンシパル・コルネット奏者マーク・ウィルキンソンのソロ「サムワン・ケアーズ」、E♭ベース奏者レズ・ニーシュのソロ「ソルト・オブ・ジ・アース」がそれぞれありました。晴れた空に、シルクのリボンが風になびいているようなマークのコルネットの音色、ジャズっぽい深みのあるレズのE♭べースに、すっかりお客さんもリラックス。

 休憩を挟んで後半には、プリンシパル・ユーフォニアム奏者グリン・ウィリアムスのソロ「ベリード・ムード」、マーク・ランドンのシロフォンソロ「ロビーン・ハリー」。グリンのユーフォニアムの音色は、まるでベルから虹が広がっていくような豊かな響き、マーク・ランドンのシロフォンもフォーデンスの打楽器セクションのレベルの高さを表しているかのようなソロでした。

 お客さん大満足の演奏会に、鼓膜が破れそうな拍手と指笛が続いていました。・・・とそんな演奏会の後は、同じ会場で翌日のコンテストのリハーサル。内容盛りだくさんのコンサートの後に、コンテストピースという、彼らのスタミナに圧巻でした。

▲翌日の大会に向けて、コンサート後のリハーサル

 同じ日、ロンドンの別の会場では、エンフィールド・シタデル・バンド(Enfield Citadel Band)による、もう1つのガラコンサート「プレ・コンテスト・フェスティバル(Pre contest Festival)」が、ウェストミンスター駅近くのセントジョンズ・スミス・スクエアにて行われていました。

<ブラス・アーツ・フェスティバル2009演奏団体・演奏順>
※プログラムからの引用 会場は全てリージェントホール

■「エクスプレッションズ」(Expressions)
【日時】10月15日(木) 19:45~
【出演】リージェントホールバンド&リージェントホールソングスターズ
(Regent Hall Band and Regent Hall Songsters)
【ゲスト】Paul Sharman(コルネット)、 Dudley Bright(トロンボーン)、 Darren Bartlett(歌)

■「ランチタイム・コンサート」(Lunchtime Concert)
【日時】10月16日(金) 12:30~
【出演】ギルドホール・ブラス・バンド(Guildhall Band Band)
【指揮】ポール・コッシュ(Paul Cosh)
【ゲスト】フィリップ・コブ(Philip Cobb)

■「アフタヌーン・コンサート」(Afternoon Concert)
【日時】10月16日(金) 15:00~
【出演】インターナショナル・スタッフ・バンド・オブ・ザ・サルヴェーション・アーミー
(International Staff Band of the Salvation Army)
【指揮】ステファン・コブ(Stephen Cobb)
【ゲスト】ピーター・グレイアム(Peter Graham)

■「ガラ・イヴニング・コンサート」(Gala Evening Concert)
【日時】10月16日(金) 15:00~
【出演】フォーデンス・バンド(Foden’s Band)
【指揮】ギャリー・カット(Garry Cutt)

■ピーター・グレイアム(Peter Graham) /Professor of Composition at the University of Salford

◎インタビュー&文:多田宏江

2009年11月13日ソルフォード大学ピーター・グライアム研究室にてインタビュー

▲Peter Graham

 ピーター・グレイアム。バンドパワーでも何度もその名が登場するイギリスを代表する作曲家の1人。最近では、英国ブラスバンド通信第2号でお届けした、ブリティッシュオープンでワーシップフル・カンパニー・オブ・ミュージッシャンズ・アワードを受賞。第3号でお届けした、ナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップス・オブ・グレートブリテンでは、課題曲として彼の新曲が演奏されました。そんな大活躍のピーター・グレイアム。今は、彼の新しい作品集CDが発売される準備中だそうです。

新しいCD情報から、ナショナルズ課題曲「ザ・トーチべアラー」に込められた思い、さらには、どのように作曲家としてキャリアを積んでいかれたのか。レポーターが在学中のソルフォード大学内、ピーター・グレイアムの研究室へお邪魔してインタビューしてきました。

■どのように作曲活動をスタートされましたか?

ピーター:初めはピアノ、次にコルネットを習い始めて、コルネットをスコットランドのサルベーションアーミーで吹いていました。その時から、兄弟や友達で四重奏を組み、そのために曲を編曲したりしていました。

そんな時に、友人の一人が作曲のコンテストに作品を出しているのを見て、「彼に出来るなら私にも出来るかも」、そんな風に思い始めたんです。16、17歳の頃、夏のサルベーションアーミーのミュージックキャンプに事前にマーチを作曲したものを持って参加し、
その曲を演奏してもらいました。その曲を、サルベーションアーミーの有名な作曲家、レイ・ステドマン・アラン(Ray Steadman Allen)、レズリー・コンドン(Leslie Condon)に送り、どのように直したらいいかコメントをもらってレッスンを受けていました。

その後、スコットランドのサルベーションアーミーバンドの100年記念行事に、マーチを作曲する依頼を受けたんです。そのマーチは「New Generation」という曲で、何度かスコットランドのバンドによって演奏されましたが、自分でも、そんなに良い曲じゃないのかな?なんて思っていた時、突然、知人から「明日君の曲をインターナショナルスタッフバンドがロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで演奏するそうだよ」と聴いたんです。当時私は19歳。スコットランドに住んでいましたから、残念ながらロンドンまでは聴きに行けませんでした。

その後、大学を卒業して作曲活動を続けているところに、ニューヨーク・スタッフバンドから作曲の依頼を受けました。「世界ツアーを行うから、私達のためにマーチを作曲をしてくれないか」と言われ、そのときに作曲した曲が「The Ambassadors」でした。この曲も準備中の新しいCDに収録予定ですよ。

私はニューヨーク・スタッフバンド編曲&作曲者として、またコルネット奏者として所属しました。その結果、ニューヨークには3年滞在しました。

※ピーター・グライアムの初めて出版された楽譜「New Generation」
その音源を↓のサイトから聴くことが出来ます。(協力:Ian Bartonさん)
http://www.regalzonophone.com/

■10月はオーストラリアの「オーストラジアン・オープン」で審査員を務められましたよね? オーストラリアの旅はいかがでしたか?

ピーター:4・5日間と、とても短い滞在期間でした。コンテスト参加団体数は7バンド。イギリスの大会に比べて団体数が少ない分、審査員には演奏の違いが比べやすいですが、そうは言っても、上位団体の演奏レベルの差は少ないですから優勝団体を決めるのは難しかったですね。どれを勝ちにするか・・・、ある団体は、音楽的に良くても技術的な失敗があったり、逆もあったり。

友人のデイビット・キング氏と一緒に仕事を出来たのもよかったですね。海のすぐ側の彼の家に泊めてもらってリラックスできました。コンテストの前日は、指揮者や演奏者を集めてデイビット・キング氏とセミナーも行いました。数日前にソルフォード大学でも行われた、審査員のセミナーと(実際に行われたコンテストの上位5団体の録音を聴きながら、受講者は審査員と同じように、スコアを見てコメントを書き順位を決める)や、オーストラジアン・オープン課題曲「ザ・トーチビアラー」の曲を解説するセミナーも行いました。

■10月のナショナル・ブラスバンド・チャンピオンシップス・オブ・グレートブリテンはどう思いましたか?

ピーター:とても楽しめました。色んな人達と話をして興味深かったのは、「どんな曲を課題曲にすべきか」ということでした。 種類分けすれば、今回の曲はオールドスタイルな曲だったんです。コンテストの運営者、フィリップ・モリス(Philip Morris)さんによれば「近年で最も多い集客だった」とのことで、彼も喜んでくれました。エリック・ボール・スタイルのオールドファッションな曲がお客さんの集客につながったという話でした。

特にロンドンのアルバート・ホールで行われる、このコンテストのお客さんは、お年寄りの方が多くいらっしゃるので、課題曲が現代的な曲だと、どうしてもお客さんが集まりにくい。しかしながら、若い才能のある作曲者の活躍の場として活かすべきでもあり、そうなると、現代曲的な課題曲になり、集客が難しい。このコンテストは特にそういう傾向が強いですね。

■「ザ・トーチべアラー」について聞かせてください。もとになったエリックボールの「トーチべアラーズ」は複数形の題名で、「ザ・トーチべアラー」は単数形ですが、この題名の意図は?

ピーター:サルベーションアーミーの牧師になる人たちを「トーチべアラーズ」と呼びます。エリック・ボールはその人たちを指して、このマーチを作曲しました。

トーチべアラーはたいまつを持つ人、先導者という意味を持つとともに、新しいことをやる人という意味があります。そういう意味で、エリック・ボールが作曲家として活躍した当時、彼はとてもモダンな曲を作曲する作曲者として、ブラスバンドの新しい時代の作品スタイルを切り開いていきました。彼に敬意を表して、また彼を指して「ザ・トーチべアラー」としました。

■日本の読者の皆さんは、この曲の吹奏楽編曲が出ないか待っていると思いますが、その予定はありますか?

ピーター:今のところ予定はありませんが、日本の方でどなたか出して欲しいという方がいらっしゃいましたらご連絡ください(笑)

■新しいCDの情報を教えて下さい。

ピーター:今までの私の作品を、ブラック・ダイク・バンドとインターナショナル・スタッフ・バンドという世界でもトップレベルのプレイヤーたちによって演奏し録音しました。2枚組みの内容盛りだくさんのCDになる予定です。日本でも演奏される機会の多い「ハリソンの夢」から、先ほど話に出てきたニューヨーク・スタッフ・バンドのために作曲した初期の作品「The Ambassadors」、そしてナショナルズ課題曲となった最新作「ザ・トーチベアラー」も初めてCDになる予定です。

■最後に、日本の読者のみなさまへメッセージをお願いします。

ピーター:2回ほど日本を訪れましたが、とても楽しかったです。日本のみなさん、日本でも私の曲を演奏してくれてありがとう。皆さんのご活躍を願っています。


 

【ピーター・グレイアムのCD】

◎ゲールフォース~ピーター・グレイアム作品集
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0199/

◎ザ・レッド・マシーン~ピーター・グレイアム作品集
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0720/

◎クロスオーヴァーノルウェー王国海軍バンド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0192/

◎ピーター・グレイアム ブラス・バンド作品集
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0252/

◎コサックの叫び~ピーター・グレイアム ブラス・バンド作品集Vol.2
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0265/

◎エピック・ブラスII~
ピーター・グレイアム50才記念ライヴ
ブラック・ダイク + インターナショナル・スタッフ・バンド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/dvd-9333/

◎グローリアス・ヴェンチャーズ/ピーター・グレイアム作品集
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1079/

【ピーター・グレイアムの楽譜】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/c/0000000352/

※本文中に登場したボールの「トーチべアラーズ」が収録されたDVD
◎エリック・ボール生誕100周年コンサート
~セレブレーション・イン・ブラス/
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/dvd-9014/

■ディビット・キング(David King)/ブリッグハウス&ラストリック・バンド・プロフェッショナル・コンダクター、コルネット奏者

◎インタビュー&文:多田宏江

2009年10月3日マン島でのマスタークラス期間中メールインタビュー
協力:Tim Hewitt (Yamaha Music UK Ltd Regional Manager)

▲David King

 デヴィッド・キング。バンズマンなら、その名を知らない人はいない、ブラスバンド界を代表する指揮・指導者&コルネット・プレイヤー。9月のブリティッシュオープンでは、ブリッグハウス&ラストリックバンドの指揮者として、デイビット・キングのオープン復活に注目が集まりました。

 そんなデヴィッド・キングは昨年、ブラック・ダイクを指揮し日本ツアーを行った1990年以来、18年ぶりに来日。世界中を忙しく飛び回るデヴィッドですが、今回はヤマハの仕事でマン島にいるところを、直撃メール・インタビュー。(マン島はアイリッシュ海北部のほぼ中心にある島で、オートバイの国際的ロードレース「ツーリスト・トロフィー」(マン島TTレース)の開催地としても有名です。またブラスバンドが盛んな地域でもあります)

YBS時代の思い出話から、現在のブリッグハウス&ラストリックバンドの話、また世界的な活動についてお聞きしました! デヴィッド・キングの今に迫ります。

■今回はヤマハのマスタークラスをマン島で行ったそうですが、どのようなマスタークラスでしたか?

デヴィッド:今回が私にとって初めてのマン島訪問になります。ヤマハの準備したマスタークラスと指揮&コルネットのセミナーを行いました。楽しいコンサートも開催され、マン島の熱意溢れる8つのバンドは素晴らしい演奏を披露してくれました。

■世界的にブラスバンドの指揮・指導をしてらっしゃいますが、今後はどのような活動を予定されていますか?

デヴィッド:昨年は岡本篤彦さんの招待を受けて日本に来日しました。来日は岡本さんのバンドである浜松ブラスバンドと大阪ハーモニーブラスとのお仕事でしたが、どちらのバンドともすばらしいバンドで音楽的なレベルも高かったです。岡本さんと、また仕事が出来てとてもうれしかったですね。
彼は何年も前にソルフォード大学に来て、私と一緒に勉強した、すばらしいコルネット奏者であり、とても才能のある指揮者です。今年(2009年)の11月19日~30日の間、再び浜松ブラスバンドと大阪ハーモニーブラスとの仕事のために来日する予定で、日本での仕事もとても楽しみにしています。

今後のスケジュールはヤマハ・ヨーロッパ、イギリス、オーストラレーシア(オーストラリア・ニュージーランドおよびその周辺の島々の総称)のアーティスト&コンサルタントとして国際的に仕事をする予定です。

 2010年2月からはノルウェー・チャンピオン、エイカンガーの指揮を2010年ヨーロピアン・チャンピオンシップス(開催地オーストリア、リンツ)に向けて開始すると同時に、ヨークシャーのブリッグハウス&ラストリックバンドとの仕事も続けていきます。

 現在、ブリッグハウス&ラストリックのコルネット・セクションはヤマハ・ゼノ・コルネットを使用しています(ソロ・コルネット・セクションはイエローブラス、バックロウはゴールドブラス)。そこでヤマハの企画によるCDレコーディングをシェオナ・ホワイト(Sheona White、テナーホーン)、カトリーナ・マルゼラ(Katrina Marzella、バリトン)と言った、ヤマハ・アーティストのブラスバンド・プレイヤー達をソロイストに招いてブリッグハウス&ラストリックとレコーディングする予定です。

 オーストラリアでは、ナショナル・オーストラリア・ブラスと新曲の委託作品のためのコンサート、フェスティバルなどを年に3回予定しています。

 その他のヨーロッパでの仕事は、スウェーデンでヨーテボリのプロフェッショナル・ブラスバンド音楽家たちとの活動、新しいヤマハのテナーホーンを含む、ヤマハの新製品の宣伝も行います。新しいヤマハのテナーホーンはヤマハ・アーティストのシェオナ・ホワイトとヤマハが開発した楽器で、豊かな響きと素晴らしいレスポンス&プロジェクションをもった最高の楽器です。

 2010年後期にはスウェーデンでもマスタークラスと、指揮者講習会を行う予定です。

 2010年は私の恩師ロイ・ニューサム(Dr Roy Newsome)先生が80歳の誕生日を迎える年でもあります。私はロイ先生と奥様をオーストラリアに招待してお祝いします。その際、ロイ先生はナショナル・オーストラリア・ブラスとシドニーのセントメアリー・バンドのゲストとして私と一緒に仕事をする予定です。

■ロイ先生の話が出ましたが、ロイ先生以外に影響を受けた先生や指揮者、またコルネット&トランペット奏者はいますか?

デヴィッド:私が特に影響を受けたコルネット&トランペットの先生は、1.父、2.ケン・スミス(Ken Smith…1960年から1970年代に活躍したニュージーランドの伝説的トランペット&コルネとプレイヤー)、3.デヴィッド・ジェイムス(David James…私が1982年にイギリスに来た時のコルネットの先生)です。

 あとのほとんどは、自分の教え子達に習ってきたように思います。教え子達は常に私に新しいアイディアと、練習し続ける意欲を沸き立たせてくれます。

■そんな、あなたにとって、音楽とは何ですか?

デヴィッド:音楽が全てではありません。音楽は素晴らしい芸術表現形態であって、そのバランスを保つことが重要です。出来る出来ないで個人を評価するような誤った考えに、はまらないで欲しい。私達を「human doing’s」、何かをする機械のように捉えるのは、不健全な考え方で、私達は「human-‘beings’」人間なのです。音楽は、この全世界に共通する言葉を通して、人生の喜びを分かち合う存在であると思います。

■YBS(Yorkshire Building Society Band)時代の思い出を聞かせていただけますか?

デヴィッド:思い出話の一つ目は、YBSが課題曲も、自由曲も演奏順番1番を引いてしまった1996年のヨーロピアン・チャンピオンシップス(開催地:ノルウェー)のことですね。その年が若いYBSにとってのヨーロピアン初出場でした。観客のだれもがヨーロピアン初出場で勝てるとは思っていなかったし、さらには課題曲、自由曲とも演奏順番が1番となると、なおさら、このバンドが勝つことは不可能だと思われていました。

 しかし、若いYBSに負ける気はなく、精神を集中させ希望を持っていた。その希望は歴史に代わりました…ヨーロピアン・チャンピオンシップスで、演奏順1番で勝ったバンドは、このバンドが初めてでした。とても素晴らしい思い出です。

 もう一つは、今考えるだけでも笑ってしまうんだけれど、バーミンガムでのヨーロピアン・チャンピオンシップス(2000)のこと。課題曲はフィリップ・スパークの「タリス・ヴァリエーション」。YBSの演奏の出来はとてもよかった。しかし自由曲、フィリップ・ウィルビーの「ダブ・ディセンディング(舞いおりる鳩)」。本来ならばCDプレイヤーで鳥の鳴き声を流すはずだったんだけど、CDプレイヤーが壊れて鳴らない。だから私達は流さないで演奏したんだ。誰も気がつかなかったみたい、なぜならバンドはの演奏は、とにかく上手くいったからね。それでその後、とっても大事なところで、銅鑼が床に落ちてしまった。しかも、その銅鑼はパーカッションの前にあったマイク・スタンドを直撃、さらにはE♭ベースのベルを打った。ひどいことになってしまったけれど、バンドはとにかく演奏を続けた。今思い返すだけで面白すぎる。何であんなことになったかわからないけど、でも、私達は勝った!

(その時のライブ音源はコチラ http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0007/

■今のブリッグハウス&ラストリックについて聞かせてください。

デヴィッド:ブリッグハウス&ラストリックブラスバンド(Brighouse and Rastrick Brass Band)は、彼らの長い歴史とヨークシャーのブラスバンドの伝統を引き継いでいます。私のプロフェッショナル・コンダクターとしての第一印象は 、彼らが本当に新しいアイディアで成長を図りたいと思っていることと、未来に向けて卓越した高い音楽レベルを保持したいと強く思っていること。

 このバンドは先ほど話にも出たYBSとは全く違うバンドでした。ブリッグハウスはゴールを持っていて、彼らの未来に焦点を当てている。このことは、音楽を作る上での可能性を凝縮させ、音楽を作りやすくします。私のブリッグハウス&ラストリックとのデビューは2009年9月のブリティッシュ・オープンでした。私はこのデビューを楽しむことが出来、2010年への自信を感じました。個人的にも仕事としても、彼らとの一1年が良いものになるだろうと思っています。

■日本人の読者があなたのレッスンを受ける手段として、バイロン・ブラス・サマースクールがありますよね? 前回のサマー・スクールはいかがでしたか? また2010年のサマースクールはどうなりそうですか?

デヴィッド:2009年のサマー・スクールは大成功でした。幅広い年齢層の様々な演奏レベルの参加者に楽しんでいただけたと思います。すぐそばにビーチのある美しい環境でブラスバンドを楽しみ、ストレスから開放された新年をスタートできます。同時に技術の向上と音楽の新しいアイディアを得ることが出来、それが今後の意欲につながっていくはずです。
同じくブラスバンドを楽しみむ仲間を作って、音楽を学び、海のそばでの魔法のような数日を楽しむ。そんなサマー・スクールは若い音楽家にとって、素晴らしい経験になるでしょう。

 日本のブラスバンド・プレイヤーの皆さん、サマー・スクールへの参加はまだ遅くはないですよ。ただし、募集締め切りは近づいて来ていますのでお早めに。(詳しい内容はこちら www.byronbrass.com  から)

■最後に、日本のプレイヤーたちにメッセージをお願いします。

デヴィッド:皆さん、ぜひ「バイロン・ブラス・サマー・スクール」へお越しください。このサマー・スクールはオーストラレーシア全体におけるブラスバンドの新しい学びの場です。あなたに、学びのチャンスと、ブラスバンドの魔法を楽しむチャンスを提供してくれますよ。


 

【デヴィッド・キングの指揮によるレコーディングCD、DVD】

◎ハイランド讃歌ヨークシャー・ビルディング・ソサエティ・バンド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0226/

◎ケルトの叫び
ヨークシャー・ビルディング・ソサエティ・バンド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0019/

◎ヴィタエ・ルクス
ヨークシャー・ビルディング・ソサエティ・バンド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0197/

◎宇宙の音楽
ヨークシャー・ビルディング・ソサエティ・バンド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0700/

◎ウィンドウズ・オブ・ザ・ワールド
ヨークシャー・ビルディング・ソサエティ・バンド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0184/

◎エッセンス・オブ・タイムThe Essence of Time
ジョン・フォスター・ブラック・ダイク・ミルズ・バンド
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0210/

その他、ヨークシャー・ビルディング・ソサエティ・バンドのCD、DVD >>>

第157回ブリティッシュ・オープン・ブラス・バンド・チャンピオンシップス「ブラス・ガラ Brass Gala」

日時:2009年9月13日(日) 14:30~17:35
会場:シンフォニーホール(バーミンガム)
BPレポーター:多田宏江

 

■ガラ・コンサートの内容 
BRASS GALA

14:30 グライムソープ・コリアリー・バンド(The Grimethorpe Colliery Band)
Conductor Alan Withington
合唱団:ヘムズワース・アート&コミュニティー・カレッジ
(Members of Hemsworth Art and Community College)
合唱団指揮:Julian Laraunte

15:30 コーリー・バンド(The Cory Band)
Conductor Robert Childs

16:30 ブラック・ダイク・バンド(The Black Dyke Band)
Conductor Nicholas Childs

17:15 合同演奏:ブラック・ダイク・バンド&コーリー・バンド
Finale: The Black Dyke Band and The Cory Band Together

結果的に、前日の上位3バンドによるガラ・コンサートになりました。ガラ・コンサートの準備もしておきながら、コンテストでもバシッと決める、そのバンドの底力には脱帽です。また、この日のステージ隊形は、普段のコの字型ではなく、吹奏楽のような扇形の山台を使用して演奏されました。

■グライムソープ・コリアリー・バンド(The Grimethorpe Colliery Band)
▲写真は前日のブリティッシュ・オープンの様子(photo by Ian Clowes)

 【演奏曲目】(プログラムから)
・Air from the Third Suite (J S Bach arr Snell)
・Intermezzo from Cavalleria rusticana (Mascagni arr Wright) Soloist Kevin Crockford
・Wedding March from the incidental music for A Midsummer Night’s Dream
(Mendelssohn arr Sykes)
・Waltz: On the Beautiful Blue Danube (J strauss II arr Hargreaves)
・March: Radetzky

 ガラ・コンサート1団体目、グライムソープは、ヘムズワース・アート&コミュニティー・カレッジ合唱団をゲストに迎え、サウンド・オブ・ミュージックをテーマにしたストーリー仕立てのパフォーマンスを披露しました。

1曲目に演奏された「美しき青きドナウ」で、7人の子ども達がそれぞれのキャラクターの特徴を表現しながら登場。バンドの演奏中、アナウンスなしにいきなりグライムソープの前を女の子たちが現れるのですから、驚きの演出でした。子どもたちが登場したあとは、マリアが登場。グライムソープのパフォーマンスの案内役は、このマリアが一貫して行いました。
2曲目には「G線上のアリア」。若きマリアが熱心に教会で祈りをささげていたところを表現し、3曲目はソプラノ・ソロによる、「カバレリアルスティカーナから間奏曲」。マリアの生い立ち、トラップ一家のとの出会いを説明。
次は、映画「サウンド・オブ・ミュージック」から「ひっとりぼっちの羊飼い」。さらに30人近い合唱団が客席の間から入場し、バンドの後ろに立ちはじめました。そして、「ドレミの歌」の始まり。マリアはプリンシパルのロバート・ウェスタコットに音階を吹いてもらい、お客さんと一緒にドレミの練習を始め、客席に向かってこの列はド、この列はレと、オクターブそれぞれ指示し、お客さんも元気に歌ってくれていました。
再度、プログラムに書かれていた曲目に戻り、マリアとトラップ大佐の結婚を、「結婚行進曲」で表現。その後の戦争を「空軍大戦略」より「ドイツ空軍マーチ」、ロッシーニの「タランテラ」で、家族が逃げ惑う様子を表しながら、「私のお気に入り」、「もうすぐ17歳」、「さよならごきげんよう」、「エーデルワイス」、「すべての山に登れ」など、劇中の曲をこれでもか、と演奏・歌ってくれました。最後は、ラデッキー行進曲にてカーテンコール。盛りだくさんの内容でした。

コーリー(The Cory Band)
▲写真は前日のブリティッシュ・オープンの様子(photo by Ian Clowes)

 【演奏曲目】(プログラムから)
・Hail the Dragon (Philip Sparke)
・Brass Triumphant (Gareth Wood)
・Moonbeams (Dan Price) Soloist Joanne Childs
・Giants (Peter Graham)
アンコール: Sing Sing Sing

 前日の優勝団体コーリーの1曲目は「ヘイル・ザ・ドラゴン」。コーリーの125周年を記念した委託作品で、同じくコーリーのためにかかれた「ドラゴンの年」を、ところどころ引用して作られている作品です。2曲目もウェールズ色の強い「ブラス・トライアムフェント」。コーリーのバンドの歴史を題材に作曲された新曲が披露されました。

3曲目は、ディビット・チャイルズの奥様、ジョアン・チャイルズのフリューゲルホーンソロ「ムーンビームス」。コンサート中のボブ(ロバート)チャイルズの説明では、彼が、ナショナル・ユース・ブラス・バンド・オブ・ウェールズを指揮して10年。その最後の年を記念して、ボブからジョアンにナショナル・ユースのゲストプレイヤーとしてソロを吹いて欲しいとお願いしたところ、ジョアンは快く了承し、フリューゲルホーンのソロが少ないので、作曲者に2曲、彼女のために作ってもらった、と作品の出来るまでを紹介していました。

美しいフリューゲル・ホーンソロを聴いたところで、最後のプログラムは「ジャイアンツ」。ヨーロピアン2009のコーリーの自由曲として、ピーター・グライアムに委託された作品です。

アンコールは、今までバンドの前に置いてあったドラムセットを使い「シング・シング・シング」。昨年のブラス・イン・コンサートでコーリーが演奏した、パーカッション・フューチャーの曲です。ドラムセットのほか、3人のパーカッション・プレイヤーが、バーの木製足長いすを使ってタップダンスのように演奏。詳しくは「ブラスインコンサート2008DVD」をご覧下さい!(近日入荷予定)

■ブラック・ダイク(The Black Dyke Band)
▲写真は前日のブリティッシュ・オープンの様子(photo by Ian Clowes)

 【演奏曲目】(プログラムから)
・March: The Australasian (Rimmer)
・Evergreen (Barbra Streisand arr Catherall) Soloist Sandy Smith
・Cats Tales (Peter Graham)
・Finale from the Organ Symphony (Saint-Saens arr Wilby)

 夏のオーストラリア・ツアーを終えイギリスに帰ってきたブラックダイク。1曲目はツアー中もオーストラリアで演奏された、マーチ「オーストラジアン」で幕開けです。 続いて、テナーホーン・ソロは、ブラックダイクに帰って来たサンデー・スミスによる「エヴァーグリーン」。ブラス・バンド曲の編曲者として有名な彼の素晴らしいテナーホーンの音色にホール全体が酔いしれました。

3曲目はピーター・グライアムの「キャッツ・テイルズ」。最後は編曲者フィリップ・ウィルビー自身がパイプオルガンで演奏に参加した「オルガン・シンフォニー」で幕を閉じました。前の週には、グレート・ノーザン・ブラス・アーツ・フェスティバルを終えたばかりのブラック・ダイク。全曲、1週間前のコンサートとは別のプログラムで通しました。

※グレート・ノーザン・ブラス・アーツ・フェスティバルのレポートはコチラ
http://www.bandpower.net/soundpark/03_bbn/bbn01.htm

■ブラック・ダイク&コーリー合同演奏
(The Black Dyke Band and The Cory Band Together)

【演奏曲目】(プログラムから)
・March: The Medallion (Moreton)
・Cornet Carillon (Binge)
・March from The Pines of Rome (Respighi arr Snell)

 最後は、前日のコンテスト上位2団体の豪華版、ブラック・ダイクとコーリーによる合同演奏です。1曲目は、ハリー・モーティマー(イギリス、ブラスバンド界の父的存在)のお気に入りだったマーチ「メダリオン」。指揮は、このガラ・コンサートの主催者であり、14歳にしてフォーデンスのプリンシパル・コルネットを務め、その後オーケストラでトランペット奏者として活躍したブラム・ゲイ。

2曲目はブラスバンド最高峰の2つのバンドのコルネット・セクションによる「コルネット・カリオン」。絶品でした。 3曲目は前の週にマンチェスターで行われたフェスティバルでもブラック・ダイクが演奏した「ローマの松」。ソロになるようなところは、ダイクのプレイヤーが中心になって演奏していました。

アンコールはアーサー・サリヴァンの「ロスト・コード」。合同演奏中、2つのバンドのプレイヤーたちは終始、気持良さそうに演奏していました。

■マーク・ウィルキンソン(Mark Wilkinson)/フォーデンス・バンド、プリンシパル・コルネット奏者

◎インタビュー&文:多田宏江


2009年9月5日、グレート・ノーザン・ブラス・アーツ・フェスティバルが行われたブリッジウォーターホール(マンチェスター)の出演者楽屋にて。
協力:フォーデンス・バンド、プリンシパルバリトン奏者、稲葉奈摘さん
写真協力:イアン・クルーズ(Ian Clowes)
http://www.pbase.com/troonly/09_sep_bridgewater

 吹奏楽でも、ブラスバンドでも人気の高いフィリップ・スパークの「ドラゴンの年」。「ドラゴンの年」のCDと言えば、この1枚!とも言われる、1992年のヨーロピアンチャンピオンシップスのライブCD。92年のヨーロピアンで優勝し、今や伝説となったこの「ドラゴンの年」を演奏したブリタニア・ビルディング・ソサエティ・バンド(現フォーデンス・バンド)のプリンシパル・コルネット奏者は、この時20才だった! 彼は今も同じバンドで、プリンシパルの席を守り続けています。その張本人、フォーデンス・バンド、プリンシパル・コルネット奏者のマーク・ウィルキンソンさんに、ブラスバンド通信第一1号のインタビューをしてきました。

▲マーク・ウィルキンソン(左)とレポーター多田(右)

■いつからどのようにコルネットを始めましたか?

マーク:6才からローカルバンド(Ellenbrook and Boothstown Band)でバンドのメンバーからレッスンを受け、コルネットを吹きはじめました。4年後、ウォークデン・バンド(Walkden Band)というセカンド・セクションのバンドに移り、13才でベッシーズ・ボーイズ(Besses Boys Band)へプリンシパル・コルネット奏者として移籍し、18才まで在籍しました。

18才になってから、ウィンゲーツ(Wingates)で1992年の1月までプリンシパル・コルネットを吹き、92年1月、当時20才で現在のフォーデンスのプリンシパルの席に着きました。現在38才なので、もうすぐ在籍18年になります。

■ユースバンドでは吹かなかったんですか?

マーク:ベッシーズ・ボーイズは18才までのユースバンドでした。しかし、大会はユース部門ではなく、大人の部門に混ざって出場し、フォース・セクションから勝ち抜いてセカンド・セクションにまで上がりました。1ヶ月のオーストラリア・ツアーも成功して、18才になり卒業し、ウィンゲーツに移りました。

■ベッシーズ・ボーイズ卒業後、他のプレイヤー達はどんな活動をしていましたか?

マーク:軍楽隊でプロ活動を続ける人が多くいました。トロンボーン・セクションは、BBCフィルハーモニーオーケストラ・スコットランドや、リバプール・フィルハーモニー・オーケストラ・プレイヤーとして、今もプロ奏者として演奏を続けていますね。

■バンド活動と平行して、ナショナル・ユース・ブラス・バンドにも参加しましたよね?

マーク:16才からソロ・コルネットで参加し、17才、18才とプリンシパルを務めました。2000年からはナショナル・ユースのコルネット講師としてバンドに戻って9年になります。同じく、ナショナル・チルドレン・ブラス・バンドの講師もしています。

■日本人の読者があなたのレッスンを受ける手段として、サマースクールがありますよね?

マーク:ブロムスグローブでのサマースクール(The Brass Band Summer School staged at Bromsgrove School)でアラン・モリソンの後を継いで、コルネット講師を来年の夏から引き受けます。

▲photo by Ian Clowes

■1992年のヨーロピアン・チャンピオンシップスの「ドラゴンの年」を演奏された側のとしての感想をお聞かせください。

マーク:課題曲は「ウェールズの庭の5つの花」(ギャレス・ウッド)(FIVE BLOOMS IN A WELSH GARDEN /Gareth Wood)で、自由曲として「ドラゴンの年」を演奏しました。イギリスでのブラスバンド史上最高のコンテスト・パフォーマンスの1つと言ってもいいでしょう。テンポもサウンドもエキサイティングで、演奏が終わった後のお客さんの拍手歓声もすごかった。

■20才でプリンシパル、しかもヨーロピアンという大きな舞台。緊張はしませんでしたか?

マーク:緊張しましたよ。なぜなら1月にバンドを移籍して、それまでのプリンシパル・コルネット奏者、マーティン・ウィンターから引き継いだ直後でしたからね。3月のエリア(イギリスの地区大会)が移籍後初めてのコンテスト、その後が5月のヨーロピアンでした。20歳の私にとって、ブリタニアのプリンシパルは大きな席でした。マーティンはBBCフィルハーモニー・オーケストラでのトランペットの仕事が忙しく、ソプラノに移動しました。マーティンは私の後ろのソプラノの席で、私は彼の前で吹いていました。
他のプレイヤーはユーフォニアムが現ブラック・ダイク指揮者のニコラス・チャイルズ、2楽章の大きなトロンボーン・ソロはニック・ハドソンと素晴らしいメンバーに囲まれて演奏しました。

■指揮者のハワード・スネルはどんな方でしたか?

マーク:彼が私にフォーデンスでプリンシパルを吹く機会をくれました、彼が呼んでくれたおかげで、今までの素晴らしい体験があり感謝しています。音楽指導者としても素晴しいし、奏者のやる気を引き出す指導者でした。バンドは初見にものすごく強くて、難曲も初見で吹けていました。ハワードもそのように指導していました。

▲photo by Ian Clowes

■現在のフォーデンスで吹いていてどうですか?

マーク:フォーデンスでプリンシパルを吹かせてもらって楽しいですね。初めてこのバンドへ移籍したときから、その気持ちは変わりません。忙しい仕事の中でも、バンドが生きがいです。
今のバンドは、バンド全体のレベルも個人の基礎力も高い。最近はメンバーの変更が少なくメンバーが固定化したことが、サウンドの安定感につながっていると思います。特にプリンシパル・プレイヤーたちは、長く在籍しているメンバーが多く、ユーフォニアムのグリン・ウィリアムスと、トロンボーンのジョン・バーバーが1995年に移籍し約15年。ソプラノのアラン・ウィッチェリー、フリューゲルのヘレン・ウィリアムスも2000年から9年目になります。

■日本の読者達もあなたの音を聴きたいと思いますが、CDを作る予定などは?

マーク:作る予定は前々からあり、作ろう作ろうとしていますが、仕事とバンドの忙しさで長引いてしまっていますね。スタンダードの作品よりも、委嘱作品を演奏してCDにしたいと思っています。

■日本のプレイヤー達にアドバイスをお願いします。

マーク:苦手なところを練習しないと、それはいつまでも上達しません。苦手なところを練習することによって、それが逆に強みになります。弱点を強みに変えましょう。コルネット・プレイヤーの方は、よく、他のコルネット・プレイヤーのCDや演奏を聴くことが多いと思います。それによって、スタイルをコピーしたり、違うアイディアを得る事ができると思いますが、全てをコピーするというよりも、自分のしたいことをすればいいと私は思います。

■グレート・ノーザン・ブラス・アーツ・フェスティバル

日時:2009年9月5日
会場:ブリッジウォーターホール(マンチェスター)
BPレポーター:多田宏江

今回から始まった、英国ブラスバンド通信。レポーターの住むイングランドはマンチェスターから、英国ブラスバンドの最新の情報を発信していきたいと思います。第1号は「グレート・ノーザン・ブラス・アーツ・フェスティバル」のレポートからスタートです。

 こちらイギリスの学校は9月からが新年度。イギリスのブラスバンドも、夏休みを明けてシーズン開幕!!その開幕にふさわしく、内容盛りだくさんなイベントがこの「グレート・ノーザン・ブラス・アーツ・フェスティバル」です。

 場所は、ブリッジウォーターホール(マンチェスター)
※ブリッジウォーターホールはハレ・オーケストラが活動の拠点としているホールです。

▲ブリッジウォーターホールと、安田侃さんの作品タッチストーン

■フェスティバルの内容

10:30 <ホワイエコンサート>
ノース・セントラル・ディビジョン・サルヴェーション・アーミー・バンド
第2ロッセンディル・スコット・グループ・バンド
(North Central Divisional S.A. Band、 2nd Rossendale Scout Group Band)

11:30 <ホワイエコンサート>スケルツォ・ブラス(Scherzo Brass)

12:00 ハウスホールド・トゥループス・バンド(The Household Troops Band)

13:30 <ホワイエコンサート>スケルツォ・ブラス(Scherzo Brass)

14:15 ナショナル・チルドレン・ブラス・バンド・オブ・グレートブリテン
(National Children’s Brass Band of Great Britain)
ゲスト:ディビット・ソントン(David Thornton)/ユーフォニアム
(ブラック・ダイク、プリンシパル・ユーフォニアム奏者)

15:15 小学校合同バンド
(Wardle Junior Band, Healey, Littleborough and St. James junior School Bands)

16:15 レイランド・バンド(The Leyland Band)
ゲスト:ゾーイ・ハンコック(Zoe Hancock)-フリューゲル

18:30 <マーチング>ハウスホールド・トゥループス・バンド

19:15 ブリッグハウス&ラストリックバンド(Brighouse and Rastrick Band)
フォーデンス・バンド(Fodens Band)
ブラック・ダイク・バンド(Black Dyke Band)

ナショナル・チルドレン・ブラス・バンド・オブ・グレートブリテン 
ナショナル・チルドレン・ブラス・バンドはスコットランド、ウェールズ、イングランド、北アイルランド、マン島からオーディションによって選ばれた、8~13才までのメンバーで構成されています。(ナショナル・ユース・ブラス・バンドは12~18才)

この日はゲストに、ブラック・ダイクのプリンシパル・ユーフォニアム奏者、デイビット・ソントンをフューチャーして「Neath Dublin Skies」「Carnival of the Animals」等を演奏しました。特に「Carnival of the Animals」の白鳥では、チルドレン・バンド・プリンシパルコルネットのリィリアム(Llliam Quane)君が、デイビット・ソントンと堂々たるデュエットを披露し、大きな拍手を得ていました。若いうちから、トップ・バンドのトップ・プレイヤーと一緒に演奏し、頼もしいプレイヤーとして育っていく。そんな彼らの過程を見ているような、メンバーの今後の活躍が楽しみになる演奏会でした。

同時に、短期間のコースだけで、彼らがここまでの大舞台に立てるのも、チャンピオンシップ・セクションの活躍の影に、それ以上にたくさんのロウ・セクション・バンドがあるように、ローカルバンド、ユースバンド、学校等で彼らを支える指導者たちの努力がなければこのバンドは存在できません。このバンドを通して、若手プレイヤーたちを支えるたくさんの人たちの存在を感じました。

レイランド・バンド
レイランドの、この日の注目曲は、世界初演のフィリップ・スパークの新曲「スカラムッチャ」、ブリティッシュ・オープンのテストピース「タイタンズ・プログレス」です。
「スカラムッチャ」はバリトンのために作曲されたソロ曲で、レイランドのスター・バリトン・プレイヤー、カトリーナがこの大舞台を楽しむかのように演奏していました。

このフェスティバルから1週間後のブリティッシュ・オープンの課題曲「タイタンズ・プログレス」、ただでさえ、スタミナが必要なこの課題曲をコンサートの最後に持ってくる根性はと、ハイレベルな曲をオープンの1週間前に仕上げる実力。12日のオープンに向けての気合を感じるコンサートでした。

ゲスト・ソロイストは、ナショナル・ユース・ブラス・バンド・オブ・グレートブリテンで2008年ハリー・モーティマー・ソロ賞を受賞したフリューゲルホルン奏者ゾイ。響く安定感のある弱音で、繊細に、ロマンチックに、観客を魅了していました。

ブリッグハウス&ラストリックバンド
注目は、2006年にYBSを離れてから、久々の表舞台復帰となったデイビット・キングの指揮。未だにメンバーに女性を入れることを許していない、伝統的な男ブラスバンド!のブリッグハウスとデイビット・キングの相性はどうなのか? 観客の期待を表すかのように、元YBSプレイヤー達がちらほら客席にいるのが見えました。

1結果は個性と個性がぶつかり合ったような演奏。この演奏がコンテストの席ではどう評価されるのか、12日が楽しみなコンサートでした。

フォーデンス・バンド
昨年のブリティッシュ・オープン・チャンピオンであり、6月のオール・イングランド・マスターズで優勝したフォーデンス。そのサウンドの安定感は王者ぶりを堂々と示すものでした。ノリに乗っているフォーデンス、昨年に続いて2連覇なるか?!
演奏前には、フォーデンス、プリンシパルコルネット奏者、マーク・ウィルキンソン氏にインタビューを行いました。インタビューの内容もご覧下さい。(インタビュー記事 >>>)

ブラック・ダイク・バンド
この夏のオーストラリア公演を大成功させたブラック・ダイク。この日のコンサートでは、今までのダイクのキャラクターを打ち破るような、エンターテイメントぶりを発揮していました。
キング・オブ・クールと名づけた3曲「The Lady Is A Tramp」「 That’s Amore」「Luck Be A Lady」 の連続演奏は、スタンドプレーあり、コメディーありで、演奏とパフォーマンスの両面から観客を楽しませていました。

「The Lady Is A Tramp」はトロンボーン・ソロ&ソプラノ・アドリブ・ソロのあるジャズ。「 That’s Amore」はピストンを連打するベースのベルに、ベルを突っ込んでフリューゲルが演奏する、特殊効果を使った曲。「Luck Be A Lady」はコルネットのバックロウをフューチャーしての演奏。イギリス中のトッププレイヤーを集めたバンドだからできるコンサートでした。
ブラック・ダイクは13日のブラス・ガラコンサートでも演奏する予定です。

※フェスティバルの写真はコチラのサイトからご覧いただけます。
http://www.pbase.com/troonly/09_sep_bridgewater

次回の英国ブラスバンド通信は、9月12日にバーミンガムで行われる「ブリティッシュ・オープン」と翌日のガラコンサートの内容を中心にお伝えする予定です。次回もお楽しみに!

<記事に書かれた団体の演奏曲目>
※プログラムからの引用

◎ナショナル・チルドレンズ・ブラス・バンド・オブ・グレートブリテン
(National Children’s Brass Band of Great Britain)
指揮:ニコラス・チャイルズ(Nicholas Childs)
Thundercrest (Osterling)
First Suite in Eb (Holst)
Neath Dublin Skies (Lovatt-Cooper) Euphnium Soloist – David Thornton
Carnival of the Animals (Saint Saens arr Langford)
Gaelforce (Graham)

◎レイランド・バンド(The Leyland Band)
指揮:ジェイソン・カツィカリス(Jason Katsikaris)
The Dreaded Groove and Hook (Simon Dobson)
Scaramouche (Philip Sparke)  Baritone soloist: Katrina Marzella
Penlee (Simon Dobson)
Ballad (William Himes)  Flugel Soloist: Zoe Hancock
Congestion Charge (Nigel Hess)
Time Remembered (Philip Sparke)
Singing Stones (Andrew Baker)  Percussion soloist: Sarah Burn
Children of Sanchez (Chuck Mangione, arr. Reid Gilje)  Flugel Soloist: Zoe Hancock
Titan’s Progress (Hermann Pallhuber)

◎ブリッグハウス&ラストリックバンド(Brighouse and Rastrick Band)
指揮:デイビット・キング(David King)
Overture – Colas Breugnon (Kabalevsky arr Bennett)
Summer Isles Euphonium Soloist – Stephen Walsh (Sparke)
Silver Mountain (Goff Richards)
Molly on the Shore (Grainger arr Snell)
Hymn to Diana (Turrin)
Prelude to the Holberg Suite (Grieg arr Ashmore)

◎フォーデンス・バンド(Fodens Band)
指揮:ギャリー・コット (Garry Cutt)
Le Carnival Romain (Berlioz arr Wright)
All in Love is Fair (Wonder arr Scott) Trombone Soloist: John Barber
The Green Hornet – Solo Cornet Feature (May arr Smith)
The Waltonian (JJ Richards)
Reflections in Nature (Redhead)
Cappricio Espagnol (Rimsky-Korsakov arr Wilkinson)

◎ブラック・ダイク・バンド(Black Dyke Band)
指揮:ニコラス・チャイルズ(Nicholas Childs)
Horizons (Paul Lovatt-Cooper)
Marriage of Figaro (Mozart)
Theme and Variations (Rossini) Euphonium Soloist: David Thornton
King of Cool The Lady Is A Tramp (Rodgers/Hart)
That’s Amore (Warren) Flugel Horn soloist: Alex Kerwin
Luck Be A Lady (Loesser)
March (from Pines of Rome) (Respighi arr Snell)

◎番外編<注目のブラス・カルテット>

▲スケルツォ・ブラス(Scherzo Brass)

北王立音楽院出身のプレイヤーによる金管四重奏で、コルネット2本、テナーホーン1本、ユーフォニアム1本で編成されています。2007年ブリティッシュ・オープン・カルテット・チャンピオンシップ、2008年フィリップ・ジョン・ブラス・アンサンブル・チャンピオンシップでそれぞれで優勝しており、今月CDもリリースした、今、注目を集めているブラス・カルテットです。

http://www.scherzobrass.co.uk/main.html