Q:クラリネットを吹いている中3です。私は吹奏楽が大好きです。全国大会のCDを買ってはずーっと聴いています。
今年が最後のコンクールで、今のメンバーで金賞をとりたいと思っています。課題曲はマーチを吹きます。教えてほしいことは
★マーチを吹くときに気をつけること
★基礎の内容(できれば詳しくお願いします)
★後輩への教え方
よろしくお願いします!!(kj8さん)
kj8さん、中学最後のコンクールで金賞めざして燃えているのですね。
コンクールは先生とメンバーが一つの目標に向け、お互いで協力し尊重しあい、力を出し切ることが大切です。支えて頂いている方々に感謝しながら、結果だけに拘らず、過程を大切に金賞を目指して頑張ってください。
さて、吹奏楽の魅力を楽しめる楽曲の一つに「マーチ」があります。一般的なマーチを演奏する時、ウキウキ、ワクワクするような、楽しいマーチを演奏できるようになってもらいたいと思います。
「楽しくなければマーチじゃない!」が私の自論です!!
★マーチを吹くときに気をつけること
では、マーチを吹くときに気をつけることについてお話しします。
1.テンポの設定
基本的には、一定の速度を保つことが大切です。
テンポの設定は、曲の性格を決定づける重大要素の一つです。
その音楽に合った最適なテンポを探すことが大切です。
普通に歩く、いわゆる自然なテンポで積極的に前進することがポイントです。
2.裏拍を感じるリズム
歩くことが前提にありますので、足上げに相当する「裏拍」を全ての奏者が感じることが重要です。感覚を身につけるために、メトロノームに合わせて足踏み(Mark time)をしながら手拍子で裏拍を打つ練習が効果的です。
(普通にテンポに合わせて足踏みをする事はとても難しいことがわかります。日頃より、リズムにのって歩くことです)
3.フレーズそして力感のある表現(Wait<待て>とWeight<重心>)
Waitは「待て」いわゆる「ため」のことです。Weightは「重心」をのせることで、アクセントや力強さの表現等、演奏に変化を与えます。
フレーズを感じられるそして力感のあるリズム感のマーチに仕上げましょう。音にエネルギーを持たせることが大切です。
4.打楽器の役割
テンポ、ダイナミックス、バンドの響きの厚みそして音楽表現をアピールする為に打楽器セクションの役割は重要です。なかでも、「バスドラム」は「第2の指揮者」といわれるほど重要な役割を持っています。音楽合奏の全体知って音楽を進めることが大切です。
体から出る本物の生きたリズムで、奏法は体のバネを使い演奏する。さらに音質、音色、音量、リズム、ブレンド感に配慮して全体のアンサンブルにふさわしい音づくりに専念する。
バランスは管楽器の響きより大きな音量にならないよう、「縁下の力持ち」でバンドを支えます。
5.スタイル
歯切れの良い伴奏リズムはマルカートの音形で演奏するレガートのメロディーはスラーの切れ目、ブレスの位置で流れが止まらないように、フレージング、ブレッシングに注意する。
リピート演奏の時は、ダイナミックス、メロディー・オブリガートの対比などを変化してコントラストをつける。
6.表現
リズムは同じでも、その上に流れるメロディーの流れ方の違いが大切です。
「マーチ」を音楽的に演奏するには、声を出して歌うことです。弦楽器の繊細な歌い方、音楽表現が目標です。音色に変化を持ち、色彩感を出せると最高です。
Tuttiでのバランスは特定の楽器がなるべく飛び出さず、全体の音としてブレンドするようにします。
「マーチ」はメロディー、オブリガート、ハーモニー、リズムなど、全てが統合された 素晴らしい「音楽」です。
★基礎の内容について
基礎の重要性を認識、やっていこうとする意気込み素晴らしいですね。
基礎の内容はクラリネットのことかな? それとも合奏についてかな?
クラリネットでも合奏でも共通なのが、演奏している楽器の一番良い音も目指していくこと。
その為には
正しい姿勢
正しい呼吸法
正しいアンブシュア
を常に意識して楽器を演奏することです。
クラリネットについては、
下記に基本的な姿勢、アンブシュア、リードなどの付け方について、コメントしてありますので、参考してください。
http://www.bandpower.net/bpblog/archives/994
練習内容は、
ロングトーンでの音の安定性と音色を養う。
スケールで音域の拡大と音程感を養う。
複雑で難しい運指について、繰り返し練習する。
エチュードでフレーズと息のコントロールを会得する。
など、自分が楽曲を演奏するときに必要と思われることが全てが、基礎の内容です。
このQ&Aコーナーでも過去にクラリネットついての質問にお答えしていますので、参考にして下さい。
★後輩への教え方
後輩ができて教えることは自分をもう一度見直せるいいチャンスですね。教えるというより、一緒にやっていこう! 一緒に上達していこう!という気持ちが大切です。今日の練習で○○は克服しよう…など目標を決めてスタートしましょう。
対面で教えるより、横で一緒に吹くことを勧めます。
そして、リレーで吹いたり、しりとり(楽曲をフレーズごとに分担して)
吹いて必ずソロで部分をつくって、運指テクニック、息のスピードや音色など
チェックして下さい。練習の終わりには、一緒にその日に練習したことを
2人で吹いて、ズレがないかチェックしてください。
あまり口で説明するより、少しでも多くの時間を楽器を吹き、見本となる先輩の音を聴いてもらいながら練習して下さい。
回答:五十嵐 清