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Q:バランスの悪い編成を調整したい

Q:私は今高校2年生です。コンクールが終わり、先輩方は引退となります。
先輩方が引退した後の私達の編成は、クラリネット3人、テナー・サックス1人、トロンボーン1人、パーカッション1人となります。とてもバランスが悪いため、パート変更を考えていますが、五十嵐先生であれば、どのようにパートを決められますか?(PN:匿名さん)


A:コンクールまで頑張った先輩たちの後を継いで、これからの部活動を担っていくこと頼もしいです。

 パート編成ですが、楽器をコンバートして編成を整えるよりも、新しい楽器を練習する覚悟でいるのならば、今の楽器をメインに楽曲や曲途中で楽器の持ち替えを考えて、マルチプレーヤーになってはどうですか?

1.クラリネットの人には、サクソフォーンを練習してもらい、サクソフォーンを4本(パート)にしてみる。

2.クラリネットの1人にフルートを演奏してもらう。

3.テナー・サクソフォーンの人には、楽曲により他のサクソフォーンに持ち替えて、重要なメロディーラインやリズムを重点的に演奏してもらう。

4.テナー・サクソフォーンの人に、クラリネットを演奏してもらい。クラリネット4本にする。

5.トロンボーンの人には、トランペットやフルートを練習してもらう。トランペットでは華やかなメロディーラインが欲しいとき。フルートでは木管の響きを重視した楽曲のとき。

6.パーカッションの人には、ドラムセットや鍵盤楽器を重点的に演奏してもらう。必要なら管楽器を演奏してもらう。

 アイデア次第で可能性十分あります。年度後半を楽しく演奏活動をしてみてはどうですか?

回答:五十嵐 清

Q:基本的なハーモニーの合わせ方について

Q:ハーモニーについて、
1度、5度、3度の和音の合わせ方はわかるのですが、
それ以外のハーモニーの合わせ方が
いまいち分かりません。
1度、5度、3度以外の音の役割と
ハモり方を教えてください。
(PN:キハラ)
(このみ)


A:すでに基本的なハーモニーの合わせ方は

わかっていらっしゃること、たのもしいです。

さて、ハーモニーは音程の高低のみではなく、
各音と全体の音量、音色、ブレンド、バランスなどを
チェックする必要があります。
特にオクターブを含むユニゾンはしっかり合わせてください。

主要三和音でも
長音階と短音階での音程の取り方がありますので、
特に三度音程に気をつけて
純正調の豊かで濁りのない響きを目指してください。

三和音だけでも、
長三和音、短三和音、減三和音、増三和音があります。
これ以外の和音は、
まずは音程をしっかりチューナー等で合わせて、
後は音量、音色、ブレンド、バランスより響きをとってください。

これは四和音などにも有効です。

基音となるベース(ベースが基音でないときもある)から
高音へ順番に演奏したり、
基礎になる和音をきちんと合わせてから、
絡んでいる音を合わせてください。

主な音の性格としては、

Ⅰ主音:文字通り原点基本音。
Ⅳ下属音:主音から下に完全5度の関係の音。
主音と属音を補う。
Ⅴ属音:主音から完全5度の関係の音。
完璧性を持ち響きを決定する。
Ⅶ導音:主音と短2度関係の音。主音に行こうとする音。

などが重要です。

では、耳そして身体で感じた響きを感じてください。

回答:五十嵐 清

Q:小編成バンドで練習効率をあげるには?

Q:吹奏楽マガジンで五十嵐先生を知りました。
私は今、吹奏楽部の高校2年生でクラリネットを吹いています。

私の高校の吹奏楽部は小編成です。

現在は、トランペット(2人)トロンボーン(3人)
ユーフォニアム(1人)チューバ(1人)
クラリネット(2人)サックソフォン(2人 / アルト・テナー)
ホルン(2人)パーカッション(2人)ですが、

先輩方が8月に引退されると、
トロンボーン(2人)クラリネット(2人)
サクソフォン(1人 / テナー)ホルン(1人)
パーカッション(2人)となってしまいます。
とてもバランスが悪い状態です。

パーカッションの1人はまだ初心者で、
スネアもまともに叩けずに、
夏コンに間に合うかどうかといった状態です。

また、2年生は、ほとんどが小学校のブラスバンド経験者ですが、
中学で吹奏楽をやっていたのは私しかいません。

部内の練習効率も悪く、
なかなか上達できない状態でとても困っています。
先生も忙しく、tuttiの時間が少ないのも悩みです。

この状態で夏コンに挑むつもりですが、
吹奏楽部一同、絶対に上の大会へと
進んでいきたいと思っています。

しかし、そのためには
何をどう改善すればいいかが分かりません。
五十嵐先生には、ぜひ、アドバイスや、
良い練習の方法などを教えて頂きたいです。
(このみ)


A:コンクールには、クラリネット(2人)サクソフォン(2人 / アルト・テナー)
トランペット(2人)ホルン(2人)トロンボーン(3人)
ユーフォニアム(1人)チューバ(1人)パーカッション(2人)の
15人編成で出場するという前提でコメントします。

音楽の三要素「メロディー、ハーモニー、リズム」でのパート分け、
4声部の「ソプラノ、アルト、テノール、バス」でのパート分け、
木管、木管金管ジョイント(テナー、ホルン、ユーフォニアム)、
金管、打楽器のセクションでの分け方、
いずれも、今の15人で充分編成ができていますので、大丈夫ですよ。

練習効率をあげることは、
まずリーダーが一人ひとりと話をして、
次の約束をみんなで守れるようになれば、
自分たちの中で、こうしたいとか、
もっと有効に時間を使いここまで達成したい、
など動きが出てくること思います。

その約束として

1.活動に対するけじめをつける。

・練習開始時間の厳守と出席者の確保(時間厳守と出欠の徹底)
毎日決められた時間にきちんと練習が開始できる体制を整える。

・気持ちを集中させる

2.先生のいないときに生徒リーダーを中心に練習を進める。

・先生以上のことをやろうとせずに、
自分の技量で、個人やグループでのチェックをしていく。
基礎練習や曲練習の予定表を作り、掲示して時間を共有する。
(達成するレベルと期限を明確にし、チェック欄を作る)

・苦手を克服、反復練習をするよう常に言う(チェック欄を作る)

3.目標をたて、掲示する(共通点を明確にする)

・1週間に全員が確実に達成ようにテーマを1つ設定
例:ダイナミックスの充実、音形・長さの統一
個人でも合奏でも目標テーマについては徹底的に指示する

・月間では4テーマをクリアできる

・自分で工夫する(受身にならないこと)

自分たちで自発的に練習していき、
先生に見てもらうまでにしなくてはならない内容、
いやできることを明確にして活動をしてみてください。

コンクール後、先輩が引退して、編成が、
クラリネット(2人)サクソフォン(1人 / テナー)ホルン(1人)
トロンボーン(2人)パーカッション(2人)の8人編成となった時は、

音楽の三要素「メロディー、ハーモニー、リズム」での
パート分けを重視して、
小編成の楽譜をその人数で演奏するよりも、
5重奏や8重奏、10重奏などのアンサンブルの譜面を
演奏するといいのではないかと思います。

今の意気込みがあれば、絶対に道は開けます。

回答:五十嵐 清

Q:メトロノームを一切使わない合奏って大丈夫?

Q:私たちの高校では、顧問の先生
がメトロノームを使わずに合奏を行っています。
そのため、合奏で誰かが走ると、
指揮もそれにより段々と早くなっていき、
テンポが安定しません。

先生は、

「音楽はテンポが一定しないのが当たり前だ」

と言って、

メトロノームを使う様に頼んでも
聞き入れてもらえません。

メトロノームを一切使わない合奏は、
正しいのでしょうか?

また、テンポを安定させる
効果的な基礎練習などあれば教えて下さい。
(PN:トランペットのシュン)


A:先生にご指導頂ける学校は

恵まれているのではないでしょうか?

メトロノームは大勢いるメンバーのテンポを統一、
確認する大切な機器の一つです。

しかし、頼り切っていると、
自分たちから発散するテンポ感が生まれてきません。

受け身の消極的な音楽に陥ることがあります。

先生はそのことを
わかってもらいたいのではないでしょうか?

音楽は一定のテンポで行かなければならないマーチや
アゴーギグを使い歌っていく歌劇(歌曲)な
ど様々なものがあります。

練習の段階で上手にメトロノームを使っていくと、
合奏の効率が上がりますし、
曲想作りにも良い結果が生じると思います。

先生が合奏でメトロノームを使われないのであれば、
シュンさんはじめ奏者が個人、パート練習で
きちんとメトロノームを使いこなし、
統一感をもって合奏にのぞみ、
テンポが走らないようにしていきましょう。

テンポの認識の違いは個人差があり、
これは体内時計が関係するのかと思います。

一度、メンバー全員で目をつぶり、
合図ととも20秒間後に挙手をしてみてください。

たぶん、バラバラに手が上がってきますよ。

それをメトロノームを使い、
4分音符60のテンポで20カウント
つまり4/4で5小節目の頭(ワンフレーズ)をそろえる練習を
メトロノームありとなしで毎日少しだけ続けてください。

回答:五十嵐 清

Q:全体チューニング時の注意点

Q:私は、クラリネットを吹いていて、
高校吹奏楽部の次期コンミスになる者です。

全体チューニングについて質問です。

今のバンドは全体チューニングの時に
A・B・C・Dという順番ではいっています。

しかし、音の響きが乏しく、
同じグループ内でも音がぶつかり合ってしまいます。

少しですが、バスクラ→ファゴット→バリトン→…
というふうに入っていく順番を聴きました。
色々試してみたいと思っているのですが、
詳しく書いていなかったので、次が分りません。

もし、分りましたら教えていただきたいです。

また、他にもバンドのいい練習方法があれば、
ぜひ教えてください。(PN:佐々木J)


A:次期とういより既にコンミスで活躍されていることと思います。

全体チューニングには、いろいろな方法がありますが、
要するに個人で認識している音程感を
全体で統一していくことです。

全体の前に時間をかけず、
集まる前に各自奏者がチューニングをしてくることです。

そして、全体では単に音程を合わせるだけでなく、
サウンド、響きなどを充実させる目的があります。

今行なっているABCDのグループは
ソプラノ、アルト、テナー、バスの声部を
楽器に当てはめグループ化していると思います。

響きやハーモニー感を合わせてる時は、
バス、テナー、アルト、ソプラノの順番に
オクターブ・ユニゾンをしっかり合わせます。

BsClからはリレー的にバトンタッチしながらや、
どんどん楽器を増やしていくやり方などあります。

順番の一例として
BsCl/Fg/Bs/StBs/Tua/Ep/Tb/Hr/Tp/TSx/ASx/Cl/Ob/Flを
2~3繰り返し、4拍ぐらいでリレー奏。

次に音程ユニゾンを合わせてサウンドの充実を図る練習。

B♭Cl/ASx/Hr/Tsx,Ep/Tb/BsCl,BSx/Fg,StBs/Tub/Tp/Ob,Flを
1オクターブ・スケールを重ねていく(Clは全部吹く!)
などがあります。

いろいろ試して自分のバンドの練習方法を見つけてください。

回答:五十嵐 清

Q:野球応援の時の演奏ポイントなど

Q:今年も野球応援をするのですが、「ブラバン甲子園」の曲などを参考に先輩が8小節か16小節で作った方がいいと言っていたのですが、演奏する小節数など、応援歌での決まりごとなどあるんですか? また気を付けた方がいいことなどありますか?。 (匿名さん)


A:今年も野球の応援の季節になりましたね。吹奏楽演奏の応援は、野球部員たちの士気を高め、応援団の一体感を出すことに重要な役割を担っていますね。

さて、応援は各学校の伝統、スタイル、リーダー部との関係など一概に決められませんので、お答えが難しいです。
何回の攻撃、打席に立った時、ヒットを打った時、2塁から3塁を回る時、得点した時などなどいろいろな場面でその時々の時間やスピード感、臨場感などで演奏時間(曲の長さ)が違ってきます。ですから、これまでの先輩から伝えはとても重要と思います。
8小節か16小節の1フレーズか2フレーズでその場面に応じて長さを変えられるからだと思います。私の個人的考えは、できるだけ短くインパクトのある楽曲「サビ」のフレーズを用います。四分音符120のテンポで、8小節で16秒です。後は繰り返すことで調整するといいと思います。

「ブラバン甲子園」に収録してる曲であれば、ほぼミュージックエイトから楽譜が発売されてますので、それを購入して演奏してください。
自校の応援のみでなく、対戦相手にも常にエールを送ることを忘れず、心をこめた燃え上がる応援をしてください。

回答:五十嵐 清

Q:副指揮者の見つけ方を教えてください

Q:大阪の一般吹奏楽団で指揮者をしている27歳のヒロです。20歳から常任指揮者をさせて頂いておりますが、現在、副指揮者を立てようと思っており、ミーティングを重ねておりますが決定しません。今後のためにも、パートナーは必要と考えております。是非、円滑な運営法等あれば、ご指導願います。
なお、バンドは小学校5年生~40歳前後までの約50名のメンバーで構成されており、日々、感謝しながら活動しております。 (ヒロ)


A:7年間で小学生から大人までの構成の地域に根ざしたコミュニティーバンドを創られたのですね。素晴らしいことです。そして何より「感謝の気持ち」を持った活動は、とても大切なことで、これからさらに発展する吹奏楽団と確信しています。

ヒロさん自身も多忙になり、バンドの音楽面をサポートしてもらう「副指揮者」の人選をお考えとのことですね。

副指揮者は、正指揮者の音楽的考えを理解し、バンドの特徴を把握し伸ばし、正指揮者に受け渡すまでの音楽指導(アマチュアでは分奏など合奏のみではありません)を担う役割と考えます。
特に、ヒロさんたちが地道に創られた楽団は、まずは団員の中から、上の条件に合う人材を捜し、ヒロさんが受け持ってほしい内容をきちんと話して、納得してもらいお願いすることが最良の方法と思います。

 まずは、あまり「本番での指揮」は考えずに進めて見てはどうでしょうか?

 しかし、もし指揮者として活躍してもらうことが条件で、バンドに複数指揮者を置きたいとのお考えでしたら、ヒロさん自身が迎え入れる方の、性格や音楽性を把握している方に直接交渉して、話し合いを持つことです。その後団員に了承をしてもらい、3ヶ月ぐらい実際に指導してもらい、その後団員で判断するという条件を事前にきちんと提示して、交渉する方に納得してもらってからお願いしたらどうかと思います。

回答:五十嵐 清

Q:バンド編成について、アドバイスお願いします

Q:私はフルートとピッコロを吹いている中2です。
質問なんですが、今3年生が抜けた状態で、部員が31人です。

編成は
Fl:2年生2人、1年生1人
Obe:1年生1人
Cla:2年生2人、1年生2人
A.sax:2年生1人、1年生1人
T.Sax:2年生1人、1年生1人
B.Sax:2年生1人
Bass Cla:1年生1人
Fg:1年生1人
Hrn:2年生1人、1年生2人
Euph兼Tuba:2年生1人
Tuba:1年生1人
Trp:1年生2人
Trb:2年生1人、1年生2人
St.Bass:2年生1人、1年生1人
Perc:2年生2人、1年生2人

という状態です。しかも、1人ひとりが、かなり下手です。
また、1年生1人が入ってくるかもしれないんですが、どのパートに入れるべきでしょうか?
編成で変えたほうがいいところも教えてください。お願いします。
(匿名希望)


A:3年生が引退して、これからの部活を担っていく立場になったのですね。頑張りましょう!

 さて、来年度の新3、2年生で31人のメンバーがいらっしゃること、とても素晴らしですね。編成的にも今の状態でいろいろなジャンルの楽曲を演奏できますし、Obe、Fg、St.Bassなど音楽の幅と奥行きを表現できる楽器も揃っていて、うらやましい限りです。楽器を調達して頂いた先生に感謝ですね。

 欲を言うと、Trpがもう1本欲しいところです。
楽譜にある指定の音を出すことができる、メロディー・ラインの強化(1st2本、2nd1本の編成とする)、Trpでの3和音を奏でられる、などが理由です。

 また、EuphとTubaの兼任はできれば避けて、それぞれ専任として、Euph1、Tuba2としたいところです。今から入部してくれる1年生には、(1)Trp、(2)Euphの順番で楽器を決めてみてください。

 これから吹奏楽部の執行メンバーとして中学生活の締めくくりとして、しっかりした活動とたくさんの思い出を作れるように、メンバーと協力してトライしていってください。

回答:五十嵐 清

Q:コンクール自由曲のタテとヨコがだいたい合ってきたら、次にするべきことは何でしょうか?(遠藤さん)

曲のタテ:アインザッツ、和音の響き、音形などなどなど
曲のヨコ:響きの安定性、和声の進行、音の形長さ、メロディーの流れや受け渡し、伴奏ラインの流れなどなどをチェックしていることと思います。

楽曲は多角的に捉え、次のことを合奏でのチェック・ポイントとしてください。

1.音符について

発音の統一(何を話しているのかハッキリという)
音形、長さの統一(響き方、音符の持っているエネルギーの決める)
消し方の統一(余韻、流れを決める)
2.音程について

ユニゾン(オクターブ関係も含む)を合わせる。
楽器間のバランスを調整する。(楽器が大きい、管が太い・長い楽器の音量を大きめにする)
3.ダイナミックスについて

各曲想、フレーズによりダイナミックスを細かくつける。
曲全体を見てダイナミックスの推移を明確にし実行する。
4.メロディー、フレーズについて

メロディーの流れを明確にし、受け渡しを確実にする。
フレーズの流れを把握し、曲全体の流れを失わないようにする。
5.ブレンド、バランスによるサウンドついて
(このことが一番重要です。ブレンドしてその場面で一番相応しい新しい楽器の音色を創る)

各役割、声部の音量のバランス(メロディーvs伴奏(リズム・ハーモニー)vs対旋律)をとる。特にTuttiのサウンドが崩れないように。
一つの楽器(パート)のみが飛び出ないようにする。
楽器の音色のバランス(色彩感)をとる。
6.自分達の主張のある演奏、緊張感のある演奏

テクニックのみの追究に終わらず、ぜひとも自分が思い描いている音楽に仕上げてください。

回答:五十嵐 清

Q:合唱において音程を良くする練習は?

Q:私の高校では毎年7月に合唱コンクールがあって、専門の先生も数人お呼びしてけっこう盛り上がっています。
私は合唱コンクールの担当者なのですが、合唱において音程を良くするにはどのような練習が効果的でしょうか?

練習期間が2~3週間ほどでとても短いです。クラスには、吹奏楽部や、歌を専門的にやっている子もいるので全員が全く分からないという状態でもありません。去年は、音程のズレがわかる子が、ズレている時にみんなを注意する、という感じでした。

そのほか、合唱をするにあたって大切なこともあれば教えていただけるとうれしいです。担当者として、できることはすべてやりたいと思っています!(TSさん/高校3年生)


学校中が歌声に包まれること、うらやましいです。

 合唱コンクールでのまとめ役は大変でしょうが、やり遂げた時の感動は絶対に一生の思い出になりますよ。

 合唱コンクールというコンクール形態なっていますが、クラスでまとまり、一つの曲を皆で気持ちを合わせて歌うことが、結果として納得のいく賞をいただけるのではないでしょうか?
クラスの仲間一人ひとりのできているところを見つけだし、他のクラスにはエールを送る。こんなことから合唱コンクールの成功への道が開けてくるのではないかな?

 さて、音程を良くする練習方法ですが、

  1. しっかりした正しい姿勢で発声する。
  2. ガナリ声にならないように、喉の力をリラックスさせる。
  3. スケールでの音程取りをしていく。
  4. 音階を下から上にとっていくと、上でフラット気味に、上から下へとっていくと、下でシャープ気味になるので、注意してとっていく。
  5. 音階という階段を登る時、自分の前方方向ではなく、自分ののノドの奥、そして頭の後ろから天辺に向けての階段があるようにイメージして歌う。

 そして、大切なのは「歌詞」の意味をクラスで共有し、歌詞のアクセント、明瞭度をしっかし把握し、意味が伝わるようにシラブル(発音)や音量に注意して、声部のバランス、メロディーの受け渡しをチェックしてみてください。

 きっとクラスの思いがこもった歌声が響いてきますよ。

 下記に「合唱での指揮法」の回答がありますので、そちらも参考にして下さい。

Q:僕は学級合唱の指揮をしていますが、指揮を振る時は図形にそったものじゃなきゃいけないのですか? もっとダイナミックにやりたいんですけど・・・。拍があっていればいいんですか?

回答:五十嵐 清

Q:ママさんブラスの指導法

Q:はじめまして。ママさんブラスで指揮をすることになってしまい、どのように指導すれば楽しい雰囲気になるのか試行錯誤しています。
練習は週1回(合奏する時間は1時間)、練習日以外で個人練習をする人はほとんどいません。初見でスラスラと吹ける人から、ほとんど吹けない人までレベルは様々です。曲目は、アニメや童謡が中心です。(匿名希望)


学生時代に吹奏楽を経験した女性はとても多いのですが、家庭に入ってしまうとなかなか楽器を吹く機会が少なくなってしまいますが、「ママさんブラス」の登場で、どんどん吹奏楽復帰してくる女性が増えて、とてもうれしいことですね。

吹奏楽は若い世代や学生だけの楽しみにしていてはもったいないです。

 週一回の練習日以外は練習ができないことを前提に、練習の時間を集中して、また来週も練習はしていないけれど参加できる環境や雰囲気つくりが大切と思います。

1.曲の長さにもよりますが、まずは止めずに通します。譜面を追って行くスピードに慣れるようにしましょう。

2.次にリハーサル番号何番まで!と宣言して、合奏形態のままだが、ソロやメロディー担当者、合奏で音楽を突っ込んで追究できる人とやや詳しくパート練習的に合わせていく。この時に譜読みをしなければならない人は自席でどんどん譜読みをしていく。

3.吹ける人にはやや突っ込んで音楽を要求し、流れの中心的存在になってもらう。練習不足の人には、笑顔で楽器でなく声で歌っても言いですよと参加できる 形態で無理なくやってもらう。
レベルの差ではなく、自分に出来ることで参加してもらう。

4.子供の話題やテレビ番組など共通な話題を投げかけ、メンバーの参加意識を集中させて、やや指揮者が引っ張りぎみで合奏を纏めていく。
奏者に任せると負担を感じる人が多いように思います。(テクニックの余裕のある人には一緒に引っ張ってもらう)

5.合奏中は、必ずメロディーの入りやパート入り、重要な場面での出番の時には、指揮での指示やアイコンタクトを忘れずに。
出来るだけ良かったことを誉め、できなかかったことは、また来週一緒にやっていきましょうと、次回も来てもらうコメントにする。

 楽器を吹くことが好きだ! 皆と合奏をして楽しみたい! そこから少しでもいい音楽を奏でたい!という気持ちが出てくるように、練習でも本番!という考えで指揮してください。

なぜなら、本番の時には、上手く演奏できた時は飛びっきりの笑顔とOKサイン。間違ってしまっても大丈夫だよ…心配しなくてもいいよ…というエールと微笑みを指揮台から送っていると思います。

回答:五十嵐 清

Q:マーチを吹くときに気をつけること(基礎練習、後輩への指導)

Q:クラリネットを吹いている中3です。私は吹奏楽が大好きです。全国大会のCDを買ってはずーっと聴いています。
今年が最後のコンクールで、今のメンバーで金賞をとりたいと思っています。課題曲はマーチを吹きます。教えてほしいことは

★マーチを吹くときに気をつけること
★基礎の内容(できれば詳しくお願いします)
★後輩への教え方

よろしくお願いします!!(kj8さん)


kj8さん、中学最後のコンクールで金賞めざして燃えているのですね。

コンクールは先生とメンバーが一つの目標に向け、お互いで協力し尊重しあい、力を出し切ることが大切です。支えて頂いている方々に感謝しながら、結果だけに拘らず、過程を大切に金賞を目指して頑張ってください。

さて、吹奏楽の魅力を楽しめる楽曲の一つに「マーチ」があります。一般的なマーチを演奏する時、ウキウキ、ワクワクするような、楽しいマーチを演奏できるようになってもらいたいと思います。
「楽しくなければマーチじゃない!」が私の自論です!!

★マーチを吹くときに気をつけること

では、マーチを吹くときに気をつけることについてお話しします。

1.テンポの設定

基本的には、一定の速度を保つことが大切です。
テンポの設定は、曲の性格を決定づける重大要素の一つです。
その音楽に合った最適なテンポを探すことが大切です。
普通に歩く、いわゆる自然なテンポで積極的に前進することがポイントです。
2.裏拍を感じるリズム

歩くことが前提にありますので、足上げに相当する「裏拍」を全ての奏者が感じることが重要です。感覚を身につけるために、メトロノームに合わせて足踏み(Mark time)をしながら手拍子で裏拍を打つ練習が効果的です。
(普通にテンポに合わせて足踏みをする事はとても難しいことがわかります。日頃より、リズムにのって歩くことです)
3.フレーズそして力感のある表現(Wait<待て>とWeight<重心>)

Waitは「待て」いわゆる「ため」のことです。Weightは「重心」をのせることで、アクセントや力強さの表現等、演奏に変化を与えます。
フレーズを感じられるそして力感のあるリズム感のマーチに仕上げましょう。音にエネルギーを持たせることが大切です。
4.打楽器の役割

テンポ、ダイナミックス、バンドの響きの厚みそして音楽表現をアピールする為に打楽器セクションの役割は重要です。なかでも、「バスドラム」は「第2の指揮者」といわれるほど重要な役割を持っています。音楽合奏の全体知って音楽を進めることが大切です。
体から出る本物の生きたリズムで、奏法は体のバネを使い演奏する。さらに音質、音色、音量、リズム、ブレンド感に配慮して全体のアンサンブルにふさわしい音づくりに専念する。
バランスは管楽器の響きより大きな音量にならないよう、「縁下の力持ち」でバンドを支えます。
5.スタイル

歯切れの良い伴奏リズムはマルカートの音形で演奏するレガートのメロディーはスラーの切れ目、ブレスの位置で流れが止まらないように、フレージング、ブレッシングに注意する。
リピート演奏の時は、ダイナミックス、メロディー・オブリガートの対比などを変化してコントラストをつける。
6.表現

リズムは同じでも、その上に流れるメロディーの流れ方の違いが大切です。
「マーチ」を音楽的に演奏するには、声を出して歌うことです。弦楽器の繊細な歌い方、音楽表現が目標です。音色に変化を持ち、色彩感を出せると最高です。
Tuttiでのバランスは特定の楽器がなるべく飛び出さず、全体の音としてブレンドするようにします。
「マーチ」はメロディー、オブリガート、ハーモニー、リズムなど、全てが統合された 素晴らしい「音楽」です。
★基礎の内容について
基礎の重要性を認識、やっていこうとする意気込み素晴らしいですね。
基礎の内容はクラリネットのことかな? それとも合奏についてかな?

クラリネットでも合奏でも共通なのが、演奏している楽器の一番良い音も目指していくこと。

その為には

正しい姿勢
正しい呼吸法
正しいアンブシュア
を常に意識して楽器を演奏することです。

クラリネットについては、

下記に基本的な姿勢、アンブシュア、リードなどの付け方について、コメントしてありますので、参考してください。

http://www.bandpower.net/bpblog/archives/994
練習内容は、

ロングトーンでの音の安定性と音色を養う。
スケールで音域の拡大と音程感を養う。
複雑で難しい運指について、繰り返し練習する。
エチュードでフレーズと息のコントロールを会得する。
など、自分が楽曲を演奏するときに必要と思われることが全てが、基礎の内容です。
このQ&Aコーナーでも過去にクラリネットついての質問にお答えしていますので、参考にして下さい。

★後輩への教え方

後輩ができて教えることは自分をもう一度見直せるいいチャンスですね。教えるというより、一緒にやっていこう! 一緒に上達していこう!という気持ちが大切です。今日の練習で○○は克服しよう…など目標を決めてスタートしましょう。

対面で教えるより、横で一緒に吹くことを勧めます。
そして、リレーで吹いたり、しりとり(楽曲をフレーズごとに分担して)
吹いて必ずソロで部分をつくって、運指テクニック、息のスピードや音色など
チェックして下さい。練習の終わりには、一緒にその日に練習したことを
2人で吹いて、ズレがないかチェックしてください。

あまり口で説明するより、少しでも多くの時間を楽器を吹き、見本となる先輩の音を聴いてもらいながら練習して下さい。

回答:五十嵐 清

Q:基礎練習は何をやればいいですか?

Q:吹奏楽がはじめてできることになり、まとめる立場になりました。でも、人数が少ないので、金管も木管もバラバラのパートの子4・5人(各パート0~1人)をいっぺんにまとめて基礎練から曲練の全般をします。
どんな基礎練をしたらみんなが楽しくうまくなるでしょうか。わたしはフルート担当なので、特に金管は分からなくて…。


吹奏楽ができることに、私もとてもうれしいです。

おめでとう!

基礎練習でマスターしたい内容

1.ロングトーンでの音づくり
2.呼吸法、ブレスコントロール
3.アンブシュアの柔軟性(リップスラー、インターバル)
4.響き(倍音)の充実(声部間の重ねバランスとブレンド感)
5.調性の統一(スケール、アルペッジョ)
6.ハーモニー
7.エチュードによるフレーズと歌い方

私はこの内容で、「5分間クイックトレーニング」としてオリジナルの基礎合奏メソードを作成し使っています。全てでなくてもいいので、項目をチョイスしてやてみましょう。

回答:五十嵐 清

Q:ペア練習の注意点とメリット

Q:私は高校二年生で、ホルンを吹いています。
私のバンドで、ペア練習というものがはじまりました。ペア練習は、2年生:1年生=1:1か1:2で、2年生が1年生の指導をするというものです。
合奏でやっても合わないことは、パートで合わせる、パートでやっても合わないことは、ペア練習で合わせるという理論の元やっている練習なのですが、私と比べると全体的に1年生のほうが、音色・音量ともに上で、何をやっていいか分かりません。
基礎と曲をやれということなのですが…どれも中途半端になってしまっています。私も指導力がなく、更に1年生より下手なのでどうしたらよいのかわからない状態です。
(S・T)


A:「ペア練習」、素晴らしい練習方法ですね。

より密度の濃い合奏にするために、小さいグループで確認統一していく内容はきっとバンドが上達していきますよ。

 私も、「メンター制度の導入」として、色々な講習会などでこれに似た方法を提唱しています。

 合奏で示された、目標を少しでも到達できるように練習することです。そのポイントは、先ずユニゾンを合わせる。つまり、息をコントロールして「音色、音量、音程」を統一することです。
その次に、フレーズ感やブレスのタイミングを合わせていく。
曲ではチェンジングブレスでフレーズを二人で吹いていく練習をとりいれてみてください。

 しかし、ペア練習の目的はそれだけでしょうか?
それは上級生が(一方的に)指導コメントしていくのでしょうか?
ペアになった人がお互いに上達し、楽曲を研究し音楽を向上していくのではないでしょうか?

と言うことは、上級生の音に全てを合わせるという考えだけではなく、
どちらかの音に合わせる。つまり2人が合えばいいのではないでしょうか?

 2年生は在籍しているバンドではより多く合奏を経験しているのですから、
先生の音楽性やバンドの特徴など多くのこと知っていて経験が豊富です。
自信をもって、二人のコミュニケーションを図り、バンドの一番大切な
人と人の繋がりを視野に入れた「ペア練習」をして下さい。

回答:五十嵐 清

Q:1年生が楽しく、密度の濃い練習ができるような基礎練習は?

Q:私は中学2年で、吹奏楽部で打楽器をしています。今年は1年生がたくさん入ってきて、私は1人で2人教えなくてはいけなくなってしまいました。
私の通っている学校は小規模なので1年生でも頑張ってもらわなければいけません((;;)。私が入部した時は、打楽器の先輩がいなく、自分で研究して練習していました。なので、今の自分にあった基礎練習しかもっていません。
1年生は1人は小学校で打楽器をやってたんですけど、もう1人の子は音符が読めません。1年生が楽しく、密度の濃い練習ができるような基礎練習はないでしょうか?(打楽器さん)


A: 先輩がいなくても自分で研究して練習方法を見つけて実行してきたこと素晴らしいですね。

 これまでの「自分に合った基礎練習」は、同じ学校のバンドのパートで合わせていくのですから、今度は、そのまま「パートに合った基礎練習」になるのと思いますよ。
これまで1年間やってきたことをもう一度まとめてみて、今度は3人で一緒にやってみて下さい。

 自分自身の体でリズムを会得するためにも、手拍子だけでなく、体のあちこちを叩いて、その音色の違いなどを実体験していく方法をやってみてください。そして、それから楽器で練習です。

 音符の読みが苦手な人には、リズムを口で表現したり、拍子やリズムに合う言葉にして練習してみてください。その次に手拍子→体あちこち→楽器と言う順番で、そして最後まで口でリズムを言ってみるといいでしょう。

 教則本はあなたの1年間の努力したことです! あなたにとってはもう1度かもしれませんが、同じことを何度も繰り返していくことで基礎力が蓄えられ楽曲に反映されます。頑張って下さい!

回答:五十嵐 清

Q:テンポとリズム保つ方法はなんですか?(タイチさん)

 初めはメトロノームを利用して、8分音符や16分音符などをベースに声に出して、手拍子と共に反復練習をする。フレーズやビート感を意識しての練習も必要です。
その後、指定速度と拍子でメトロノームを設定して練習する。

 リズムはきちんと表裏拍の関係を頭で理解し、テンポ感を含めて自然と身体で感じ、メトロノームの「カチッ」という音があたかも同化し、溶合った一体感があるようになるまでやれるといいですね。
自分自身の中から湧き出てきた、テンポ感とリズム感を最終目標にしてください。

回答:五十嵐 清

Q:ソロなどの1人で長時間吹く時に体力が続きません。どうすればいいでしょうか? (ともひろさん)

 ソロを吹く時は、精神的にもプレッシャーがありますよね。
そしてフレーズの後の方が辛くなってくる!ですよね?
質問は何の楽器で演奏するのか、どの位の長さのソロ楽曲かわからないのですが、管楽器一般としてお答えします。

 体力とありますが、楽器を支えることやアンブシュアを維持すること、息を支えること、など鍛えるためには、「普段からの基礎練習時間を多くやっていかなければなりません。」

練習としては、

1.ソロのフレーズと同じスパンで、スケール練習を2~3回行なう。
2.ソロの音形を2倍の長さで練習する。
3.ソロのフレーズごとで、インテンポで何回か繰り返し行なう。
4.楽曲通りに(伴奏の部分もきちんと入れて)最初から最後まで演奏し、スタミナ配分をチェックする。

試してみてください。

日頃の練習の積み重ね以外、解決方法はありません。

回答:五十嵐 清

 

Q:「カンタベリー・コラール」を指揮するのですが、いまいちしっくりきません。

Q:私は今度の定期演奏会でヴァンデルローストの「カンタベリー・コラール」を振るのですが、いまいちしっくりきません。
音楽大学に通う友人に指揮法の基礎的な部分を教えてもらったり自分でもいろいろ努力してみたのですがなかなかうまくいきません。
どうすればうまく音楽をコントロールできる指揮ができるようになりますか? なにかよいアドバイスがあれば教えて下さい。(学生)


まず、いろいろと自分なりに努力してからの質問であること、とても素晴らしく、そしてうれしいです。

 指揮者は奏者の前に立つ前に、楽曲を充分研究し、限られた時間で「テンポ、アインザッツ、ブレス、ピッチ、アーティキュレーション、フレーズ」など基礎的なことを統一していくことから始まり、次第にウエイトを「音楽」にしていかなければなりません。

 それでは、「カンタベリー・コラール」をまとめるにあたってのヒントやチェックポイントをお話しします。

1.音程
縦のラインごとのハーモニーと横ラインのメロディーの音程のチェック。
→トレーニング段階で指摘いく

2.バランス
落ち着いたハーモニーの響きの中で美しいメロディーを印象づけるバランスのチェック。

→メロディーパートの動きがある部分(四分音符や八分音符)を右手の流れの変化で印象づけて振る。

3.フレーズ
アプローチをていねいに、和音のフレーズ感を意識し、楽譜から読み取れる音楽の方向性に合ったcresc.(次の和音に向かっている)やdecresc.(フレーズを終え収束に向かっている)をつける。
→両手でフレーズの始まりを指示し、左手で和音のフレーズ感を意識したcresc.やdecresc.を身体と肘との距離感で出していく。右手(左手も添えることもある)でフレーズの終わりとブレスを指示して、次のフレーズにつなげる。

4.音楽
ダイナミックスやアーティキュレーションを的確にし、アゴーギグをつけ、美しく感情を込めた歌(表情)のある表現にする。
→曲全体のクライマックス(D-7小節目)を目指し、自身の胸の広がり感と腕の範囲などで、徐々に徐々に音楽をドライブさせ高揚感、緊張感を高めるよう表現する。
特にアウフタクトに注意して、前のフレーズと後のフレーズとのつながりを大切に右手の位置を考える。クライマックスからエンディングまでは緊張感を持続させた指揮で「静かに」「祈るように」お客様に曲の全てを捧げる思いで振っていく。(伸ばした持続音での音の方向性やリリースの丁寧さ、響きの残し方などを表す棒にする)

 指揮のニュアンスを文章で表現することは難しいですね。何となく伝わりましたかね。本当は実際に指揮をしているところを見せて頂いたり、私自身が直接バンドを振らせてもらい、その中からイメージやヒントを見つけてもらえると実践的でいいのですが・・・。皆さんの感情がお客様に伝えられることをお祈りします。

■カンタベリー・コラール
作曲:ヤン・ヴァンデルロースト
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-8130/

回答:五十嵐 清

Q:私は非常勤講師で、中学の吹奏楽部で顧問をやっています。常勤の顧問の先生(音楽の担当ではない)と、なかなかよい人間関係がとれず悩んでいます

Q:私は非常勤講師で、中学の吹奏楽部で顧問をやっています。学校内には常勤の顧問の先生(音楽の担当ではない)や地域の愛好家のトレーナーさんもいらっしゃるのですが、なかなかよい人間関係ができません・・・。
昨年ははじめての指導だったのですが、常勤の先生とおりあえなかったり、生徒達も「トレーナーさんはこう言っている」と、言いたいことが通じなかったりというありさまです。
私が出られる練習日も限られています。ちょうど夏休みでもあり、来年のチーム編成も視野に入れてじっくり基礎練習をやりたい、簡単なマーチやポップスなどで秋の文化祭もたのしく、そして技術もアップさせて・・とは願っているのですが、ぜひご助言を頂きたいです。(非常勤)


大人のコミュニケーション不足で子供に影響を与えてはいけません。

 まず、どのようにバンドをしていきたいのか? 活動時間は? 練習方法は?などをきちんと話すことでしょう。

 複数の指導者が指導しても、時間をおいて指導しても、次の演奏会ではこのような演奏を目標としている…ということはっきりさせて下さい。
また、演奏会(本番)で指揮を振る先生が、最終的にはいろいろなニュアンスで複数の方がコメントしても、自信と責任をもって「こうする」と明確にして下さい。

 私は、団体に指揮者や先生がおられる、複数の団体に合奏指導にいっていますが、必ず奏者に「音楽は色々な観点、角度から作り上げていくのだが、目標は自分達の納得できる音楽をして、それをお客様に伝え、感動してもらうこと」
その為に「色々なアドバイスをしていくが、本番のステージ上で指揮をする先生の言われることが最終的な指示であることを常に認識していてください」とコメントしています。

 自信をもって生徒さんと一緒に音楽を創っていてください。

回答:五十嵐 清

Q:部員が11人と、あまりに小編成すぎて、練習法を工夫しても上達せず、部員一同悩んでいます。

Q:高校の吹奏楽部なんですが、部員が11人でパーカスがいないという状態です。中学からやっていた経験者もいるのですが、あまりに小編成すぎ、練習法を工夫しても上達せず、部員一同悩んでいます。どういう練習計画をたてればよいのか教えて下さい。
あと、部員が楽しくできる練習法も教えて下さい。(高校生)


吹奏楽の編成にかかわらず、アンサンブルは3人からできますし、打楽器も入っていない編成です。小編成だから、透明感溢れる濁りのない素晴らしい音楽が生まれます。

練習方法は、

1.ロングトーンで音づくり
2.呼吸法とブレスコントロールの確立と実施
3.ユニゾンによるチューニング
4.調性の統一、スケールでの音程つくり
5.4声(上述)での響きの確立とハーモニー

 を個人と合奏で追求してみてください。

また、楽曲の選曲や練習は

1.管楽アンサンブル(または木管、金管)の8~10重奏の楽譜をベースに移調や楽器を替えて演奏する。

2-1.ソプラノ、アルト、テノール、バスの4声部に今ある楽器を分ける。
2-2.ミュージックエイト版の楽譜を用意し、コンデンススコアからメロディーラインをつなげられるように、楽器割り当てを行なう 。
2-3.上段には木管のソプラノと一部アルトパート(Fl,Cl,ASxなど)、
中段には金管のソプラノとアルトと一部テノールパート(Tp、Hr、Tbなど)、
下段にはテノールとバスパート(木管低音、Tb、Ep、Tubなど)が記載されているので、 音域やハーモニーやリズムバ伴奏に振り分けて楽器を割振る。

3.ヤマハニューサウンズインブラスの小編成用の楽譜で演奏する。もし、ソロや難しいフレーズがある時は、ピアノ(またはキーボード)で生徒または先生が演奏する。

4.経験者の生徒をソリストにバンド伴奏で演奏する。

小編成だからできないのでなく、工夫次第で可能性はあります。
きっと上達しますよ。

回答:五十嵐 清

Q:ずっと気になっていたんですけが、ffやpppは自分の出せる最大、最小の音ではないですよね。では、何を基準にしてるのでしょうか?

 ちょっと難しい話をしますが、音の強さと大きさは違うもので、物理的に見た音のエネルギーの大小のことを「音の強さ」と言い、音波の振幅の高さ(幅)によって増減します。
そして、人間の耳がある音の刺激により生ずる、心理的に見た音の強さに関する感覚の強弱のことを音の大きさと言います。

 自分で出せる最大、最小の音はその人によって違ってきますが、「楽器音色」の範囲を逸脱した音はいくら大きな音が出ても、楽音ではないので音楽には使えません。

 楽譜にあるfやpは、作曲者のイメージとして「大きく、小さく」とメッセージを送っています。時代設定、曲想、編成などにより、「力をこめて」「広々と豊かに」「静かにやさしく」「美しく」など色々な形容詞がつくイメージで「音色・音量」を変えていかなければなりません。

 また、前のフレーズとの相対ですので、楽曲を研究しその時の一番相応しい音楽になることが基準と思います。ですから、その楽曲中にあるfが全て同じ音量で吹ことはしないようにしましょう。

Q:中学の吹奏楽部の顧問をやって2年目になります(本業はピアノ講師)。練習方法のポイントを教えてください。

Q:中学の吹奏楽部の顧問をやって2年目になります(本業はピアノ講師です)。今年のコンクール地区大会では20人小編成の指揮をし、銀賞をいただきましたが、来年は金賞をとらせてあげたい・・・と野望ももっています。しかし「ペットが弱い、打楽器のリズムがそろわない、メロディーにもっと表情を・・・」と審査されると、どのような練習方法がよいのか?と考えあぐねています。
生徒からは「打点がしっかりしていない、おそくなる」といわれたりで反省する事も多いです。アドバイス、お願いいたします。(非常勤)


銀賞おめでとうございます。

 生徒さんたちと一緒に音楽を創っていった過程での収穫がすべて「金賞」です。先生の「来年は金賞をとらせてあげたい」が一番大切な思いです。

 そのために実行することは、

 部員一人一人の基礎練習方法確立と実行。そして合奏における基礎を充実し響きのあるサウンド作りをすることです。

1.音楽をしようとする自分自身の気持ちとベストな体調の維持
2.楽器の調子を常によくする
3.息の通り道を確保できる「正しい姿勢」
4.息のスピードや量などをコントロールできる「呼吸法と息の支え」
5.楽器の特色(音色)を出せるアンブシュアー(構え)
を念頭において練習指導してください。

 具体的には、毎日の練習に入れる練習メニューとして
木管楽器は、ロングトーン、スケールとフィンガリング、タンギング。
金管楽器は、ロングトーン、リップスラー、タンギング、音域拡大。
打楽器は、一つ打ちを中心に、各種テンポ、音形やリズムを変化させる。

 こと行なってください。

 合奏基礎練習として、ユニゾンを揃える、低音楽器から重ねての響きと安定感だす。ハーモニーのバランスと響きを出すなどを中心に行なって下さい。

回答:五十嵐 清

Q:小学生と練習するにあたり、指導するポイントなどを教えていただけないでしょうか。

Q:私はトランペットを始めて約1年の社会人ですが、実は、知り合いに頼まれて地域の小学生の鼓笛隊を教えることになってしまいました。とはいえ、私は楽器を専門家に習った事などなく、やっと楽器と仲良くなってきたかな・・・というレベルです。小学生と練習するにあたり、指導するポイントなどを教えていただけないでしょうか。
ちなみに、今までは、音階のロングトーンとタンギング、曲の練習という順番でやっていたようです。(PN:おばちゃん)


地域の小学生の夢を叶えるお手伝い素晴らしいですね。

 小学生は素直に思い切り演奏しますので、見ていて聞いていてとても清々しいですね。

 さて、小学生にはまず、

1.楽器を自分自身で無理のない持ち方(支える)ことができるようする。
2.息の出し方(楽器への入れ方)を教える。
体格や筋肉から長時間ベルを水平にして構えているのは難しいので、目標の時間を定めて吹く時間を決めてください。そして休憩をしっかりとる。これの繰り返しで練習メニューを考えて下さい。
練習内容は今のままでいいようです。

 次に

3.リズム克服のために、一緒に声に出したり、手を叩いたりして身体で覚えてもらう。
4.自分一人だけで吹いているのではなく、皆で合わせて響きをつくって音を大きくしていく。
決して一人一人は大きな音を無理して出させない。
5.息が続かない時は、ブレスをどんどんしてもいいから、いつもいい音で吹くようにする。
6.楽曲の音域がまだ出ないときは、オクターブ下げることや、その音を抜くように指示してあげる。(そういってもトライして、だんだん音があたってくる!)

 小学生には、楽器の楽しさ、仲間と一緒に演奏出来る喜びなどを教えてほしいと思います。これから先何年も楽器を演奏できるのですから、「完成」させる必要はありません。

 私の年代別の重点指導テーマは、

中学生には「呼吸法の充実」と「音色のバリエーションの充実」など。
高校生には「音色の確立」と「音楽性の向上」、「アンサンブル力の向上」などです。
一人でも多くの人に、その年齢にあった演奏の楽しみを味わい、 長く楽器に親しんでもらいたいと思っています。

※トランペットや金管楽器の技術的指導の方法などは、これまでの回答にもありますので、参考にして下さい。

回答:五十嵐 清

Q:練習と本番で指揮の仕方を変えてはダメ?

Q:指揮者は曲を指揮する時、練習の時も本番の時も同じ指揮をしなくてはいけないんですか? 例えば「ベートーベン第7番」を指揮する時、練習で少しだけでも変わってはいけないんですか?


A:練習も本番も全く同じということはありません。いや「ありえません」。

指揮をしているオーケストラに、今、トレーニングをしているのか? 曲想を解説しニュアンスを統一しているのか? 通しで音楽性を高めているのか? 色々な角度からオーケストラをまとめていきます(そのためには、オケの前に立つ前に指揮者として楽曲のアナリーゼはきちんとしておかなければなりませんよ)。

 最後(本番)は、お客様にきちんと指揮者とオケが創ってきた音楽を伝えられるかです。練習より緊張感もありますし、バトンパフォーマンスもより大げさにするところも必要かと思います。
そして、本当に大切なのは、オケのメンバーとの信頼関係です。「千秋先輩」のように、自分の感性に満ちたそしてメンバーから愛される指揮者になって下さい。

回答:五十嵐 清

Q:一人ひとりが、周りの音に溶け込めるようにするには?

Q:高一で、学生指揮をやっています。 うちの学校のバンドは昔から和音がきれいに鳴らないので悩んでます・・。まず、部員の多くは自分で基準音でチューニングを合わせることができません。また、一度合わせても、合奏するとバラバラになり、和音が滅茶苦茶になります。
すぐになおるものではありませんが、自分の代から少しずつ変えていきたいと思っています。 部員一人ひとりが、周りの音に溶け込めるようにするためには日頃どういう練習をしたら良いのか、また学生指揮として、どうまとめたら良いのか、アドバイスをよろしくお願いします(金子)


A.: ポイントは、各自でしっかり音程を歌い、自分の役割を認識すること

問題点が分かっていて、改善していこうと前向きに考えていること素晴らしいですね。少しずつ響きのあるサウンドになるよう次のポイントをチェックしながら毎日練習をして下さい。

具体的な方法は下記などこれまで回答を参照して下さい。

http://www.bandpower.net/bpblog/archives/1308

■第1ステップ

1.パートでユニゾンをしっかり合わせる。
音程だけでなく、音色や音量も合わせましょう。

2.木管と金管の分奏でユニゾンを合わせる。

3.根音だけでなく、5音と3音の音程を「歌いながら」ユニゾンで合わせる。

 ここまでを楽器を吹かないで、奏者に音程の高低や音色の違いなどを指摘する人をおいて、何回も繰り返し練習し、「自分の吹いている感覚と実際の状態を認識させ、自分自身から改善させる」ことに徹してください。

■第2ステップ

 和音はまず各パートで響きを認識できるように練習しましょう。
例えばトロンボーンパートに4人もメンバーがいたとして、

1.4人で根音をユニゾンで吹く

2.3番パート1人のみ根音をやや大きめに吹く
(この時4人で吹いたと同じ音圧レベルを1人で吹くイメージで)

3.他の3人は第5音を吹く。
響かないようなら根音⇔5音を繰り返し、響くところを見付ける。
(必 ず音程を歌いながら吹く)

4.3番と1番パートの2人は音を変えずに、2番パート1人のみ第3音の音程を吹く。響かないようなら根音⇔5音⇔3音を繰り返し、響くところを見付ける。 (必ず音程を歌いながら吹く)

5.4人で和音を吹く。自分達で響きの感覚を認識で知るようにする。

■第3ステップ

 次にバンド全体での練習は、合奏教本のコラール練習を取り入れ。下記を参考にサウンドチェックして下さい。

http://www.bandpower.net/bpblog/archives/1316

 ポイントは、各自でしっかり音程を歌い、自分の役割を認識することです。
合奏の前には必ず色々な調の主和音、下属和音、属和音の主要3和音を8拍ロングトーンで合わせて、響きの感覚を身に付けて下さい。

回答:五十嵐 清