■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」08

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第8回うちトレ 体調ケア 「ストレス対策、リラックスの方法」

うぅぅ・・・ある程度覚悟はしていたけれど、緊急事態宣言が5月末日まで延長されてしまい、今までの努力は何だったの、まだまだ自粛しなければならないの? 仕事は? 学校は?そして部活やサークルはどうなってしまうのか?・・・などなどなど。
目に見えないウイルスへの恐怖がある中で不満と不安が再び押し寄せてきてしまい、溜まっていたストレスが一気に行動や言葉や体調に出てきてしまったという人もいるかと思います。

そこで、今回のうちトレは体調のケアのお話。

1.ストレス対策
 第1回新型コロナウイルスなんかに感染しないぞ!で免疫力アップの3つのポイントをお話ししました。しかしこんなに長く影響が出るとは思わなかった。ストレスを溜めないように努力はしていたけれど・・・
人はストレスを受けると、それを防御しようと交感神経が身体を戦闘状態にします。この状態を鎮め治まらせるために副交感神経が働き、身体や心をリラックスさせます。この二つの神経のバランスや副交感神経の命令実行する順番が崩れるとストレス反応として体調の異変や不安悩み、攻撃や無気力などが現れます。
そこで先ず身体の状態を把握し、次に心に目を向ける「身心」(敢えて心身としていません)を整える方法、セルフコントロールの方法の一例を紹介しますので、うちトレしてみてください。

1)楽しく食事をする。
食事は身心を整えるのに大切なことわかっていると思いますが、ついつい適当にまた短時間でとなってしまいます。部活動中心の生活の時は、朝練のために朝食はコンビニおにぎりやゼリー飲料、3時間目後に間食、昼食は急いでお弁当を食べる、部活後はコンビニでお腹を満たし、帰宅して味も噛み締めず短時間で食べる夕食。ちょっと大袈裟に言っていますが似通った生活をしていた人がいたのでは。そして、ステイホームの今、炭水化物メインの食事になっていませんか?

ここで、食事で気を付けて補給するべき栄養素を並べてみます。
・タンパク質:ホルモンの生成を促す→肉、魚介、卵、大豆製品など
・ビタミンC:ホルモンの生成を促す→ジャガイモ、サツマイモ、レモン、キウイフルーツなど
・ビタミンB群:精神を安定させる→豚肉、レバー、牛乳など
・カルシウム:神経の興奮を抑える→乳製品、大豆製品、小松菜、魚類など
・マグネシウム:神経の興奮を抑える→大豆製品、海藻、魚介など
・ビタミンE:自律神経を調整に役立つ→ナッツ類、魚介類、大豆製品、穀類、緑黄色野菜など
・ビタミンD:カルシウムの吸収を促す→魚介、卵、キノコなど。

えー こんなに沢山!一度の食事に全部なんてとても無理無理。
そうですよね。大切なことは、色々な栄養素を偏りのないように食事で摂ることように心がけてほしいという事。
そして「楽しくリラックスしてゆっくりと味わって」食べてほしいということです。
忙しい余裕がないからといって、食事と睡眠を適当にすることはやめましょう!時短することができることは他にあります。(だからと言って勉強や課題を時短しようと思っていませんよね)

2)ストレスは吐き出す。
ストレスを軽減するのに、口から出す、吐き出すことも一つの方法とされています。 
心の中のモヤモヤを、誰かに聞いてもらう。話しをすることで解き放すと、きっとスッキリ、ホッとして楽になります。そして、解き放すと今の状態から少し距離が離れて余裕が出てきて、周りを見られて、こんなことするといいかも!と気づき、前向きになるきっかけになるかと思います。
 このサイクル 「話す」→「放す」→「離す」を実行しましょう。

今戦っているウイルスは息苦しくなることが特徴なのに、違う意味で息切れしてしまわないよう、完全な問題解決にはならなくても、少し誰かとたわいもない話でもいいので話をしてみませんか?今は直接会って会話ができませんのでLINEやメールなどでの文字でのやり取りの目から情報が主ですが、たまには電話で話しをして声に出して会話をしてみてはどうですか?スッキリ、ホッとできると思いますよ。

3)リラックス方法(エクササイズ)
 リラックスは、緊張し酷使した身体と心をほぐして緩めて快適さを取り戻していきます。
自分自身で心の活性を高める筋肉と心の安定を妨げる筋肉を弛緩していく方法。相談カウンセリングを通して緩和していく方法などがあります。
 では、リラックスをするために、心の活性を高める筋肉と心の安定を妨げる筋肉についてお話します。

・心の活性を高める筋は、抗重力筋(コウジュウリョクキン・姿勢を保つ筋肉)です。
地球の重力に対して姿勢を保つために働く筋で、下腿、大腿、腹部、胸部、首に張り巡らされ、前後互いに伸縮をしながらバランスを取っている。常に緊張をしていて最も疲労しやすい筋肉です。
・心の安定を妨げる筋は、僧帽筋(ゾウボウキン・首や肩周辺の筋肉)と皺眉筋(シュウビキン・顔の眉間の筋肉)です。
頭から首や肩、背中まで伸びた頭を支えたり腕を動かしたり上半身の動きに関係する筋肉で、凝りの原因となる筋肉と眉間にしわを寄せたり、しかめ面をしたりするなど不快感を表す時に力を入れる筋肉です。
この二つの要素の筋肉を快適に緩めることによりリラックスをしていきます。

ではエクササイズです。
・筋肉を弛緩する(緩め方)
ポイントは筋に力を入れて、その感覚を保ち、一度に力を抜き緩める。

①腕を前に上げ出し、指を握る。
②指先、腕、肩に力を入れる。
③肘を横に張り、後ろに引く。
④肩を上げる
⑤歯を食いしばり、眉間にシワを寄せ、顔を上に首を曲げる。
⑥15秒キープ
⑦一度に力を抜く、緩める。
このルーチンをゆっくり2?3回繰り返す。

・呼吸によるエネルギー変換(リラックス)
ポイントは、酸素と取り込み、二酸化炭素をだしてエネルギー交換をする。
①背筋を伸ばす
②両肩を上げながら、目を見開いて、息を吸う。→良いエネルギー酸素を取り込む
③両肩をストンと落とし下げて息を吐く。
→悪いエネルギー二酸化炭素を出す。
④身体の力が抜けた感じを味わう。
このルーチンをゆっくり2?3回繰り返す。

どうですか?身体の力が抜けた感じを掴めましたか?
出来れば毎日の生活パターンに組み込んでください。

落ち着こうと頑張ると、なぜか身体が興奮し緊張が出てくる。そうすると焦ってドキドキしてくる。だから落ち着こうとする。そしてまた・・・これでは交感神経が働いていつまでたっても緊張がほぐれずストレスがたまります。そこで、身体を支える基幹の抗重力筋を正しい姿勢から悪い癖を作らないようにして、深呼吸をして肩や顔の筋肉をほぐして心を緩めていきましょう。
先ず身体を緩める。これから心の緊張を緩めて徐々に落ち着いていく副交感神経の働きを促すパターンを身に着けられるとようにしていきましょう。

はい!わかりました。でも・・・今、毎日ソファーでダラーっとリラックスしていますから、大丈夫だと思います。

あれ、ソファーでダラーっと…?
残念ながら、この状態は「だらけ」でリラックスとは違います。

だらけは、ソファーなどで姿勢を悪く寝転んだり、ただ何となく時間を経過させたりして無意味に過ごしている状態です。そのため身体にだるさを感じたり頭が痛くなったりとかえって疲れが出るなんてこともありますね。今学校がお休みなので「だらけ」が続くと、学校が再開されたとき「これではいけない」「きちんとしなくては…」と思い、無意識にのうちに自分に緊張感をかけてストレスになっていて、家に帰ると疲れがどっとでてしまう…という悪循環を生んでしまいますから気を付けてください。

身心のコントロールをして「本来の自分」を見つけるセルフコントロールをしていくと、「いつもどおりにやればいい」と感じてリラックスすることができ、自信を持って様々な場面に挑めるようになります。緊張することなく能力をフルに発揮できるので、楽器の演奏でも、練習してきた成果を本番のステージで存分に出せて最高の演奏に繋がります。

■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」07

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第7回 うちトレ「楽器の特色を探る~音色と倍音、そして音の形~」

皆さん、辛抱して外出しない「ステイホーム」をしていてくれてありがとうございます。コロナとの闘いは長期戦の様相を呈していますが、今努力しているからこそ「笑顔で吹奏楽部活動」が出来る日はきます。引き続き気を緩めることとなく、一人一人が感染拡大防止対策を実行していきましょう。

吹奏楽は、「吹いて、奏でて、楽しい」のですが、日ごろの基礎練習は楽器の演奏テクニックの向上がメインになっていると思います。私は知識理論や奏者自身の健康も加味したトータル的なものが「基礎」と考えています。楽器の面白さ可能性や音楽の奥深さを知り、もっと吹奏楽そして音楽を楽しむためにも、「知識、体調、技術」の3つを基礎としてみてください。

今回のうちトレは、「楽器の特色」について考えます。

1.音色と倍音
ピアノの音、管楽器の音、弦楽器の音ないろいろ楽器の音があります。同じ高さ、大きさの音なのに、違った音に聞こえるのは、「音色(おんしょく・ねいろ)」の違いからで、それぞれが特有の「波形」を持っているからです。しかし、音色(波形)は大きさ(振幅)や高さ(周波数)と違って、簡単に数字で表すことはできません。
普段聞いている音は、いろいろな振動数すなわち周波数の正弦波(サイン波)を重ね合わせてできています。
例えば、2つの周波数の違う正弦波を重ね合わせると、違った波形ができます。(モデル化してあります)

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楽器の音は、いくつもの正弦波を重ね合わせてできています。その正弦波を分析すると、基準となる振動数(周波数)の音と振動数が2倍、3倍…、つまり倍音が重なり合っていることがわかります。楽器ごとに音色が違って聞こえるのは、この倍音がどの様な割合で含まれているかということです。

【ちょっと寄り道】(飛ばして読んでも構いません)
音声の /ア/ の場合を例にお話すると、振幅と周波数の違った正弦波が重なり波形ができます。次に周波数分解を行い、周波数ごとに正弦波をア1、ア2、ア3、…と取り出します。そしてさらに、FFT(高速フーリエ変換)アナライザ―という機器を使って、周波数分析して、周波数スペクトルとして表示すると、f1、f2、f3…と特定の周波数が出ていることがわかります。

音声は、声帯の振動により声道や口腔を通るときに、「ア」「イ」などの五母音がきまります。これは、口の形と舌の位置を変えて共振の特性を変えているから「ア」や「イ」と固有の音声に特性されて聞こえます。この振幅スペクトルのピークである共振周波数をフォルマント周波数といい、低い方から順に第1フォルマント(f1)、第2フォルマント(f2)、 第3フォルマント(f3)・・・といいます。特にf1とf2の値で「ア」「イ」など母音の発声に重要な役割を担います。
管楽器の発音の際にいろいろな発音を使ってと言われますが、実際には口を開け閉めできませんので、口の中で舌の位置や動きを変えることで対応すると思います。

音色の話に戻って・・・楽器の音は、複雑な波形を持っていて、それぞれが独特の響きのある「音色」を奏でています。この複雑な波形には、高周波成分(基準音程より高い音程)が含まれていて、これを「倍音」といい、この含まれ方や表方で現れ楽器の特色が決まります。

楽器の波形分析もFFTアナライザ―を用います。周波数分析をすると、基準周波数(音程)の値に強いスペクトルが現れ、その他に高い周波数にもスペクトルが現れます。純音(正弦波)は、基準周波数をfとすると、スペクトルはfのところにだけ1本線が立ちます(音叉がこれにあたります。楽器ではオカリナの音色が似ています)。フルートは純音に比べると波形にいくつかの山が見られますがなだらかなので、基準音程fの強いスペクトラム以外は、レベルが低く高周波成分がほとんど見られません。ですから柔らかく澄んだ美しい音色が得られます。バイオリンは波形が複雑にギザギザしていて、基準音程f以外に高周波成分でもスペクトルが出現していて、多くの倍音を含んでいることが特徴です。透き通った美しさ中にも華やかさも兼ね備えた音色が得られます。(楽器は音域や奏法によっていろいろな音色が出せます。これが楽器の面白さであり魅力です。その魅力を探るために毎日の演奏テクニック向上の基礎練習をして挑戦しているわけですね。)

2.音の形
音色と倍音で用いた周波数分析は、音を解析する有効な手段ですが、実際に音楽で演奏される一つの音は、始まりと終わりがあり0.1秒から数秒程度と短く、理想的な周期波形ではないので無限に繰り返されると仮定して分析結果を出しています。そのため失ってしまった情報も出てきます。

ピアノやギターでは、弦をハンマーで叩いたり、指で弾いたりして音を出します。弦の振動は最初が一番大きく、すぐに小さく減衰していきます。これに対し、オルガンや管楽器、弦楽器(弓での奏法)は、音を持続させ減衰しないようにすることができます。この発音開始から発音停止までの時間と振幅(音量)を表したものが音のエンベロープすなわち「音の形」となります。

・音の立ち上がり(アタック):発音から最大振幅(音量)になるまでの時間。
・音の芯・響き(コア):最大音量から音が安定して持続している時間。ディケイとサスティンにさらに分けられます。
・音の処理(リリース):発音停止から音量が0になるまでの時間。
の3つの時間と音量の関係(エンベロープ)の「音の形」も各楽器の特色を識別するために重要な役割をもっています。

3.まとめ
楽器音の固有の特色は、音色と倍音の関係や「音の立ち上がり(アタック)・芯(コア)・処理(リリース)」の音の形から決定されます。特に管楽器では音を出したり、止めたりすることをより明確化するために、舌を使い、「TA、TI、TU、TE、TO」など子音と母音を組み合わせて発音する「タンギング」というテクニックが必要となります。

【タンギングについて】
管楽器の発生と停止には息の流れを制御する役目を舌で行う「タンギング」をします。

「TA、TI、TU、TE、TO」など子音と母音を組み合わせて発音することは先にお話しました。

例えば「ターン(TA―N)」と発音します。

・音の立ち上がり(アタック)は「T」子音。音程と音量を決定する要因になります。
・音の芯・響き(コア)は「A」母音。音色を決めます。
・音の処理(リリース)は「N」。余韻をつけます。

この一連の舌の動きを明確にして言葉を言うイメージで息を制御するという事が大切です。(母音を発音する時、I、E、A、O、Uと口の中で舌の位置が下がってくるイメージになりますので、子音はどの母音と組み合わせるかで舌先の位置がきまります。) 

また、ジャズ、ポップスでは、「ダーッ」と余韻を付けずに音を止めます。そして発音は「D」や「B」など濁音を使います。「ダバダバダ」という具合です。

さあ、「うちトレ」…いろいろな発音を声にだして(小さな声でもいいよ)息の流れと舌の動きを確かめながら「舌の筋トレ」スタートです。私は、吹奏楽の魅力の一つに「響き(Sound)に緊張感」があると思っています。音の発音(アタック)と処理(リリース)には、舌で息をコントロールするために生まれる特色です。舌の筋トレは必要ですね。

今まで楽曲を吹けるようにならないと…と余裕なく部活動していたかもしれません。余裕のある今だからこそ、理論も考えながら身体に無駄な力をいれることなく理想の音を出せるようにしてみてはいかがでしょうか? 身体に力が入ったり、音量がオーバーフローすると音は崩れます。頑張れば頑張るほど、無理をすれば無理をするほど良い演奏につながりません。

Q: では如何に楽器の特色を出し、(音の三要素の)音程を安定させ、音量の幅を広げ、音色を豊かにして、指揮者の要求や楽曲のイメージを表現し、合奏のアインザッツの揃える…などなど課題目標をクリアしていくか?

A: それは、曲が吹けるようになることだけでなく、音を出す理論を知り、プロの音(今は音源)を聴き、自分の楽器の理想の音を研究してイメージを持つことです。

■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」06

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第6回 うちトレ(その2)ブレスのチェックとコントロール(イメージトレーニング)

いつもなら・・・4月、新学期の今頃は新入生を迎えて活気がある時期なのに・・・

なーんてネガティブにならずに、バタバタしてない余裕のある今だからこそ、これまで当たり前としてやってきた練習内容などを整理して、来るべき新入生を迎えるときに、慌てずアタフタしないように準備しましょう。

今が踏ん張り時です。少しでも早く学校が再開できて学校生活や勉強が軌道に乗ってきたら、部活動が再開できます。自分たちのためです一致団結して、個人個人が、「外出しない。手洗いうがいを励行する。規則正しい生活を送り健康を維持する」など、コロナの感染拡大防止対策を徹底して行いましょう。

今回も“うちトレ”。家(うち)できるトレーニングです。

1.ブレストレーニング
第3回「管楽器で音を出す(その1)」で紹介した深呼吸の内容を楽器で吹奏するイメージでの呼吸のトレーニングをします。
メトロノームを60にセットして、何回か繰り返します。(自分のペースで回数は決めてください)
姿勢は、立って頭を首に乗せる。肩の力を抜く。背中を自然なカーブにするなど自然体になるよう上半身をリラックスする。
ゆっくり息を吐き出しましょう。肺にある空気を一度空にします。
丹田というへその握りこぶし一つ下あたりの手を当てて意識させます。
上半身全体(特に背中の下あたり)が膨らむイメージで吸い込みます。意図的にお腹を膨らましたりへこませたりすることではありませんので注意してください。
① 拍(時間)を決めて
・4拍かけて吸う。4拍かけて吐く。リラックス4拍。
・4拍かけて吸う。2拍間維持して、4拍かけて吐く。リラックス4拍。
・4拍かけて吸う。1拍で吐く。リラックス4拍。
・4拍かけて吸う。2拍間維持して、1拍で吐く。リラックス4拍。
・1拍で吸う。1拍で一気に吐く。リラックス2~4拍。
・1拍で吸う。4拍かけて吐く。リラックス4拍。
② 息を見て
次に同じエクササイズを、片手でA4判の大きさの紙1枚を軽くつまみ持ち、
口の前30cm程度離して行います。(この時へそ下に手は外しても構いません)
息がどの様に出ているか、紙の揺れや安定感を実際に目で確認する、見える(可視)化です。
③ 息を音で聞いて
/SU/の発音を使って、摩擦音で少し息に抵抗感をつけて、大きく音を出して、聞きながら(可聴化)のエクササイズです。(この練習では肩などに力が入ったり、スーと音を無理に出すと“フラっ”となりますので注意してください)

2.ブレスコントロール
腕の伸縮を使ったイメージトレーニング
・口の手前から手のひらに息を吹きかけるようにして、
①腕を下方向に伸ばしていく。
②腕を目線より上げて伸ばしていく。
③腕を伸縮させて徐々に遠ざけていく。
どうですか?何か息の出し方や長さなどの変化を感じませんでしたか?
では、息を出しながら、右手でバイオリンの弓を上下に動かような動作をしてみてください。
コツみたいなもの感じられましたか?
管楽器の息の出し方は弦楽器のボウイング(弓の動き)でいうと、ダウンのみ(上記の①)になりがちです。
ダウン、アップをイメージ・意識した「息の抑揚」を付けたブレスコントロールはロングトーン、楽曲を演奏する時に重要です。
では、エクササイズ。
メトロノーム60のテンポで、4拍で吸って(吸う拍数も変化させてください)
4、8、12、16拍と長さを変えてロングトーンをするイメージで息を出してみてください。
この時腕の伸縮を実際につけた時、頭で弦楽器のボウイングをイメージするなど工夫をして息のコントロールを会得してください。
深呼吸から呼吸法の練習では、肺に入っている空気を空にすることからスタートし、その後も吐き切るようにしています。これは呼吸を意識して行い、身体のバランスや必要な筋肉を使うことが目的です。しかし、普段の生活では呼吸は無意識にしていて、肺の中の空気を全て吐き切ることはせずに、肺に空気を残してある状態で次の吸気をします。
実際の曲の演奏の時も、肺の中の空気を息継ぎ(ブレス)ごとに全て出し切り、ニュートラルの状態にしているわけではありません。曲が進むにつれて、どんどん息が苦しくなり吸えなくなります。「息が浅くなる、上がる」と言われていますが当然のことなので、必ずニュートラルにするのではありません。例えばジョギングをしていると、走りこんでくると息が荒くなってきて、スタート時点に戻すことは困難です。この息が上がったことで、時間を経過させ目標の距離を走ることができたという達成感などを感じると思います。音楽でいうと、楽曲を演奏して時間とともに音楽の緊張や高揚を感じクライマックスに到達した達成感などを味わえるのではないでしょうか?
「楽曲フレーズのブレスごとの息の吸う量は出来るだけ同じにし、深く吸い込む」と私も指導していますが、無理をして速く吸おうとしてのどに力が入り「ハぁぁ」と音がして本当は吸い込めていないなどが見られます。管楽器を演奏すのは、特別な呼吸法ではなく普段の呼吸の拡大版と考えて、立って頭を首に乗せる。肩の力を抜く。背中を自然なカーブにするなど自然体の姿勢を心がけることです。
金管楽器の人で手元にマウスピースがあるのならば、
呼吸法の練習:①拍(時間)を決めてとロングトーンのエクササイズをマウスピースでやってみてください。マウスピースの持ち方は、前回(第5回)にありますので確認してください。
そして、その次に、前回(第5回)のバズィング練習の3)~5)をマウスピースバズィングでやってみてください。
ポイント→この時“ぽっぺた”の裏(内)側と“歯”を「張り付ける」ようにすると、口の中の圧力が一定に保たれ息が安定して出せます。
・実音F(チューニングB♭の4度下)の音程を出してみよう。
  音の出だしはあまり気にせず、Fの音を丁寧に出してみましょう。
・感じが掴めたら、Fを基準に半音ずつ音程を下げていきます。(リップスラー)
F→E、F→E♭、F→D、~B♭まで。
・B♭(チューニング音)の音程をだして、
B♭→A、B♭→A♭、B♭→G、~オクターブ下のB♭まで。
更にもう一つ。
フェイスタオルを用意して、2つ折りにして長方形を作ります。長辺にマウスピースをグルグルと巻き込みます。マウスピースの先端にあるタオルを少し折り曲げて手で押さえます。(折り曲げ方を変えると抵抗感が変わりますので自身で調整)
これは私が30年以上指導に取り入れている「お手軽サイレントマウスピース」です。
この状態で上のエクサイサイズをやってみてください。
実際の楽器で吹いているような抵抗感を感じてのトレーニングになります。
(現在は市販でサイレントマウスピースやサイレントブラスも販売させています)
今回も、うちトレ、エクササイズを紹介しました。
コロナ対策と同じで、地道に実行しなければ効果はありません。楽器が思いっきり演奏できるその日を迎えるためにコツコツとやれることを見つけてみましょう。アイデア次第で楽しい練習方法が見つかります。
やってみて、こんなアイデアが浮かんだ、実行してみて発見があった。少しわからないことがあったなど、このQ&Aコーナー「教えてくれっチョ!」に投稿してください。皆さんで共有していきましょう。
☆おまけコラム:楽器は素晴らしい相棒。
両手やメガホンを口に当てて声を出したことがあると思います。声が集中し方向が定まり音量も増え遠くまで聞こえます。メガホンがスピーカーの役割をしています。
管楽器は、マウスピース内で集められた振動が管の中の空気を伝わりベルから外気に放たれます。自分自身出した音をより方向性を定めて拡声してくれるスピーカーなのです。楽器は自分の音楽を確実に忠実に伝えてくれる素晴らしい相棒です。
私はこんな思いを込めて演奏していますと楽器という素晴らしい相棒の助けを借りて表現していきましょう。

■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」05

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第5回 家で出来るトレーニング(うちトレ)

皆さん、新型コロナウイルス感染症拡大防止の緊急事態宣言が出されています。「自粛疲れ」なんてことも言われていますが、今やることは、「外に出ない、人と接触しない」ことです。今をしっかりしていかないと未来はありません。時間を区切ってメリハリのある生活スケジュールを決めて、コロナなんかには絶対に負けずに活動を再スタートする日のために、気を緩めることなく、手洗いうがいを実行して心身ともに健康で乗り切っていきましょう。
第5回目は、「うちトレ」。家で出来るトレーニングです。
前回まで、音のしくみや音の鳴る原理を物理的な面からアプローチしたので、今回読んでもらえるかとても心配です。
「吸って吐いて、振れて音が鳴る」という事は、管楽器を演奏するうえでとても重要なファクター(要素)ですので、もう一度。
「リラックスして、たくさんの空気を体内(肺)に取り込み、身体全体を使うイメージで息として意識して吐き出す。振動源となる唇やリードの振動を妨げないように息を通過させて音を出す」

姿勢(フォーム)・呼吸(ブレス)・アンブシュア

息のコントロール(スピード/圧力/量/方向/連続性など)

同一の振動源(同じ波形)

音程が合う ・ 音量が出る ・ 音色が統一される

豊かな響きになり、遠くに鳴り響く

この流れを是非とも理解して、自分に合う楽器演奏スタイルを見つけてください。

やってみて、こんなアイデアが浮かんだ、実行してみて発見があった。少しわからないことがあったなど、このQ&Aコーナー「教えてくれっチョ!」に投稿してください。皆さんで共有していきましょう。

さて、今回は「家で出来るトレーニング、“うちトレ”」です。
楽器が手元に無い!家では楽器は吹けない!なんていう人でも大丈夫です。
先ずは実行。トライしてみてください。
1.口輪筋ストレッチ
最近、大声で話したり、笑ったりしていないと思うので、口を開けることをしなくなっていませんか。
とういうことは、口の周りにある筋肉「口輪筋」を使わなくなっているかもしれません。
管楽器の演奏にはこの「口輪筋」が振動源、音の源として重要な役割をしていることは、前回お話しました。
さあ。口輪筋ストレッチです。それぞれ自分のペースでキープしてください。
1)口を閉じてゆっくりと口角を上に引き上げて笑顔を作ります。このときに、目も大きく見開いて、視線を上に向けます。(ミッキーマウスのスマイルのイメージ)

2)頬を大きく膨らまして唇を前に突き出す。(“あっぷっぷ”での変顔イメージ)
3)頬をへこませて唇をつぼめて思いっきり前に突き出す。(“ひょっとこ”のイメージ)
4)「ワー オー」と(小さく)言いながら、口を大きくゆっくりと動かします。
5)「い・え・あ・お・う」と発音するように大きくゆっくり口を動かして1サイクル。

普段は学校などでやっている、挨拶や返事、友達との話し、笑ったりして口を動かして声を出すことも管楽器の練習になっていたのですね。
家でも挨拶したり笑ったりしてはどうでしょうか?

2.金管楽器(バズィング)
しつこいようですが、金管楽器の振動源は「唇」です。
1)バズィング練習
実際に唇を振動させて、①~④を意識して音をだしましょう。
①やや微笑むイメージで息が通れるアパアシュアが出来るような適度に唇を閉じる。
②上下の唇は(努めて)フラットになるよう歯やあごの位置を工夫する。
③口角を固定する。
ポイント→この時“ぽっぺた”の裏(内)側と“歯”を「張り付ける」ようにすると、口の中の圧力が一定に保たれ息が安定して出せます。
④唇中央部がリラックスして自由に振動できるようにしておく。
⑤意識した息を安定に送り込む。
(注:意識というのは力を入れるという事ではありません。こんな音が出したいなと自分の気持ちを込めることと思ってください)

1)特定の音程(なんの音をだすか)を目指さないで、唇の振動で音を鳴らしてみよう。
  舌は使わず、息だけです。(ノータンギング)
姿勢(フォーム)、呼吸(ブレス)、アンブシュアのベストを見つけてください。
  もし音が出なかったら、焦らずに唇周辺だけでなく、顔や身体に力が入っているところをリラックスさせてトライしてください。
2)音が出たアンブシュアに、マウスピースを当ててマウスピースバズィングをおこなう。
マウスピースの持ち方の注意
ホルン以外の人は左手(ホルンは右手)の親指と人差し指の2本で、マウスピースの先端から1/3くらいの(楽器に装着した時にできた線があると思います)ところを軽く持つ。物を握って口に近づけると、口の中に入れたくなってしまう習慣があります。(小さいとき何かを握ると口に運んでいませんでしたか?)
3)実音F(チューニングB♭の4度下)の音程を出してみよう。
  音の出だしはあまり気にせず、Fの音を丁寧に出してみましょう。
4)感じが掴めたら、Fを基準に半音ずつ音程を下げていきます。(リップスラー)
(テンポや長さは自分で決めて無理のなく、「吸って吐いて、振動して音が鳴る」を実行してください)
F→E、F→E♭、F→D、~B♭まで。
5)B♭(チューニング音)の音程をだして、
B♭→A、B♭→A♭、B♭→G、~オクターブ下のB♭まで。
出来れば毎日ですが、時間は長くではなく少しずつ。

3.木管楽器(アンブシュアのチェック)
ここではフルートとクラリネットのみアンブシュアチェックをお話します。
1)フルート:頭部管のみで、「A」の音。
2)クラリネットB♭管:マウスピースにリードをセットして、オとウを同時に発音するような口の形でマウスピースを下から口の中に挿入するように、「F#」の音。
(この時、高音でやや大きめの音がするので、家の中ではチェックするだけの短時間のみの音出しにしてください。)

では、木管楽器の人は何をすればいい?
木管は楽曲の音符数が多く、読譜力と正確な運指を要求されるので、スケール全調(長調、短調とも)、クロマチックスケール各音からスタートとアルペジオを、
①音名で歌いながらシャドー運指をつけて、
②レガートタンギングで音程を頭の中で歌いながら、やはりシャドー運指で。
というような、シャドートレーニングをお勧めします。

早く早く早く、部活動が再開できて楽器を吹きたいところですが、今は我慢、我慢。
今、部活動が休みで、しばらく楽器を吹いていないからこそ、唇を酷使していないこの時、
楽曲の練習に追われていないこの時だからこそ、
基礎を再確認して、正しい奏法を再チェックするチャンスです。
「楽器を思う存分に奏でる」その日のために、いろいろな工夫やアイデアをだして
今できることからやっておきましょう。
是非とも、“うちトレ”を一日の生活スケジュールに、少しだけ組み込んでみてください。

■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」04

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第4回「管楽器の音を出す」ついて考えよう。~吸って吐いて、振れて音が鳴る(その2)

皆さん、今は新型コロナウイルス感染症の拡大防止です。収束そして終息に向けて一人一人が強い意志をもって人との接触をしない、手洗いうがい消毒を実行する、そして心身ともに健康に留意していくしかありません。今は窮屈で辛く憂鬱な日々ですが、コロナなんかには絶対に負けません!活動を再スタートする日のために、自分の大好きな楽器について少し知識を蓄えてみましょう。

第4回目は「管楽器で音を出す」の続きで、アンブシュアのお話です。

アンブシュア(唇やリードの振動) 
前回、管楽器では、呼吸で得られた息の流れを使い、金管楽器は唇を振動させる、リード楽器はリードを振動させることにより、「波」が発生して振動源が作られ音が出ます。
今回は、いよいよ「音が鳴る」について考えます。
では、波の発生するメカニズムを金管楽器(リップ振動・バズィング)と木管楽器(リード振動)に分けて考えます。

その前に、私たちには口の形を変化させる、つまり唇を開らいたり閉じたり、引いたりつぼめたりする時に使う、口の周りを取り囲むようにある、「口輪筋」という筋肉があります。こちらも呼吸と同じように普段は意識して使っているという感覚はありません。
この口輪筋が衰えてくると口角が下がったり、連動している表情筋が動かなくなり表情が乏しくなります。
管楽器奏者は、この口輪筋を上手く使い、唇を支え適度な緊張を与えたり、マウスピースのくわえる時の口の形などを整えたりして、アンブシュア(唇や口腔の形)を決めていきます。
少し「微笑む」イメージです。

(日経ヘルスより引用)

1)金管楽器(リップ振動・バズィング)
金管楽器の振動源は「唇」。
振動の発生は上下の唇の間から息が流れ、その流れにより適度に緊張した唇が振動します。
唇自体を意図的に操作して硬く閉じたりひっぱったりして無理に振動を与えたりするのではありません。前回の声を出す時、声帯が適度の強さで閉じて、吐く息によって振動するとお話ししました。これと同じで、唇が声帯と同じ働きをしているのです。

上図の赤丸の唇の両端(口角)と顎の上部から唇の下あたりへこみ部分の3点が固定されて、それ以外は適度な緊張をさせるようにします。
そうすると、唇の中央に息の通る道(アパアシュア)が生まれます。
この時、唇中央部がリラックスして自由に振動できるようにしておきます。
(この部分はマウスピースの中にはいっています)
そして、肺から送り出した意識した息を通過させて、唇に振動してもらい、ブーという(バズィング)音を出します。(この場合はアップやクールダウンでの脱力させた唇を振るわせる、ブルル~~的な音の出し方ではありません)

振動発生のポイント(金管楽器)
(1)やや微笑むイメージで息が通れるアパアシュアが出来るような適度の緊張をした唇にする。
(2)上下の唇は(努めて)フラットになるよう歯やあごの位置を工夫する。
(3)口角を固定する。
(4)唇中央部がリラックスして自由に振動できるようにしておく。
(5)意識した息を送り込む。

2)木管楽器(リード振動)
木管楽器は金管楽器と違い、リードが振動源となり音を出します。
やはり、口輪筋を上手く使い、マウスピースを固定します。マウスピースとのジョインをいかにしてベストにするかが重要です。
口を硬く閉じることではなく、また歯でマウスピースを噛むこともしないようにしてください。マウスピースにリードをセッティングする時も、リガチャーで着つく締めすぎないことです。
マウスピースとリードの僅かな隙間に、息を送り、効率よくリードを振動させるためです。
ここでは、波を発生させる「振動」をテーマにしていますので、各楽器によりアンブシュアやリードのセッティングが違いますので、詳しくは各楽器の教則本などで確認してください。

2回にわたって「管楽器で音を出す」にはどのようにしたらよいか?
目標は、楽器のベストな波を発生させるための「振動源」を作ることでした。
(1)呼吸(ブレス)
(2)姿勢(フォーム)
(3)アンブシュア  

~吸って吐いて、振れて音が鳴る~「管楽器の音を出す」こと
少し理解してもらえましたか?

この音出しなら、今すぐ家でもできます!
急に学校がお休みになって、楽器ケースにマウスピースを入れたままの人でも、
金管楽器はマウスピース無しでの唇の振動のチェック。(どうしてもマウスピースが恋しい人は、自分の人差し指と中指で軽く唇に触れて・・・でもしっかり手を洗ってね)
木管楽器は・・・。自分の親指をマウスピースにみたてて、ストローをくわえてなんてアイデアもいいかも。(こちらもしっかり手洗いはしましょう)

無理して無理やり音を出すのではなく、「呼吸と振動」という原点をもう一度見直してみましょう。
今回も最後まで読んでくれてありがとう。

次回は、「楽器を存分に奏でる」その日のために ~今、家で出来るトレーニング。

■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」03

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第3回「管楽器の音を出す」ついて考えよう。~吸って吐いて、振れて音が鳴る(その1)

皆さん、新型コロナウイルス感染症の影響で、活動が休止して大好きな楽器も吹けなくて、ポッカリと穴が開いてしまったような悶々と憂鬱な毎日を送っているのかな? そんな今だからこそ、これまでがむしゃらにほぼ毎日活動してきたことを、別の視点から見つめて、活動を再スタートする日のために備えてみてはどうでしょう。

第3回目は「管楽器で音を出す」にはどのようにしたらよいか? 
「空気の流れと振動」という基礎的なことから探ってみましょう。

目標は、楽器のベストな波を発生させるための「振動源」を作る。 そのためのポイントは、
(1)呼吸(ブレス)
(2)姿勢(フォーム)
(3)アンブシュア
の3つです。

1.吸って吐いて、呼吸と息の流れ
前回「音について」お話しました。「音の3要素=音量、音程、音色」に気を付ければ いいんだ。 と覚えてくれたこと思います。
その際「音とは?」で、大嫌いな理科・物理が出てきてスルーしてしまったこと・・・
もう一度おさらい、

「物体が揺れて発生する「波」が空気など媒体を伝わり、人の耳に届き聞こえる」でしたね。
管楽器の最大のポイントは、いかにして楽器のベストな波を発生させるための「振動源」を作るかです。

こたさん Q:どのようにして、波を作るといいの?
きよし A:ハイ。先ずはエネルギーとなる空気をたくさん吸い込み、息に変換して吐き出す、 「呼吸」がとても重要です。(吐き出すときに意識して「自分の心を込めた息」にします)
 
(1)呼吸(ブレス)
管楽器にとって、息は自動車のガソリン(今はハイブリッドや電気が主流となりましたが)のようなエネルギー源です。取り込み方や仕事をしてくれるように変換していかなければ音になりません。そのための「呼吸・ブレス」について探ってみましょう。

【実践編】さあ~ 深呼吸をしてみましょう。(今すぐ家でもできます。やってみてください)

1)立って上半身をリラックスさせて、口からゆっくり息を吐き出しましょう。
→ポイント:頭を首に乗せる。肩の力を抜く。背中を自然なカーブにするなど自然体になるようにする。

2)口からたくさんの空気を肺に吸い、取り込みましょう。
→ポイント:「たくさん空気を肺に吸い込む」、そうすると自然にお腹が膨らんできます。 腹筋に力を入れて、お腹を膨らまして腹式呼吸で・・・とよく耳にしますが、 間違っています! 意図的にお腹を膨らましたりへこませたりすることではありません。胸腔と腹腔を隔てる横隔膜という筋肉が、肺に空気を入れることで下がります。 丹田というへその握りこぶし一つ下あたりを意識して上半身全体(特に背中の下あたり)が膨らむイメージです。

3)吸った空気を、ゆっくりゆっくり、ゆっくりと意識をもって息として吐き出しましょう。
→ポイント:お腹やのどなどに力や無理な圧力をかけないで、リラックスした状態で自然に身体の外に戻していくイメージです。

きよし Q:どうですか?
こたさん A:なんだか、気持ちも落ち着てきて、余裕が出てきたような。 自然に楽しくなり、気づいたら、呼吸に合わせて腕が勝手に動き表現しています。

出来るだけ「自然体で深呼吸をする」
無理なく、効率よく、たくさんの息を吸って吐くことを身につけましょう。 このことが管楽器を演奏することにとても重要です。

私たちは普段生活している時は何気なくほとんど意識しないで呼吸をしています。しかし、管楽器を演奏する時は、かなり意識して吸ったり吐いたりする呼吸をしなくてはなりません。
要するに「意識して自然体で呼吸(ブレス)をする」ことなのです。(ちょっと変な表現ですがわかってもらえますか?自然体については次の項目で)

(2)姿勢・フォーム(息の流れ)
次に、息の流れにから、正しい姿勢・フォームについて考えてみましょう。

きよし Q:肺に入った空気は、どのような経路を通って口から出されるのでしょうか?
こたさん A:えーと・・・ 肺→のど→口(の中)→唇→外 かな。

肺…ではなく、ハイ当たり!
では、のどについてお話します。

のどは食事の時には食べ物の通り道となり、呼吸の時には空気の通り道となります。この選択をしているのが喉頭(こうとう)です。喉頭は気管の入り口にあり、喉頭蓋(こうとうがい=喉頭のふた)や声帯(せいたい)をもっています。喉頭蓋や声帯は呼吸をしているときには開いていて、物をのみこむときにはかたく閉じて食物が喉頭や気管へ入いらないように防いでいます。また、声帯は、発声のときには適度な強さで閉じて、吐く息によって振動しながら声を出します。すなわち、喉頭には、呼吸をする、物をのみこむ、声を出す(発声)という働きがあります。

管楽器を演奏する時は、発声時の声帯が閉まっていないように、いわゆる「のどに力を入れずにリラックスして」と指導されます。

この肺→気管→声帯→咽頭→口腔(口の中)→唇→マウスピース→楽器というような流れとなり、連続して効率よく流れるようにしましょう。そのためには、息の流れを妨げないようなリラックスした「フォーム・姿勢」をとるが大切です。

(日本耳鼻咽喉科学会HPより引用)

管楽器では、呼吸で得られた息の流れを使い、金管楽器は唇を振動させる、リード楽器はリードを振動させることにより、「波」が発生して音が出ます。

やったー! 音が鳴ったぞー!
 
次回は管楽器の音を出すことについて考えよう。 
~吸って吐いて、振動して音が鳴る(その2)です。

■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第2回「音」ってなに? 音のしくみは面白い!・・・かな??

前回は、新型コロナウイルスに感染しないように、活動再開に向けて健康な身体づくりについてお話しました。

今回は、「音」・・・
私たちの周りには、人の声、音楽・楽器音、生活音、騒音などなど、無数の「音」があります。
改めて「音」ってなに? そのしくみを一緒に考えてみましょう。
私たちの奏でている「音」を別の角度から考えて、楽器の音や音楽創りに役立て、吹奏楽をより楽しんでいきましょう。

音とは・・・
物体が揺れて発生する「波」が空気などの媒体を伝わり、人の耳に届き聞こえます。

例えば、太鼓をたたくと、太鼓の皮が揺れます。この揺れ(振動)が周りの空気に伝わり、空気の揺れとなって次々と伝わっていきます。耳に届くと音として感じます。
発音体の振動によって空気が押され、押された部分の空気は密度が濃くなります。そして、この空気密度の濃い部分が近くの空気をさらに押していきます。この動きが次々と移動していくことで、空気密度の濃い部分と薄い部分が発生します。これが、「音の波(音波)」が生じている状態です。このように空気密度が濃い部分と薄い部分が交互にできることで生じる波を「疎密波」と言います。
(つまりは空気に圧力差が生じることによって、空気の圧力の高いところと低いところの圧力の変化の連続した粗密波によって音が伝わり耳に届きます)
例えれば、伝言ゲームやリレーでのバトンタッチをしていき繋げていくような感じかな。
相手に伝えるときには距離が縮まり密になり、受け取ったら次に繋げるまでには距離が離れるような・・・

う~ん? 理科や物理はちょっと・・・ぜんぜんおもしろくない!
まあまあ、チコちゃんに叱られない程度におつき合いしてくださいね。

図にすると、

図から密と疎の部分を取り出し、振動の回数との関係性をグラフ化してみます。
波形が上下に一回往復する間隔を「周期」、空気の振動の大きさを「振幅」と呼びます。
これを「正弦波」といいます。(図はヤマハのHPより引用)

【音の3要素】
私たちはさまざまな音を感知し、音の特徴は、周期と振幅の組み合わせで決まります。
「音の大きさ(音量)」、「音の高さ(音程)」、「音色」の
三要素によりそれぞれの音を認識しています。このことが楽器の演奏やアンサンブルでの重要なポイントになります。

1.音の大きさ(音量)
音の大きさ(音量)は、「音波」における「波の幅(振幅)の大きさ」に比例します。波幅が大きいと空気の圧力変化が大きくなり“大きい音”、波幅が小さいと空気の圧力変化が小さくなり“小さい音”となります。この圧力変化の量を「音圧」と言い、音の大きさは音圧によって決まります。
→大きな音は、小さな音を飲み込んでしまい、その差で最大音量が小さくなって しまいます。

2.音の高さ(音程)
音の高さ(音程)は「音波」における「波の数量」つまり一定時間における振動の回数で決まります。一定時間に振動(波の数)が多ければ音は高くなり、少なければ音は低くなります。
1秒当たりの空気の振動数で、「周波数」といい、単位はヘルツ(Hz)で表します。振動は一往復で1回と数えますので、1秒間に1回振動することを1Hzと定めます。
周波数の数値が高い場合に「高音」として認識され、周波数の数値が低い場合に「低音」として認識されます。
楽器はこの周波数を変化させることで音程の変化を生み出しています。例えば弦楽器では弦を指で押さえることで、弦が振動する際に起きる波の数を変化させ、奏でる音程に変化を付けているのです。人が認識できる周波数は20Hzから20,000Hz(20kHz)と言われています。また基準となる音に対して2倍の周波数の音が「1オクターブ上」の音程になります。
  →複数の音を鳴らした時、波の数(周波数)が違うと、音程にずれてうなりが聞こえてくるのね。

3.音色
音色は、音波の質の違いによって生み出されるものです。同じ音圧、同じ周波数であっても、その波の形が異なることで、人はその音色の違いを区別します。
音波によって生じる空気の密度の濃さなどはそれぞれの楽器などの音によって異なります。この波形の違いは「振動の仕方」が異なることで生まれます。振動の仕方は、音を発するものの素材や鳴らし方によって異なります。また、音が鳴るときには、さまざまな周波数をもった「倍音」が同時に鳴ります。この倍音も含めた音の構成の違いが、「音色の違い」として認識されるのです。

ここまでに示したような非常にシンプルなサイン波は、実際にはほぼ自然界には存在しません。(聴覚検査の信号音などがシンプルなサイン波音)
私達が普段耳にする人の声、楽器や音楽、生活音や騒音等はもっともっと複雑な音色を持っているのです。そして見た目も複雑です。そんな複雑な音色の違いを私達の耳は普段から聞き取っている。このことはとてもスゴイことなのです。(また別の機会に聞くと聴くについてのお話も・・・)
最後までお付き合いいただきありがとうございました。
活動が再開され、好きな楽器を思い存分に演奏し音楽を奏でるとき、この「音の三要素=音量、音程、音色」を意識してみてはいかがでしょうか?
きっと、今まで以上に音が素晴らしく聞こえてきますよ。
(そうか、「音量、音程、音色」をパートや合奏での、「合わせる3つのポイント」にすればいいんだね)

次回は(3)「管楽器の音を出す」ついて考えます。

■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第1回 新型コロナウイルスなんかに感染しないぞ!

Q:皆さんお元気ですか?

A:・・・元気な訳ないでしょ!
新型コロナウイルス感染症のために、急に楽器が吹けなく活動ができなくなってしまって2か月ですよ…、学校もいけないし、友達とも会えないし…

2月中ごろから急に活動休止、卒業演奏会も送別会も何もかもが中止。4月になれば…きっと…の願いも虚しく、ついに新型コロナウイルス「緊急事態宣言」が発令されて、再開が遠のき活動再開の見込みも立たない事態になってしまいました。

楽器を演奏出来るという喜び、仲間たちと一緒に活動出来る素晴らしさ、演奏会の出来ることの ありがたさをひしひしと感じていることと思います。

これまで当たり前のこととしてやってきたことが、急にできなくなり、改めて楽器を演奏できること、ましてや仲間と一緒にやれることが、いかに有り難く、幸せなことだと感じていることでしょう。

そんな今だからこそ、新型コロナなんかに負けずに、いつでも大好きな吹奏楽活動を笑顔で再開出来る様に一人一人が準備をしましょう。
今は楽器を演奏出来ないブランク(blank)ではなくブレイク(break)。 そしてブレイクスルー(breakthrough:~を突破する)していきましょう。 ピンチをチャンスに!

先ずは一番大切なこと。
ズバリ、新型コロナウイルスに感染しないようにすること。
(最近ずっと言われていことだからとスルーしないで、もう一度再確認してみてください)

予防対策として、
1)こまめに手洗いとうがいをする。
ドアノブ、スマホ画面や各種スイッチなど様々な物に触れることにより、自分の手にもウイルスが 付きます。こまめな手洗い、うがい、アルコール消毒をしましょう。

2)人混みを避けて外出をしない。屋内では人との距離を十分取り、換気をする。
多くの人がいる環境、対面での距離が近い、一定時間以上密閉した空間にいることで感染のリスクが高まります。

3)睡眠とバランスの良い食事をとり、免疫力を高める。
ウイルスから身を守るために、強い身体作りが大切です。

今回は、3)の免疫力アップの3つのポイントを紹介します。

1.バランスの良い食事をとる。
免疫力のアップには、疲れをためないことや腸内環境を整えること、粘膜を保護することが基本と されています。そのためにはバランスの良い食事をとることが大切で、タンパク質やビタミン、ミネラル、乳酸菌などが含まれている、野菜、肉、魚、卵、豆製品、発酵食品など身近な様々な食品をバランスよく食べることです。 出来るだけ1日3食、時間を決めて各々でバランスよく摂れるといいですね。

疲労回復に役立つ:豚肉、鮭、豆腐、牛乳、緑黄色野菜、レモンなど 腸内環境を整える:ヨーグルト、チーズ、キムチなど
粘膜を保護する:ブロッコリー、カツオ、サバなど

2.質の良い睡眠をとる。
睡眠時間が減ったり、眠りが浅い状態が続くと身体の抵抗力が落ちて、病気になりやすくなります。各自が必要な睡眠時間を確保するように、起床就寝時間など一日の生活リズムをきめましょう。
スマホやテレビばかり見ていないで、就寝時間の2時間前からブルーライトに当たらないようにしましょう

3.ストレスを溜めない工夫をする
ストレスがかかるとコルチゾールというストレスホルモンが分泌され、免疫機能が低下します。
新型コロナウイルス感染症拡大の影響でかなりのストレスが溜まってしまっていることと思います。
ストレスを発散したくてもできないと考えずに、「ちょっと気分転換」で深呼吸をしながらストレッチをしてはどうでしょうか?
この深呼吸をすることは、管楽器を演奏することにプラスになりますよ。
ずっと家にいるとダラダラした生活になります、緊張する時とリラックスする時のメリハリを意識的にとる工夫を各自で見つけてください。

免疫力アップのための3つのポイントでしたが、普段の学校などが休みで生活時間や行動が不規則に なってしまっているかもしれません、自分の身体と向き合い、来るべき吹奏楽活動再開の時に健康な 身体であるように今から実行しましょう。

今回はもう知っているよ。何回も聞いてわかっているよ。という内容でしたが、実行していくのは、 強い意思を持ってやっていかなければ持続できません。ひたすら、活動が再開出来たとき、
好きな楽器を思い存分に奏でることをイメージしてやっていきましょう。

次回は、「音のしくみ」について考えてみます。

Q:休符の多い曲でppしかない曲があります。吹き出すときに唇の振動が始まるまでワンテンポ遅れることがあります。こんな場合、息の量はフォルテと同じ量は出していますが、それでも遅れる確率が高いので、改善するにはどんな練習をしたら良いでしょうか? (房友)

A:楽曲の冒頭や休符の後など音を出す瞬間は緊張しますね。楽器の管中の停まっている空気を振動させてエネルギーを伝えて音にする。自転車に例えて言えば、漕ぎ出すときが一番「全身の使い方や力が必要かつ大切」ということ。ですから実行されている、息の量をフォルテと同じ量で吹奏しているかと思います。

特に音出しのpは繊細な響きを要求されるのでプレッシャーもかかり、なかなか良い音を出すことが難しいですね。そこで、pの音作りについてレッスンしましょう。

先ずは以下を常にチェックしてください。

1.姿勢、楽器の構えが音を出すためにベストであるか?

2.下顎が張った状態になっているか?

レッスン開始!

(1)自然に出す音のダイナミックイメージをmfとして、ロングトーンしながら徐々に音量感を下げていきpにする。

→この時お腹辺りの息の支えをしっかりしてください。

(2)pのイメージの音まで到達したら、その音をキープしてロングトーンを続ける。

→この時の、息のスピード、量、楽器に吹き込む角度、口の中の容積、アンブシュア、アパーチャー、身体のバランス、緊張感などを頭の中にインプットしながらp音のイメージを持つまで繰り返し行ってください。

注意点として、

a)音量を落とし過ぎて響きがなくならない。
b)音のエネルギー感が失われない。
ようにしてください。

(3)p音のイメージを会得したら、今度はそのイメージで初めからp音をロングトーンで出す。

→ブレスはダイナミックに関係なく、しっかり瞬時に奥深く吸い込み楽器に吹奏する。そして立ち上がりのタンギングの舌の動きやタイミングや息のスピードを会得していく。

(4)指揮者やバンドメンバーとのタイミングを自身で工夫して会得していく。

弱奏での豊かな響きで全体を包み込む音を常に目指してください。

また、バンドとしてtubaが複数人いると思います。ppだからといって1本(人)で演奏するとバンド全体の響きがなくなってしまうこともありますので注意が必要です。もし1本の時は、(前にもお話ししましたが)ダイナミックは単に音量の大小ではないことを理解して曲想にマッチした「音」で演奏してください。

演奏会で弱奏が奏でる、お客様の心に寄り添うような音楽が聞こえくるようでとても楽しみです。

回答:五十嵐 清

Q:mpからpppになっていく際にイマイチクリアにできないので、どうすればよろしいでしょうか? (房友)

A:前回、ダイナミックは音量だけで考えないようにしてほしいとお話しさせて頂きましたのでこの点はよろしくお願いします。

さて、文面からはメロディーや和声、フレーズの進行などがわからないのですが、各楽器奏者の演奏テクニックでmpからpppの音にしていくことは大切です。その上にバンド全体の音楽的バランスの観点からのデ クレッシェンドとしてお話しします。

デ クレッシェンドした時、バンド全体が萎んだ感じになる。メロディーがすぐに聞こえ(いなく)なる。止まっているように聞こえしまう。バラバラな感じに聞こえしまう。などの経験をしたことがあるかと思います。

そこで、先ずメロディー(ライン)が最後までしっかり聞こえるようにするように工夫してみてください。そのために音量の大きな楽器やインパクトのある音色楽器の順番でデ クレッシェンドのスタートタイミングをずらしてmp→p(pp)にしてみてください。例えば、デ クレッシェンドのスタート順番を打楽器→金管伴奏系→金管メロディー→木管伴奏系→木管メロディーする。など試してみてください。

音楽が生き生きしているように低音がバンドの響きを豊かに保てるように支えてあげてください。

回答:五十嵐 清