「CD」カテゴリーアーカイブ

■アングロ・レコーズよりスパークの協奏曲を集めた「Brass Virtuosi(ブラス・ヴィルトゥオージ)」がリリース

アングロ・レコーズよりフィリップ・スパークの最新作品集がリリースされた。これまでにスパークがテューバやトロンボーンなどのために書いた協奏曲&ソロを収録したCDで、中には日本でもすでにおなじみの「ハーレクイン」などのヒット作品も含まれる。ユーフォニアムのD.チャイルズはじめ、名人たちのソロ・プレイにも注目だ!

Brass Virtuosi(ブラス・ヴィルトゥオージ)

【収録曲】

1.Manhattan Trumpet or Cornet Solo(Philip Sparke)
Saturday Serenade, 5,09
Sunday Scherzo 4,21
Performed by Woodrow R. English, Trumpet, and
the Deutsche Blaserphilharmonie (Walter Ratzek)

2.Euphonium Concerto No. 2(Philip Sparke)
Giocoso 4,17
Adagio 7,36
Molto vivo 4,20
Performed by Stef Pillaert, Euphonium, and The Symphonic
Band of the Lemmens Conservatory (Jan Van der Roost)

3.Tuba Concerto(Philip Sparke)
Lento 8,32
Allegro 4,48
Performed by Markus Theinert, Tuba, and
the Deutsche Blaserphilharmonie (Walter Ratzek)

4.Harlequin Euphonium Solo(Philip Sparke) 8,53
Performed by David Childs, Euphonium, and
the XBY Concert Band (Dennis Mycroft)

5.Trombone Concerto(Philip Sparke)
Agitato 9,40
Molto lento 9,30
Vivo 6,28
Performed by Olaf Ott, Trombone, and
the Deutsche Blaserphilharmonie (Walter Ratzek)

『グローリアス・ヴェンチャーズ/ピーター・グレイアム作品集』をレコーディングした木村寛仁って、どんな人?

 2006年9月に”初のソロCD『グローリアス・ヴェンチャーズ/ピーター・グレイアム作品集』をレコーディングした木村寛仁(きむら ひろまさ)って、どんな人?” 活動の拠点を関西においているので、それ以外の地方の人にはまだまだ知られていないかもしれないが、地元関西でもし彼の名を知らないユーフォニアム吹きがいるとしたとしたら、ハッキリ言いましょう – それは”モグリ”です!!

 オフィシャルなプロフィールを見ると、木村寛仁は、「1963年、兵庫県川西市の生まれ。ユーフォニアムを的場由季、三浦徹、室内楽を森下治郎の各氏に師事。大阪芸術大学演奏学科(ユーフォニアム専攻)を、グランプリを得て卒業。その後、米国、Dr.ブライアン・ボーマンの許で研鑚を積む。」と、まず、こうある。さらに、「日本管打コンクール入選(1989)、世界ユーフォニアムテューバカンファレンス独奏コンクール第2位受賞(1990)などの栄誉にも浴し、在阪各オーケストラをはじめ、大阪市音楽団、東京佼成ウィンドオーケストラなどの客演奏者を務める傍ら、自身が主宰する大阪小バス倶楽部、ジャパンブラスコレクションのメンバーとして活動。ブリーズ・ブラス・バンドでは、1990年の発足時より10年間ソロ・ユーフォニアム奏者を務め、同バンドの欧州公演では、ソリストとして各地で好評を得た。日本管打コンクール(ユーフォニアム部門)ほか、各種音楽コンクールの審査員をつとめる。2002年より大阪音楽大学専任講師。」という、すばらしいキャリアの持ち主だ。ちなみに、現在の使用楽器 は、今度のCDのジャケットを飾っているBESSONのBE2052-2。

 これまでに、いろいろなレーベルのCD録音にも参加し、フィリップ・スパークが自らタクトをとった東京佼成ウィンドオーケストラの大ヒットCD『オリエント急行』(佼成出版社、KOCD-3902)で演奏しているユーフォニアムのひとりが、全曲、彼だったり、金 洪才が指揮した大阪市音楽団演奏のCD『マスターピース・シリーズ(27)北欧・東欧の巨匠たち Vol.2』(東芝EMI、TOCZ-0027)のテナー・テューバが彼だったりする。また、10年間、ソロ・ユーフォニアム奏者をつとめたブリーズ・ブラス・バンド時代に発売された12枚のCDすべてで、彼のすぱらしい演奏を愉しむことができ、上村和義指揮の同バンドのCD『セインツ』(佼成出版社、KOCD-2508)収録のゴフ・リチャーズの「ミッドナイト・ユーフォニアム」のソロだけでなく、同CD『エクスカリバー』(佼成出版社、KOCD-2503)収録のヤン・ヴァンデルローストの「エクスカリバー」におけるカデンツァなど、一度聴いただけでしっかりと心にのこる印象的なソロを録音で数多く残している。近年では、2006年にリリースされたテューバ奏者、潮見裕章のCD『Road』(ワコーレコード、WKCD-0003)のセッションにも参加。とにかく、すばらしいキャリアを積み重ねてきたユーフォニアム奏者で、その名は、日本国内より、むしろ演奏で訪れた海外において広く知られている。これまで、単独のソロCDがなかったのが不思議なくらいだ。

 その彼が初のソロCDのテーマに選んだのが、イギリスの作曲家ピーター・グレイアムの作品全7曲。ビロードのような美しいサウンドと、まるでチェロを聴いているかのようなハートフルな歌心でヨーロッパを魅了した木村寛仁のCD『グローリアス・ヴェンチャーズ』は、2007年1月、すべての音楽ファンへの大きな贈り物としてリリースされる。

■ グローリアス・ヴェンチャーズ / ピーター・グレイアム作品集           GLORIOUS VENTURES

【演奏:】木村寛仁(ユーフォニアム)
浅川晶子(ピアノ)

【曲目】

1. ホーリー・ウェル The Holy Well
2. グローリアス・ヴェンチャーズ
Glorious Ventures
3. レインフォレスト Rainforest
4. ケルトの夢 Celtic Dream
5. ドイルの哀歌 Doyle’s Lament
6. つむじ風 Whirlwind
7. 小さな願い A Little Wish
※視聴するにはウインドウズ・メディア・プレイヤーが必要です

【作曲】(1 – 7) : ピーター・グレイアム Peter Graham

【CD番号】 WINDSTREAM, WST-25002
【発売日】 2007年1月6日
【定価】 \1,400(税込)

【好評発売中】 BPショップへ GO >>>
グローリアス・ヴェンチャーズ/ピーター・グレイアム作品集/
GLORIOUS VENTURES【ユーフォニアム&ピアノ】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1079/

新年1月6日発売決定!! 木村寛仁CD「グローリアス・ヴェンチャーズ」プロダクション・ノート

Text:樋口幸弘

 木村寛仁(きむら・ひろまさ)さんのユーフォニアム独奏によるCD『グローリアス・ヴェンチャーズ』は、1997年にプロデュースしたブリーズ・ブラス・バンドのCD『セインツ – ファンタジック・ノエル』(佼成出版社、KOCD-2508)がすべての原点となっています。『セインツ』4曲目に収録したゴフ・リチャーズ作曲「ミッドナイト・ユ-フォニアム」の独奏者、木村さんのファンタスティックなソロに目を留めたあるレコード会社から、「ぜひ、木村さんのソロCDを作りたい」というオファーがあったからです。ところが、話がとんとん拍子に進み、あとは日程の調整を残すのみという段階になって、この話は突然キャンセルになってしまいました。日本経済を直撃したバブル崩壊のつけが、レコード会社の制作予算をも巻きこんでしまったからです。しかし、木村さんには、のぼりかけだった梯子を、突然、途中ではずされてしまったような、なんとも申し訳ない結果となってしまいました。

 それから何年もの月日が流れ、時代はすでに21世紀。木村さんとの再会は、2005年、大阪市内で開かれたあるリサイタルのゲネにおいてでした。開口一番、長く暖めてきた今回の録音プランを切り出すと、その瞬間、木村さんの顔にパッと光が差したように見えたことは、今でも記憶の中に鮮やかに残っています。そして、これが新しいヴェンチャーの始まりとなりました。

 いろいろあったアイディアの中、木村さんには、手の内に入っているオハコではなく、まったくの新曲で録音にチャレンジしていただくことにしました。レパートリーはすべて、筆者の古くからの友人でもあるイギリスの作曲家ピーター・グレイアムが過去30年近くに渡って書き溜めてきた作品の中からのチョイス。「ハリスンの夢」「ゲールフォース」「ザ・レッド・マシーン」「地底旅行」などのスーパー・ヒットで、今、ウィンドオーケストラやブラスバンドの世界を熱狂させている作曲家の、日本ではまだ広く知られていない側面を知ることになる、叙情性にとみ、話し言葉のような語り口をもった作品群です。木村さんからも、楽譜を渡してすぐに「いい曲ばかりで、ものすごく気に入っています」と電話が入り、曲と奏者の相性もバッチリのようでした。そして、大阪府茨木市の向陽台高校のご厚意でホールをお借りした最初のリハーサルを見学された同校の先生や生徒さんの感動ぶりを目の当たりにするに至り、今回の選曲の方向性が間違っていなかったことを自ら再確認することができたのでした。

 レコーディングは、2006年9月、木村さんの生まれ故郷である兵庫県川西市の”みつなかホール”で行ないました。エフェクターなどをまったく必要とせず、最少限のマイクだけで結果を出せるとても美しい響きをもったホールで、セッションは終始すばらしい空気に包まれて進行しました。その後、録音を聴いた作曲者のピーターは「とても音楽的だ!」と印象を語り、とくにスリーヴ用に”序文”と”楽曲ノート”を寄せてくれることになりました。その序の部分には、こう書かれています。

 「ソロ・ユーフォニアムとピアノのための作品集『グローリアス・ヴェンチャーズ』を皆さんにご紹介できることは、この上ない喜びです。今回は、木村寛仁さんのユーフォニアムと浅川晶子さんのピアノによって、音楽のすみずみまで表現していただく好機を得ました。彼らの演奏は、感動的であり、心に訴えかけてきます。私は、彼らの繊細かつ誠実な音楽解釈には、たいへん満足しています。」(ピーター・グレイアム、一部抜粋)

 プレゼンター&プロデューサーとしても、木村さん、浅川さんという、類稀な歌心をもち、音楽の内にこめられている情景や情感にまで細心のアプローチをみせるすばらしいペアのデュエットで、これらピーターのハートフルな作品を紹介できることは、筆に尽くせないほどの大きな喜びとなりました。

■ グローリアス・ヴェンチャーズ / ピーター・グレイアム作品集           GLORIOUS VENTURES

【演奏:】木村寛仁(ユーフォニアム)
浅川晶子(ピアノ)

【曲目】

1. ホーリー・ウェル The Holy Well
2. グローリアス・ヴェンチャーズ
Glorious Ventures
3. レインフォレスト Rainforest
4. ケルトの夢 Celtic Dream
5. ドイルの哀歌 Doyle’s Lament
6. つむじ風 Whirlwind
7. 小さな願い A Little Wish (視聴)終了しました
※視聴するにはウインドウズ・メディア・プレイヤーが必要です

【作曲】(1 – 7) : ピーター・グレイアム Peter Graham

【CD番号】 WINDSTREAM, WST-25002
【発売日】 2007年1月6日
【定価】 \1,400(税込)

グローリアス・ヴェンチャーズ/ピーター・グレイアム作品集/
GLORIOUS VENTURES【ユーフォニアム&ピアノ】
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1079/

ユーフォニアムの木村寛仁が、ピーター・グレイアム作品集をレコーディング

 関西を中心に活躍し、ビロードのようなサウンドとハートフルな歌心でヨーロッパをも唸らせたユーフォニアム奏者、木村寛仁(きむら・ひろまさ)が、初のソロ・アルバムを収録した。曲目はすべて、『ハリスンの夢』『ゲールフォース』『地底旅行』などの大ヒットで世界中のバンド・ファンを熱狂させているイギリスのピーター・グレイアムの作品から選ばれ、ピアニストの浅川晶子(あさかわ・あきこ)の好アシストを得た合計7曲。セッションは、今年9月末、木村の生まれ故郷である兵庫県川西市のみつなかホールで行われたが、このほど編集も終わり、2007年早々、ウィンド・ナビゲーター、樋口幸弘が主宰するWINDSTREAMレーベルから『グローリアス・ヴェンチャーズ』というアルバム・タイトルで、CDとして発売される。発売日など、詳細は、続報を待て!!

CDタイトル: GLORIOUS VENTURES

1. ホーリー・ウェル The Holy Well
2. グローリアス・ヴェンチャーズ Glorious Ventures
3. レインフォレスト Rainforest
4. ケルトの夢 Celtic Dream
5. ドイルの哀歌 Doyle’s Lament
6. つむじ風 Whirlwind
7. 小さな願い A Little Wish

作曲 (1 – 7) : ピーター・グレイアム Peter Graham

小編成を感じさせない重量感と安定感! ライプツィヒ放送吹奏楽団(RBO)の”プレステージ・シリーズ”第1弾CD

 ドイツ唯一のプロフェッショナルのウィンド・オーケストラとして進境著しいライプツィヒ放送吹奏楽団(RBO)のコンサートで演奏されるレパートリーの中から曲目をチョイスしてアルバム化する、というコンセプトの新シリーズ”RBOプレステージ・シリーズ”の第1弾CD。指揮は、オランダ出身で、現在、ヨーロッパのウィンド・オーケストラの世界で最も集客力の高い指揮者のひとりとして数えられ、国際的な活躍がつづく同団首席指揮者のヤン・コベル。もともと旧東ドイツの放送局の吹奏楽団として誕生したこの楽団は、極めて小編成ながらも各セクションに粒ぞろいの実力者を揃えており、このアルバムの多彩な曲目に対しても、柔軟性に溢れ、安定感を感じさせるすばらしい演奏を展開している
 セッションで使用されたテキスト(編曲)は、1曲目のシュテルツェルの『コンチェルト・グロッソ』(ヴェーナー編)を除けば日本でもおなじみのものばかり。屋外での演奏も考慮に入れたアメリカのミリタリー・バンド編成のために編曲されたウェーバーの歌劇『オイリアンテ』序曲(サフラネク編)、大編成のイリノイ大学バンドのために編曲されたショスタコーヴィチの『ロシアとキルギスの民謡による序曲』(ダッカー編)、現代のウィンド・オーケストラ編成のために編曲されたバッハの『幻想曲とフーガ ト短調』(ホロヴィッツ編)やラヴェルの『亡き王女のためのパヴァーヌ』(デメイ編)など、編曲された時代や対象編成、編曲のコンセプトもまったく違う新旧テキストを完全に手の内に収め、自らの音楽として消化したコベルの手腕は賞賛に値する。得意とするアメリカやロシアの近現代作品への鋭いアプローチも聴きものながら、ドイツ人中心の楽団の当然の帰結として、ドイツの作曲家の各作品に聴かれる強固なアンサンブルとハーモニーには、小編成を感じさせない重量感と安定感がある。
セッション会場に使われた教会の響きとの相性もひじょうによく、ウィンド・オケのサウンドも実に美しい。
音楽出版社 Beriato からの発売だが、すべて自社以外のテキストが使われているのも大きな特徴。ヨーロッパから、ウィンド・ミュージックの新たなスタンダードとなるべく、魅力溢れるシリーズが登場した。

Label: Beriato

Recording Supervisor: Rene Geipel
Recording Engineer: Anteun Hoesen

2006年5月16-18日、ドイツ、ライプツィヒの教会 Bethanienkirch における録音


■コンシエルト・クラシコ/
RBO Prestige Series, Vol.I:Concierto Classico

http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-0982/

・演奏団体:ライプツィヒ放送吹奏楽団(Rundfunk Blasorchester Leipzig)
・指揮者:ヤン・コベル(Jan Cober)
・発売元:ベリアト(Beriato)

【収録曲】

1. コンチェルト・グロッソ
/ゴットフリート・ハインリヒ・ シュテルツェル(arr. ヨッヘン・ヴェーナー)
Concerto Grosso a quattro cori fur Orchester
/Gottfried Heinrich Stolzel(arr.Jochen Wehner)
I)Allegro moderato【5:43】
II)Largo【1:51】
III)Vivace【3:15】

2. 幻想曲とフーガ ト短調/ヨハン・セバスティアン・バッハ
(arr.ジョーゼフ・ホロヴィッツ)【12:56】
Fantasia und Fuge g-moll/Johann Sebastian Bach(arr.Joseph Horowitz)

3. 歌劇「オイリアンテ」序曲
/カール・マリア・フォン・ウェーバー(arr.ヴィンセント・フランク・サフラネク)【8:33】
Ouverture zum Oper “Euryanthe”/
Carl Maria von Weber(arr.Vincent Frank Safranek)

4. 亡き王女のためのパヴァーヌ/モーリス・ラヴェル(arr.ヨハン・デメイ)【6:30】
Pavane/Maurice Ravel(arr.Johan de Meij)

5. ロシアとキルギスの民謡による序曲
/ ドミトリ・ショスタコーヴィチ(arr.ガイ・M・ダッカー)【8:51】
Ouverture on Russian & Khirgiz Folk Songs
/Dmitri Shostakovich(arr.Guy M.Duker)

6. ディヴェルティメント/レナード・バーンスタイン(arr.クレア・グランドマン)【2:35】
Divertimento for Symphonic Band/Leonard Bernstein(arr.Clare Grundman)

斎藤高順の音楽~吹奏楽作品集「ブルー・インパルス」が発売!

11月22日にユニバーサル・ミュージックから“ブルー・インパルス”-斎藤高順吹奏楽作品集[UCCS-1098]が発売された。
民間人出身としては異例の航空自衛隊音楽隊長を務め、日本を代表する吹奏楽作曲者として活躍、一昨年亡くなった斎藤高順(1924-2004)初の本格的な作品集である。航空自衛隊を象徴する名曲で、FM東京の番組「フレッシュ・モーニング」のテーマ曲としても有名であった「ブルー・インパルス」をはじめとする作品に加え、小津安二郎監督作品を自ら吹奏楽用に編曲した貴重なものも含んでいる本アルバムは大変に貴重である。
演奏は斎藤高順が隊長を務めた航空自衛隊航空中央音楽隊(指揮:進藤潤)である。元隊長の作品集ということでメンバーも大変熱のこもった演奏を繰り広げている。
「自然への回帰」や「フライング・エキスプレス」、交響詩「母なる海」、「マーチング・エスカルゴ」、「バンドのためのコンチェルティーノ」、「テューバの恋人」は初CD化である。
注目は作曲者自身アレンジによる、小津安二郎監督の映画作品3作の音楽(「東京物語」「彼岸花」「秋刀魚の味」)で、吹奏楽の世界に入る前の斎藤ワールドが聞ける。

1.松竹映画「東京物語」(1953)より“主題と夜想曲”
2.松竹映画「彼岸花」(1958)より“主題曲(サセレシア)”
3.松竹映画「秋刀魚の味」(1962)より“主題曲とポルカ”

さて、斎藤にとっての初めての映画音楽が小津安二郎監督の代表作となった「東京物語」(1953年)であった。 このときの経緯を斎藤氏はこう語ってくれた。「小津監督が今までどんな映画をやってきたのか?と聞いてきたので、今度が初めてと答えたら、監督は大いに結構、と上機嫌だったのです。さて、小津監督に出来上がった音楽を聞いてもらうときには緊張しました。監督は結構厳しいことを言う人物と噂に聞いていたからです。何度か書き直しを命ぜられた人もいたと聞いていました。実際に聞いていただくと、監督はなかなか良いね。と笑ってくださいましたので、ホっとしたことを覚えています。」

↑映画「東京物語」のポスターと
一緒に(自宅で)

以後、斎藤は小津に気に入られ「早春」

(1956)、「東京暮色」(1957)、「浮草」(1959)、「秋日和」(1960)、「秋刀魚の味」(1962)と立て続けに小津映画の音楽を担当することになる。
小津は斎藤に「ぼくは、登場人物の感情や役者の表情を助けるための音楽を、決して希望しない」と言い、またこのようにも言った。「いくら映画に悲しい気持ちの登場人物が現れていても、その時、空は青空で。陽が燦々と照り輝いていることもあるでしょう。これと同じで、私の映画のための音楽は、何が起ころうと、いつもお天気の良い音楽であって欲しいのです。」と伝えた。
こうした小津の要望に斎藤の音楽はピッタリと合っていたのだと思う。晩年作「小早川家の秋」では黛敏郎を起用しているが、弦楽器中心に作品を書いた斎藤に比べ、管楽器主体の新しい感覚の音楽は小津作品にうまくかみ合っていなかったように思える。主に場面転換に音楽を使用する小津であるが、新感覚の黛の音楽では、作品の流れがスムーズに行かず、変わってしまうのである。どうしても、あの底抜けに明るい斎藤のポルカ「サセレシア」のような音楽が聞きたくなるのである。
斎藤と小津監督のつながりは監督の死まで続く「小津監督は私の長男の名づけ親でもあります。章一と命名していただきました。その後昭和38年に父が亡くなったときには監督が葬式のためにわざわざ来宅をしていただきました。このときはまさかその年の暮れに監督が他界されるとは夢にも思いませんでした。この後直ぐに監督の首に悪性の腫瘍ができて築地のガンセンターに入院されたのです。お見舞いに行くと病室に原節子さん、司葉子さんがいて監督と4人でお話したのが永遠のお別れとなりました。この後、12月12日に佐田啓二さんから赤いチョッキをプレゼントされ着せてもらったそうですが、そのお祝いの後まもなく亡くなったそうです。この日は監督のちょうど60歳の誕生日で還暦でした」
「小津監督は私のポルカに歌詞をつけて寿美花代さんに歌ってもらい歌曲にしようと提案してくれましたが、ついにそれは実現しませんでした」
このように小津作品に欠かせない音楽が黛敏郎のそれではなく、斎藤高順のものであると確信できるのである(もちろん音楽の内容ではなくという但し書きがつくが…)。 本人もこのように語ってくれた。「私が普通に書いた音楽を小津監督が気に入ってくれた、と今でも思っています。ですからあれは“小津調”と言われていますが、実は“斎藤調”なんですね。小津監督の好みの楽器はストリングス、フルート、オーボエ、クラリネット、ファゴット、ホルンです。トランペットやトロンボーンといった金管楽器はあまり好きではありませんでした。それから木琴、グロッケン、そしてアコーディオンが好きでしたねぇ。」

 コンクールなどに代表される効果的、華麗な音響を求める昨今の吹奏楽界において、このようにやさしくてホっとさせてくれる音楽が、吹奏楽でも表現可能なことをこのCDで多くの映画音楽ファンや吹奏楽ファンに確認していただきたいと思う。
進藤潤指揮の航空自衛隊航空中央音楽隊は、充実した響きで斎藤高順の芸術を見事に表出させている。
なお、録音制作は白樺録音企画の金子雅雄よるもので、ジャケットには斎藤氏と親交のあった秋山紀夫氏のお言葉を頂戴し、曲目解説は私が書かせていただいた。

↑ 小津安二郎監督作品撮影でのひとコマ。(1957年)後列、左から3人目が斎藤高順氏。小津監督の他に笠智衆、有馬稲子らの顔が見える

 

text:福田 滋(陸上自衛隊中央音楽隊/チーフ・ライブラリアン)

アルフレッド・リード作品集が、パワーアップして新発売!

A.リード自身が自作品を指揮。
A.リード&東京佼成ウインドオーケストラのコンビだから生まれた素晴らしきハーモニー
20世紀の吹奏楽を代表する巨匠のウィンド作品集

 20世紀の吹奏楽を代表する作曲家であり指揮者でもある、アルフレッド・リードと東京佼成ウインドオーケストラのコンビで収録された音源を、リード氏自身が選曲、1994年に発売された「アルフレッド・リード作品集」(4枚組)。この人気作品集に、これまで未収録だった作品を加え、5枚組みとして新発売します。

 今回追加された作品は、“吹奏楽のバイブル”とも言われている『アルメニアン・ダンス(全曲)』をはじめ、『エル・カミーノ・レアル』や『音楽祭のプレリュード』など。
楽曲の収録順序は、リード氏の作曲経緯がわかるよう、初期から中期、中期、中期から後期としました。
また、特別付録として、今では入手困難となる『アルメニアン・ダンス パート1のコンデンス・スコア』を掲載。すでに4枚組バージョンを持っている人でも、ゲットする価値は大ありでしょう!

◎BPショップにて発売中
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1010/

■アルフレッド・リード作品集 プラス(5枚組)

【作曲・編曲・指揮】アルフレッド・リード
【演奏】東京佼成ウインドオーケストラ
【価格】4,200円

★印がついた楽曲が今回新たに追加した作品。

【収録曲】

■CD1(KOCD-3554)

1.ロシアのクリスマス音楽★
2.バラード?アルトサックスのための★
アルト・サクソフォーン・ソロ:下地啓二
3.音楽祭のプレリュード(フェスティヴァル・プレリュード)★
4.シンフォニック・プレリュード★
5.サスカッチアンの山★
6.パッサカリア★
7.ミュージック・メーカーズ
8.ジュビラント序曲

■CD2(KOCD-3555)

1.「ハムレット」への音楽
2.アルメニアン・ダンス(パート1)★
3.アルメニアン・ダンス(パート2)★
4.パンチネロ
5.第1組曲

■CD3(KOCD-3556)

1.オセロ
2.第2交響曲
3.第2組曲(ラティーノ・メキシカーナ)
4.魔法の島
5.春の猟犬
6.ラッシュモア★

■CD4(KOCD-3557)

1.第3組曲(バレエの情景)
2.ヴィヴァ・ムシカ!
3.小組曲
4.エル・カミーノ・レアル★
5.ゴールデン・ジュビリー
6.エルサレム賛美
7.サリューテイションズ!★

■CD5(KOCD-3558)

1.第3交響曲
2.カーテン・アップ!
3.春のよろこび
4.第4組曲(シティー・オブ・ミュージック)
5.第4交響曲
6.エヴォリューションズ
7.主よ、人の望みの喜びよ J.S.バッハ/A.リード★

◎BPショップにて発売中
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1010/

5月に話題となった「奏楽堂の響き~吹奏楽による奏楽堂ゆかりの作曲家たち」の演奏会が遂にCD化

明治23年に建てられた日本最古の洋式音楽ホール、奏楽堂。この奏楽堂にゆかりのある作曲家たちの吹奏楽作品を集めた演奏会が2006年5月に開催され、そのライブがCDとして発売された。収録されているのは、芥川也寸志の「東京ユニバーシアード・マーチ」や別宮貞雄の「組曲映像の記憶」、伊福部 昭「吹奏楽のためのロンド・イン・ブーレスク」など。吹奏楽CDのコレクターには、たまらない内容だろう。

《各方面からの声》

「交響曲の響きを、興味深く聴かせていただきました。楽譜を提供させていただいた東京ユニバーシアード・マーチは当時の演奏が唯一のものでしたので今日初めて聴かせていただきました。アンコールで演奏された「赤穂浪士」のムチは女性の奏者がとても“けなげ”で良かったです 」(芥川眞澄-芥川也寸志夫人)

「“ロンド・イン・ブ-レスク”では、やはり父を思い出し涙が溢れるのを止められませんでした。でも曲が進むにつれ、勇壮な響きに身をゆだね作品として聴くことができました。それほど、素晴らしい演奏だったということではないでしょうか。本当にありがとうございました。今後も父の作品をよろしくお願いいたします。」(伊福部玲-伊福部昭長女)

「別宮先生、眞鍋先生の作品とも興味深く聞かせていただきました。驚いたのは辰野先生の編曲作品があったことです。アンコールの赤穂浪士も良かったです。というか全部良かったです。」(都内吹奏楽団指揮者)

なお、このCDは「BPショップ」他で入手可能。
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1028/

■奏楽堂の響き
~吹奏楽による奏楽堂ゆかりの作曲家たち

指揮:福田滋
演奏:リベラ・ウィンド・シンフォニー
CD番号:スリーシェルズ 3SCD-0003

【収録曲】
1.ファンファーレ/矢代 秋雄
2.東京ユニバーシアード・マーチ/芥川 也寸志
3.交響曲第1番より第4楽章”アレグロ・モルト”
/芥川 也寸志(福田 滋編曲)
4.交響詩「立山」~テーマとセレクション/黛敏郎(辰野 勝康編曲)
5.吹奏楽のための奏鳴曲より”第1楽章”/團 伊玖磨(時松 敏康編曲)
6.組曲「映像の記憶」(-改訂初演)
マタンゴ・黒い樹海・遥かなる男・鍵の鍵/別宮 貞雄
7.三つのマーチ(-初演)
マーチX《未知》・マーチY《葬送》・マーチZ《再生》/眞鍋 理一郎
8.吹奏楽のためのロンド・イン・ブーレスク/伊福部 昭
9.NHK大河ドラマ「赤穂浪士」のテーマ音楽/芥川 也寸志(福田 滋編曲)

(2006年5月7日 旧東京音楽学校奏楽堂にてライヴ収録)

ズーラシアンブラス ついに5枚目のCD【5th ANIBUM】 今度は金管五重奏でクラシック勝負!!『くらしっく すいっちょん!』

よこはま動物園ズーラシアの人気マスコット・キャラクター「ズーラシアンブラス」が待望5枚目となるCDを発売する。

今回は吹奏楽コンクール課題曲でお馴染みの、三澤慶、高橋宏樹等が、クラシックの名曲を金管五重奏にアレンジ。金管を知り尽くしたアレンジャー陣による、巧みなアレンジとズーラシアンブラスメンバーによる秀逸の演奏は、聴き応え充分。

 また、新日本フィルハーモニー交響楽団トロンボーン奏者・山口尚人による「タイスの瞑想曲」は、なんとハイGes(あの、ボレロのTromboneソロ最高音より4度も高い音)まで鳴り響かせています。

 これはもう、その耳で確認するっきゃないよね。

■くらしっく すいっちょん

【収録曲】

01.展覧会の絵よりプロムナード
02.ウイリアムテル序曲
03.オンブラマイフ
04.軽騎兵序曲
05.剣の舞
06.タイスの瞑想曲
07.天国と地獄序曲
08.ハンガリー舞曲第5番
09.カヴァレリア・ルスティカーナ
10.カルメン組曲よりアラゴネーズ
11.カルメン組曲よりハバネラ
12.カルメン組曲よりトレアドール
13.トゥーランドットより誰も寝てはならぬ
14.トルコ行進曲
15.交響曲第五番《運命》より第1楽章
Bonus Track付き

【CD詳細】 http://item.rakuten.co.jp/bandpower/cd-1003/

【CD、バンドに関する問い合わせ】

株式会社スーパーキッズレコード 宮川
〒228-0818 神奈川県相模原市上鶴間本町4-35-15第2SSビル2F
Tel:042-712-4041 FAX042-740-4894

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スパーク作品集CD「ハーレクイン」こぼれ話

フィリップ・スパークの最新作を収録したCD「ハーレクイン」(Anglo Records)が好調だ。ゲスト・ソロイストに招かれているユーフォ二アム奏者デーヴィッド・チャイルズのライヴ感あふれる独奏のすばらしさだけでなく、さまざまなスタイルを使って書かれた収録作品の多彩さと充実ぶりがその要因だが、このほど、関係者の証言で、このCDには意外な姉妹盤があることが明らかとなった。
そのアルバムは、4月に発売になった大阪市音楽団(市音)演奏の「ニュー・ウィンド・レパートリー2006 / 地底旅行」(大阪市教育振興公社)だ。このニュー・ウィンド・レパートリーの選曲が事実上スタートしたのは、昨年(2005年)の10月。市音の意向を受けた作曲者から送られてきたスコアは、最終的に選ばれることになる『素晴らしき3つの冒険』のほか、『シエラ・ネバダ』、『イギリスの海の歌による組曲』、『フィエスタ・デ・ラ・ヴィダ』といったCD「ハーレクイン」に収録された作品だった。いずれも未出版だったため、市音が収録を決めた『素晴らしき3つの冒険』は、作曲者自身が自宅コンピュータで第1号の楽譜セットを仕上げて、12月のミッドウェスト・クリニック(アメリカ・シカゴ)で市音に直接手渡され、2006年2月に秋山和慶の指揮でレコーディング。
その後、4月末に来日した作曲者が、宇都宮で市音から贈られた「ニュー・ウィンド・レパートリー2006」の現物に収録されている自作を聴いて興奮の一言。

『これはほとんど完璧な録音だ!! 演奏のすばらしさは無論のこと、全体の響きだけでなく、楽曲に使われているすべてのパートをクリアに聴き取ることができる。スタッフすべてにほんとうにいい仕事だ!!と伝えて欲しい!!』

 この時点ですべてを録り終えていたCD「ハーレクイン」のプロデューサーが自分だったことをすっかり忘れていたかのようなスパークのこのはしゃぎぶり。
『素晴らしき3つの冒険』の楽譜も出版された今、これは、もう、2枚のCDを聴き比べて確認するしかないか!?

(2006.08.24)