「バンド料理法」カテゴリーアーカイブ

■いがらし きよし の「バンド料理法」(13)

【3月号】
料理の楽しみや美味しいという喜びを仲間と味わおう!
~演奏したいという気持ち大切に
Text:五十嵐清

 皆さんが吹奏楽の楽器を始めたのはいつ頃でしたか?そのきっかけは何でしたか?― 楽器を演奏している先輩の姿に憧れて、演奏会を聞いて凄い!カッコイイ!と思った。などなど。

初めは不安の中にも希望に胸を弾ませていたのではないでしょうか?なかなか思うように演奏できないなか、先輩が親身になって教えてくれたお陰で、コツが分かってきて、初めて曲が吹けた時、初めてステージで演奏した時など嬉しくてたまらなかったのではないでしょうか?その時は一途に「吹きたい」「演奏したい」という気持ちで満ち溢れていたこと思います。

途中、「人間関係がうまくいかない」「部活に入っていない友達と時間が合わない。自分の時間が欲しい」「勉強との両立が出来なくなってきた」などネガティブ的な考えになり、つい愚痴、不満や文句を口にしてしまうこともあったかと思います。

皆さんは、音楽は一人でも楽しむより、吹奏楽やオーケストラのように多人数でアンサンブルすることで楽しみが倍増して、とても魅力的になることに気づいていると思います。ですから「吹かなくてはならない」「演奏しなくてはならない」という義務感から開放され、「吹きたい」「演奏したい」という原点に戻った素直な気持ちで、音楽を創っていってほしいと思います。

演奏したいという気持ち大切に
 メンバーが共同で利用しなければならない一つの場(楽団)がここにあります。その場(楽団)をお互いがそれぞれの違い(個性)をもったまま、いかに分かち合っていけるかです。そして、音楽面では指揮者の意図を理解し、自分がその曲に対して感じていることを素直に表現していくことです。

これからも「演奏したい」という素直な気持ちで、キラキラした目の輝きで積極的に楽しむことで、『楽器を演奏できる幸せ、喜び』を感じることができると思います。

卒業や進級の門出に、私から皆さんに贈る言葉

「音楽は一生の友。友は一生の宝」

自分を信じて、仲間を大切に、歩んでください。

吹奏楽活動 最高!

■いがらし きよし の「バンド料理法」(12)

【2月号】
栄養のバランスや分量を考えた食事を摂ろう!
~時間と内容を工夫して、目標を達成させよう
Text:五十嵐清

吹奏楽部の活動が楽しさを感じて生活の大部分を占めてきた時期だと思います。その反面2年生は運営や音楽向上、1年生は技術向上や成績など、いろいろな問題や悩みがあるのではないでしょうか?

1.運営について
吹奏楽部のメインは音楽を楽しみ楽器を演奏することがですから、運営が音楽練習のバランスをとることが必要です。部の運営は中心となる執行学年(2年)が幹部だけでなく全員で力を注いで舵をとっていきます。そして1年生がそれを理解し協力することが必要です。一人一人が部活のために何ができるかを考え実行していく。そのために、スケジュールを把握し先読みし、逆算して仕事に取り掛かること。そして、情報をオープンにして共有することです。

2.技術練習について
演奏技術の向上は「質×量」です。量は大切ですが、ただ時間を長くかけたり、一度に詰め込めばいいということではありません。目標を提示して達成できるように練習内容の質を上げることを目指してください。「正しいフォーム。正しいブレス。正しいアンブシュア。」この3つは常に忘れずに、演奏テクニックの向上を図り、合奏や本番演奏を楽しんでください。

(1)時間を作る努力をしよう。
普通の人は「忙しいから」と言って時間を作る努力をしない。できる人は「忙しいからこそ」時間を作る努力をする。時間を区切って限られた時間のなかに凝縮し中身を充実する。
勉強との両立、運営と音楽練習とのすみ分けや時間配分を自分自身で決める。学校生活や勉強との両立しながら、吹奏楽部活動を楽しみ、充実した学校生活と感動のある音楽を創れたら最高です。

(2)言い訳が先にきて、やれることをやらない。
練習する時間がないからと言って曲が出来ないという人がいる。本当にそうなのでしょうか? 楽器を持てなくても、演奏する曲を聞いて声で歌えるはず。やれることを探して実行するだけで違いが出てきます。できる人は(勉強でも部活でも)やることを吟味して優先順位を決めて時間を生み出している。

(3)練習(勉強)内容の充実で効果を高めよう(何事も積極的に)
「いやいや仕方なく」やった練習(勉強)は効果がない。
「納得して」やった練習(勉強)でも物足りない。
「ワクワク」自分から進んで楽しくやった練習(勉強)に効果が表れる。

内容(質)と時間(量)のバランスを工夫して、
楽しみながら目標を達成させよう!

(続く)

■いがらし きよし の「バンド料理法」(11)

【1月号】
伝統の看板メニューには、また食べたくなる魅力がある。
~素晴らしい仲間と「喜びと感動」を創くろう!
Text:五十嵐清

あけましておめでとうございます。新年のスタートに際し、改めて吹奏楽部の活動を魅力的にする、
5つの魔法のキーワードを使って今年も『喜びと感動』を味わいましょう。

1.健康管理と学校生活の充実。【責任】
一人ひとりが吹奏楽部員の誇りを持ち、自身の「責任」で健康を保つ。欠席、遅刻、早退をせずに授業に集中し、日常の生活をきちんとする。その先に吹奏楽部活動を通しての学校生活のメモリーがある。睡眠と食事をしっかりして、演奏に耐えうる体力と気力を身につける。

2.人と人のつながり。【思いやり】【感謝】
音楽を一緒に創る仲間がいる。活動を支えてくれる人がいる。演奏を聴いてくれるお客様がいる。つながるためには、礼儀正しさと挨拶が大切。そして仲間への「思いやり」と「感謝」。支援してくれる人や音楽を聴いてくれる人へ「感謝」をこめての『音返し』。

3.美しく豊かな響きへのこだわり。【真剣】【一生懸命】
奏者一人ひとりが、「真剣」に楽曲と向き合い考えて、感性のなかから音にする。「一生懸命」に練習して美しく豊かな音に磨いていく。自分自身の役割を明確に仲間と一緒に調和して、喜びを感じてホールに自分たちのサウンドを響かせて、『音楽を共有する』。

歴代の先輩たちが積み上げてきた伝統に、今の代の思いを積み重ねていく。先ずは、先輩方が行なってきたことを確実にやっていく。その上に自らが考え、他メンバーの考えを知り、アイデアを出し創意工夫しながらコツコツと実行する。そして評価してもらい、改善していく。迷ったらもう一度、活動の基本理念を思い出してみる。この魔法のキーワード

「責任」「思いやり」「感謝」「真剣」「一生懸命」

をその時々に当てはめて、伝統を継承しよう。

■いがらし きよし の「バンド料理法」<きよしこの音>(10)

【12月号】
仲間と食べる料理は、会話も弾み、楽しく、美味しく、最高!
~ 1人の力ではいい音楽は生まれません
Text:五十嵐清

「今、楽器から出している音はあなたの音ですか?」
「一生懸命の音ですか?」
「納得していますか?」
「余裕がありますか?」そして
「仲間の音を聞きながら一緒に音楽を創っていますか?」

完璧ではないけれど、一生懸命出した音には、心が通っています。自分に足りないところは仲間(メンバー)が補い、そこから新たな心が通います。そうしてコツコツ練習を重ね、心を通わせ響きを創っていく音楽が、私の求めているサウンド創りです。

「余裕をもって、自分の力を全て出して演奏していますか?」
そうでないとベストのサウンドになりません。

 吹奏楽部の活動の難しさは、音を合わせることだけではなく、メンバー全員の気持ちを合わせることです。

吹奏楽は誰か一人でも適当な気持ちで活動に「ただ参加」していていると、うまくいきません。一人ひとりが主体性を持って次はこうしようとか、あそこはこう変えようと声を掛け合って、向上心をもっていなと上達していきません。

 大事ことは、表現や形にはそれぞれ個人差があっても、前向きに努力して頑張れる仲間との「信頼感」です。そのために、普段からコミュニケーションを大事にしていますが、ときには衝突もあります。衝突が生まれたときには、冷静にお互いの気持ちになって考えて、「より良い音楽をお客様に伝えるためには何をするか?」をテーマに壁を乗り越えてみてください。

人が人を支えて響きが出てくるので、お互いが理解しあわないと
絶対に心に響く音楽はできません。

「一人の力ではいい音楽は生まれません」

(続く)

■いがらし きよし の「バンド料理法」(9)

【11月号】
秘伝のたれを継ぎ足して、もっと「美味しい」と言ってもらおう!
~今まで蓄えた個人の力を結集してチームの力を高めよう!
Text:五十嵐清

吹奏楽部の活動の難しさは、音を合わせることだけではなく、メンバー全員の気持ちを合わせることです。「音楽」という共通なテーマで、一緒に考え、悩み、笑い、泣き、怒り、そして認め合う。表現や形にはそれぞれ個人差があっても、前向きに努力して頑張れる仲間がいる。そしてその仲間と一つの音楽を創造していく。
 部全体が一丸となって自分達が納得した音で自信をもって、自分たちの魂をこめた音楽をお客様に伝えましょう!吹奏楽部の充実はチーム力の向上がポイントです。

「自分たちの音楽を奏でるため」を考えた合奏でのチーム力のチェックポイント
1.音符について
・発音の統一(何を話しているのかハッキリという)
・音形、長さの統一(響き方、音符の持っているエネルギーの決める)
・消し方の統一(余韻、流れを決める)
・一人一人の音作りの重要性

2.音程について
・お互いの音を聞きあい、寄せ合う

3.ダイナミックスについて
・各曲想、フレーズによりダイナミックスを細かくつける。
・曲全体をみてダイナミックスの推移を明確にする。

4.メロディー、フレーズについて
・メロディーの流れを明確にし、受け渡しを確実にする。
・フレーズの流れを把握し、曲全体の流れを失わないようにする。

5.ブレンド、バランスによるサウンドついて
(ブレンドしてその場面で一番相応しい新しい楽器の音色を創る)
・楽器間のバランス(楽器が大きい、管が太い・長い楽器の音量を大きめにする。)
・各役割、声部の音量のバランス(メロディーvs伴奏(リズム・ハーモニー)vs対旋律)
・Tuttiのサウンドバランス
・楽器の音色のバランス(色彩感)

6.自分達の主張のある演奏、緊張感のある演奏

一人一人が吹奏楽部の音楽創りにどのように貢献し、全員で自信と誇りをもってチームで音楽を主張できているかがとても大切です。(続く)

■いがらし きよし の「バンド料理法」(8)

【10月号】
下ごしらえをしっかりして、素材を生かした旨味を出そう!
~楽曲の「音楽性」を創り出すためのチェックポイント
Text:五十嵐清

<個人、パートセクションでのチェック>

基礎
・姿勢はよいか?
・息を十分使っているか?
・アンブッシャーは正しいか?
・楽器の調子はよいか?
・体の調子はよいか?


・音色はよいか?
・音程は正しいか?
・音符の読み違いはないか?
・音符の形・長さ(アタック コア リリース)は正しいか?
・タンギング・アタック(発音)は正しいか?
・音量は正しいか?

リズム
・テンポは指示どおりか?
・リズムは正しいか?
・拍子感があるか?

技術
・正しいダイナミックスがつけられているか?
・アーティキュレーションは正しいか?
・ブレッシングとフレージングは正しいか?

<分奏、合奏でのチェック>

1)アインザッツ(和声の出だし)
2)アーティキュレーション(イントネーション・スラーなどのかけ方/言い回し)
3)フレージング(音楽・メロディーの切り方、つなげ方、ブレスのしかた)
4)アゴーギグ(緩急法)
5)バランス・ハーモニー

録音や録画をして客観的にもチェックしてみよう!(続く)

メンバー一人一人の心が共鳴して響く、
人間味溢れるそして魂のこもったサウンドを創ろう!

■いがらし きよし の「バンド料理法」(7)

【9月号】
「おもてなしの心 ・ 心から心への音楽」~LIVE(生)演奏の醍醐味
Text:五十嵐清

コンクールや演奏会を間近に控え、皆さんは既に「自分と楽器」「奏者同士」そして「指揮者と奏者」は身も心も一体となっていると思います。本番では(自分たち)吹奏楽部とホール、そして聴衆が一つになれるかにかかっています。

リハーサル(練習)ではホールでのサウンドを生かすための演奏のテクニックを磨きます。ある程度、楽譜上の指示、自分(達)の奏法、演奏スタイル等を変えなければならないこともあります。これは如何にして「自分たちの心」を伝えるかということで、そのために奏法を変えるのであって、自分たちの芸術性を変えることではないのです。そして音楽演奏は、「瞬間芸術であり空間芸術」ですから、演奏会場(ホール)に来ないと音楽は創れませんし、最終的に芸術が完成しないのです。どのように音楽を創り、どのようなテクニックをもってすれば、自分が演奏している曲に対して感じていること、聴衆に伝えたいこと、自分達の気持ち(心)を正直に素直に伝えられるかが最も大切であり、難しいことです。

学校などで練習していることは、ひたすら自分(達)の持っているパーツ部品の全てを完璧な状態にして、パーツ部品を磨き上げる作業にすぎません。私達はステージ上でしかもそこに聴衆がいて、(お客様と)一緒にならなくては音楽を組み立てられないのです。自分勝手には組み立ててはいけなく、また本来出来ないのです。ですから「生きた音楽というものがステージで瞬間的にどんどん生まれては消えていく。そしてどんどん聴衆の心の中に入っていく」ことができると思います。意図的に自分達だけで作った上辺の演奏は聴衆には伝わりません。その代わり素直に自分達の心から込み上げた思いは聴衆に必ず伝わります。音楽は一方通行ではありません。

自分の内側(=心)から込み上げてくるものは、聴衆の琴線 に触れています。その感動しているという心がまた自分にも伝わり戻ってきます。つまり相互の対話なのです。投げかけを何度も繰り返しながら音楽がホールの中でいろいろと変化していく、それがLIVE演奏であり、聴衆と演奏者が一体になるということです。実際LIVEで何に心を打たれるかというと、奏者が今演奏している曲をとても大切にしている気持ちです。奏者の姿を見ながら、音楽に対してとても謙虚で、楽しんで演奏していることが伝わってくることがどんなに素晴らしいことか。

ステージでは自分の内面から感じて、心と身体全体を使い音楽を表現し、そして仲間と共に音楽をしている喜びを感じられる、「魂」がこもった演奏をしましょう!

LIVE演奏での醍醐味は、その瞬間瞬間で、
指揮・奏者・聴衆・顧問・コーチ・保護者・先輩や部員など
関わった全ての人と音楽を分かち合える「興奮と感動」なのです。
(続く)

■いがらし きよし の「バンド料理法」(6)

【8月号】
奥深い味わいを求めて、一つ一つ丁寧に気持ちをこめて!
~楽譜の全ての音を、心を込めて奏でることで、「感動」という音楽の味わいが出てくる
Text:五十嵐清

コンクールに向けて、音楽に没頭でき楽器を練習することができる素晴らしい環境を、私たちを応援して頂いている方々が用意して下さいました。中身を充実させ、結果に結びつけるのは部員一人一人です。
では、Q:皆さんはコンクールまでに何をしますか?
A:コンクール曲の譜面を完璧に吹けるようにします。
Q:「完璧」とは?
A:楽譜にある音符を間違えずに吹くことです。

その通りですね。しかしそれだけではもの足りません。
皆さんは、楽曲を細部まで吟味し、納得し、統一した考えを持って創ってほしいと思います。そして、場面場面でどの様な自分たちの気持ちを聴衆に伝えたいのか?(例えば、楽しいウキウキした気持ちなのか?大海原のような包容力をもって歌いたいのか?悲しみをこらえて生きていこうとしているのか?等)を考え、楽器を通して話し合い(言葉で話し合う必要があるときは楽器の音を出せない時間帯に)、演奏してほしいのです。自分(達)が納得するまで音楽を創って下さい。そして、休符や休みのフレーズでも音楽へ参加していて下さい。楽曲は時間と共に進み生きています。指揮者が指揮台に立った時から始まり、指揮棒を降ろしリラックスしたときまでが音楽です。曲の途中で休符だからといって気を抜いたりしては音楽が壊れます。 

「歌え!音符一つ一つ心を込めて歌え。休止符も歌えているか?
どんな素晴らしい演奏でも、歌わなければ音楽はゼロである。
心のこもった歌を聴衆に伝えることが大切である。」

この時はじめて「音楽」が奏でられます。そうすることにより、奏者自身はもとより、聴衆と音楽の感動を分かち合えるのです。 

【自】らの【心】を「息」に託して、信頼できる仲間と一緒に
全ての音を、心を込めて丁寧に奏でて下さい。
そうすることで「感動」という音楽の本質が生まれます。

(続く)

■いがらし きよし の「バンド料理法」(5)

【7月号】
「美味しい」と言ってもらうために!
~今まで蓄えた個人の力をチーム全体で発揮させよう!
Text:五十嵐清

「各学校吹奏楽部独自の音楽を奏でるため」の合奏でのチェックポイント

1.音符について
・発音の統一(何を話しているのかハッキリという)
・音形、長さの統一(響き方、音符の持っているエネルギーを決める)
・消し方の統一(余韻、流れを決める)
・一人一人の音作りの重要性

2.音程について
・息を腹(肺)よりスピードをもって、次々に送り込む。
・お腹を引っ込めないように、息を出しているとき支える。
・声に出して歌ってみる(ピアノと合わせてみる)
・楽器間のバランスを調整する。(楽器が大きい、管が太い・長い楽器の音量を大きめにする。)

3.ダイナミックスについて
・各曲想、フレーズによりダイナミックスを細かくつける。
・曲全体をみてダイナミックスの推移を明確に実行する。

4.メロディー、フレーズについて
・メロディーの流れを明確にし、受け渡しを確実にする。
・フレーズの流れを把握し、曲全体の流れを失わないようにする。

5.ブレンド、バランスによるサウンドついて
(ブレンドしてその場面で一番相応しい新しい楽器の音色を創る)
・各役割、声部の音量のバランス(メロディーvs伴奏(リズム・ハーモニー)vs対旋律)をとる。
特にTuttiのサウンドが崩れないように。一つの楽器(のみが飛び出ないようにする。  
・楽器の音色のバランス(色彩感)をとる。

6.自分達の主張のある演奏、緊張感のある演奏
息が全てです。吸った空気を息に変換し音楽を奏でる。空気を吸うタイミングや量、息のスピードや支えを会得して、自分の意思でコントロールできるようにして下さい。
以上のテクニックをもとに、

一人一人が吹奏楽部の音楽創りにどのように貢献し、全員で自信と誇りをもって自分たちの音楽を主張できているかがとても大切です。(続く)

■いがらし きよし の「バンド料理法」(4)

【6月号・後半】
素材の旨味を出そう!
~メンバー一人一人の味わいを出す

Text:五十嵐清

楽器から出している音はあなたの音ですか?
一生懸命の音ですか?
そして「気持ち・心」がこもっていますか?

完璧ではないけれど、一生懸命出した音には、気持ち・心が通っています。自分に足りないところは仲間のメンバーが補ってくれます。そして通じ合い新しい心が生まれます。そうしてコツコツ創っている音楽が独自サウンドです。

「常に今の自分の力を全て出して演奏していますか?」

そうでないとベストのサウンドではありません。
個人個人の味わいが加味されていないサウンドではいけないと思います。

吹奏楽部の活動の難しさは、音を合わせることだけではなく、メンバー全員の気持ちを合わせることです。「音楽」という共通なテーマで、一緒に考え、悩み、笑い、泣き、怒り、そして認め合う。表現や形にはそれぞれ個人差があっても、前向きに努力して頑張れる仲間がいる。そしてその仲間と一つの音楽を創造していく。
 
部全体が一丸となって自分達が納得した音で自信をもって、自分たちの魂をこめた音楽をお客様に伝えましょう!

一人一人の心が合わさって響く、
人間味溢れる そして 魂のあるサウンド、
それが 私たち 吹奏楽部 の魅力です。

(続く)