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【コラム】富樫鉄火のグル新 第2回「レコ芸」に「吹奏楽」欄

 クラシック音盤批評誌「レコード芸術」(音楽之友社)の新譜月評欄に、「吹奏楽」のジャンルが誕生した。

 同誌は、1952年創刊、現存する日本最古の、クラシックCD&DVD情報・批評の月刊誌。昨今のCD不況で、かつてほどの威力はなくなったが、いまでも、同誌で「特選盤」に選出されることは、クラシック音盤界の最高栄誉といえる。さらに、同誌で選出された中から、年に一度、「レコード・アカデミー賞」なる究極の栄誉も与えられる。

 いままで同誌の新譜月評欄は、「交響曲」「管弦楽曲」「協奏曲」「室内楽曲」「器楽曲」「オペラ」「声楽曲」「音楽史」「現代曲」の9ジャンルに「ビデオ」「録音評」「再発売」を加えた、計12ジャンルで構成されていたが、ここに新たに「吹奏楽」ジャンルが加わったのだ。

 新譜月評は、各欄を2人の評論家が担当するが、「吹奏楽」欄は、佐伯茂樹(音楽評論家)と中橋愛生(作曲家)の2氏が担当。佐伯氏は特に管楽器に詳しく、中橋氏はBP読者には説明不要の人気作曲家だ。

 1月号では、大阪市音楽団の「ダッチ・マスターズ組曲」(フォンテック)、フィルハーモニック・ウインズ大阪の「オオサカン・ライヴ・コレクションin WASBE」(グリーン・ミュージック)、寺田由美パーカッション・アンサンブルの「ドライヴⅡ」(ワコーレコード)の3枚が取り上げられている。

 クラシック誌で吹奏楽がまともに取り上げられたのは、10年前にたった1年で露と消えた「グラモフォン・ジャパン」以来ではないか。

 今後、毎月定番の欄になるのか。
レコード・アカデミー賞にも「吹奏楽」部門ができるのか。
「ニュー・サウンズ・イン・ブラス」みたいなCDは取り上げられるのか。
「中橋愛生作品集」なんてCDも中橋氏本人が批評するのか。
いろいろ考え始めると夜も眠れなくなるが、とにかく、「レコ芸」のような老舗クラシック誌で「吹奏楽」がまともに取り上げられたのは快挙だと思う。素直に喜びたい。

■ダッチ・マスターズ組曲/大阪市音楽団
■オオサカン・ライブ・コレクション in WASBE「大阪俗謡による幻想曲」
■ドライヴII~10人の邦人作曲家による打楽器アンサンブル作品集~
 富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)


※本稿の著作権は富樫鉄火が、出版権はバンドパワーが独占しています。両者の許諾なく、出典元表記のない引用や、引用の範囲を超えた複写、コピー&ペーストを固く禁止します。

【コラム】富樫鉄火のグル新 第1回 紅白雑感

 2009年大晦日の紅白歌合戦。
スーザン・ボイル程度の歌声に感動している人は、オペラを知らないのだと思う。声と容姿のギャップが面白いというなら、ビルギット・ニルソンやモンセラ・カバリエ、ジェシー・ノーマンのほうがスゴイ。イギリスには、ディレッタント(アマチュア好事家)を愉しむ習慣がある。ホフヌング音楽祭しかり、ブラス・バンド人気しかり。彼女の人気はその延長線上にあるんじゃないか。

 マイケル・ジャクソンは、いつから、あんな「聖人」になったのか。彼は、過度の整形手術や白人願望、少年愛好癖で、半ば反社会的存在だったんじゃなかったのか。NHKが最も嫌うタイプじゃないのか。そもそも、あの日の紅白で、キムタクより氷川きよしのほうがマイケル的だったと感じたのは私だけだろうか。

 いきものがかりもアンジェラ・アキも、自作のNHK学校音楽コンクール課題曲を歌ったが、吹奏楽コンクール課題曲もがんばってほしい。吉田美和(ドリカム)やレミオロメンあたりにマーチ・メロディを書いてもらい、清水大輔や福田洋介が吹奏楽編曲して課題曲にし、大晦日にNHKホールで、歌詞付きで大合同合奏するとか、やってほしい。

 布施明が、若手に枠を譲るため、今年で紅白を卒業するとか公言したそうだが、これ、歌手として芸能人として、あるまじき言葉じゃないのか。しがみついてでも紅白に出続けてこそ「国民歌手」じゃないのか。だいたい、そんなこと言ってたら、北島三郎や五木ひろし、和田アキ子なんて、どうすりゃいいのか。

 久石譲作曲の紅白テーマ曲《歌の力》は、きれいな曲だったが、あんな難しい曲、そう簡単に歌えるとは思えない。現に、出場歌手たち、フラフラになっていた。どこか《城ヶ島の雨》と《冬の星座》と《ボレロ》を合体させたような曲だった。

 審査員の白鵬と森光子は、眼前で見せられたものを理解できていたのか、気になって仕方がない(それぞれ、別の意味で)。

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)


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