「グル新」カテゴリーアーカイブ

【コラム】富樫鉄火のグル新 第14回 カーテン・アップ

 いまやアンコンたけなわで、ほとんどの地区が支部大会に突入していると思う。私も、関東近県の予選や支部大会には可能な限り行っているのだが、いつも気になるのが、朝、演奏開始まで、舞台上の「幕」が下りている会場があることだ。

 下りていた幕を、開会式や審査員紹介が終わってから上げると、舞台上から冷たい空気がサーッと客席に流れ込んでくる。それほど舞台上は冷え切っているのだ。特に1階前方に座っていると、ハッキリわかる。先日、ある会場では、ブルブルッと寒気を感じるほどの冷気が流れ込んできた。

 舞台のすぐ裏が搬入口になっているような会場(多くが、そうだと思う)だと、それは、明らかに「外気」であることもわかる。客席の「暖気」と舞台上の「外気」が混ざり合って一体となるのに、しばらく時間がかかる。

 つまり、朝早い出番の団体は、会場によっては「外気」の中で演奏するようなものなのだ。アンコンは冬のイベントだから、地方によっては、「外気」の冷たさは尋常ではない。

 そうなると、管楽器のピッチや膜質打楽器の調整に、朝早い団体ほど、不利を被ることになりはしないか。

 これはコンクールでも同様で、すべての会場で、朝の開始前から幕を上げきって、少しでも客席と舞台上の空気が混ざり合っているようにしてあげたほうがいいのではないか。アンコンはエンタテインメントではなく「審査」なのだから、「カーテン・アップ!」(開幕!)の演出は必要ないと思う。

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)


※本稿の著作権は富樫鉄火が、出版権はバンドパワーが独占しています。両者の許諾なく、出典元表記のない引用や、引用の範囲を超えた複写、コピー&ペーストを固く禁止します。

【コラム】富樫鉄火のグル新 第13回 小沢一郎

 たとえば、仮に、こんな吹奏楽部があったとする。

 ホルンの雄叫びが決めどころになっている課題曲があった。しかし、そのバンドは、どうにもホルンが弱く、力強い音が出ない。

 困った指導者は、トロンボーンやユーフォニアムあたりに、その部分だけ、こっそり、ホルンの譜面を一緒に吹かせることにした。部員は「課題曲を改変しては、まずいんじゃないですか」と一応いうのだが、指導者は「俺のいうとおりにしていればいい。師匠の田中角B先生だって、同じことをやっていたんだ」と退ける。

 あるいは、OBを呼んできて、本番当日、その学校の制服を着せてこっそり一緒に演奏させる。部員は「生徒以外を入れては、まずいんじゃないですか」と一応いうのだが、指導者は「俺のいうとおりにしていればいい。師匠の田中角B先生だって、同じことをやっていたんだ」と退ける。

 後日、それらが発覚し、その団体は失格となる。周囲からは非難が集中するが、指導者は「部員が勝手にやったことで、私は知らない」、さらには「コンクール真っ盛りの中で、このような指摘があったことに、意図的なものを感じる。私は徹底的に闘う」と開き直る。

 いまの小沢一郎って、これに似ていないか。

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)


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【コラム】富樫鉄火のグル新 第12回 誰がJALを潰したのか

 JALがこんなことになってしまった理由は、巷間の報道によれば「親方日の丸体質」とか「政財官なれあいの果て」とか「7つもある労組の対立」とか、様々に指摘されている。

 私は、週刊誌記者をやっていた若いころ、日航機の羽田沖墜落事故(1982年)や、御巣鷹山墜落事故(1985年)を取材したことがある。そのとき、会社側よりも、組合が取材対応に熱心で、「変な会社だなあ」と思った記憶がある。組合は、事故の原因を「会社側の労働強化」の方向にもって行きたかったようで、それゆえアピールに懸命だったのだろう。

 JALをモデルにした小説『沈まぬ太陽』連載中は、掲載誌を、全便に搭載させなかったそうだ。このときも「細かいことに敏感な会社だなあ」と思ったものだ。

 でも、今回の事態を、会社や組合のせいばかりにするのも、いかがなものか。

 まともに乗客もいない不便な土地に、次々と空港をつくらせて、JALを就航させてきた自民党政府と政財官の責任も重大だと思う。

 昨年、CD『ジャンヌ・ダルク~グラステイル作品集』の録音が、北九州市立「響ホール」で行なわれた。ライナー・ノーツを書く関係で、レコーディングを見学させてもらうことになった。

 私は東京在住なので、このあたりの土地勘がない。てっきり「北九州市」にあるのだから、「北九州空港」の近くなのだろうと、東京(羽田)→北九州のJAL便で飛んだ。

 ところが、到着して驚いた。この空港、海の上にあるじゃないか。電車の駅もはるか遠くで、市内に到着するまでエラく時間を要した。こんなことなら、便数も電車アクセスも豊富な福岡便にすればよかったと後悔した。往復チケットだったので、帰路も北九州空港から乗ったが、昼間だというのに空港内はガラガラで、ゴーストタウンのようだった。

 そういえば、私の知人に佐賀市在住の者がいるが、彼は、いまでも上京するのに、佐賀空港を使わないそうだ。「場所が不便だし、便数も1日にたった4便。電車か直行シャトルバス経由で福岡空港を使うほうが早くて便利だ」と言っていた(佐賀空港はANA便のみらしいが)。

 こんな不採算空港を日本中につくりつづけておいて「あとはよろしく」、ダメになったら人員削減、年金減額では、JALだって気の毒だ。不採算空港を推進してきた政財官の連中が、まず責任をとるべきじゃないのか。

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)


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【コラム】富樫鉄火のグル新 第11回 なにせ全国大会が松山なので……

 前回、松山⇔東京の往復交通に関して、あれこれと綴ったら、さっそく「鉄」系の友人から、「帰路に関しては、こういうルートもあるよ」と、連絡が来た。

 それは、「夜行列車」に乗るんだそうだ。

 まず、会場そばの伊予鉄(路面電車)に、「南町・県民文化会館前」から乗車、「松山」駅へ向かう(約15分)。

 「松山」駅19:36発の「いしづち32号」に乗車。「坂出」に21:42着、21:45発「サンライズ瀬戸」に乗り換え(3分で乗り換え可能なのだろうか)。

 これだと、翌朝の7:08に「東京」駅着なんだそうだ。始業には間に合いそうだ。

 場合によっては、審査発表を全部聞けないかもしれないが、どうせすぐネットに出るから、とにかく、「松山」駅発19:36に間に合うよう、会場を出ることになる。

 ところが、その友人によると、「サンライズ」は人気があって、なかなか切符が取れないらしい。寝台料金もかかるそうだ。これが難点なんだとか。

「でも、<ノビノビ座席>の車両だと、フェリーの雑居部屋みたいな絨毯敷きで、寝台料金はかかりません」

 とのことだった。時間的には高速バスとほとんど同じだが、環境としては、ずっとラクらしい。

 しかし、いったい、私、何を書いているんでしょうか。これ、音楽がらみのコラムじゃなかったんでしょうか。

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)


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【コラム】富樫鉄火のグル新 第10回JAL「倒産」

 今年の全日本吹奏楽コンクール全国大会(大職一)は、四国愛媛の松山にある「愛媛県県民文化会館」(ひめぎんホール)で開催されるそうだ。電車で行けなくもないが、出場者もリスナーも、ほとんどが航空便を利用するだろう。

 松山空港は、国内7箇所の空港と往復便で結ばれている。

 仮に東京在住者の場合……。

 1日目の大学の部は午後からの開始だろうから、当日出発で何とかなりそうだが、問題は2日目、朝から開始されるはずの職場一般の部である。もし、この日だけを全部聴くとなると、東京発の第一便は07:35発→松山着08:50。この便で当日出発しても、おそらく開演には間に合わないか、ギリギリだろう(空港からホールまではバスで40分)。安全のためには前日入りするしかない。

 さらに問題は帰りである。東京行きは、松山発19:15が最終だ。2日目、審査発表を聞いてからでは、ちょっと危うい。

 こうなると、土曜日午前中に松山入りし、その日は大学の部を全部聴いて、夜は道後温泉「坊っちゃん湯」で一泊、翌日曜日は朝から職一の部を全部聴いて、また一泊。月曜日に帰路に着くしかないのか。勤め人は月曜日に有給をとり、二泊三日の吹奏楽&温泉三昧をすることになるのか。

 ここで気になるのが、日本航空(JAL)の動向である。週刊文春は「史上最大の『倒産』」とまで報じている。現在、松山とJALで結ばれているのは「東京」「名古屋小牧」「福岡」の3空港である。1日に何便あるかというと、

  東京⇔松山    JAL5往復、ANA6往復
伊丹⇔松山    JALナシ、ANA8往復、JAC7往復
中部国際⇔松山  JALナシ、ANA2往復
名古屋小牧⇔松山 JAL2往復
福岡⇔松山    JAL4往復
鹿児島⇔松山   JALナシ、JAC2往復
沖縄⇔松山    JALナシ、JTA2往復
(2010年1月現在)

 もしもこれが路線廃止や減便、小さい機種に変更されたりしたら、いったいどうなるのだろう。特にJAL便しかない名古屋や福岡はたいへんだ。

 電車だと、新幹線で岡山まで出て、そこから3時間弱かかるようですよ。仮に朝6時に東京を新幹線で発つと、松山着が昼の12時過ぎになる。帰りは、松山駅を19時半ころに出発すると、その日は、新大阪までしかたどりつけない。

 あとは、高速バスか。新宿を21:30に出発すると、松山着が翌朝8:40。帰路は、松山発が19:40で、新宿着が翌朝7:00。う~ん、これなら何とか? でも、片道12時間近く。オジサンにはきついなあ。

 前原大臣、せめてコンクール全国大会までは、JALは、そのままにしてあげてくれませんか。せっかく松山は『坂の上の雲』で盛り上がっている(はずな)んですから。

富樫鉄火(吹奏楽大好きの音楽ライター)


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