「グル新」カテゴリーアーカイブ

【コラム】富樫鉄火のグル新 第188回 文学座アトリエ公演『冒した者』

創立80周年を迎えた文学座が、意欲的な記念公演をつづけている。今月は、三好十郎作『冒した者』が上演された(演出=上村聡史/文学座アトリエにて、9月19日観劇)。

昭和27年7月に劇団民藝が初演した芝居である(演出=岡倉史郎・三好十郎)。当時の出演は、滝沢修、宇野重吉、清水將夫、細川ちか子、奈良岡朋子――とある。民藝は、この年だけでも5~6本の映画製作に参加しており、上記役者たちのほとんどがそれらに出演している。そのかたわら、これほど重量級の芝居を初演していたことに驚かされる。

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【コラム】富樫鉄火のグル新 第187回 なかった昔にもどる

「現代思想」7月臨時増刊号は、人類学者・中沢新一の責任編集で「総特集・築地市場」を組んでいる。最近、もっとも面白く読んだ雑誌だった。

この中で、世界的なチェリストで指揮者のムスティスラフ・ロストロポーヴィチ(1927~2007)のエピソードが紹介されている。彼はたいへんな築地市場ファンで、来日のたびに訪れ、セリに聴き入って「これが日本のオペラだ」と感動していた。これは親日家スラヴァ(彼の愛称)を象徴するエピソードとしてよく知られた話なのだが、そもそもなぜ、思想誌「現代思想」が、築地市場を特集したのだろうか。

先日、なじみの料理屋のご主人が築地市場へ仕入れに行くのに、同行させてもらった。そこで感じたことは、築地市場の、動線設計の見事さだった。

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【コラム】富樫鉄火のグル新 第186回 作曲家ヒューゴ・アルヴェーン

先日、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催された「EUフィルムデーズ2017」で、デンマーク・スウェーデン合作映画『マリー・クロヤー 愛と芸術に生きて』を観た(ビレ・アウグスト監督、2012年)。
2月の「トーキョーノーザンライツフェスティバル2017」(北欧映画祭)でも上映されたばかりだ。

19世紀末のデンマークの画家、ペーダー・セヴェリン・クロヤー(1851~1909)の妻、マリー・クロヤー(1867~1940)の物語である。
彼女自身も画家であり、かつ夫クロヤーの重要なモデルであった。
だがこの夫は精神に異常を来たし、さんざん家族を苦しめる。
映画は、そんな夫に翻弄される妻マリーの苦悩を描く。

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【コラム】富樫鉄火のグル新 第185回 映画『メッセージ』

テッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』(原題Story of Your Life)が、『メッセージ』(原題Arraival)と題して映画化された。

新聞雑誌、ツイッター、ネット上など、どこでも絶賛である。

ついにあの印象深い小説が映像化されたのか、しかもそんなに出来がいいのか――と、鼻息荒く劇場へ駆けつけた。

しかし、少々残念な映画だった。

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【コラム】富樫鉄火のグル新 第184回 ナクソス30周年記念ボックス

約20年前、ある音楽雑誌を起ち上げた際、真っ先に飛んできてくれたレコード会社が2社あった。
どちらも、雑誌の詳しい内容も聞かず、広告の年間出稿を申し出てくれた。
うれしくて涙が出た。
そのうちの1社が、ナクソス・ジャパンである(正確には、当時の日本総代理店「アイヴィ」)。

あるとき、同社のN社長から、1枚のFaxを見せられたことがある。
レコード業界団体から小売店に発信されたらしい文書で、「最近、香港で製作された安価なCDが大量に輸入されているので、扱いに注意してほしい」といった主旨だった。

明らかにナクソスを指していると思われた。

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