「グル新」カテゴリーアーカイブ

【コラム】富樫鉄火のグル新 第186回 作曲家ヒューゴ・アルヴェーン

先日、東京国立近代美術館フィルムセンターで開催された「EUフィルムデーズ2017」で、デンマーク・スウェーデン合作映画『マリー・クロヤー 愛と芸術に生きて』を観た(ビレ・アウグスト監督、2012年)。
2月の「トーキョーノーザンライツフェスティバル2017」(北欧映画祭)でも上映されたばかりだ。

19世紀末のデンマークの画家、ペーダー・セヴェリン・クロヤー(1851~1909)の妻、マリー・クロヤー(1867~1940)の物語である。
彼女自身も画家であり、かつ夫クロヤーの重要なモデルであった。
だがこの夫は精神に異常を来たし、さんざん家族を苦しめる。
映画は、そんな夫に翻弄される妻マリーの苦悩を描く。

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【コラム】富樫鉄火のグル新 第185回 映画『メッセージ』

テッド・チャンの短編小説『あなたの人生の物語』(原題Story of Your Life)が、『メッセージ』(原題Arraival)と題して映画化された。

新聞雑誌、ツイッター、ネット上など、どこでも絶賛である。

ついにあの印象深い小説が映像化されたのか、しかもそんなに出来がいいのか――と、鼻息荒く劇場へ駆けつけた。

しかし、少々残念な映画だった。

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【コラム】富樫鉄火のグル新 第184回 ナクソス30周年記念ボックス

約20年前、ある音楽雑誌を起ち上げた際、真っ先に飛んできてくれたレコード会社が2社あった。
どちらも、雑誌の詳しい内容も聞かず、広告の年間出稿を申し出てくれた。
うれしくて涙が出た。
そのうちの1社が、ナクソス・ジャパンである(正確には、当時の日本総代理店「アイヴィ」)。

あるとき、同社のN社長から、1枚のFaxを見せられたことがある。
レコード業界団体から小売店に発信されたらしい文書で、「最近、香港で製作された安価なCDが大量に輸入されているので、扱いに注意してほしい」といった主旨だった。

明らかにナクソスを指していると思われた。

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【コラム】富樫鉄火のグル新 第183回 書評『コンスタンツェ・モーツァルト「悪妻」伝説の虚実』

先日、居酒屋のテレビでニュースを見ていた隣席のオヤジが「また森友学園かよ~。日本人は飽きっぽいねえ。すぐ新しい話題に飛びつく。トランプとか金正男は、どうなっちゃったのよ~」とブツブツ言っていた。

そしてガリ・サワーなぞを呑みつつ「昨日まで天皇陛下万歳だったのに、敗戦になるや否や、民主主義礼賛になった国民だからな~。こんなもんかな~」などと日本人の変わり身の早さに呆れているのであった。

確かにそういう面もあるかもしれないが、これらの話題には共通点がある。
トランプも金正男も森友学園も、すべて「家族」がキイワードなのである。

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【コラム】富樫鉄火のグル新 第182回 「教育勅語のすすめ」

いま話題の森友学園が運営する幼稚園では、「教育勅語」を園児に朗読だか暗誦だかさせるそうである。
「教育勅語」と聞くと、忘れられない思い出がある。

わたしは、1970年代からの約10年間(中学~高校~大学の時期)、テレビ番組「題名のない音楽会」の定期会員となって、公開録画の8~9割がたに通った(隔週金曜日夜、渋谷公会堂にて)。
もちろん、作曲家の黛敏郎(1929~1997)が企画・司会をつとめていた時期である。

1977年、この番組で「教育勅語のすすめ」と題する公開録画があった。

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