■ギャルド・レピュブリケーヌ「ガーシュウィン / ドビュッシー / ブートリー / ラフマニノフ

1996年、ギャルド・レピュブリケーヌ楽友協会(S.A,A,M.A.M.G.R.)が制作した自主制作盤。パリ市内のステュディオ・デュ・パレ・バリでセッションが行なわれ、プロデュースはジャン=イヴ・エイジ、エンジニアはフィリップ・ラフォンが担った。

1973年から1997年まで首席指揮者をつとめたロジェ・ブートリー(1932~2019)時代のギャルド・レピュブリケーヌのさまざまな演奏形態が示されているアルバムで、メインの吹奏楽団のほか、オーケストラ、サクソフォン・クインテットの演奏を収録。録音が行なわれた1996年が、ブートリーが定年を迎える前年ということもあり、すべてがブートリーをリスペクトする内容となっている。

ピアニストとしても来日したことがあるブートリーは、このアルバムで唯一フルート奏者のパトリック・デスルーモーが代わって指揮をとっているガーシュウィンの『ラプソディー・イン・ブルー』ではピアニストとして登場。ドビュッシーの『牧神の午後への前奏曲』とラフマニノフの『ヴォカリーズ』では自らのトランスクリプションを指揮し、残る3曲『ディヴェルティメント』(アルト・サクソフォンと弦楽オーケストラのための)、『イムプロヴィゼイションズ(即興集)』(サクソフォン・クインテット)、『テトラーデ』(吹奏楽)では、現代作曲家としての顔を見せる。

それは正しくワンマンショー! 一時代を画したひとりのフランス人音楽家の個性が凝縮されたアルバムだ!!

【ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団】
フランス共和国が世界に誇る“大統領直属”の軍楽隊。1848年、金管と打楽器による12名でスタート。次第に吹奏楽団としての形態を整えていき、1880年代半ばまでに、75名の陣容にまで拡充されている。世界各国に演奏旅行を行ない、交響吹奏楽団として世界的名声を誇る。フローラン・シュミットの「ディオニソスの祭り」やポール・フォーシェの「交響曲」など、時代を代表する作曲家たちがこの吹奏楽団のためにこぞってオリジナル作品を書いている。以前は、指揮者を含め、全員がパリ音楽院で1等賞を得て卒業した音楽家で構成されていたが、現在でも8割近くが同音楽院出身者で占められている。弦楽セクションも合わせ持ち、オーケストラ演奏も可能。フランス管楽器界の中心的存在として活躍が続いている。1961年の初来日以来、度重なる日本公演で国内にも多くのファンをもっている。

■ギャルド・レピュブリケーヌ
ガーシュウィン / ドビュッシー / ブートリー / ラフマニノフ

Les Orchestres de la Garde Republicaine
Gershwin / Debussy / Boutry / Rachmaninov
https://item.rakuten.co.jp/bandpower-bp/cd-4649/

【データ】

・演奏団体:ギャルド・レピュブリケーヌ吹奏楽団(L’Orchestre d’harmonie de la Garde Republicaine)2、5、6 / 同オーケストラ(L’Orchestre de la Garde Republicaine)1、3 / 同サクソフォン・クインテット(Quintette de Saxophones)4
・指揮者:ロジェ・ブートリー(Roger Boutry)2~6 / パトリック・デスルーモー(Patrick Desreumaux)1
・発売元:自主制作(Amicale des Musiciens de la Garde Republicaine)
・発売年:1996年
・収録:1996年、Studio du Palais Paris, France

【収録曲】

  1. ラプソディー・イン・ブルー(1929)/ジョージ・ガーシュウィン【17:00】
    Rhapsody in Blue/George Gershwin
    ピアノ(Piano):ロジェ・ブートリー(Roger Boutry)
    クラリネット(Clarinet Solo):シルヴィー・ユー(Sylvie Hue)
  2. 牧神の午後への前奏曲/クロード・ドビュッシー(trans. ロジェ・ブートリー)【9:12】
    Prelude a L’Apres-midi d’un Faune/Claude Debussy(trans. Roger Boutry)
    フルート(Flute Solo):ピエール・カロン(Pierre Caron)
  3. ディヴェルティメント/ロジェ・ブートリー【8:30】
    Divertimento/Roger Boutry
    アルト・サクソフォン(Alto Saxophone):ジョルジュ・ポルテ(Georges Porte)
    I) アレグロ・マ・ノン・トロッポ Allegro ma non troppo【3:08】
    II)アンダンテ – カデンツァ – プレスト Andante – cadence – presto【5:22】
  4. イムプロヴィゼイションズ(即興集)/ロジェ・ブートリー【4:58】
    Improvisations/Roger Boutry
    I) アレグロ Allegro【0:51】
    II)ヴァルセ・レンテ Valse lente【1:06】
    III)フガート Fugato【0:44】
    IV)インテルメッツォ Intermezzo【0:58】
    V)終曲 Final【1:19】
  5. テトラーデ/ロジェ・ブートリー【13:18】
    Tetrade/Roger Boutry
    I) アレグロ・コン・フォーコ Allegro con fuoco【1:36】
    II)アレグロ・スケルツァンド Allegro scherzando【2:24】
    III)アンダンテ・マエストーゾ Andante meastoso【6:13】
    IV)アレグロ・ジョコーゾ Allegro giocoso【3:05】
  6. ヴォカリーズ/セルゲイ・ラフマニノフ(trans. ロジェ・ブートリー)【5:32】
    Vocalise/Sergei Rachmaninov(trans. Roger Boutry)

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■樋口幸弘のウィンド交友録~バック・ステージのひとり言 第124話 ウィンド・ミュージックの温故知新

▲チラシ – Osaka Shion Wind Orchestra 第131回定期演奏会(2020年6月7日、ザ・シンフォニーホール、コロナ禍のため中止)

▲「シンフォニア」Vol.37(ザ・シンフォニーホール、発行:2020.1.10)

『今回初めてShionと共演することになりました指揮の汐澤安彦です。この演奏会では、吹奏楽版アレンジをきっかけにしてよく演奏されるようになったクラシックの作品をたっぷりとお聴きいただきます。Shionのパフォーマンスを最大限に引き出すコンサートになると思いますので、どうぞご期待ください。』(原文ママ)

コロナ禍がなかったら、2020年(令和2年)6月7日(日)午後2時から、大阪のザ・シンフォニーホールで行なわれていたはずの「Osaka Shion Wind Orchestra(オオサカ・シオン・ウインド・オーケストラ) 第131回定期演奏会」のために、同ホールの広報誌「シンフォニア」Vol.37(2020年1月10日発行)に寄せた指揮者、汐澤安彦さんのメッセージだ。

この初顔合わせは、全国的にファンの関心を呼び覚まし、筆者個人としても、とても楽しみにしていたドリーミーな企画だった。

筆者が、汐澤さんとはじめてご一緒する機会を得た現場は、1988年(昭和63年)4月14日(木)、東京・杉並の今はなき普門館だった。その日は、2日後の4月16日(土)に同ホールで開催する東京佼成ウインドオーケストラとロイヤル・エア・フォース・セントラル・バンド(The Central Band of the Royal Air Force)による《日英交歓チャリティーコンサート》の合同リハーサルの日で、汐澤さんは、東京佼成ウインドオーケストラ単独ステージの指揮者だった。(参照:《第10話“ドラゴン”がやってくる!》

結果的に、この《日英交歓チャリティーコンサート》は予想以上の成果を上げ、その翌日の4月17日(日)には、同じ普門館でロイヤル・エア・フォース(RAF)単独のコンサートを主催。もちろん、この日は汐澤さんの出番はなかったが、『バンクスさんの演奏を聴きたいと思って。』と、前日共演したRAFの指揮者エリック・バンクス(Eric Banks)の本番を聴くために一聴衆として来場され、『面白いですねー。“威風堂々”(第1番)のテンポがまるで違い、思ってたより速い。我々がいつもやってるのはもっと遅いので….。』などと語られたのをまるで昨日のことのように鮮明に覚えている。

その後も、東芝EMIのセッションなど、何度か接点があり、同社ディレクターの佐藤方紀さんが運転する車でお送りしたこともあったが、どこで調べたのか、『汐澤です。』といきなり自宅に電話がかかってきて楽譜の入手法の相談を受けたり、当方のラジオ番組を応援する葉書を頂いたりと、少々面喰った想い出もある。ただ、いつも感じたのは、話が分かりやすく面白いことと飽くなき探究心!!

なので、Shionで大阪に滞在されるなら、演奏会はもちろん、久しぶりに愉しい話を伺えるのではないかと、本当に心待ちにしていた。それなのに、コロナのやつめ!!

汐澤さんは、1938年(昭和13年)、新潟県上越市の出身。1962年に東京藝術大学器楽科を卒業し、1964年に同専攻科修了。トロンボーンを山本正人、指揮を金子 登の両氏に師事。1962年から8年間、読売日本交響楽団のバス・トロンボーン奏者をつとめ、その傍ら、桐朋学園大学で指揮法を齋藤秀雄氏に師事。1960年代半ばから指揮活動を始め、1973年に民音指揮コンクール第2位入賞。1975年に渡欧し、ベルリン音楽大学、カラヤン・アカデミーに学んだ。

オーケストラやオペラ、合唱のほか、東京吹奏楽団、東京佼成ウインドオーケストラ、シエナ・ウインド・オーケストラ、大阪府音楽団、フィルハーモニア・ウインド・アンサンブル、東京アンサンブル・アカデミー、東京藝術大学、東京音楽大学など、ウィンド・ミュージックのフィールドでもひろく指揮者として活躍。とくに、ソニー、コロムビア、ビクター、東芝、ファンハウスなどから毎年のようにリリースされたLPレコードやCDを通じ、ウィンドの最新レパートリーを日本中に紹介したマエストロとして知られる。これまで、Shion(シオン)を指揮したことがなかったというのが不思議なくらいだが、間違いなく、昭和~平成を通じた“ウィンド・ミュージックのドライビングフォース”であり、“レジェンド”だ!!

吹奏楽を指揮した初の商業レコードが登場したのは、1972年で、当時、レコード・ジャケットに印刷されていた指揮者名のクレジットは、結婚前の飯吉靖彦(いいよし やすひこ)。だが、その名は、同年リリースされた4枚のLP(ビクター、CBSソニーから各2タイトル)と1枚のEP(コロムビア)を通じ、アッという間に全国の吹奏楽ファンの知るところとなった。

この内、ビクターの2枚は、当時、脚光を浴びていた4チャンネル・ステレオ方式(参照:《第94話 エキスポ ’70と大失敗》)の実証も兼ね、イイノ・ホール(1970年11月10日)と普門館(1970年12月17日、1971年12月10日)で録音されたソースを活用した2チャンネル・ステレオ盤で、演奏は、東京佼成吹奏楽団(レコード上のクレジットは、“佼成吹奏楽団”)。先行盤の「双頭の鷲/バンド・フェスティバル」(ビクター、VY-1006、1972年1月新譜)は、山本正人指揮、東京シンフォニック・バンドの演奏とのカップリング盤、後発盤の「Pleasure for Band(バンドの楽しみ)- 1/バンド・フェスティバル」(ビクター、VY-1009、1972年8月新譜)は、汐澤/佼成の単独盤だった。

もともと4チャネルの実証を兼ねた録音だったので、アルフレッド・リード編の『アラビアのロレンス』(VY-1006)やグレン・オッサー編の『イタリアン・フェスティバル』(VY-1009)、シベリウスの交響詩『フィンランディア』(VY-1006、VY-1009)など、マーチやポップスからクラシックまで、ホーム・ミュージックとしても愉しめるレパートリーが入っていた。

コロムビアのEPは、A面、B面に各1曲ずつのオリジナル作品を収録するスタイルで1970年から年に1枚のペースでリリースされた“楽しいバンド・コンサート”シリーズの第3弾(日本コロムビア、EES-473、1972年4月新譜)で、東京シンフォニック・バンドの演奏で以下の2曲が入っていた。(参照:《第93話 “楽しいバンド・コンサート”の復活》

《楽しいバンド・コンサート<3>》
(録音:1971年(昭和46年)12月6日、武蔵野音楽大学ベートーヴェンホール)

序奏とファンタジア Introduction and Fantasia
(Rex Mitchell, 1929~2011)

・サマー・フェスティヴァル Summer Festival
(David Reck, 1935~)

また、秋山紀夫さんの監修で、CBSソニーから「ダイナミック・バンド・コンサート 第1集」(CBSソニー、SOEL 3)、「同第2集」(CBSソニー、SOEL 4)としてリリースされた2枚のアルバムもたいへんな注目を集めた。

「バンドジャーナル」1972年3月号(音楽之友社)の記事“国内レコーディング・ニュース”(22~23頁)によると、当初、同年4月21日に2枚組でリリースされる計画だったようだが、最終的に以下の16曲が新録され、2枚のアルバムがリリースされた。

《ダイナミック・バンド・コンサート 第1集》
(録音:1972年(昭和47年)1月19~20日、世田谷区民会館)

・皇帝への頌歌 Royal Processional
(John J. Morrissey, 1906~1993)

・ベニスの休日 Vennetian Holiday
(Joseph Olivadoti, 1893~1977)

・ヒッコリーの丘 Hickory Hill
(Carl Frangkiser, 1894~1967)

・壮麗な序曲 Pageantry Overture
(John Edmondson, 1933~)

・キムバリー序曲 Kimberly Overture
(Jared Spears, 1936~)

・コンチェルト・グロッソ 二短調 Concerto Grosso
(Antonio Vivaldi, 1678~1741 / arr. John Cacavas, 1930~2014)

・歌劇「良い娘」序曲 The Good Daughter
(Niccolo Piccinni, 1728~1800 / arr. Eric Osterling, 1926~2005)

・狂詩的挿話 Rhapsodic Episode
(Charles Cater, 1926~)

・エルシノア序曲 Elsinore Overture
(Paul W. Whear, 1925~)

《ダイナミック・バンド・コンサート 第2集》
(録音:1972年(昭和47年)2月9~10日、世田谷区民会館)

・ファンファーレ、コラールとフーガ Fanfare, Chorale and Fugue
(Caesar Giovannini, 1925~2017)

・古典序曲  Classic Overture
(Francois-Joseph Gossec 1734~1829 / arr. Richard F. Goldman, 1910~1980)

・ウィーンのソナチナ、アンダンテとアレグロ Viennese Sonatina
(Wolfgang Amadeus Mozart, 1756~1791 / arr. Walter Beeler, 1908~1973)

・べレロフォン序曲 Bellerophon Overture
(Paul W. Whear, 1925~)

・百年祭序曲 Centennial Suite
(John J. Morrissey, 1906~1993)

・聖歌と祭り Chant and Jubilo
(W. Francis McBeth, 1933~2012)

・チェルシー組曲 Chelsea Suite
(Ronald Thielman, 1936~)

演奏は、いずれも、このセッションのために結成されたフィルハーモニア・ウインド・アンサンブルで、その若々しくシャープな演奏を記憶する人も多いだろう。

そして、日本のバンド・レパートリーに確かな変化が現れた。

結果が出たことで、後続盤の企画も進んだ。再びフィルハーモニア・ウインド・アンサンブルを起用したCBSソニーは、1973年(昭和48年)1月24~25日、世田谷区民会館において、東京アンサンブル・アカデミーを起用したコロムビアは、同2月15日、武蔵野音楽大学ベートーヴェンホールでそれぞれ同様のセッションを行ない、いずれも4月にリリース。CBSソニーからは、その後、1972年、1973年の録音からコンピレーションされたカセット「吹奏楽オリジナル名曲集」(CBSソニー、SKEC-1)もリリースされた。

そして、演奏者は違えど、これらは、すべて汐澤安彦指揮!

正しく第一任者。“ドライビングフォース”と呼ぶにふさわしい活躍だ!!

2012年(平成24年)3月1日(木)~2日(金)、和光市民文化センター サンアゼリア大ホールで汐澤さんが名誉指揮者をつとめる東京吹奏楽団の録音セッション(CD:ブレーン、OSBR-28040)が行なわれた。

アルバム・タイトルは、孔子の“故きを温ねて、新しきを知れば、以って師と為るべし”に由来する「温故知新」!

汐澤イズム、ますます意気盛んである!!

▲LP – ダイナミック・バンド・コンサート 第1集(CBSソニー、SOEL 3、1972)

▲SOEL 3 – A面レーベル

▲SOEL 3 – B面レーベル

▲LP – ダイナミック・バンド・コンサート 第2集(CBSソニー、SOEL 4、1972)

▲SOEL 4 – A面レーベル

▲SOEL 4 – B面レーベル

▲カセット – 吹奏楽オリジナル名曲集(CBSソニー、SKEC-1、1973)

▲CD – 温故知新(ブレーン、OSBR-28040、2012)

▲OSBR-28040 – インレーカード

【コラム】富樫鉄火のグル新 第288回 書評『ベートーヴェンの愛弟子 フェルディナント・リースの数奇なる運命』

 今年はベートーヴェンの生誕250年のアニバーサリーである。だが、残念ながら、新型コロナ禍のせいで、コンサートやイベントは、ほとんど中止になってしまった。こんなわたしでさえ、関係する仕事が2~3あったのだが、すべてキャンセルとなった。
 それでも、沈静化したために、かえって渋く脚光を浴びたコンテンツもある。ノンフィクション『ベートーヴェンの愛弟子 フェルディナント・リースの数奇なる運命』(かげはら史帆、春秋社)も、そのひとつだろう。

 著者は、2018年10月に刊行された『ベートーヴェン捏造 名プロデューサーは嘘をつく』(柏書房)で音楽ファンをアッといわせたライターである。難聴だったベートーヴェンの会話帳に、秘書のシンドラーが、後年、あることないことを書き加え、“伝説”をでっち上げていく様子を、見事に描いていた。
 もっとも、会話帳捏造の事実は、すでに国際学会などで発表されており、これ自体は著者のスクープではない。だがこの書き手のすごいところは、学会報告に頼ることなく、会話帳現物に触れ、現地へも行き、捏造の過程をあらためて再現した点にあった。しかも、つい研究論文的になりがちな話を、適度にドラマチックな筆致を織り交ぜ、本来は相反する「エンタメ」と「研究」を、バランスよくひとつにまとめていた。こういうことのできる書き手は、なかなかいない。

 そんな著者が、第2弾に選んだ題材は、「ベートーヴェンの弟子」、フェルディナント・リース(1784~1838)であった。

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■歌劇『リエンツィ』序曲(演奏:龍谷大学吹奏楽部)

2019年12月に行われた「龍谷大学吹奏楽部 第 46回定期演奏会」を収録したライブCDがワコーレコードより発売された。収録されているのは、リヒャルト・ワーグナーの「リエンツィ序曲」やジェームズ・バーンズの「パガニーニの主題による幻想変奏曲」など全7曲。詳細などは以下の通り。

■歌劇『リエンツィ』序曲
演奏:龍谷大学吹奏楽部
Rienzi Overture
https://item.rakuten.co.jp/bandpower-bp/cd-4656/

【データ】
・演奏団体:龍谷大学吹奏楽部
・指揮者:若林義人、児玉知郎
・収録:2019年12月26日 ザ・シンフォニーホールにてライブ収録
・発売元:ワコーレコード(WAKO Records)
・発売年:2020年

【収録曲】

1.交響的舞曲第3番「フィエスタ」/クリフトン・ウィリアムズ【6:32】
Symphonic Dance No.3 “Fiesta”/Clifton Williams

2.パガニーニの主題による幻想変奏曲/ジェームズ・バーンズ【14:51】
Fantasy Variations on a Theme by Niccolo Paganini/James Barnes

3.ルーマニア狂詩曲第1番/ジョルジュ・エネスコ(arr.建部知弘)【12:10】
Rhapsodie Roumanie No.1/George Enescu

4.歌劇「ジョコンダ」第3幕より時の踊り/ポンキエルリ(arr.松本昇一)【9:23】
“Dance of the Hours” from La Gioconda/Amilcare Ponchielli

5.歌劇「リエンツィ」序曲/リヒャルト・ワーグナー(arr.日景貴文)【11:40】
Rienzi Overture/Richard Wagner

6.デリー地方のアイルランド民謡
/パーシー・グレインジャー(arr.マーク・ロジャース)【3:51】
Irish Tune from County Derry/Percy Grainger(arr.Mark Rogers)

7.星条旗よ永遠なれ/スーザ(arr.真島俊夫)【3:27】
The Stars and Stripes Forever/John Philip Sousa

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■コンチェルティーノ(演奏:スティーヴン・ミード)

1998年9月、ノルウェーのリレストレムで録音されたユーフォニアム奏者スティーヴン・ミードのソロ・アルバム。プロデューサーはフィリップ・スパークで、エンジニアはマイクル・ムーアが担っている。

吹奏楽を伴奏者として選んだソロ・アルバムで、伴奏はヘルト・バイテンハイスが指揮したノルウェーのコミュニティー・バンド、リレストレム吹奏楽団が担っている。指揮者のバイテンハイスは、1986~1985の間、有名なオランダ海軍バンドの首席指揮者をつとめ、1990年代には客演指揮者としてしばしばリレストレム吹奏楽団のタクトをとった。

ユーフォニアムが独奏として演奏する曲には、イギリスやアメリカの作品が多いが、このアルバムには、ドイツのロルフ・ヴィルヘルム(1927~2013)の『ユーフォニアムのためのコンチェルティーノ』やノルウェーのフロデ・シングナース(1940~2010)の『ピース、プリーズ』が入り、ミードの活躍の結果、レパートリーがインターナショナルに拡がりをみせていることがよくわかる。

定番曲として、フィリップ・スパーク(1951~)の『ユーフォニアムのための幻想曲』、デヴィッド・ギリングハム(1947~)の『ヴィンテージ』、第2楽章だけながらジョーゼフ・ホロヴィッツ(1926~)の『ユーフォニアム協奏曲』が入っているのも見逃せない。

アルバムのラストには、本来“トロンボーン”のために書かれたデリック・ブルジョワ(1941~2017)の『トロンボーン協奏曲』がユーフォニアム独奏で収録されている。

【リレストレム吹奏楽団】
ノルウェーのリレストレム市で1920年に創立されたコミュニティー・バンド。65名のメンバーで構成され、スカンジナビア半島諸国で最もよく知られた吹奏楽団のひとつだ。1990年代には、6回ノルウェー・チャンピオンとなっている。

【スティーヴン・ミード】
1962年2月26日、イングランドのボーンマスに生まれる。金管楽器界のスーパースター、エンターテイナーで、豊かな音楽性で世界を魅了している。委嘱作品も多く、スパークの『ユーフォ二アム協奏曲』やグレイアムのユーフォニアム協奏曲『称う(たとう)べき紳士たちの列伝に』など、数多くの新作を世界初演。LP、カセット、CDなど、発売された音源は数知れず、ユーフォニアム奏者としての録音曲数は世界一と言われている。

■コンチェルティーノ
演奏:スティーヴン・ミード
Concertino
https://item.rakuten.co.jp/bandpower-bp/cd-4617/

【データ】

・ユーフォニアム(Euphonium):スティーヴン・ミード(Steven Mead)
・演奏団体:リレストレム吹奏楽団(Lillestrom Musikkorps)
・指揮者:ヘルト・D・バイテンハイス(Gert D. Buitenhuis)
・発売元:ポリフォニック(Polyphonic)
・発売年:1999年
・収録:1998年9月、Lillestrom、Norway

【収録曲】

  1. ユーフォニアムのためのコンチェルティーノ/ロルフ・ヴィルヘルム【10:34】
    Concertino for Euphonium/Rolf Wilhelm
    I) 第1楽章:アレグロ・マ・ノン・トロッポ Allegro ma non troppo【4:11】
    II)第2楽章:アンダンテ・マ・ノン・トロッポ Andante ma non troppo【3:06】
    III)第3楽章:モデラート・コン・アニマート Moderato con animato【3:15】
  2. ピース、プリーズ/フロデ・シングナース【4:10】
    Peace, Please/Frode Thingnaes
  3. ユーフォニアムのための幻想曲/フィリップ・スパーク【9:32】
    Fantasy for Euphonium/Philip Sparke
  4. ヴィンテージ/デヴィッド・ギリングハム【9:12】
    Vintage/David Gillingham
  5. 「ユーフォニアム協奏曲」第2楽章:レント/ジョーゼフ・ホロヴィッツ【6:46】
    “Lento” from Euphonium Concerto/Joseph Horovitz
  6. ロシアン・ダンス/オスカー・ベーメ(arr. ジョナサン・スミス)【5:02】
    Russian Dance/Oskar Bohme(arr. Jonathan Smith)
  7. トロンボーン協奏曲/デリック・ブルジョワ 【19:35】
    Concerto(originally:Trombone Concerto)/Derek Bourgeois
    I)第1楽章:アレグロ Allegro【8:31】
    II)第2楽章:アダージョ Adagio【5:57】
    III)第3楽章:プレスト Presto【5:05】

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■全英ブラスバンド選手権1995(演奏:ブラック・ダイク・ミルズ・バンドほか)

1995年10月、ロンドンのロイヤル・アルパート・ホール(10/21、選手権部門決勝およびガラ・コンサート)とウェンブリー・カンファレンス・センター(10/21~10/22、ファースト部門~フォース部門決勝)の2会場で開催された「全英ブラスバンド選手権1995」のライヴ・アルバム!

ロイヤル・アルバート・ホールの録音は、BBCプロデューサーのジェーン・ワードとエンジニアのニック・ゴーマンが担当、ウェンブリー・カンファレンス・センターの方はプロデューサーがニコラス&アリスン・チャイルズ、エンジニアがハロルド・バーンズというドイエン・チームが担っている。

CDには、最上位の“選手権部門”から“フォース部門”までの5つのセクションの優勝者の演奏とロイヤル・アルパート・ホールで行なわれた前年優勝者ブラック・ダイク・ミルズ・バンドによるガラ・コンサートの模様が収録されている。

とはいうものの、もっとも注目を集めるのは、やはり全国から19バンドがエントリーされた“選手権部門”の決勝で、テストピース(課題)は、この決勝のためにエルガー・ハワースに委嘱された新作『B.L.のための歌』だった。難易度が高く、コンテンポラリーな要素が込められている異色のテストピースだ!

優勝は、200ポイント満点中、194ポイントをゲットしたヨークシャー代表のブラック・ダイク・ミルズで、これで2年連続優勝! 指揮はジェームズ・ワトソンだった。

当時のブラック・ダイクは、プリンシパルがマット・ベイカー。ソロ・ユーフォニアムがロバート・チャイルズという時代で、ガラ・コンサートの演奏では、ブラック・ダイクのテーマ曲『クイーンズバリー』のほか、ロバート・チャイルズのユーフォニアム独奏『エルフリード』、ロナルド・ビンジの『コルネット・カリヨン』など、ブラック・ダイクならではのレパートリーが愉しめる!

■全英ブラスバンド選手権1995
演奏:ブラック・ダイク・ミルズ・バンドほか
National Brass Band Championships Highlights 1995
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【データ】

・演奏団体:(曲目欄に記載)
・指揮者:(曲目欄に記載)
・発売元:イーゴン(Egon)
・発売年:1996年
・収録:1995年10月21日、Royal Albert Hall, London, U.K. (1、2、4、6、8)/ 1995年10月21~22日、Wembley Conference Centre, London, U.K.

【収録曲】

  1. B.L.のための歌/エルガー・ハワース【15:18】
    Songs for B.L./Elgar Howarth
    【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
    【演奏】ブラック・ダイク・ミルズ・バンド(Black Dyke Mills Band)
  2. クイーンズバリー/ジェームズ・ケイ【3:22】
    Queensbury/James Kaye
    【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
    【演奏】ブラック・ダイク・ミルズ・バンド(Black Dyke Mills Band)
  3. アリストファネスのカエル/グランヴィル・バントック 【9:19】
    Frogs of Aristophanes/Granville Bantok
    【指揮】デヴィッド・リー(David Lea)
    【演奏】ロールズロイス・コヴェントリー・バンド(Rolls Royce (Coventry) Band)<1st Section:Champion Band of Great Britain 1988>
  4. エルフリード/不詳(arr. アラン・キャザロール)【3:12】
    Elfried/Anon(arr. Alan Catherall)
    【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
    【演奏】ブラック・ダイク・ミルズ・バンド(Black Dyke Mills Band)
    【独奏】ユーフォニアム(Euphonium):ロバート・チャイルズ(Robert Childs)
  5. プランタジネット家/エドワード・グレッグスン【12:05】
    The Plantagenets/Edward Gregson
    【指揮】ジェームズ・キャント(James Cant)
    【演奏】グロソプ・オールド・バンド(Glossop Old Band)<2nd Section:Champion Band of Great Britain 1988>
  6. 「ウェスト・サイド・ストーリー」から“2つのダンス”
    /レナード・バーンスタイン(arr. エリック・クリーズ)【6:27】
    Two Dances from “West Side Story”/Leonard Bernstein(arr. Eric Crees)
    【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
    【演奏】ブラック・ダイク・ミルズ・バンド(Black Dyke Mills Band)
  7. ゴシック組曲/レオン・ボーエルマン【12:49】
    Suite Gothique/Leon Boellmann
    【指揮】ケヴィン・ジョーダン(Kevin Jordan)
    【演奏】フェアロップ・ブラス(Fairlop Brass)<3rd Section:Champion Band of Great Britain 1988>
  8. コルネット・カリヨン/ロナルド・ビンジ【3:17】
    Cornet Carillon/Ronald Binge
    【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
    【演奏】ブラック・ダイク・ミルズ・バンド(Black Dyke Mills Band)
  9. ヴィズカヤ/ギルバート・ヴィンター【9:48】
    Vizcaya/Gilbert Vinter
    【指揮】ジェームズ・ハドフィールド(James Hadfield)
    【演奏】トッドマーデン・オールド・バンド(Todmarden Old Band)<4th Section:Champion Band of Great Britain 1988>

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■全英ブラスバンド選手権1991(演奏:デスフォード・コリアリー・キャタピラー・バンドほか)

1991年10月5日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された「全英ブラスバンド選手権1991」決勝とガラ・コンサートのハイライトを収録したライヴ・アルバム。プロデューサーはスタン・キッチン、エンジニアはマイクル・ムーアというベテラン・コンビが担っている。

全英ブラスバンド選手権では、地区大会とロンドンで行なわれるファイナル(決勝)で課されるテストピース(課題)が違う。新作が委嘱される場合もあれば、過去の名曲が採用される場合もあり、たいてい夏頃に発表される。

1991年のファイナルのテストピースは、ロバート・シンプスンの『エナジー』。ちょうど20年前の1971年の全英ファイナルのために委嘱された作品で、選手権部門のバンドなら演奏したことがないバンドを探すほうが難しいといわれるほどポピュラーな曲だ。当然のことながら、こういうときは大激戦になる!!

優勝は、200ポイント満点中、197ポイントをゲットしたジェームズ・ワトソン指揮、デスフォード・コリアリー・キャタピラー・バンド。彼らは1987~1989年に全英ハットトリック(3連覇)を達成。選手権規定で1990年の出場は無かったが、1年のブランクをまるで感じさせない快演を演じた! 『トリビュート・トゥー・テッド・ヒース』と『楽園への道』は、ハットトリックを称えて招かれたガラ・コンサートにおける演奏だ。

ガラ・コンサート名物の“マスバンド”は、ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・バンド、CWSグラスゴー・バンド、IMIヨークシャー・インペリアル・バンドからなる約75名編成の大ブラスバンドで、指揮者は、かつてブラック・ダイク・ミルズのプロフェッショナル・コンダクターとして活躍したレジェンド、ジェフリー・プランド!

ブラック・ダイク・ミルズのプリンシパル・コルネット奏者ロジャー・ウェブスターをソロイストに迎えた『シャワーズ・オブ・ゴールド』、ロバートとニコラスのチャイルズ・ブラザーズによるユーフォ二アム・デュエット『聖なる寺院の奥深く』、スティーヴン・ミードが率いるブリティッシュ・テューバ・カルテットによる『ポップ組曲(終楽章)』など、聴きどころも多い!

ロイヤル・アルバート・ホールの巨大な空間を感じさせる録音が当時の“全英”の空気をよく伝えている!

■全英ブラスバンド選手権1991
演奏:デスフォード・コリアリー・キャタピラー・バンドほか
Boosey & Hawkes National Brass Band Championships of Great Britain and Gala Concert 1991
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【データ】

・演奏団体:(曲目欄に記載)
・指揮者:(曲目欄に記載)
・収録:1991年10月5日、Royal Albert Hall, London, U.K.
・発売元:ポリフォニック(Polyphonic)
・発売年:1991年

【収録曲】

  1. ルール・ブリタニア/トーマス・アーン(arr. マイクル・ブランド)【4:36】
    Rule Britannia/Thomas Arne(arr. Michael Brand)
    【指揮】ジェフリー・ブランド(Geoffrey Brand)
    【演奏】合同バンド(ブリタニア・ビルディング・ソサエティ、CWSグラスゴー、IMIヨークシャー・インペリアル)(The massed bands of Britannia Building Society, CWS(Glasgow)and IMI Yorkshire Imperial)
  2. シャワーズ・オブ・ゴールド/ハーバート・L・クラーク(arr. ホーン)【5:26】
    Showers of Gold/Herbert L. Clarke(arr. Horn)
    【指揮】ジェフリー・ブランド(Geoffrey Brand)
    【演奏】ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・バンド(Britannia Building Society Band)
    【独奏】コルネット(Cornet):ロジャー・ウェブスター(Roger Webster)

3.トリビュート・トゥー・テッド・ヒース/(arr. ビル・ゲルダード)【12:30】
Tribute to Ted Heath/(arr. Bill Geldard)
【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
【演奏】デスフォード・コリアリー・キャタピラー・バンド(Desford Colliery Caterpillar Band)

  1. 歌劇「真珠とり」から“聖なる寺院の奥深く”/ジョルジュ・ビゼー(arr. キース・ウィルキンスン)【4:02】
    Deep Inside the Sacred Temple/George Bizet(arr. Keith Wilkinson)
    【指揮】ジェフリー・ブランド(Geoffrey Brand)
    【演奏】ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・バンド(Britannia Building Society Band)
    【デュエット】ユーフォニアム(Euphonium):ロバート・チャイルズ&ニコラス・チャイルズ(Robert Childs & Nicholas Childs)
  2. トライアンファント・ラプソディ/ギルバート・ヴィンター【12:42】
    Triumphant Rhapsody/Gilbert Vinter
    【指揮】ジェフリー・ブランド(Geoffrey Brand)
    【演奏】合同バンド(ブリタニア・ビルディング・ソサエティ、CWSグラスゴー、IMIヨークシャー・インペリアル)(The massed bands of Britannia Building Society, CWS(Glasgow)and IMI Yorkshire Imperial)
  3. エナジー/ロバート・シンプスン【9:22】
    Energy/Robert Simpson
    【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
    【演奏】デスフォード・コリアリー・キャタピラー・バンド(Desford Colliery Caterpillar Band)
  4. 楽園への道/フレデリック・ディーリアス(arr. クリストファー・モワット)【7:28】
    Walk to the Paradise Garden/Frederick Delius(arr. Christopher Mowat)
    【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
    【演奏】デスフォード・コリアリー・キャタピラー・バンド(Desford Colliery Caterpillar Band)
  5. ポップ組曲(終楽章)/アーサー・フラッケンポール【2:18】
    Pop Suite (Last Movement)/Arthur Frackenpohl
    【演奏】ブリティッシュ・テューバ・カルテット(The British Tuba Quartet)
  6. デイヴィッド・オブ・ザ・ホワイト・ロック
    /伝承曲(arr. ジョージ・ウィルコックス)【2:50】
    David of the White Rock/Traditional(arr. George Wilcocks)
    【指揮】ジェフリー・ブランド(Geoffrey Brand)
    【演奏】合同バンド(ブリタニア・ビルディング・ソサエティ、CWSグラスゴー、IMIヨークシャー・インペリアル)(The massed bands of Britannia Building Society, CWS(Glasgow)and IMI Yorkshire Imperial)
  7. 序曲「1812年」/ピョートル・チャイコフスキー(arr. デニス・ライト)【15:21】
    Ouverture Solennelle 1812/Pyotr Tchaikovsky(arr. Denis Wright)
    【指揮】ジェフリー・ブランド(Geoffrey Brand)
    【演奏】合同バンド(ブリタニア・ビルディング・ソサエティ、CWSグラスゴー、IMIヨークシャー・インペリアル)(The Massed Bands of Britannia Building Society, CWS(Glasgow)and IMI Yorkshire Imperial)

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■全英ブラスバンド選手権1988(演奏:デスフォード・コリアリー・ダウティ・バンドほか)

1988年10月8日、ロンドンのロイヤル・アルバート・ホールで開催された「全英ブラスバンド選手権1988」決勝の模様を収めたライヴ・アルバム。プロデューサーはスタン・キッチン、エンジニアはマイクル・ムーアが担っている。

全国の地区選手権を経てロンドンの決勝にエントリーされたのは、合計19のバンド。テストピース(課題)は、この日のために委嘱された新作、レイ・ステッドマン=アレンの『海の情景』だった。ジョン・メースフィールドの詩「カーゴス」からインスピレーションを得た情景の見える変化にとんだドラマチックな作品だ。

優勝者は、200ポイント満点中、198ポイントをゲットし2年連続優勝となったジェームズ・ワトソン指揮、デスフォード・コリアリー・ダウティ・バンド! 会心の出来のこのライヴは聴きものだ!

他のトラックには、審査発表までの合間に行なわれるガラ・コンサートのハイライトが収められている。

この頃の全英選手権のガラは、トップクラスのバンドによるマスバンドが組まれることが多く、この日もステージに上がったのは、ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・フォーデン・バンド、コーリー・バンド、CWSグラスゴー・バンド、グライムソープ・コリアリー・バンドの4バンドからなる約100名編成の大ブラスバンド! それを当時人気絶頂のハワード・スネルが指揮するということで前評判も上々だった!!

すでに人気作曲家の座を確実なものにしていたジョン・マッケーブの『デザートII – ホライズン』やフィリップ・スパークの『エンデヴァー』といったオリジナルや、コルネットの名手フィリップ・マッキャンをゲスト・ソロイストに招いたデニス・ライトの『コルネット協奏曲』やエコー・コルネットやポストホーンを駆使した『フィリップ・マッキャン・サリュート・ハリー・モーティマー』などが、ロイヤル・アルバート・ホールの豊かな響きの中で愉しめる!

■全英ブラスバンド選手権1988
演奏:デスフォード・コリアリー・ダウティ・バンドほか
The National Brass Band Festival 1988
Desford Colliery Dowty Band and others
https://item.rakuten.co.jp/bandpower-bp/cd-4650/

【データ】

・演奏団体:(曲目欄に記載)
・指揮者:(曲目欄に記載)
・発売元:ポリフォニック(Polyphonic)
・発売年:1989年
・収録:1988年10月8日、Royal Albert Hall, London, U.K.
・メーカー品番

【収録曲】

  1. キャンディード序曲/レナード・ハーンスタイン(arr. ハワード・スネル)【4:24】
    Overture : Candide/Leonard Bernstein(arr. Howard Snell)
    【指揮】ハワード・スネル(Howard Snell)
    【演奏】合同バンド(ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・フォーデン、コーリー、CWSグラスゴー、グライムソープ・コリアリー)(The massed bands of Britannia Building Society Foden, Cory, CWS(Glasgow)and Grimethorpe Colliery)
  2. 祭り(「夜想曲」第2楽章)/クロード・ドビュッシー(arr. トーマス・ウィス)【6:17】
    Fetes/Claude Debussey(arr. Thomas Wyss)
    【指揮】ハワード・スネル(Howard Snell)
    【演奏】合同バンド(ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・フォーデン、コーリー、CWSグラスゴー、グライムソープ・コリアリー)(The massed bands of Britannia Building Society Foden, Cory, CWS(Glasgow)and Grimethorpe Colliery)
  3. コルネット協奏曲/デニス・ライト【10:31】
    Concerto for Cornet/Denis Wright
    【指揮】ハワード・スネル(Howard Snell)
    【演奏】グライムソープ・コリアリー・バンド(Grimethorpe Colliery Band)
    【独奏】コルネット(Cornet):フィリップ・マッキャン(Philip MaCann)
  4. デザートII – ホライズン/ジョン・マッケーブ【12:32】
    Desert II – Horizon/John McCabe
    【指揮】ハワード・スネル(Howard Snell)
    【演奏】合同バンド(ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・フォーデン、コーリー、CWSグラスゴー、グライムソープ・コリアリー)(The massed bands of Britannia Building Society Foden, Cory, CWS(Glasgow)and Grimethorpe Colliery)
  5. 海の情景/レイ・ステッドマン=アレン【14:38】
    Seascape/Ray Steadman-Allen
    【指揮】ジェームズ・ワトソン(James Watson)
    【演奏】デスフォード・コリアリー・ダウティ・バンド(Desford Colliery Dowty Band)
  6. 小さな黒人/クロード・ドビュッシー(arr. ジェフリー・エマースン)【1:50】
    Le Petit Negre/Claude Debussey(arr. Geoffrey Emerson)
    【指揮】ハワード・スネル(Howard Snell)
    【演奏】ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・フォーデン・バンド(Britannia Building Society Foden Band)
  7. フィリップ・マッキャン・サリュート・ハリー・モーティマー(アルペン・エコーズ – ハンティング・シーン – ポストホーン・ギャロップ)【5:24】
    Philip McCann Salutes Harry Mortimer(Alpine Echoes – Hunting Scene – Posthorn Galop)
    【指揮】ハワード・スネル(Howard Snell)
    【演奏】ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・フォーデン・バンド(Britannia Building Society Foden Band)
    【独奏】エコー・コルネット&ポストホーン(Echo Cornet & Posthorn):フィリップ・マッキャン(Philip MaCann)
  8. エンデヴァー/フィリップ・スパーク【12:24】
    Endeavour/Philip Sparke
    【指揮】ハワード・スネル(Howard Snell)
    【演奏】合同バンド(ブリタニア・ビルディング・ソサエティ・フォーデン、コーリー、CWSグラスゴー、グライムソープ・コリアリー)(The massed bands of Britannia Building Society Foden, Cory, CWS(Glasgow)and Grimethorpe Colliery)

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■「BPラジオ 吹奏楽の世界へようこそ」6月の放送予定

毎週(土)23時…FMカオン(厚木・海老名)
http://www.fmkaon.com/

毎週(日)正午…調布FM
http://www.chofu-fm.com/
もちろん、どちらもネット経由で、全国どこででも聴けます!

【第147回】まぼろしの吹奏楽コンクール2020
FMカオン:6/6(土)23:00、【再放送】6/20(土)23:00
調布FM:6/7(日)正午、【再放送】6/21(日)正午

【第148回】「全英ブラスバンド選手権1998」超レア・ライブ!
FMカオン:6/13(土)23:00、【再放送】6/27(土)23:00
調布FM:6/14(日)正午、【再放送】6/28(日)正午

【制作・提供】バンドパワー
【ご案内】富樫鉄火(昭和の香り漂う音楽ライター)

【BPラジオの視聴方法】

【第147回】まぼろしの吹奏楽コンクール2020
FMカオン……6/6(土)23:00、【再放送】6/20(土)23:00
調布FM………6/7(日)正午、【再放送】6/21(日)正午

残念ながら、今年度のコンクールは中止となりました。もし、開催されていたら、どんな自由曲が登場していたでしょうか。昨年度の全国大会で注目を浴びた「隠れた名曲」から、今年度、人気となっていたかもしれない、ユニークな楽曲をご紹介します。

【1】交響曲第1番 より 第1楽章/シベリウス作曲、大竹礼子編曲
愛知県 日進市立日進西中学校、指揮: 大竹礼子【約7分】

【2】歌劇《エレクトラ》より/R.シュトラウス作曲、高木登古編曲
北海道 札幌日本大学高等学校、指揮:木田恵介【約7分】

【3】インヴォカシオン 「エル・プエルト」を元にして/アラルコン作曲
愛知県 光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部、指揮:日野謙太郎【約7分】

【4】オペラ「ある水筒の物語」によるパラフレーズ/伊藤康英作曲
東京都 創価大学、指揮:伊藤康英【約7分半】

【5】リグ・ヴェーダ 天地創造への賛歌/清水大輔作曲
静岡県 浜松交響吹奏楽団、指揮:浅田享【約8分半】

【6】タイム・フォー・アウトレイジ! /ビュッツ作曲
宮城県 名取交響吹奏楽団、指揮:奥村伸樹【約8分半】

【第148回】「全英ブラスバンド選手権1998」超レア・ライブ!
FMカオン……6/13(土)23:00、【再放送】6/27(土)23:00
調布FM………6/14(日)正午、【再放送】6/28(日)正午

最近、BPショップで密かに人気を呼んだCD「全英ブラスバンド選手権1998」。いったい、どこがすごいのでしょうか。今回、この番組をお聴きの皆様だけに、おおくりいたします! 課題曲の聴き比べです。同じ曲で、演奏時間に「3分」もの差が!

【1】(ガラ・コンサートより)
リル・ダーリン/ニール・へフティ作曲、スパーク&グレイ編曲
コンスタンティン・キッツオプロス指揮、リチャード・エルマン(コルネット)、ブラスバンド・オブ・バトル・クリーク【約5分】

【2】(課題曲、チャンピオンシップ部門第2位=196点)
月とメキシコのはざまに/フィリップ・スパーク作曲
デヴィッド・キング指揮、ヨークシャー・ビルディング・ソサエティ・バンド【約19分45秒】

【3】(ガラ・コンサートより)
シング・シング・シング/ルイ・プリマ作曲、フリーフ編曲
コンスタンティン・キッツオプロス指揮、ブラスバンド・オブ・バトル・クリーク【約4分半】

【4】(課題曲、チャンピオンシップ部門第1位=197点)
月とメキシコのはざまに/フィリップ・スパーク作曲
アラン・ウィズィントン指揮、プリッグハウス&ラストリック・バンド【16分54秒】

■樋口幸弘のウィンド交友録~バック・ステージのひとり言 第123話 レイランド・ヴィークルズ初来日

▲ツアー・プログラム – The Leyland Vehicles Band of Great Britain Tour of Japan 1980

▲リチャード・エヴァンズ

▲ハリー・モーティマー

▲レイランド・ヴィークルズ・バンド(1980年7月22日、日比谷公会堂 / 「バンドピープル」1980年10月号から(八重洲出版、許諾により転載  / 文・山本武雄 )

1980年(昭和55年)7月27日(日)、快晴。筆者は、国鉄「新大阪」駅から朝一番の東海道新幹線の“ひかり”に乗車。「名古屋」駅ホームで朝食代わりに名物“きしめん”をかきこんで、中央本線の特急“しなの”に乗り継ぎ、一路「長野」へ。帰路は、その逆コースを辿るという日帰り弾丸ツアーを敢行した!!

新幹線に“のぞみ”が登場するかなり以前の話で、当時はこれが大阪から長野へと至る最短、最速ルートだった。途中、新幹線車中のことは何も覚えていないが、中央本線では、初めて乗った国鉄自慢の“振り子電車”の信じ難い乗り心地の悪さだけが、すばらしい沿線の景色以上に記憶に残っている。たぶん、カーブのたびに脳味噌が大きく揺さぶられたからだろう。大阪に帰り着いてからも、何故か体が揺れている感覚だけが残った。

弾丸ツアーの目的は、長野市民会館で午後2時30分から行なわれるイギリスの“レイランド・ヴィークルズ・バンド(Leyland Vehicles Band)”の来日公演!

演奏会情報を得て、事前に長野市の最新地図と時刻表を買い求めてチェックしたら、運よくホールが国鉄「長野」駅から徒歩圏内にあることを発見!それがこの日の“弾丸”を決意させる引き金となった。オーシ!!

“レイランド・ヴィークルズ・バンド”は、《第95話 ナショナル・バンド・オブ・ニュージーランド来日》でお話しした1970年の日本万国博に来演した“ナショナル・バンド・オブ・ニュージーランド(The National Band of New Zealand)”、1979年に来日公演を行った“ウェリントン・シタデル・バンド(Wellington Citadel Band)”(ニュージーランド)についで、海外から日本にやってきた3番目のブラスバンドだ。先に挙げた2つのバンドが、英連邦ながらニュージーランドからだったので、レイランドは、その後も、ブラスバンドの母国イギリスから来日した初のバンドという栄誉を担うことになった。

レイランドのバンド創立は、1946年。イングランド北西のランカシャーで、二階建てバスやトラックを製造する自動車メーカーのバンドとして“レイランド・モーターズ・バンド(Leyland Motors Band)”の名で誕生した。トロンボーンの名手として知られた初代指揮者ハロルド・モス(Harold Moss、1891~1960)の没後、しばらく低迷期が続いたが、1977年になって、バンドが社や製品のプロモーションでいい広告塔になることに気づいた会社が力を入れるようになり、1978年1月にリチャード・エヴァンズ(Richard Evans、1934~)を音楽監督に招聘。全権を委ねられたエヴァンズは、情熱を込めたアツい練習だけでなく、メンバーの大幅入れ替え(オリジナル・メンバーで残ったのは8名だった)まで断行。1979年にレイランド・ヴィークルズ・バンドと改称されたバンドは、その年の10月6日(土)、ロンドンの科学技術専門学校で行なわれた「全英ブラスバンド選手権」セカンド部門決勝で優勝。見事、チャンピオンシップ部門への昇格を果たした。

1980年の初来日は、この若々しいバンドがグイグイ実力を伸ばしていっているその最中、高いテンションの中で実現されたわけだ。

バンドの滞日期間は、7月20日(日)から8月1日(木)。公演日程は、以下のように発表され、プログラムは、3つが用意された。

・7月21日(月) 栃木県教育会館(18:30、Cプロ)

・7月22日(火) 日比谷公会堂(18:30、Cプロ)

・7月23日(水) 神奈川県民ホール(18:30、Bプロ)

・7月24日(木) 山梨県民会館(18:30、Bプロ)

・7月25日(金) 島田市民会館(静岡)(15:00、Aプロ)

・7月26日(土) 習志野文化ホール(千葉)(14:30、Aプロ)

・7月27日(日) 長野市民会館(14:30、Bプロ)

・7月28日(月) 浅草公会堂(東京)(17:30、Bプロ)

・7月29日(火) 川口市民会館(埼玉)(17:30、Aプロ)

・7月30日(水) 新潟県民会館(18:30、Cプロ)

来日した指揮者は、音楽監督のリチャード・エヴァンズと客演指揮者のハリー・モーティマー(Harry Mortimer、1902~1992)のふたり。

この内、エヴァンズは、ロイヤル・ノーザン音楽カレッジ(Royal Northern College of Music)の出身。ランカシャーの実家近くのブリティッシュ・レジョン・バンド(British Legion Band)でコルネットの手ほどきを受け、1952年、英国内の前途有望な青少年からオーディションで選ばれる“ナショナル・ユース・ブラスバンド(National Youth Brass Band of Great Britain / NYBB)”の創立時メンバーとなった。NYBBでは、後にロンドン交響楽団首席トランペット奏者となったモーリス・マーフィー(Maurice Murphy)とともに、プリンシパル・コルネット奏者をつとめ、このとき、指揮者ハリー・モーティマーとの運命的な出会いがあった。

前記のモスが率いるレイランド・モーターズ・バンドやブラック・ダイク・ミルズ・バンド(Black Dyke Mills Band)のコルネット奏者をへて、エヴァンズは、BBCノーザン交響楽団(BBC Northern Symphony Orchestra)、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック管弦楽団(Royal Liverpool Philharmonic Orchestra)のトランペット奏者としてキャリア・アップ。フィリップ・ジョーンズ・ブラス・アンサンブルにも参加し、フリーランスの指揮者としても活動。1978年にレイランド・ヴィークルズ・バンドの音楽監督に就任して、またたく間にチャンピオンシップ・セクションのステータスにふさわしいバンドへと育て上げた。

一方のモーティマーは、世界中のファンから“ブラスバンドの父”あるいは“ミスター・ブラス”としてリスペクトされるレジェンドだ。

7歳のときにコルネットを始め、14歳で既にルートン・レッド・クロス・ジュニア・バンド(Luton Red Cross Junior Band)の指揮者に。その一方で、ルートン・レッド・クロス・バンド(Luton Red Cross Band)とフォーデンズ・モーター・ワークス・バンド(Fodens Motor Works Band)でプリンシパル・コルネット奏者をつとめ、その後、ハレ管弦楽団(Halle Orchestra)、ロイヤル・リヴァプール・フィルハーモニック管弦楽団、BBCノーザン交響楽団の首席トランペット奏者として活躍。1942年から1964年の間、BBC放送でブラスバンドとミリタリー・バンドのスーパーバイザーをつとめ、1943年2月放送開始のラジオ番組「リッスン・トゥー・ザ・バンド(Listen to the Band)」の初代プレゼンター(司会進行役)としても知られている。

指揮者としては、ブラック・ダイク・ミルズ、フェアリー・アヴィエーション(Fairey Aviation Band)、フォーデンズ・モーター・ワークスなど、イギリスの主要なブラスバンドを指揮。1947~1949年の全英ブラスバンド選手権では、ブラック・ダイク・ミルズを指揮し、ハット・トリック(三連覇)を達成した。また、“フェアリー”“フォーデンズ”“モーリス”の3つの名門バンドのメンバーで組織した75名編成のブラス・オーケストラ“メン・オー・ブラス(Men o’ Brass)”のレコードは、アメリカや日本でも発売され、世界的ヒットとなった。後進の育成についても精力的に活動し、ナショナル・ユース・ブラスバンドの指揮者やプレジデントもつとめている。

両者の経歴を摺り合せると一目瞭然だが、エヴァンズがナショナル・ユースのプリンシパルをつとめた頃から、ふたりには多くの接点があり、師と弟子、あるいは、親と子ぐらいの間柄にあった。エヴァンズが、自分のバンドが初の日本演奏旅行に際し、偉大なる先人モーティマーをゲストに招いたのもなるほどと合点がいく。

そして、その結果、我々は、日本盤のレコードが何枚もある“レジェンド”が指揮する“チャンピオンシップ”クラスのブラスバンドをナマで聴く機会を得たわけだ。

メディアも動いた。

月刊誌「バンドジャーナル」(音楽之友社)は、1980年10月号でカラー口絵2ページと本文8ページの特集を組み、山本武雄、山本常雄、斎藤好司、松長 徹の各氏がそれぞれの視点からコンサートやバック・グラウンドをリポート。 創刊間もない「バンドピープル」(八重洲出版)も、7月号に聴きどころと曲目をまとめた2ページの事前コンサート・ガイドを入れ、10月号でコンサートとクリニックの模様をリポートする5ページ特集を組んだ。

長野往復“日帰り弾丸ツアー”の前、筆者は、エヴァンズがレイランドを指揮したファースト・アルバム「トラヴェリング・ウィズ・レイランド(Travelling with Leyland)」(LP:英RCA Victor、PL 25175、1978年7月19日、ハダーズフィールド・タウン・ホールで録音)やモーティマーが指揮した英DeccaとEMIの“メン・オー・ブラス”のレコードをしっかりと聴き込んでからコンサートに望んだ!

いずれもかなりのお気に入り盤だった!

しかし、コンサートの冒頭、ハロルド・モス作曲のレイランドのテーマ『ロイヤル・タイガー(Royal Tiger)』がホールに流れ出すと、琴線にふれるようなサウンドのすばらしさに魅了されてしまい、その後はただ笑って聴いているしかなかった。

紛れもない、不純物のカケラもないピュアなサクソルン属の倍音のシャワーが目の前にあった!やはり、ナマには適わない!!!

ふと見渡すと、超満員の会場には、熱心なブラスバンド・ファンに混じり、生まれてはじめてブラスバンドを耳にするはずの中高生の吹奏楽部員も多くつめかけていた!

みんな喰い入るようにステージを見つめ、曲が終わるたびに、屈託の無いはじけるような笑顔で嬉々として感想を述べ合い、大きな拍手を贈っている!その姿は、お行儀礼よく聴いているというより、もう大騒ぎに近かった!!

終演後、ロビーで行なわれた来日記念盤「コントラスツ・イン・ブラス(Contrasts in Brass)」(LP:英Chandos、BBR-1008(S)、1980年2月10日、マンチェスター大学ウィットワース・ホールでの新録盤に前記“トラヴェリング・ウィズ・レイランド”をそっくりそのまま加えた2枚組)の即売コーナーには、エヴァンズとモーティマーが出てきて、購入者の求めに応じてサインを始めた。で、即購入!!

サインを書いてもらう間、ふたりと短い会話ができたが、それは筆者にとっては至福の時間となった。80歳を目前にしたモーティマーとは、残念ながら、それが最後の機会となってしまったが、その後、エヴァンズとは、ブリーズ・ブラス・バンドのミュージカル・スーパーバイザーとしての立場から、いろいろな場面で絡むことになった。

レイランド・バンドのモットーは、“ワールド・クラス・エンターテイメント・イン・ブラス(World Class Entertainment In Brass)”!!

その初来日は、またひとつ、新たな出会いを運んできてくれた!

▲▼ Leyland Vehicles Band 来日メンバー

▲Aプロ(Programme One)

▲Bプロ(Programme Two)

▲Cプロ(Programme Three)

▲LP – Travelling with Leyland(英RCA Victor、PL 25175、1978年)

▲PL 25175 – A面レーベル

▲PL 25175 – B面レーベル

▲LP(ジャケット表) – Contrasts in Brass(英Chandos、BBR-1008(S)、1980年)

▲同 – (ジャケット裏)

▲BBR-1008(S) – A面レーベル

▲BBR-1008(S) – B面レーベル

▲BBR-1008(S) – C面レーベル

▲BBR-1008(S) – D面レーベル

▲モーティマーとエヴァンズの手書きサイン

▲「バンドジャーナル」1980年10月号(音楽之友社)

▲「バンドピープル」1980年10月号(八重洲出版)