音楽に熱中するあまり受験勉強について行けず中学で不登校、何とか音楽科の高校に進学するも休学し小さな町工場で電気配線と格闘する1年を経験。「やっぱり音楽がやりたい!」と復学し音大を卒業後、プロオケを目指して20回以上オーディションを受けるも全て撃沈。そんな“落ちこぼれ笛吹き”が30年間のプロ経験で得たものとは? その中に“明日からもっと楽しくフルートが吹けるヒント”がみつかるかも!
◆岡本 謙(フルート奏者)プロフィール◆
10歳よりフルートを始める。香川県高松第一高等学校音楽科を経て、1990年に国立音楽大学を卒業。同年、シエナ・ウインドオーケストラ結成メンバーとして入団。6年間の在籍期間中、ピッコロ及びフルート奏者としてコンサート、CDレコーディングを多数行う。その後、東京吹奏楽団に移籍、ピッコロ奏者を務める。現在はフリーとしてオーケストラ、吹奏楽、室内楽等において演奏活動を行う。また、ミュージカルのオーケストラ・プレーヤーとしても、数多くの演目にて年間を通じて活躍している。フルートアンサンブル“ザ・ステップ”、タッド・ウインドシンフォニーメンバー。
Contents
真島先生、ありがとうございます!
みなさま、こんにちは。落ちこぼれ笛吹きの“やればできる!”ON LINEセミナー第2回の開催です。
このセミナーの執筆中、ショッキングなニュースが飛び込んできました。作曲家・編曲家の真島俊夫先生が67歳の若さで他界されました。真島先生と聞くと、私が高校3年のときの課題曲『波の見える風景』(1985年)が真っ先に頭に浮かびます。冒頭からフルートの低音を活かしたオーケストレーションで、最初に参考演奏を聴いた瞬間からこの曲の虜になりました。中間部には水面にキラキラと反射する日光を模倣したかのような素敵なフルートソロもあり、「今年のコンクールでは絶対この曲をやりたい!」と思いました。後に、真島先生が沖縄の海をこよなく愛していらっしゃるというお話しを聞いたとき、「なるほど、だからこんな曲が生まれたんだ!」と思ったものです。ですので、私が通っていた高松第一高等学校(以下、高松一高)がこの曲をコンクールで演奏すると決めたとき、とてもワクワクしました。
その後、真島先生の作品を色々演奏させて頂きましたが、『波の見える風景』を吹く機会はまだありません。いつかまた、演奏できれば嬉しいなと思います。真島先生、本当に素敵な作品の数々を私たちに残して頂き、ありがとうございます!
全国大会への想い
さて高松一高吹奏楽部は、私が高校2年のときに全国大会の切符を逃していました。しかしながらこの時(1984年)のメンバーは木管セクションを中心に実力者揃いで、自由曲で演奏したヴェルディの歌劇『運命の力』序曲では、クラリネットセクションが弦楽器に劣ることない見事なアンサンブルを披露していました。実際、四国大会の審査員にいらしていたクラリネット界の巨匠ジャック・ランスロ氏は最高点を下さったと記憶しております。残念ながら金管の審査員の方からの評価が低く、この年は惜しくも代表を逃してしまいました。
▲1984年の四国大会。現在第一線でプロとして活躍中のプレイヤーも!
もし、このときの『運命の力』を全国大会で演奏できていたら、きっと吹奏楽コンクールの歴史に残る演奏になったのではと思います。このような経緯もあり、私が3年のときには「絶対に全国に行くぞ!」という並々ならぬ思いがありました。
吹奏楽コンクールで少しでも良い成績を得るため、どの団体も選曲には試行錯誤されていると思います。自分たちのバンドは何が弱点で何が得意なのか、課題曲とのバランス等、様々な要素を検証し尽くしていることでしょう。
この年(1985年)、高松一高が自由曲に選んだのはジェイガーの新作『タブロウ』でした。当時、高松一高の自由曲はクラシックの編曲物が当たり前でしたので革新的ともいえる選曲でしたが、フルート、サクソフォーン、ホルンに良い人材が揃っていたので、顧問の石川孝司先生もあえてオリジナル作品にチャレンジするという決断を下されました。そして課題曲はフルートが活躍する『波の見える風景』。その選択は吉と出て、見事2年ぶりに全国大会への切符を手に入することができました。
いざ、普門館へ!
当時、香川県にはジェット旅客機が着陸できる空港はありませんでしたので、大人数が東京まで移動するのはJR(当時は国鉄)が主流でした。さらに瀬戸大橋も建設途中でしたので、まずは連絡船で1時間かけて瀬戸内海を渡り、そこから新幹線が停まる岡山駅までは45分くらい在来線に乗ります。ようやく新幹線に乗り換え、さらに4時間でやっと東京に到着です。今思うと約6時間もの長旅だったのですね。宿泊場所は代々木にある青年の家のような施設でした。練習場所も、あまり広くない食堂のような場所だったと記憶しております。まさに合宿のような状況でしたね。普門館への移動も地下鉄で、大型バスで来ている他校が羨ましかったです。普門館に到着してからステージ裏までの記憶はあまりありません。何年か後、指導していた土気中学校の応援で普門館を訪れた際に、「裏はこうなっていたんだ。こんなところでチューニングしてたんだ。」と思ったものです。
私たち高松一高の出演順は一番最後。せっかくの全国大会でしたが、客席で他校の演奏を聴くことはできませんでした。唯一、ステージ裏で出番を待つときに聴けたのが、名門習志野高校! いろんな方から「前の団体の演奏は上手く聴こえるものだから・・・」と言われてはいましたが、それを差し引いても上手すぎ!です。それもそのはず、あの『ローマの祭』の名演が繰り広げられた年でしたから・・・。とにかく、動揺せずに自分たちの演奏をしたいという思いと、当時は“四国の高校はいつも銅賞”というレッテルを貼られていたので、何とかそれを覆したいという願いで、習志野高校の名演に会場内の興奮が冷めない中、ステージに上がりました。
失敗から学ぶこと
普門館のステージ上から見た景色は、真っ黒な床、だだっ広い客席、話しには聞いていた客席内のエスカレーター・・・。石川先生のタクトが振り下ろされた瞬間、「あれっ、周りの音が遠い!」とちょっと動揺。「自分の音も響いていないかも?」とちょっぴり不安な気持ち。今ではホール練習を当たり前のようにしている団体も多いですが、当時の高松一高はホール練習なんかは一度もありませんでした。コンクール、8月の定期演奏会、秋の文化祭くらいしかホールで演奏する機会はありません。事前に心積もりはしていても、やはり普門館の広大な空間と全国大会の雰囲気に力みが出たのでしょう。『波の見える風景』でソロの最初の音が少しひっくり返ってしまいました。確かにフルートにとっては攻めると外しやすい中音域のEの音でしたが、一瞬のこととはいえ相当ショックでした。
▲1985年の全国大会。おそらく『波の見える風景』のソロ部分
あのときの悔しさは今でも忘れられません。応援に来てくれた先輩からも「おまえ、ソロ外しただろう。」と言われてしまいました。けれども、分不相応に背伸びすると失敗するという、大変よい勉強になりました。
数年前、ある全国大会常連校のフルートの生徒が、力みすぎたためか地区予選でソロが少しひっくり返ったことがありました。もちろん彼女は強豪校の中でソロを任せられる、とても上手な生徒でした。この時、私の全国大会での失敗談を話してあげました。本番で攻める気持ちは大切だけれども、普段以上に自分を良く見せようと思うのではなく、場所や環境が変わっても“普段通りの丁寧な演奏をする”ことが大切だと言ってあげられたのは、自分の経験があったからです。失敗を経験したからこそ、ささやかながら人の気持ちに寄り添うことができたことに、自分の失敗も無駄ではなかったのかな?と思った瞬間でした。
とはいえ、その当時は銀賞(銅賞じゃなかった!)という結果にホッとする余裕もなく、宿舎に帰っても相当落ち込んでいたと思います。二段ベッドに潜り込んで本番の録音を何度も聴き返し、「大丈夫、カスったのは一瞬。自由曲のソロは上手くいっている。」と自分を納得させるのが精一杯でした。
音楽はチームプレー
そんな落ち込んだ気持ちが救われたのは、コンクールの数ヶ月後に発売されたバンドジャーナルの記事でした。全国大会の出場団体への批評で、審査員もされていた国立音楽大学の大阪泰久先生が「このバンドは課題曲冒頭でのフルートの響きが素晴らしい。他にも、要所でフルートの音色が光っていた・・・」という趣旨のコメントを下さったのです。この言葉には本当に救われました。コンクールメンバーのフルートパート全員は、音楽科のフルート専攻生でした。その中の一人、藤村恵子さんは練習熱心な努力家で、正確なテクニックと低音域の充実した音色を持っていました。学内の実技試験では一度も彼女を超えられたことはありませんでした。『波の見える風景』の冒頭での響きを作れたのは、藤村さんをはじめ、共に競い合ってきた仲間がいたからだと思います。そして、元をただせば“大ホールで通用する音色”を私たちに叩き込んで下さった野口博司先生のおかげに他なりません(第1回を参照)。吹奏楽コンクールの審査をしていると、課題曲冒頭の印象が大切だということがよくわかります。審査員の方は最初のフルートセクションの音色を聴いて、「このバンドはちょっと違うぞ!」と思って下さったのでしょうね。こういった魅力あるサウンドは個人だけで作れるものではなく、パートやセクションのチームプレーがあってこそ、初めて実現するものです。私は、これまで個人の些細なミスに落ち込んでいた自分を恥ずかしく思いました。吹奏楽やオーケストラの指導をしていると、自分中心に物事を考えている人と、常に周りへの気配り大切にしている人は、演奏を聴けばすぐにわかります。私はどちらかといえば前者だったと思いますが、そんな私でも(私だから?)知らず知らずのうちに周りの仲間たちに助けられていたのですね。
▲一緒にコンクールを戦ったフルートパートの仲間たち。真ん中が藤村恵子さん。私はミスを後悔してちょっと不機嫌そう…
余談ですが、藤村恵子さんは音大卒業後に高松一高で後進の指導にあたり、優秀なフルーティストを数多く育てられました。私が所属しているタッド・ウインドシンフォニーのフルートパート5人のうち、何と3人が彼女の教え子なんですよ。もちろん、3人共に野口先生のDNAも受け継いでおりますので、響きのある笛の音色には自信ありです!
2016年6月10日(金)のタッドWSの第23回定期演奏会では、熱い演奏をご期待下さい。日本初演のチェザリーニの新作シンフォニーも重厚なサウンドの意欲作だけに必聴です!
▲タッド・ウインドシンフォニーのフルートメンバー。左から横山由布子さん、井清順子さん、筆者、赤木香菜子さん、前田美保さん。横山さん、赤木さん、前田さんは藤村さんのお弟子さん!
ところで全国大会に出場した団体は、そのご褒美としてディズニーランドに行くという話しを聞いたりもしますが、私たちの高松一高にはそんな習慣は全くありませんでした。自由行動はコンクール翌日の午前中のみ。多くの生徒は銀座のヤマハへ行って、レコードや楽譜を買うのを楽しみにしていました。私と友人たち数人は、秋葉原の電気街に向かったものの開店時間が11時からだったので、それまで喫茶店で時間をつぶし、残り1時間でお店を巡りました。ということで最後の最後まで“落ちこぼれ”ぶりを発揮しておりましたが、今となっては全てがよい思い出です。
コンクール課題曲への実践
コンクールの話題が出たところで、フルート吹きの視点から今年度(2016年)の課題曲を見てみましょう。今年は、5曲共にフルートの役割が重要になっております。
Ⅰ『マーチ・スカイブルー・ドリーム』
この曲はオーケストレーションがシンプルに上手く書かれていて、パッと合わせてみても吹きやすく、サウンドもまとまりやすい作品です。でもその反面、どの団体が演奏しても似たようになってしまうという要素もありますので、それぞれの団体の創意工夫が腕の見せ所ですね。
フルートセクションは高音域のユニゾンが多いので、まずはここの音程が合わないと、非常に醜いことになってしまいます。特に高音のD・E♭・E・Fは個人差が目立つところなので、しっかりと合わせましょう。
また、8分音符、4分音符の長さやニュアンスも、テンポや曲調によって工夫する必要があります。譜面上には特にスタッカート等は書かれていませんが、場面によって吹き方はそれぞれ異なります。同時に同じリズムを演奏している楽器が何かによって、発音や音の長さを考えてみるのもよいかもしれません。これらのニュアンスを吹き分けることによって、より活き活きとしたマーチになると思います。
Ⅱスペインの市場で
この曲は冒頭からフルート&ピッコロのサウンドが主導権を握ります。細かな16分音符や6連符、スタッカートの8分音符のひとつひとつに響きがないと、キラキラと輝くような演奏になりません。また、気をつけたいのがトリルの音程幅です。高音域のC-Dのように、トリルの運指を使うことで音程の幅が狭くなり、響きが暗く聴こえる場合があります。次の譜例をトリルキーを使って吹いてみましょう。
Dの音程が驚くほど悪いことに気がつくはずです。トリルキーを使っても、本来の明るいDの音に近づくように息でコントロールしてみましょう。それに慣れてくると段々速くしてみましょう。明るい響きのトリルで演奏できるようになります。他の曲でも、トリルの際には気をつけてみるといいですね。
またこの作品は、フルートセクションによる3度・5度のハーモニーがとても重要です。音程&音色共に不安定になると全体のサウンドも濁ってしまうので、ロングトーンからしっかりと基礎を固めましょう。
Ⅲある英雄の記憶~「虹の国と氷の国」より
この曲もフルート&ピッコロ、さらにオーボエとのユニゾンが多いです。音程が濁らないよう、丁寧にアンサンブルを合わせましょう。[ K ] からの部分では、フルートの低音域の響きが重要です。しかも、そこにオーボエが低音で絡んできますが、必然的にオーボエが大きくなります。オーボエにこの音域の p を要求するのは厳しいので、逆にフルートを響かせることによってバランスをとりましょう。ですので、フルートの低音が鳴らないバンドはこの曲を選んではいけません。
[ P ] からの16分音符の掛け合いは、「フルート、全然聴こえないぞ!」という指導者の怒鳴り声が聞こえてきそうですね。16分音符の発音が遅れないことはもちろんのこと、細かな音符のひとつひとつに息を吹き込むような奏法が必要です。
Ⅳマーチ「クローバー グラウンド」
このマーチは面白い仕掛けがいっぱいある作品です。それだけに、しっかりとアンサンブルを揃えていかないとまとまりのない演奏になりがちです。多くの団体が、あえて木管と金管でアーティキュレーションを変えてある部分で悩むかもしれません。オーケストラでは管楽器にスラーが書いてあっても、同じ動きの弦楽器に書いていないということがよくあります。これはそれぞれの楽器の特性を生かせたニュアンスを重視しているためで、双方がブレンドすることで最大の演奏効果を得られるように計算されています。とはいえ、実際に8分音符が3つ並んでいるときに、木管はスラー、金管はスラー無しという場合、どうやってまとめればよいのでしょうか?
私なら最初の8分音符のタイミングと、3つめの音の切りを揃えることを考えるでしょう。まずはスラーがない金管のニュアンスを統一した後、木管の入りのタイミングと3つめの音の切りを金管に合わせます。そうすることで金管はリズミカルで活き活きとした表情で演奏し、木管はそれを響きで包み込むという役割が可能です。
[ G ] からのフレーズは、先に進むにつれてフレージングが長くなるようにスラーが付けられています。言葉で表現するなら、「朝がきた、さわやかな朝がきた、何だか素敵なことが起こりそうな朝がきた。」というような展開でしょうか。大事なことはスラーの切れ目は読点「、」であり、句点「。」ではないということです。そこで文章(フレーズ)が終わってしまってはいけません。楽譜の句読点を意識したフレージングは、こうしたメロディックな曲を演奏する際にとても大切です。
この曲は一瞬ですがフルート・ソロがあります。最高の音色で演奏して下さい。そして、くれぐれもディミヌエンドは早すぎないように!
Ⅴ焔
この曲を選ぶ団体は、当然ながらフルートとピッコロに自信があるところだと思います。冒頭から高音域でのフルート&ピッコロのユニゾンがありますが、高いB(♭)やHの音程がジャスト442Hzになることを意識したチューニングにはこだわらないで下さい。ff でこの音域を吹けば、多少ハイピッチにはるのは当たり前です。もし、ff で吹き込んでも442Hzに収まるようなチューニングをすると、かなり頭部管を抜くことになると思います。そうなると、この部分はよくても他で弊害が出てきます。中音域での弱奏部で音程がぶらさがったり、音色も暗くなってしまいます。中高生の指導に行くと、「音程が高くて・・・」と頭部管を抜きすぎている生徒をよくみかけます、
第3オクターブの音程をジャスト442Hzに収めるためにここまで抜かなければならない状況は理解できますが、これでは楽器本来の音色や正確な音程での演奏が不可能です。ここまで抜かないと他と音程が合わないというときは、奏法に問題があります。せめて下記の写真の範囲内を目安にして下さい。
この状態なら、普通に中低音を吹くだけなら、問題なく442Hzに合わせられるはずです。むしろ低音域では低くなる場合もあります。フルートの特性上、高音域をスピードのある息で吹けばどうしても音程は上がりますが、しっかり深く息を吹き込めばある程度安定させることが可能です。
まずは、中音域を普通に気持ちよく吹ける範囲でのチューニングをお願いします。私が吹奏楽のフルートパートを指導するときは、中音域のG・D・A・F♯・Gの音列を使ってチューニングすることを推奨しています。
最初のGはフルートでは音色&音程共に安定しているので、まずはこのGの音でしっかりチューニングします。続くDは管体を長く使うので、息のスピードが遅いと低くなりがちです。また、楽器が冷えているときも音程が下がりがちです。しっかり息を入れて響せ、明るい音色をキープすることが大切です。
次のAの音は、プロの世界ではチューニングの基本となる音です。DからAに移行すると、ともすると音程の幅が狭くAが低くなります。Dを基音とした長三和音(D・F♯・A)をイメージして、明るい5度の響きでAを吹きましょう。
最後のF♯は長三和音(D・F♯・A)で考えると低くとる必要がありますが、まずはジャスト真ん中の442Hzを狙いましょう。そして、最初のGに戻ります。このG・D・A・F♯・Gの音がパート内でしっかり合うということは、音程の合ったサウンド作りに欠かせません。さらにはこの音列を他の調に移調して練習することも有益です。実はこのチューニング、私も仕事の現場で実践しております!
課題曲Ⅴでは、フレージングの中で7度や8度(オクターブ)で跳躍するパターンが頻繁に登場します。冒頭のフルート&ピッコロのSoli もそうですが、どうしても跳躍する際に力が入ってしまいます。練習方法としては、上に跳躍する部分をオクターブ下げて演奏してみましょう。すると、実はシンプルな半音階進行であったりすることがわかります。こうすると、息は自然と最後までスムーズに入っていきます。この息づかいをイメージしたまま、譜面通りに演奏してみましょう。音の跳躍部分で多少緊張感は生じるものの、以前より自然でスムーズに音の跳躍が可能になります。この練習方法を適用できる箇所は幾つかあるので、「あっ、ここも使える。やってみよう!」と試してみるとよいでしょう。
以上、簡単ではありますが“落ちこぼれ”フルーティストから見た「2016年課題曲の演奏ポイント」でした。それでは、この夏も日本全国で熱い演奏が繰り広げられることを楽しみにしております!