第157回ブリティッシュ・オープン・ブラス・バンド・チャンピオンシップス「ブラス・ガラ Brass Gala」

日時:2009年9月13日(日) 14:30~17:35
会場:シンフォニーホール(バーミンガム)
BPレポーター:多田宏江

 

■ガラ・コンサートの内容 
BRASS GALA

14:30 グライムソープ・コリアリー・バンド(The Grimethorpe Colliery Band)
Conductor Alan Withington
合唱団:ヘムズワース・アート&コミュニティー・カレッジ
(Members of Hemsworth Art and Community College)
合唱団指揮:Julian Laraunte

15:30 コーリー・バンド(The Cory Band)
Conductor Robert Childs

16:30 ブラック・ダイク・バンド(The Black Dyke Band)
Conductor Nicholas Childs

17:15 合同演奏:ブラック・ダイク・バンド&コーリー・バンド
Finale: The Black Dyke Band and The Cory Band Together

結果的に、前日の上位3バンドによるガラ・コンサートになりました。ガラ・コンサートの準備もしておきながら、コンテストでもバシッと決める、そのバンドの底力には脱帽です。また、この日のステージ隊形は、普段のコの字型ではなく、吹奏楽のような扇形の山台を使用して演奏されました。

■グライムソープ・コリアリー・バンド(The Grimethorpe Colliery Band)
▲写真は前日のブリティッシュ・オープンの様子(photo by Ian Clowes)

 【演奏曲目】(プログラムから)
・Air from the Third Suite (J S Bach arr Snell)
・Intermezzo from Cavalleria rusticana (Mascagni arr Wright) Soloist Kevin Crockford
・Wedding March from the incidental music for A Midsummer Night’s Dream
(Mendelssohn arr Sykes)
・Waltz: On the Beautiful Blue Danube (J strauss II arr Hargreaves)
・March: Radetzky

 ガラ・コンサート1団体目、グライムソープは、ヘムズワース・アート&コミュニティー・カレッジ合唱団をゲストに迎え、サウンド・オブ・ミュージックをテーマにしたストーリー仕立てのパフォーマンスを披露しました。

1曲目に演奏された「美しき青きドナウ」で、7人の子ども達がそれぞれのキャラクターの特徴を表現しながら登場。バンドの演奏中、アナウンスなしにいきなりグライムソープの前を女の子たちが現れるのですから、驚きの演出でした。子どもたちが登場したあとは、マリアが登場。グライムソープのパフォーマンスの案内役は、このマリアが一貫して行いました。
2曲目には「G線上のアリア」。若きマリアが熱心に教会で祈りをささげていたところを表現し、3曲目はソプラノ・ソロによる、「カバレリアルスティカーナから間奏曲」。マリアの生い立ち、トラップ一家のとの出会いを説明。
次は、映画「サウンド・オブ・ミュージック」から「ひっとりぼっちの羊飼い」。さらに30人近い合唱団が客席の間から入場し、バンドの後ろに立ちはじめました。そして、「ドレミの歌」の始まり。マリアはプリンシパルのロバート・ウェスタコットに音階を吹いてもらい、お客さんと一緒にドレミの練習を始め、客席に向かってこの列はド、この列はレと、オクターブそれぞれ指示し、お客さんも元気に歌ってくれていました。
再度、プログラムに書かれていた曲目に戻り、マリアとトラップ大佐の結婚を、「結婚行進曲」で表現。その後の戦争を「空軍大戦略」より「ドイツ空軍マーチ」、ロッシーニの「タランテラ」で、家族が逃げ惑う様子を表しながら、「私のお気に入り」、「もうすぐ17歳」、「さよならごきげんよう」、「エーデルワイス」、「すべての山に登れ」など、劇中の曲をこれでもか、と演奏・歌ってくれました。最後は、ラデッキー行進曲にてカーテンコール。盛りだくさんの内容でした。

コーリー(The Cory Band)
▲写真は前日のブリティッシュ・オープンの様子(photo by Ian Clowes)

 【演奏曲目】(プログラムから)
・Hail the Dragon (Philip Sparke)
・Brass Triumphant (Gareth Wood)
・Moonbeams (Dan Price) Soloist Joanne Childs
・Giants (Peter Graham)
アンコール: Sing Sing Sing

 前日の優勝団体コーリーの1曲目は「ヘイル・ザ・ドラゴン」。コーリーの125周年を記念した委託作品で、同じくコーリーのためにかかれた「ドラゴンの年」を、ところどころ引用して作られている作品です。2曲目もウェールズ色の強い「ブラス・トライアムフェント」。コーリーのバンドの歴史を題材に作曲された新曲が披露されました。

3曲目は、ディビット・チャイルズの奥様、ジョアン・チャイルズのフリューゲルホーンソロ「ムーンビームス」。コンサート中のボブ(ロバート)チャイルズの説明では、彼が、ナショナル・ユース・ブラス・バンド・オブ・ウェールズを指揮して10年。その最後の年を記念して、ボブからジョアンにナショナル・ユースのゲストプレイヤーとしてソロを吹いて欲しいとお願いしたところ、ジョアンは快く了承し、フリューゲルホーンのソロが少ないので、作曲者に2曲、彼女のために作ってもらった、と作品の出来るまでを紹介していました。

美しいフリューゲル・ホーンソロを聴いたところで、最後のプログラムは「ジャイアンツ」。ヨーロピアン2009のコーリーの自由曲として、ピーター・グライアムに委託された作品です。

アンコールは、今までバンドの前に置いてあったドラムセットを使い「シング・シング・シング」。昨年のブラス・イン・コンサートでコーリーが演奏した、パーカッション・フューチャーの曲です。ドラムセットのほか、3人のパーカッション・プレイヤーが、バーの木製足長いすを使ってタップダンスのように演奏。詳しくは「ブラスインコンサート2008DVD」をご覧下さい!(近日入荷予定)

■ブラック・ダイク(The Black Dyke Band)
▲写真は前日のブリティッシュ・オープンの様子(photo by Ian Clowes)

 【演奏曲目】(プログラムから)
・March: The Australasian (Rimmer)
・Evergreen (Barbra Streisand arr Catherall) Soloist Sandy Smith
・Cats Tales (Peter Graham)
・Finale from the Organ Symphony (Saint-Saens arr Wilby)

 夏のオーストラリア・ツアーを終えイギリスに帰ってきたブラックダイク。1曲目はツアー中もオーストラリアで演奏された、マーチ「オーストラジアン」で幕開けです。 続いて、テナーホーン・ソロは、ブラックダイクに帰って来たサンデー・スミスによる「エヴァーグリーン」。ブラス・バンド曲の編曲者として有名な彼の素晴らしいテナーホーンの音色にホール全体が酔いしれました。

3曲目はピーター・グライアムの「キャッツ・テイルズ」。最後は編曲者フィリップ・ウィルビー自身がパイプオルガンで演奏に参加した「オルガン・シンフォニー」で幕を閉じました。前の週には、グレート・ノーザン・ブラス・アーツ・フェスティバルを終えたばかりのブラック・ダイク。全曲、1週間前のコンサートとは別のプログラムで通しました。

※グレート・ノーザン・ブラス・アーツ・フェスティバルのレポートはコチラ
http://www.bandpower.net/soundpark/03_bbn/bbn01.htm

■ブラック・ダイク&コーリー合同演奏
(The Black Dyke Band and The Cory Band Together)

【演奏曲目】(プログラムから)
・March: The Medallion (Moreton)
・Cornet Carillon (Binge)
・March from The Pines of Rome (Respighi arr Snell)

 最後は、前日のコンテスト上位2団体の豪華版、ブラック・ダイクとコーリーによる合同演奏です。1曲目は、ハリー・モーティマー(イギリス、ブラスバンド界の父的存在)のお気に入りだったマーチ「メダリオン」。指揮は、このガラ・コンサートの主催者であり、14歳にしてフォーデンスのプリンシパル・コルネットを務め、その後オーケストラでトランペット奏者として活躍したブラム・ゲイ。

2曲目はブラスバンド最高峰の2つのバンドのコルネット・セクションによる「コルネット・カリオン」。絶品でした。 3曲目は前の週にマンチェスターで行われたフェスティバルでもブラック・ダイクが演奏した「ローマの松」。ソロになるようなところは、ダイクのプレイヤーが中心になって演奏していました。

アンコールはアーサー・サリヴァンの「ロスト・コード」。合同演奏中、2つのバンドのプレイヤーたちは終始、気持良さそうに演奏していました。

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