ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2014…優勝演奏の「レム-スケイプス」(トーマス・ドス)ほか、今回も名演・激演続出で、見ごたえ、聴きごたえ、満足度120%パーセント!

吹奏楽マガジン バンドパワー

 バンドパワーで人気爆裂中のヨーロピアン・ブラスバンド選手権2014の2枚組ライヴDVD!

 このDVDには、2014年4~5月、スコットランドの古都パースで開催された“第37回ヨーロピアン・ブラスバンド選手権”のメイン・イベント“選手権部門”の本番やガラ・コンサートなど、エキサイティングなライヴ映像が収録されている!!

 ナビゲーターは、DVDシリーズの顔としてすっかりおなじみのBBC(英国国営放送)のバンド番組のプレゼンター、フランク・レントン。

 2枚組の内、【DVD-1】は、そのレントンと、作曲家ナイジェル・クラーク、BBCチャンネル3のバンド番組の責任者で作曲家、指揮者でもあるポール・ヒンドマーシュの3人が、選手権を振り返りながら、ディスカッション形式で注目の演奏にスポットをあてていく進行となっている!

 冒頭、DVDは、コーリー・バンドとヨーロピアン・ユース・ブラスバンドの合同演奏によるピーター・グレイアムの『宇宙戦争』から“フェニックス”が流れる中、会場の紹介につづき、代々のスコットランド王が戴冠式を行ったパース郊外のスクーン宮殿での選手権当日の出演順を決める運命の“くじ引き”のシーンが映し出され、その後ステージの演奏シーンへと移る。指揮者はフィリップ・ハーパー。

 今大会で、この“くじ”が命運を分けることになったことを暗示するシーンだ。

最初に取り上げられるのは、スコットランド王立音楽院教授のベテラン作曲家ローリー・ボイルに委嘱され、選手権初日(5/2)に演奏された指定課題の『マックル・フルッガ』。

 イギリス最北端、シェトランド諸島の北ウンストにある古代ノルド語の“大きく切り立った島(Mickla Flugey)”を語源とするマックル・フルッガ島にまつわる“同じ人魚を愛してしまった2人の巨人が、人魚を追い求めるがともに溺死する”という伝説をもとにした現代作品だ。

 インストゥルメンテーション上の理由から、選手権まで2ヵ月を切ったタイミングで新しいスコアとパートが出場バンドに送られることになった、たいへんな物議を醸し出した作品でもある。

 収録されているのは、指定課題最高の97ポイントを挙げたベルギーのブラスバンド・ヴィレブルークの演奏と、96ポイントで第2位につけたスイスのブラスバンド・ビュルゲルムシーク・ルツェルンの演奏の後半部分。両者のアプローチはまったく違うが、前記理由から、いずれもコルネットを中心に例年よりかなり編成が補強されているのが見てとれる。

 サプライズは、名手ロジャー・ウェブスターがヴィレブルークのコルネットのフロント・ロウに座っていること!そのソロ・ワークの切れ味のすはらしさは、DVD最初の聴きどころだ!

 つづいては、選手権2日目(5/3)の自由選択課題の演奏で、最高得点98ポイントをゲットしたブラック・ダイク・バンドのピーター・グレイアム『トライアンフ・オブ・タイム』の本当にスーパーなパフォーマンスが登場する!

 この作品は、1990年の指定課題としてグレイアムが書いた名曲「エッセンス・オブ・タイム」をトリビュートした新作で、この日が世界初演!

 曲中、ユーフォ二アムのギャリ―・カーティン、コルネットのリチャード・マーシャル、バリトンのカトリーナ・マンゼラ、Ebバスのベン・ディクソン、リビアノ・コルネットのリー・リッグ、トロンボーンのブレット・ベイカー、テナーホーンのジョナサン・べイツ、フリューゲルホーンのゾーイ・ハンコック、ソプラノ・コルネットのベンジャミン・リッチェトンら、入れ替わり立ち替わりすばらしいソロを聴けるのは、さすがスター軍団のブラック・ダイク!パッカッションの6人も大活躍だ!

 圧巻のクライマックスの後のフル・スタンディング・オーべーションは、何度見てもすばらしい!

 ソロイストがつぎつぎ紹介され、作曲者グレイアムまで加わったステージは、まさしくブラック・ダイク・フェスティヴァル!!この1曲だけでも観る値打ちがある!!

 つづいて登場する優勝者、スイスのブラスバンド・ビュルゲルムシーク・ルツェルンによるトーマス・ドス『レム-スケイプス』も聴きものだ!

 スイス・ブラスバンド選手権2013のために同バンドが委嘱し、同年11月24日の選手権本番で自由選択課題として初演。同バンドにヨーロピアンへの切符を与えることになった作品だ!

 ベートーヴェンの「月光ソナタ」にインスパイアーされ、“ルートヴィヒ・フォンのためのいくつかの瞬間…(…some moments for Ludwig von…)”という副題がある。人が寝ている最中、とくにレム睡眠中に見るいろいろな夢や急速眼球運動などが、音楽的に表される今大会初登場の注目作だ。

 ビュルゲルムシーク・ルツェルンの繊細なアプローチも印象的で、指定課題で96ポイント、自由選択課題で97ポイントというバラつきのない安定したパフォーマンスで、スイスにヨーロピアン史上初の優勝をもたらした!

 一方、残念な結果に終わったのは、前年優勝のディフェンディング・チャンピオン、コーリー・バンドだった。

 くじ引きの結果、指定課題、自由選択課題ともに演奏順が1番目になってしまったコーリーは、初日の指定課題でまさかの90ポイントどまりの第8位!2日目の自由選択課題で大逆転を狙うが、トップとの差を縮めるには至らなかった。DVDには、ハーパーの自作『ディヴァイン・ライト』(抜粋)で巻き返しを図る2日目の演奏が収録されている。

 それ以外の演奏では、オーバーブロウがまったくない他では聴けないアプローチを見せたフランスのパリ・ブラス・バンド演奏のヤン・ヴァンデルロースト『いにしえの時から』(抜粋)も要注目!

 また、曲間のレントン、クラーク、ヒンドマーシュのディスカッションも大盛り上がり!

“ブラック・ダイクが一日を支配した”、“コーリーが2日とも1番目に演奏するなんて”、“ロイヤル・アルバート・ホールだったら、違った結果になったかも”などなど、議論白熱!クラークが“トーマス・ドスの大ファンなんだ”と語るシーンもあり、とても興味深い!

【DVD-2】には、ガラ・コンサートやファイナル・コンサートなどの愉しめる演奏を収録!

 選手権本番のパフォーマンスで、“ベスト・ソロイスト”に輝いたブラック・ダイクのカトリーナ・マンゼラが、コーリーをバックにスパークの『スカラムーシュ』のソロをとるシーンなど、別売のCDとは違う選曲になっているのも大きなポイント!

 会場の空気感を見事にとらえた臨場感あふれる録音も特筆もので、収録時間はたっぷり3時間超え!

ますます発展するヨーロピアン!

 2015年大会は、ドイツのフライブルク・イム・ブライスガウで開催される!

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【ヨーロピアン・ブラスバンド選手権のCD】
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【ヨーロピアン・ブラスバンド選手権のDVD】
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