名曲『カンタベリー・コラール』のルーツを知る上でゼッタイ欠かせない、ファン垂涎の1枚! 指揮は、もちろん作曲者ヴァンデルロースト自身!
しかも、曲を委嘱したブラスバンド・ミデン・ブラバント(ベルギー)の演奏という、とんでもないシロモノだ!
録音は、初演からそう遠くない1992年4月、ルーヴェンのレマンス音楽院ホールで!
ほぼ同時期にリリースされたヤン・デハーン指揮、ブラスバンド・ソーリ・デーオ・フローリア(オランダ)の演奏盤(DHM/絶版)と並ぶ、「カンタベリー・コラール」の最初期のレコーディングだ!
イングランドのカンタベリー大聖堂を訪れたときに受けた感銘を音楽で表したこの曲が作曲されたのは、1990年のこと。創立15周年を迎えたブラスバンド・ミデン・ブラバントのチェアマンのロベール・ルブ―グルからのリクエストを受けてのものだった。当然、このアルバムで演奏されているのも「カンタベリー・コラール」のオリジナル・バージョンである“ブラスバンド版”だ!!
サクソルン属金管楽器の密集音による、まるで教会で聴く賛美歌のように美しく響くこの演奏からは、作曲者がこの作品をブラスバンド編成で作曲した意図が透けて見えるくるようだ。その後発表されたウィンド・バンド(吹奏楽)版とは、響きの質感がまったく違う!
アルバムには、この他、同じくヴァンデルロースト自作自演の『ファイアワーク』、フィリップ・スパークの『祝典のための音楽』、エドワード・グレッグスンの『プレリュード・フォー・アン・オケージョン』、ジェームズ・カーナウの『ジュビレーション!』など、この時代につぎつぎと現われたブラスバンドのためのオリジナル名品が選曲されている。
いかにも、ブラスバンドの新しい旗手としてエネルギッシュな演奏活動を行なっていた当時のブラスバンド・ミデン・ブラバントらしいプログラミングだが、この内、世界的な人気曲なのに意外とオリジナル・バージョンのCDがないスパークの「祝典のための音楽」は、プリーズ・ブラス・バンドの自作自演盤(CD-1093)やBNFLバンド盤(CD-0042)と並んで、とても貴重!!
また、この後、オランダのロイヤル・コンセルトヘボウ管弦楽団ソロ・トロンボーン奏者になったイヴァン・メイレマンスやドイツのバンベルク交響楽団ソロ・トロンボーン奏者になったベン・ハームホウトスがこのバンドのメンバーだった頃の若き日のパフォーマンスが愉しめるのも要注目ポイント!
この内、ハームホウトスは、アントワープ音楽院ウインドオーケストラと録音したベルト・アッペルモントのトロンボーン協奏曲「カラーズ」(CD-0003)のすばらしいソロで知られるが、こちらのミデン・ブラバント盤では、なんとユーフォニアムで大活躍! ソロをとったヨハン・エヴェネプールの『ユーフォニアムのためのラプソディ』におけるパフォーマンスも実にすばらしい!!
アルバム全体を通し、演奏もサウンドもキラキラと煌めいている!
20年以上前のリリースなので、とっくの昔に絶版!
再プレスではなく、当時のまま奇跡的に出土したこの機会をゼッタイに見逃さないでほしい!
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