■マイ・フェロー・アメリカンズ~マン・オン・ザ・ムーン・ラスト・エピソード(作曲:清水大輔)

作曲家・清水大輔の人気シリーズ「マン・オン・ザ・ムーン」の第3弾となる「マイ・フェロー・アメリカンズ~マン・オン・ザ・ムーン・ラスト・エピソード~」(My Fellow Americans ~ Man on The Moon Last Episode)の楽譜エットが遂に発売となった。

■マイ・フェロー・アメリカンズ
~マン・オン・ザ・ムーン・ラスト・エピソード~

http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9456/

 作曲本人による作品解説は、以下のとおり。

 この作品は2008年より構想を始め2010年10月に完成した25分程の作品。

 私は今までに2001年に『Man on The Moon』、2006年に『LOST MOON ~ Man on The Moon Episode 2』という2作品を書きました。第1作では『アポロ11号』、第2作では『アポロ13号』をテーマにしており両作品共に冒頭はケネディ大統領の『ムーン・スピーチ』を描写した楽章で始まり4楽章構成になっています。

 今作では『アポロ17号』、そしてケネディ大統領自身をテーマとしており全2作同様4楽章で構成されています。

 1楽章『The Last Mission ~ at the Taurus – Littrow ~』では1972年12月7日、最後のミッションであり最後の月面着陸となったアポロ17号をテーマにした楽章。午後9時53分のリフト・オフ(打ち上げ)から曲は始まり12月11日、月に降り立ったハリソン・シュミット、ジーン・サーナンは月面車に乗りタウルス・リトロー谷に到着します。曲はそのミッションを描写しており徐々に月探索の終わりが近づく場面へと移ります。

 月を離れる最後の日船長であるジーン・サーナンは1枚の銘板を月に置く。その銘板には『西暦1972年12月、人類はここで、月への第一期の探索を完了した・・。』と書いてありアポロ計画スタートから約5年、のべ40万人にの関係スタッフ、総経費250億ドルというアメリカの国力をすべて注ぎ込んだ壮大な計画は終わります。それを象徴するかのように曲は最高潮に盛り上がり前作で出て来た『大統領の夢』の旋律が再現し幕を閉じます。

 アタッカで始まる2楽章『Inaugural ~ The Strategy of Peace ~』からは場面が一変しケネディ大統領の就任演説の描写へと変わります。前2作と同様ケネディ大統領のテーマが再現しますが今回は就任演説での有名な一節『アメリカの同胞諸君、アメリカが諸君になにをしてくれるかを問うのではなく、諸君がこの国になにができるかを問おうではないか。』を描写しており前2作とはまた違う、行進曲風のスタイルになっています。

 最後には演説を終えた大統領がホワイトハウスから月を眺めるシーンへとなり曲は静かに幕を閉じます。

 3楽章『The Last Trip ~1963/11/22 ~』ではケネディ大統領の運命の日となる11月22日を描いた楽章。テキサス州ダラスのラブ・フィールド空港に着いたケネディ大統領、その後ダラスの街中を通る11マイルのパレードが始まる。

 曲はパレードを描写するように『Hail to the Chief』(大統領が出席する時に頻繁に演奏される曲)が流れますが徐々に不穏な感じへと変わります。エルム・ストリートを左に入り車のスピードが遅くなり午後12時29分、パレードの車列はディーレイ・プラザに入る、その1分後グラッシー・クノール(芝生の丘)に近づいた時、銃声が鳴り響いた。一瞬の静寂、最初爆竹の音かと思った次の瞬間、数発の銃声が鳴り響きケネディ大統領は頭を撃たれ後ろへ仰け反る、車はパークランド病院へと急行した。曲はこの流れに沿って進む。

 有名な暗殺の瞬間を収めた『ザプルーター・フィルム』を私は何度も見てその瞬間何が起きたのかを考えその悲劇を音符に込めました。その後曲は大統領の死の場面へと移り変わります。CBSのニュースキャスターウォルター・クロンカイトが大統領暗殺の速報番組の中で悲しみのあまり涙で言葉に詰まりながらも大統領の死を伝えます。暗殺から30分後の事でした。曲はその悲しみを表現するアダージョとなり静かに終わります。

 4楽章『Building The Peace ~ We will carry on ~』ではケネディ大統領の思想、功績を讃える壮大な楽章。『平和の建設』というケネディの名演説をタイトルに持ち、曲はその言葉を象徴するかのように進みます。

 国民が大統領の死を乗り越えるかのような旋律、大統領のテーマがエコーのように再現する場面、この全3部作を総括する壮大なエンディングへとなり曲はアポロ計画、ケネディ大統領、すべてを讃えて最高潮に盛り上がり幕を閉じます。(清水大輔)

■編成などこの曲の詳細をBPショップでチェックする
http://item.rakuten.co.jp/bandpower/set-9456/

(2012.12.17)

▲2楽章
▲3楽章
▲4楽章

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