【コラム】富樫鉄火のグル新 第387回 究極のシネマ・コンサートだった『ブレードランナーLIVE』

しばしば書いているのだが、シネマ・コンサート(オーケストラによるナマ演奏)であまり満足できた経験がない。

理由は2点で、
(1)いくらオーケストラがナマ演奏しても、映画館特有の地響きのような大音響にはかなうべくもなく、かえってショボい印象になってしまう(『2001年宇宙の旅』など、前半で帰ってしまった)。
(2)会場が映画館でなく、(東京国際フォーラムのような)巨大多目的ホールが多い。すると、小さなスクリーンがステージ奥にかかっており、よほど前方席でないと「遠くに何か映っているな……」と、これまたショボいことになってしまう。

というわけで、どうもシネマ・コンサートには、いい印象がなかった。
(ただ一回だけ、佐渡裕指揮の『ウエスト・サイド物語』は、サントラの「声」が主役なので、当然ながらスピーカー越しにガンガン響いてきて、これは感動的だった)

しかしシンセサイザーなどの「電子音」中心の映画音楽だったら、PAでパワーアップされた音響のはずだから、きっと見ごたえ(聴きごたえ)があるのでは……と前から思っていた。それに、ついにめぐり会えた。しかも、素晴らしい内容だった!

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