【コラム】富樫鉄火のグル新 第343回 シニアの居場所

 岩波ホールが7月で閉館するという。
 あまりの衝撃的なニュースに、しばらく呆然となった。
 わたしは、岩波ホールが映画専門館になった1974年から通っている(開館は1968年で、当初は講演会などの多目的ホールだった)。映画第1弾、サタジット・レイ監督の『大地の歌』を観たのは、高校生のときだった。
 その後、大学時代は、校舎がすぐそばだったので、特によく通った。ここは、どんなに不入りの映画でも最低1か月は上映する(ヒットすると、何カ月もロングラン上映してくれた)。わたしは、おそらく、ここで上映された映画の3分の2近くを観てきたと思う。

 近年は、学生や卒業した教え子たちと行くことが多かった。2019年5月~7月に上映された『ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス』にもみんなで行ったが、これは空前の大ヒットで、連日満席、ロビーは半ばパニック状態だった。
 このとき、まだまだ岩波ホールは大丈夫と思った。だが、あれからわずか2年余で、こんな日が来るとは、夢にも思わなかった。

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