【コラム】富樫鉄火のグル新 第336回 東京佼成ウインドオーケストラの“民営化”

 日本を代表するプロ吹奏楽団「東京佼成ウインドオーケストラ」(TKWO)が、一般社団法人となって、“民営化”され、来年春から再スタートを切ることが発表された。
 TKWOは、1960年に、宗教法人「立正佼成会」の一事業部門として設立され、昨年、創立60年を迎えた老舗楽団である。だが今回、教団側が事業停止を決定したのだった。
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 昨年春以降、新型コロナ禍でTKWOの演奏会は中止、事務局は在宅勤務中心となった。立正佼成会も事実上、活動休止となった。
 それでも、わたしは、本年4月に刊行された『東京佼成ウインドオーケストラ60年史』のドキュメント部分を執筆していた関係で、その間、何度か、TKWO事務局を訪問していた。
 事務局は、以前は普門館内にあったのだが、解体後は、向かいの立正佼成会大聖堂内に移っていた。
 ところが、その大聖堂が「閉鎖」されており、どこから入ればいいのか、最初のうちは、迷って困ってしまった。なにしろ巨大な建物なので、ひとつ間違えると、たいへんな距離を歩かなければならないのだ。

 本来、大聖堂はオープンで、1階の売店や2階の大食堂などは近隣のひとびとでも使用でき、わたしも、時折、利用させていただいていた。そうでなくとも、この近所で生まれ育ったわたしには、なじみのある建物である。
 その大聖堂が扉を閉ざして静まりかえっているのを見ていると、最初は「まさにコロナ禍ゆえの光景だなあ」なんて思っていたのだが、何回か行っているうちに、別の不安が襲ってきた。
 これほどの巨大組織が、こんなにいつまでも活動休止して、大丈夫なのだろうか。母体がこれでは、TKWOにも影響があるのではないか。

 すると案の定、昨年秋ころから、どうも「運営」をめぐって、なにか検討がなされているらしいことを感じていた。

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