一見、オタク向けに見えながら、意外と大人の鑑賞にも耐えうる、しかも「音楽」を題材にした映画を2本観たので、簡単にご紹介を。
1本目は、アニメーション映画『映画大好きポンポさん』(平尾隆之監督)。
正直、このタイトルとヴィジュアルゆえ、還暦過ぎのオヤジが観に行くのは、ためらいがあった。だが、SNS上の評価が尋常ではない。オタク趣味を超えた高評価が相次いでいる。
公式サイトによると、映画製作の舞台裏を描くもので、物語中の映画のタイトルは『マイスター』(巨匠)だという。どうも「指揮者」の物語らしい。
そこで勇気をふるって、休日の午後、アニメ専門映画館「EJアニメシアター新宿」(旧・角川シネマ新宿)に足を踏み入れた(ガラ空きだった)。
舞台は映画の都ニャリウッド。若い女性プロデューサー、ジョエル・ダヴィドヴィチ・ポンポネット(愛称ポンポさん)は、映画作りに関して天才的な慧眼の持ち主である。
そのポンポさんに見込まれ、アシスタントのジーン・フィニ青年が新人監督としてデビューする。作品は『マイスター』。ある大指揮者(カラヤンを思わせる)がスランプに陥り、カムバックするまでの物語である。