【コラム】富樫鉄火のグル新  第304回 合唱で聴きたい~よみがえる岡林信康

岡林信康(1946~)が新アルバム『復活の朝』(FUJI)をリリースした。ライヴ盤などを別にすれば、23年ぶりの新曲アルバムだという。これがとてもいい内容だったので、ご紹介したい。

 岡林信康といえば、1960年代後半~70年代にかけて、《山谷ブルース》《友よ》《手紙》《チューリップのアップリケ》《流れ者》といった、社会の矛盾や不公正を衝くプロテスト・ソングで知られるシンガー・ソング・ライターだ。“フォークの神様”とも称されていた。
 いままでに10社前後のレコード会社を渡り歩き、そのたびに新しいジャンルに挑んできた。あるときなど、ド演歌の世界に入り込み、西川峰子や美空ひばりに楽曲を提供した。かと思えば、TV時代劇のエンディング・テーマを歌ったこともある。ボブ・ディランを彷彿とさせる作風だった時期もあった。

 そんなカメレオンぶりのせいで、ずっと追いかけてきたファンを別とすれば、一般には、名前こそ有名だが、一筋縄ではいかない、不思議な存在だったのではないだろうか。
 特に、ある時期から農耕生活に入ったため、引退したと思っているひともいるかもしれない。だが、ライヴ・コンサートはずっと続けてきた。

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