■ソナチナ(演奏:リチャード・マーシャル)

ブラック・ダイク・バンドのプリンシパル・コルネット奏者として、度重なる日本公演ですっかりおなじみとなったリチャード・マーシャルがブラック・ダイクの“プリンシパル”として過ごした15周年を記念してリリースされたソロ・アルバム。

アルバムは、2014年から2016年にかけて録音された既リリース音源に新録音のデニス・ライトの『コルネット協奏曲』を加えた構成。だが、すべてブラック・ダイクが準本拠としている英ウェストヨークシャー州モーリーのランドマーク、モーリー・タウン・ホールで録音されたものだけにトラックごとの音場の違和感はほとんどない。プロデュースとエンジニアリングも、ブラスバンド録音のスペシャリスト、リチャード・スコットが担っている。

冒頭を彩る新録音のデニス・ライトの『コルネット協奏曲』は、リバプール・フィルの首席トランペット奏者で伝説的コルネット奏者のハリー・モーティマー(1902~1992)のために書かれた初のコンチェルトだ。オリジナルはウィンド・バンド(吹奏楽)伴奏で、モーティマー独奏、ウォルトン・オードンヌル指揮、BBC放送吹奏楽団の伴奏で初演された。その後、ブラスバンド伴奏版とオーケストラ伴奏版が作られている。古典的協奏曲の様式で書かれた作品で、今でもしばしば演奏される。

2曲目のエルガー・ハワースの『ソナチナ』は、2007年秋、マーシャルのために書かれた。作曲当時は、ピアノ伴奏の作品で、マーシャルの来日リサイタルでも演奏された。ブラック・ダイクの委嘱でブラスバンド伴奏版が作られたが、コンテンポラリー・タッチとハードなテクニックを必要とし、この演奏のセッションでこの曲を客演指揮したハワースをリスペクトするブラック・ダイクの伴奏も、ひじょうに繊細、そして緻密だ!

マーティン・エレビーの『コルネット協奏曲』は、米ノースカロライナ州のトライアングル・ブラス・バンドの委嘱作で、2012年3月18日、同州ローリのメイマンディ・コンサート・ホールで、ジェンス・アンダーマン独奏、トニー・グラナドス指揮の同バンドの演奏で初演された。イギリス初演奏は、2014年1月、マーシャル独奏、ブラック・ダイクの演奏で行われ、BBC放送がそのライヴをオン・エアした。急-緩-急の3楽章構成で、第1楽章・第3楽章のリズミカルな展開の間に叙情的にうたいあげられる第2楽章を挟んだ古典的な協奏曲スタイルをとっている、メロディーラインの親しみやすさ、美しさは、近年発表されたブラスバンドのためのコンチェルトの中でもグンを抜く。

エドワード・グレッグスン『コルネット協奏曲』は、2016年、マーシャルのために書かれた作品で、小題のある急-緩-急の3つの楽章で構成される。2016年4月30日、フランスのリールのコンサート・ホール“ル・ヌーボー・シエークル”で開催された“ヨーロピアン・ブラスバンド選手権2016”のガラ・コンサートで、マーシャルの独奏、ニコラス・チャイルズ指揮、ブラック・ダイクの伴奏で初演された。コルネットとブラスバンド、双方のキャラクターや音楽的魅力を知り尽くしている作曲家だからこそ書くことができた作品であり、独奏者、伴奏者、聴く者のすぺてを音楽の中に惹きこんでいく!

現代を代表するコルネッティスト、リチャード・マーシャルの記念碑的ソロ・アルバムだ!

【リチャード・マーシャル】
イングランドのヨークシャー地方の生まれ。父は同地方の実力バンド、ブロッズワース・コリアリー・バンドのフリューゲルホーン奏者。9才のときにコルネットを始め、1996年、19才の若さでグライムソープ・コリアリー・バンドのプリンシパル・コルネット奏者に就任。フリーランスのトランペット奏者としても活躍。2006年1月、ブラック・ダイク・バンドのプリンシパル・コルネット奏者に就任した。2008年、フィリップ・コップ、オーウェン・ファー、デヴィッド・チャイルズとブラス・カルテット“エミネンス・ブラス”を結成。ロイヤル・ノーザン音楽カレッジ、バーミンガム音楽院のコルネット・チューターもつとめている。

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■ソナチナ
演奏:リチャード・マーシャル

Sonatina

【データ】
・コルネット:リチャード・マーシャル(Richard Marshall)
・演奏:ブラック・ダイク・バンド(Black Dyke Band)
・指揮:ニコラス・チャイルズ(Professor Nicholas Childs)1、3、4
 エルガー・ハワース(Elgar Howarth)2
・発売元:ドイエン(Doyen)
・発売年:2020年
・収録:Morley Town Hall (U.K.)

【収録曲】

  1. コルネット協奏曲/デニス・ライト【12:53】
    Cornet Concerto/Denis Wright
    第1楽章:アレグロ Allegro【6:48】
    第2楽章:カンツォネッタ Canzonetta【3:45】
    第3楽章:ロンド Rondo【2:20】
  2. ソナチナ/エルガー・ハワース【17:29】
    Sonatina/Elgar Howarth
    第1楽章 【4:45】
    第2楽章 【5:07】
    第3楽章 【7:37】
  3. コルネット協奏曲/マーティン・エレビー【11:59】
    Cornet Concerto/Martin Ellerby
    第1楽章:ブリランテ Brilliante【4:31】
    第2楽章:アリエッタ Arietta【4:42】
    第3楽章:ロンディーノ Rondino【2:46】
  4. コルネット協奏曲/エドワード・グレッグスン【20:58】
    Cornet Concerto/Edward Gregson
    第1楽章:ソナタ Sonata【7:32】
    第2楽章:インテルメッツォ(さらに遠い記憶の…) 
    Intermezzo (…of more distant memories)【6:43】
    第3楽章:ロンド Rondo【6:43】

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