英ウェストヨークシャー州モーリーのランドマーク、モーリー・タウン・ホールで2017年から2018年の間にかけて録音されたブラック・ダイク・バンド首席トロンボーン奏者ブレット・ベイカーのソロ・アルバム。プロデュースとエンジニアリングは、ブラスバンド録音のスペシャリスト、リチャード・スコットが担っている。
ブレット・ベイカーのソロ・パフォーマンスは、度重なるブラック・ダイク・バンドの来日ツアーですっかりおなじみとなっているが、ナマ演奏で聞く最大の魅力は、ストレスをまるで感じさせない美しいサウンドだろう。
ケネス・ダウニーの『トロンボーン・タイム』の心地よいパフォーマンスで幕あけるこのアルバムでも、ゴードン・ラングフォードの『トロンボーンのためのラプソディ』、ピーター・グレイアムの『ガーディアン』、ジョン・ゴーランドの『トロンボーンのためのセレナーデ』、ギャレス・ウッドの『ダンス・シークエンス』、スティーブン・ロバーツの『トロンバンゴ』という、イギリスのブラスバンドの王道を行く作曲家たちのソロピースをその魅力ある音色と歌ごころでたっぷりと愉しませてくれる。
ラストを飾るヤン・ヴァンデルローストの『コントラスツ』は、“サウンズ”“カプリス”という異なる個性の2楽章からなる唯一コンテンポラリー・タッチが感じられる作品だが、ソロ・フレーズの端々にヴァンデルロースト節が聞かれるたび思わずニンマリさせられる。
収録曲中、4曲が《世界初録音》というのも、大きなウリとなっている!!
【ブレット・ベイカー】
英グロースターシャー州フォレスト・オブ・ディーンに生まれる。全英ユース・ブラス・バンド奏者をへて、1992年にBBC放送の“ヤング・ミュージシャン・オブ・ジ・イヤー”のファイナリストとなる。その後、ソルフォード大学に学び、フェアリー・バンドに参加し、1993-4年と2年連続で全英オープン・ソロ・チャンピオンとなる。デニス・ウィックのアドバイスを得たほか、マンチェスターのロイヤル・ノーザン音楽カレッジで、クリス・ホウルディング、ジョン・アイヴスン、ジョン・ミラーに師事。2000年に、ブラック・ダイク・バンドに参加し、首席トロンボーン奏者に就任。2006年、ブリティッシュ・トロンボーン・ソサエティのチェアマンおよびバイス・プレジデント(副会長)となる。
【このCDをBPショップでチェックする】
http://www.bandpower.shop/shopdetail/000000000758/
■コントラスツ
演奏:ブレット・ベイカー with ブラック・ダイク・バンド
Contrasts
【データ】
・トロンボーン:ブレット・ベイカー(Brett Baker)
・演奏:ブラック・ダイク・バンド (Black Dyke Band)
・指揮:ニコラス・チャイルズ (Profesor Nicholas Childs)
・発売元:ドイエン (Doyen)
・発売年:2018年
・収録:2017~2018年、Morley Town Hall, UK
【収録曲】
- トロンボーン・タイム/ケネス・ダウニー【7:00】
Trombone Time/Kenneth Downie - トロンボーンのためのラプソディ/ゴードン・ラングフォード【12:34】
Rhapsody for Trombone/Gordon Langford - ガーディアン/ピーター・グレイアム【6:37】
The Guardian/Peter Graham - トロンボーンのためのセレナーデ/ジョン・ゴーランド【6:06】
Serenade for Trombone/John Golland - ダンス・シークエンス/ギャレス・ウッド【10:07】
Dance Sequence/Gareth Wood - トロンバンゴ/スティーブン・ロバーツ【7:14】
Trombango/Stephen Roberts - 7.コントラスツ /ヤン・ヴァンデルロースト【16:35】
Contrasts/Jan Van der Roost
I)サウンズ Sounds【10:21】
II)カプリス Caprice【6:14】
【このCDをBPショップでチェックする】
http://www.bandpower.shop/shopdetail/000000000758/