【コラム】富樫鉄火のグル新 第289回 市松模様

 7月21日、東京・千駄ヶ谷にある国立能楽堂へ行った。
 日本芸術文化振興会が運営する6つの国立劇場(国立劇場、新国立劇場、国立演芸場、国立能楽堂、国立文楽劇場、国立劇場おきなわ)のなかで、比較的早く、主催公演を再開させたようなので、どんなふうに上演しているのか、気になったのだ。
 ひさしぶりで、JRの千駄ヶ谷駅に降りて驚いた。少々薄暗かった駅舎が、ピカピカに改装されていた。
 ここは、国立競技場の最寄り駅なのだ。

 能楽堂に着くと、入り口で検温、手の消毒。
 場内スタッフは、全員、マスク、フェイスガード、手袋を着用。
 座席配置は映画館などと同様、市松模様で、最前列は売り出しナシ。
 謡は覆面を着用。
 公演中もドアは開け放し。庭に通じるガラスドアも全開放で、廊下には扇風機が置かれ、随所で蚊取り線香が炊かれている。外気や蚊取り線香の香りが微かに客席に流れ込んできて、なんとなく「薪能」の気分である。
 ふと見ると、前の座席の背もたれにある「字幕表示機」が、一新されていた。前は、たしかボタンで操作していたが、いまはタッチパネル式で、なんと「6か国語」が表示できるようになっている。
 終演後は「密」防止のため、正面→脇正面→中正面の順で、スタッフの指示に従って客席を出る。

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