【コラム】富樫鉄火のグル新 第287回 書評『まんが訳 酒呑童子絵巻』

 前回の能・狂言の解説書のなかで、《道成寺》が紹介されていた。その「道成寺」伝説を驚くべきスタイルで取り上げる新書が出た。『まんが訳 酒呑童子絵巻』大塚英志監修/山本忠宏編(ちくま新書)である。

 詳しい方なら、書名や著者名から想像がつくだろう。これは、日文研(国際日本文化研究センター)が所蔵する「絵巻」を、場面ごとに拡大抜粋してコマ割りし、吹き出しを付け、「まんが」風に再構成したものである。素材は、書名でもある「酒呑童子絵巻」のほか、「道成寺縁起」、「土蜘蛛草子」の3本。
 これらのオリジナル絵巻は、日文研のサイトで無料公開されており、自由に閲覧できる。しかも、素晴らしい使い勝手の良さと精度である。だから、いまさら、鮮明度ではるかに落ちる、小さな新書判に印刷された「紙」で観る必要など、ないはずである。

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