■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」04

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第4回「管楽器の音を出す」ついて考えよう。~吸って吐いて、振れて音が鳴る(その2)

皆さん、今は新型コロナウイルス感染症の拡大防止です。収束そして終息に向けて一人一人が強い意志をもって人との接触をしない、手洗いうがい消毒を実行する、そして心身ともに健康に留意していくしかありません。今は窮屈で辛く憂鬱な日々ですが、コロナなんかには絶対に負けません!活動を再スタートする日のために、自分の大好きな楽器について少し知識を蓄えてみましょう。

第4回目は「管楽器で音を出す」の続きで、アンブシュアのお話です。

アンブシュア(唇やリードの振動) 
前回、管楽器では、呼吸で得られた息の流れを使い、金管楽器は唇を振動させる、リード楽器はリードを振動させることにより、「波」が発生して振動源が作られ音が出ます。
今回は、いよいよ「音が鳴る」について考えます。
では、波の発生するメカニズムを金管楽器(リップ振動・バズィング)と木管楽器(リード振動)に分けて考えます。

その前に、私たちには口の形を変化させる、つまり唇を開らいたり閉じたり、引いたりつぼめたりする時に使う、口の周りを取り囲むようにある、「口輪筋」という筋肉があります。こちらも呼吸と同じように普段は意識して使っているという感覚はありません。
この口輪筋が衰えてくると口角が下がったり、連動している表情筋が動かなくなり表情が乏しくなります。
管楽器奏者は、この口輪筋を上手く使い、唇を支え適度な緊張を与えたり、マウスピースのくわえる時の口の形などを整えたりして、アンブシュア(唇や口腔の形)を決めていきます。
少し「微笑む」イメージです。

(日経ヘルスより引用)

1)金管楽器(リップ振動・バズィング)
金管楽器の振動源は「唇」。
振動の発生は上下の唇の間から息が流れ、その流れにより適度に緊張した唇が振動します。
唇自体を意図的に操作して硬く閉じたりひっぱったりして無理に振動を与えたりするのではありません。前回の声を出す時、声帯が適度の強さで閉じて、吐く息によって振動するとお話ししました。これと同じで、唇が声帯と同じ働きをしているのです。

上図の赤丸の唇の両端(口角)と顎の上部から唇の下あたりへこみ部分の3点が固定されて、それ以外は適度な緊張をさせるようにします。
そうすると、唇の中央に息の通る道(アパアシュア)が生まれます。
この時、唇中央部がリラックスして自由に振動できるようにしておきます。
(この部分はマウスピースの中にはいっています)
そして、肺から送り出した意識した息を通過させて、唇に振動してもらい、ブーという(バズィング)音を出します。(この場合はアップやクールダウンでの脱力させた唇を振るわせる、ブルル~~的な音の出し方ではありません)

振動発生のポイント(金管楽器)
(1)やや微笑むイメージで息が通れるアパアシュアが出来るような適度の緊張をした唇にする。
(2)上下の唇は(努めて)フラットになるよう歯やあごの位置を工夫する。
(3)口角を固定する。
(4)唇中央部がリラックスして自由に振動できるようにしておく。
(5)意識した息を送り込む。

2)木管楽器(リード振動)
木管楽器は金管楽器と違い、リードが振動源となり音を出します。
やはり、口輪筋を上手く使い、マウスピースを固定します。マウスピースとのジョインをいかにしてベストにするかが重要です。
口を硬く閉じることではなく、また歯でマウスピースを噛むこともしないようにしてください。マウスピースにリードをセッティングする時も、リガチャーで着つく締めすぎないことです。
マウスピースとリードの僅かな隙間に、息を送り、効率よくリードを振動させるためです。
ここでは、波を発生させる「振動」をテーマにしていますので、各楽器によりアンブシュアやリードのセッティングが違いますので、詳しくは各楽器の教則本などで確認してください。

2回にわたって「管楽器で音を出す」にはどのようにしたらよいか?
目標は、楽器のベストな波を発生させるための「振動源」を作ることでした。
(1)呼吸(ブレス)
(2)姿勢(フォーム)
(3)アンブシュア  

~吸って吐いて、振れて音が鳴る~「管楽器の音を出す」こと
少し理解してもらえましたか?

この音出しなら、今すぐ家でもできます!
急に学校がお休みになって、楽器ケースにマウスピースを入れたままの人でも、
金管楽器はマウスピース無しでの唇の振動のチェック。(どうしてもマウスピースが恋しい人は、自分の人差し指と中指で軽く唇に触れて・・・でもしっかり手を洗ってね)
木管楽器は・・・。自分の親指をマウスピースにみたてて、ストローをくわえてなんてアイデアもいいかも。(こちらもしっかり手洗いはしましょう)

無理して無理やり音を出すのではなく、「呼吸と振動」という原点をもう一度見直してみましょう。
今回も最後まで読んでくれてありがとう。

次回は、「楽器を存分に奏でる」その日のために ~今、家で出来るトレーニング。

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