【コラム】富樫鉄火のグル新 第282回 テレワークなので『テレマークの要塞』を観た

 こんなに長いこと、映画も芝居も演奏会も美術展も行かない日々は、初めてだ。音楽ライターの仕事もほとんどキャンセルになり、本業も半ばテレワークなので、この際、自宅DVDで、映画『テレマークの要塞』を観た。小学校低学年のころ、両親と「中野オデヲン座」で観た映画だ。

 「中野オデヲン座」は、青梅街道、鍋屋横丁の交差点にあった映画館で、昭和25年創設。父や祖父からは、このあたりは、戦前には3~4館の映画館があったとよく聞いていた。実はここは、江戸時代、堀之内・妙法寺へ参詣に行く際の参道入口にあたる場所だった。みんな、ここにあった茶屋「鍋屋」で一息入れてからふたたび歩き始めたのである。
 それだけに、終戦までは、中野でいちばんにぎわった一角だったというが、わたしが物心ついたころは、映画館は「中野オデヲン座」だけだった。
 ちなみに、「オデヲン座」とは、東亜興業が中央線沿線を中心に展開した映画館チェーンで、たしか、「阿佐ヶ谷オデヲン座」が第1号だったと思う(現在、ラピュタ阿佐ヶ谷の手前にある「トーアフィットネスクラブ」がそうだ)。
 いま「オデヲン座」は、吉祥寺にしかない。

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