■五十嵐先生、教えてくれっチョ!【特別篇】「コロナなんかに負けないぞ!」 今やろう!「笑顔で吹奏楽活動を再スタートする日のために」03

Text:五十嵐 清(東京清和吹奏楽団常任指揮者/元東京消防庁音楽隊長)

第3回「管楽器の音を出す」ついて考えよう。~吸って吐いて、振れて音が鳴る(その1)

皆さん、新型コロナウイルス感染症の影響で、活動が休止して大好きな楽器も吹けなくて、ポッカリと穴が開いてしまったような悶々と憂鬱な毎日を送っているのかな? そんな今だからこそ、これまでがむしゃらにほぼ毎日活動してきたことを、別の視点から見つめて、活動を再スタートする日のために備えてみてはどうでしょう。

第3回目は「管楽器で音を出す」にはどのようにしたらよいか? 
「空気の流れと振動」という基礎的なことから探ってみましょう。

目標は、楽器のベストな波を発生させるための「振動源」を作る。 そのためのポイントは、
(1)呼吸(ブレス)
(2)姿勢(フォーム)
(3)アンブシュア
の3つです。

1.吸って吐いて、呼吸と息の流れ
前回「音について」お話しました。「音の3要素=音量、音程、音色」に気を付ければ いいんだ。 と覚えてくれたこと思います。
その際「音とは?」で、大嫌いな理科・物理が出てきてスルーしてしまったこと・・・
もう一度おさらい、

「物体が揺れて発生する「波」が空気など媒体を伝わり、人の耳に届き聞こえる」でしたね。
管楽器の最大のポイントは、いかにして楽器のベストな波を発生させるための「振動源」を作るかです。

こたさん Q:どのようにして、波を作るといいの?
きよし A:ハイ。先ずはエネルギーとなる空気をたくさん吸い込み、息に変換して吐き出す、 「呼吸」がとても重要です。(吐き出すときに意識して「自分の心を込めた息」にします)
 
(1)呼吸(ブレス)
管楽器にとって、息は自動車のガソリン(今はハイブリッドや電気が主流となりましたが)のようなエネルギー源です。取り込み方や仕事をしてくれるように変換していかなければ音になりません。そのための「呼吸・ブレス」について探ってみましょう。

【実践編】さあ~ 深呼吸をしてみましょう。(今すぐ家でもできます。やってみてください)

1)立って上半身をリラックスさせて、口からゆっくり息を吐き出しましょう。
→ポイント:頭を首に乗せる。肩の力を抜く。背中を自然なカーブにするなど自然体になるようにする。

2)口からたくさんの空気を肺に吸い、取り込みましょう。
→ポイント:「たくさん空気を肺に吸い込む」、そうすると自然にお腹が膨らんできます。 腹筋に力を入れて、お腹を膨らまして腹式呼吸で・・・とよく耳にしますが、 間違っています! 意図的にお腹を膨らましたりへこませたりすることではありません。胸腔と腹腔を隔てる横隔膜という筋肉が、肺に空気を入れることで下がります。 丹田というへその握りこぶし一つ下あたりを意識して上半身全体(特に背中の下あたり)が膨らむイメージです。

3)吸った空気を、ゆっくりゆっくり、ゆっくりと意識をもって息として吐き出しましょう。
→ポイント:お腹やのどなどに力や無理な圧力をかけないで、リラックスした状態で自然に身体の外に戻していくイメージです。

きよし Q:どうですか?
こたさん A:なんだか、気持ちも落ち着てきて、余裕が出てきたような。 自然に楽しくなり、気づいたら、呼吸に合わせて腕が勝手に動き表現しています。

出来るだけ「自然体で深呼吸をする」
無理なく、効率よく、たくさんの息を吸って吐くことを身につけましょう。 このことが管楽器を演奏することにとても重要です。

私たちは普段生活している時は何気なくほとんど意識しないで呼吸をしています。しかし、管楽器を演奏する時は、かなり意識して吸ったり吐いたりする呼吸をしなくてはなりません。
要するに「意識して自然体で呼吸(ブレス)をする」ことなのです。(ちょっと変な表現ですがわかってもらえますか?自然体については次の項目で)

(2)姿勢・フォーム(息の流れ)
次に、息の流れにから、正しい姿勢・フォームについて考えてみましょう。

きよし Q:肺に入った空気は、どのような経路を通って口から出されるのでしょうか?
こたさん A:えーと・・・ 肺→のど→口(の中)→唇→外 かな。

肺…ではなく、ハイ当たり!
では、のどについてお話します。

のどは食事の時には食べ物の通り道となり、呼吸の時には空気の通り道となります。この選択をしているのが喉頭(こうとう)です。喉頭は気管の入り口にあり、喉頭蓋(こうとうがい=喉頭のふた)や声帯(せいたい)をもっています。喉頭蓋や声帯は呼吸をしているときには開いていて、物をのみこむときにはかたく閉じて食物が喉頭や気管へ入いらないように防いでいます。また、声帯は、発声のときには適度な強さで閉じて、吐く息によって振動しながら声を出します。すなわち、喉頭には、呼吸をする、物をのみこむ、声を出す(発声)という働きがあります。

管楽器を演奏する時は、発声時の声帯が閉まっていないように、いわゆる「のどに力を入れずにリラックスして」と指導されます。

この肺→気管→声帯→咽頭→口腔(口の中)→唇→マウスピース→楽器というような流れとなり、連続して効率よく流れるようにしましょう。そのためには、息の流れを妨げないようなリラックスした「フォーム・姿勢」をとるが大切です。

(日本耳鼻咽喉科学会HPより引用)

管楽器では、呼吸で得られた息の流れを使い、金管楽器は唇を振動させる、リード楽器はリードを振動させることにより、「波」が発生して音が出ます。

やったー! 音が鳴ったぞー!
 
次回は管楽器の音を出すことについて考えよう。 
~吸って吐いて、振動して音が鳴る(その2)です。

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